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番外編Ⅲ ☆結婚するつもりない③
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「おう、セイラ。今日休みじゃなかったか。まあ飛び入りで客取ってきてもいいぞ」
セイラの勤務するソープ、マシュマロキャンディ。
ここで弦人を刺そうとしたのを思い出して、我ながら無鉄砲だったな、と瑞希は自分に呆れた。
マシュマロキャンディの店長に、セイラは甘え声で言った。
「てんちょー、ちょっと今日は閑散期だし、空き部屋あるよね?貸してよー」
「あん?何に使うんだよ」
「幼気な女のコに、私のテクを伝授してあげるのー」
セイラの言葉に、店長は瑞希を不躾にまじまじと見つめた。
「何だ?その女、体験入店か?」
店長は、瑞希の事は覚えていないらしい。瑞希は顔を赤くして下を向いた。
「ふうん、ウブなのもいいな。セイラ、俺が直々にこの女に指導してやるよ」
店長が言うので、セイラは嫌そうな顔をした。
「嫌だぁ。店長全然ちゃんと指導しないじゃん。悪い事言わないよぉ。この子に変なことしたら、命に関わるよ」
「へ、なんだ、組長の愛人か何かか?」
店長は、セイラの言葉を冗談だと捉えているようだ。
「まあいい。適当に使え。使用料はセイラの給与から引いとくからな」
「うえっ!守銭奴!」
セイラは、店長に向かって、べーっと舌を出す。
「ま、いいや。ハナちゃん、おいでこっち」
セイラに案内されて、妙に小綺麗な小さな部屋に案内された。
「こちら、トーク部屋なんだけどぉ。あ、ほら、色々玩具あるから見てみてー」
そう言ってセイラが取り出した玩具は、あまり経験豊富ではない瑞希にとっては刺激が強すぎた。
「あー、うー」
変な相槌で誤魔化す瑞希に、セイラは苦笑いした。
「これ使って練習しようと思ってたけど、やっぱりハナちゃんみたいなウブッ子にはだめかな?」
「……あ。でもせっかくセイラさんが教えてくれるので」
「別に、無理しなくてもいいよ。ま、適当に座って」
そう言ってセイラは瑞希を椅子に座らせる。
「酔っ払った勢いで思わず連れてきちゃったけどさ、冷静に考えたらハナちゃんに変な事教え込んだら、かえって社長に怒られるかもしれないしね」
「そんな事は……」
「あるよ。社長は今のままのハナちゃんが好きなんだもん。悔しいけど分かるよ。だってあたし社長の事好きだから分かるもん」
そう言い切るセイラさんの目を、瑞希はじっと見つめた。
「ね、ハナちゃんは社長の何がいいの?皆社長の事情けないとか、男としてナシとか言ってるけど。やっぱり優しいから?」
セイラは、大人の玩具をしまい、ポケットからタバコを取り出しながら、静かにたずねた。
瑞希は、少し考えてからゆっくりと口を開いた。
「あの人、私が死にたいって言った時、ちゃんと殺してあげるって言ってくれたんです」
瑞希の言葉に、セイラはタバコを咥える手を止めた。
瑞希は続けた。
「あと、私の膿を出し切ってくれたんです。その上でデロデロに甘やかしてくれるんです。だから信じれるんです」
「ふうん」
セイラは少し笑った。
「見る目あるじゃん。あ、ハナちゃんもタバコいる?」
「いえ、私は……」
瑞希がセイラからのタバコを断った時だった。
個室のドアが思いっきり開いた。マシュマロキャンディの店長がニヤリと笑いながら入ってきた。
「セイラ、客だ」
「はあ?私今日休みだけど」
「セイラが店来てるって連絡したら、常連さん何人か来たんだよ」
「何で勝手に連絡してるのぉ!?」
「ほら、客待たせんなよ」
「いや、だって」
セイラが瑞希を見て慌てる。
店長はニヤニヤしながら言った。
「体験入店の子は俺に任せとけって。ちゃんと教えてやるから」
「いや、だから体験入店の子じゃ無いんだってば!」
「あ、あの、邪魔でしたら帰りますけど……あの、セイラさんも一緒に……」
瑞希も慌てて言う。なんだか雰囲気が悪いようだ。
しかし店長は、瑞希の腕をがっしりと捕まえるように掴んだ。
「ここまで来てやめますはねえぜ、嬢ちゃん、あのなぁ、ここはヤクザの経営する店なんだぜ。あんまりワガママ言うと、怖いお兄さんに死ぬより怖い目に合わされるぜ」
