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番外編Ⅲ ☆結婚するつもりない②
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『……ていうか俺、瑞希ちゃんと結婚するつもりないんだけど』
完全にはっきりと部屋から聞こえた声に、瑞希は呆然とした。
別に瑞希だって、まだ結婚なんて考えてもいなかった。しかしこうもはっきりと結婚するつもりない、と言われてしまうと、かなりショックだ。
結婚するつもりない……ならどんなつもり?
「ハ、ハナ姐さん……?」
真っ青な顔をしている瑞希に、弦人の部屋まで案内してくれた舎弟の若い男子がオロオロしている。
「あ、ごめんね。大丈夫だから」
慌てて瑞希はにっこりした。
「瑞希ちゃん~久しぶりー!ずっと忙しくて会えなくて寂しかったよー」
弦人は瑞希が部屋に入ってくるなり、ニコニコと笑いながら抱きしめてくる。
瑞希の頭に頬ずりしながら甘やかすように優しい声でたずねた。
「おなかすいたね。何食べたい?お酒飲む?」
「えっと」
「一応予約してるお店あるんだけど、そこでいいかな?」
「あ、はい」
「どうしたの?なんだか顔色悪いけど。具合悪い?」
弦人がそう言って覗き込んできたので、慌てて瑞希は顔を反らした。
「いや、大丈夫です。行きましょう」
にっこりと瑞希は微笑んでみせて、弦人の腕をしっかりと掴んだ。
※※※※
「ってことがあったんだけど、どう思います?」
「あのね、ハナちゃん?何でそんな事あたしに相談するわけ?」
嫌そうな顔をするのはセイラだ。
「あたしが社長の事好きなの知っててそんな相談してくるの、どうしいう神経してるのぉ?」
「ご、ごめんね」
「謝らないでよ。さらに腹が立つ」
そういいながら、セイラはビールを一気飲みする。
「あれじゃない?ヤクザの姐さんの資質がないとか?」
「まあ、資質は……よくわかんないです。最近弦人さんのお家お邪魔して、若い人たちと一緒に楽しくご飯作ったりしてるんですが、それじゃやっぱりダメなんですかね」
「ちゃっかり黒部家に馴染んでやがる……むかつく。てか、相当それはポイント高いでしょ。ほぼ内縁じゃん。……ってことは……あれだな。性生活だ!」
「せ、性!!」
瑞希は真っ赤になりながらも考え込んだ。
「確かに、私弦人さんに可愛がられているだけで何もできてない……っていうか、何かしようとすると拘束されて……」
「あーあー、ラブラブ変態プレイの話は聞きたくないでーす」
セイラは耳を防ぎながら不貞腐れた。
「てか、何であたしハナちゃんとこんな話しなきゃだめなわけ?」
「お言葉ですが、今日誘ってくれたのは、セイラさんじゃないですか」
瑞希は少しだけ口を尖らせて抗議する。
セイラはバツが悪そうな顔になって、再度不貞腐れたように言った。
「一応!一応さ、なんていうか?ちょっといじわるしそうになっちゃったし……ちょっと謝ろうかなって思ってさ。 それに、社長からの叱咤っていうか禊も最小限で済んだわけだからさ。
……だって、ハナちゃんが許さないって言えば、あたし、安月給でクソ客大量に取らされる底辺ソープに移籍になってたかもしんないし。それかヤバい性癖の変態オヤジに売られてたかもしれない」
「いやまさか」
「いや、マジだからね。ま、あたしみたいな稼げる人気嬢をうちの店が手放すとは思いたく無いけど……でも社長命令ってなったらね」
セイラは肩をすくめる。
セイラの言葉に、瑞希は少し考え込んだ。
「セイラさんって、人気嬢なんですか?」
「ふふん、売り上げ圧倒的ナンバーワンよ」
「じ、じゃあその……テ、テクニックとかもその、凄いんですか?」
瑞希の問いに、セイラはニヤーっと笑った。
「何?もしかしてあたしのテク興味あるのぉ?」
「いや、その……ちょっとだけ」
「んふふ。私のテクをハナちゃんに伝授して、それで社長満足させるのも一興かなぁ。よし、いいよ。教えてあげるよぉ。今から店行くよ」
「今から!?」
瑞希は急に立ち上がったセイラに慌ててついていく。
「店なら色々あるしねぇ。ほら、行こ行こ」
完全に面白がっているセイラに引きづられるように瑞希は店を出る羽目になった。
完全にはっきりと部屋から聞こえた声に、瑞希は呆然とした。
別に瑞希だって、まだ結婚なんて考えてもいなかった。しかしこうもはっきりと結婚するつもりない、と言われてしまうと、かなりショックだ。
結婚するつもりない……ならどんなつもり?