「い、嫌……」
「駄目だってば!!ねえ!」
店長が瑞希を無理やり部屋から引きずり出そうとした時だった。
セイラの勤務するソープ、マシュマロキャンディ。
ここで弦人を刺そうとしたのを思い出して、我ながら無鉄砲だったな、と瑞希は自分に呆れた。
マシュマロキャンディの店長に、セイラは甘え声で言った。
「てんちょー、ちょっと今日は閑散期だし、空き部屋あるよね?貸してよー」
「あん?何に使うんだよ」
「幼気な女のコに、私のテクを伝授してあげるのー」
セイラの言葉に、店長は瑞希を不躾にまじまじと見つめた。
「何だ?その女、体験入店か?」
店長は、瑞希の事は覚えていないらしい。瑞希は顔を赤くして下を向いた。
「ふうん、ウブなのもいいな。セイラ、俺が直々にこの女に指導してやるよ」
店長が言うので、セイラは嫌そうな顔をした。
「嫌だぁ。店長全然ちゃんと指導しないじゃん。悪い事言わないよぉ。この子に変なことしたら、命に関わるよ」
「へ、なんだ、組長の愛人か何かか?」
店長は、セイラの言葉を冗談だと捉えているようだ。
「まあいい。適当に使え。使用料はセイラの給与から引いとくからな」
「うえっ!守銭奴!」
セイラは、店長に向かって、べーっと舌を出す。
「ま、いいや。ハナちゃん、おいでこっち」
セイラに案内されて、妙に小綺麗な小さな部屋に案内された。
「こちら、トーク部屋なんだけどぉ。あ、ほら、色々玩具あるから見てみてー」
そう言ってセイラが取り出した玩具は、あまり経験豊富ではない瑞希にとっては刺激が強すぎた。
「あー、うー」
変な相槌で誤魔化す瑞希に、セイラは苦笑いした。
「これ使って練習しようと思ってたけど、やっぱりハナちゃんみたいなウブッ子にはだめかな?」
「……あ。でもせっかくセイラさんが教えてくれるので」
「別に、無理しなくてもいいよ。ま、適当に座って」
そう言ってセイラは瑞希を椅子に座らせる。
「酔っ払った勢いで思わず連れてきちゃったけどさ、冷静に考えたらハナちゃんに変な事教え込んだら、かえって社長に怒られるかもしれないしね」
「そんな事は……」
「あるよ。社長は今のままのハナちゃんが好きなんだもん。悔しいけど分かるよ。だってあたし社長の事好きだから分かるもん」
そう言い切るセイラさんの目を、瑞希はじっと見つめた。
「ね、ハナちゃんは社長の何がいいの?皆社長の事情けないとか、男としてナシとか言ってるけど。やっぱり優しいから?」
セイラは、大人の玩具をしまい、ポケットからタバコを取り出しながら、静かにたずねた。
瑞希は、少し考えてからゆっくりと口を開いた。
「あの人、私が死にたいって言った時、ちゃんと殺してあげるって言ってくれたんです」
瑞希の言葉に、セイラはタバコを咥える手を止めた。
瑞希は続けた。
「あと、私の膿を出し切ってくれたんです。その上でデロデロに甘やかしてくれるんです。だから信じれるんです」
「ふうん」
セイラは少し笑った。
「見る目あるじゃん。あ、ハナちゃんもタバコいる?」
「いえ、私は……」
瑞希がセイラからのタバコを断った時だった。
個室のドアが思いっきり開いた。マシュマロキャンディの店長がニヤリと笑いながら入ってきた。
「セイラ、客だ」
「はあ?私今日休みだけど」
「セイラが店来てるって連絡したら、常連さん何人か来たんだよ」
「何で勝手に連絡してるのぉ!?」
「ほら、客待たせんなよ」
「いや、だって」
セイラが瑞希を見て慌てる。
店長はニヤニヤしながら言った。
「体験入店の子は俺に任せとけって。ちゃんと教えてやるから」
「いや、だから体験入店の子じゃ無いんだってば!」
「あ、あの、邪魔でしたら帰りますけど……あの、セイラさんも一緒に……」
瑞希も慌てて言う。なんだか雰囲気が悪いようだ。
しかし店長は、瑞希の腕をがっしりと捕まえるように掴んだ。
「ここまで来てやめますはねえぜ、嬢ちゃん、あのなぁ、ここはヤクザの経営する店なんだぜ。あんまりワガママ言うと、怖いお兄さんに死ぬより怖い目に合わされるぜ」
「い、嫌……」
「駄目だってば!!ねえ!」
店長が瑞希を無理やり部屋から引きずり出そうとした時だった。
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