「ハ、ハナ姐さん……?」
真っ青な顔をしている瑞希に、弦人の部屋まで案内してくれた舎弟の若い男子がオロオロしている。
「あ、ごめんね。大丈夫だから」
慌てて瑞希はにっこりした。
「瑞希ちゃん~久しぶりー!ずっと忙しくて会えなくて寂しかったよー」
弦人は瑞希が部屋に入ってくるなり、ニコニコと笑いながら抱きしめてくる。
瑞希の頭に頬ずりしながら甘やかすように優しい声でたずねた。
「おなかすいたね。何食べたい?お酒飲む?」
「えっと」
「一応予約してるお店あるんだけど、そこでいいかな?」
「あ、はい」
「どうしたの?なんだか顔色悪いけど。具合悪い?」
弦人がそう言って覗き込んできたので、慌てて瑞希は顔を反らした。
「いや、大丈夫です。行きましょう」
にっこりと瑞希は微笑んでみせて、弦人の腕をしっかりと掴んだ。
※※※※
「ってことがあったんだけど、どう思います?」
「あのね、ハナちゃん?何でそんな事あたしに相談するわけ?」
嫌そうな顔をするのはセイラだ。
「あたしが社長の事好きなの知っててそんな相談してくるの、どうしいう神経してるのぉ?」
「ご、ごめんね」
「謝らないでよ。さらに腹が立つ」
そういいながら、セイラはビールを一気飲みする。
「あれじゃない?ヤクザの姐さんの資質がないとか?」
「まあ、資質は……よくわかんないです。最近弦人さんのお家お邪魔して、若い人たちと一緒に楽しくご飯作ったりしてるんですが、それじゃやっぱりダメなんですかね」
「ちゃっかり黒部家に馴染んでやがる……むかつく。てか、相当それはポイント高いでしょ。ほぼ内縁じゃん。……ってことは……あれだな。性生活だ!」
「せ、性!!」
瑞希は真っ赤になりながらも考え込んだ。
「確かに、私弦人さんに可愛がられているだけで何もできてない……っていうか、何かしようとすると拘束されて……」
「あーあー、ラブラブ変態プレイの話は聞きたくないでーす」
セイラは耳を防ぎながら不貞腐れた。
「てか、何であたしハナちゃんとこんな話しなきゃだめなわけ?」
「お言葉ですが、今日誘ってくれたのは、セイラさんじゃないですか」
瑞希は少しだけ口を尖らせて抗議する。
セイラはバツが悪そうな顔になって、再度不貞腐れたように言った。
「一応!一応さ、なんていうか?ちょっといじわるしそうになっちゃったし……ちょっと謝ろうかなって思ってさ。 それに、社長からの叱咤っていうか禊も最小限で済んだわけだからさ。
……だって、ハナちゃんが許さないって言えば、あたし、安月給でクソ客大量に取らされる底辺ソープに移籍になってたかもしんないし。それかヤバい性癖の変態オヤジに売られてたかもしれない」
「いやまさか」
「いや、マジだからね。ま、あたしみたいな稼げる人気嬢をうちの店が手放すとは思いたく無いけど……でも社長命令ってなったらね」
セイラは肩をすくめる。
セイラの言葉に、瑞希は少し考え込んだ。
「セイラさんって、人気嬢なんですか?」
「ふふん、売り上げ圧倒的ナンバーワンよ」
「じ、じゃあその……テ、テクニックとかもその、凄いんですか?」
瑞希の問いに、セイラはニヤーっと笑った。
「何?もしかしてあたしのテク興味あるのぉ?」
「いや、その……ちょっとだけ」
「んふふ。私のテクをハナちゃんに伝授して、それで社長満足させるのも一興かなぁ。よし、いいよ。教えてあげるよぉ。今から店行くよ」
「今から!?」
瑞希は急に立ち上がったセイラに慌ててついていく。
「店なら色々あるしねぇ。ほら、行こ行こ」
完全に面白がっているセイラに引きづられるように瑞希は店を出る羽目になった。
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