お花畑な人達には付き合いきれません!

ハク

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3話

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今もまだ殿下2人による口論が続き、置いてけぼりなその他大勢。

よし帰りましょう。

シャーロットが踵を返そうとしたがそれを阻む何か。

「シャル何処に行くのですか?話はまだ終わっていませんよ?」

エドウィンはシャーロットを後ろから抱きしめる形で阻止する。2人の身長は頭2つ分ほど差があり小柄なシャーロットはエドウィンの腕の中にすっぽりと収まる形となった。

「いえ、私はもう話すことはありませんわ。ついでに言うなら、ここにもう用はありません。私の役目は終わりましたの。ですからこの腕輪も外していただけませんか?」

そう言って左腕についているシンプルな腕輪を差し出す。

これが全ての元凶。シャーロットをこの国に縛り付け、苦しませ続けた理由。
腕輪は魔道具の1種で、王族の中でも高い魔力保持者出ないと外れない仕組みになっている。だから、いくら王族でも、基準値に満たない魔力保持者は外せない。因みに、パトリックは外せない。

「あぁ、もちろんですよ。やっとこの忌々しいものから貴女を解放することが出来ます。それと、僕のお願いも聞いていただけませんか?」

「私にできることでしたら。」

長年の苦しみからの解放と、エドウィンに対する信頼から、シャーロットはあまり考えずに承諾した。

「では、大丈夫ですね。シャーロット嬢、僕と結婚してください。」

エドウィンは腕輪を外し終えるとシャーロットと向き合い、跪き、そして手の甲に口付けをした。

シャーロットはこの状況に驚き目を見開く。

「で、で、殿下!?正気ですか!?」

あまりにも衝撃的すぎて声が裏返ってしまった。
シャーロットの慌てふためく姿を愛おしそうに目を細めるエドウィン。

「ふふ、僕は至って真面目ですよ。それに、昔のようにエドと呼んでください。僕はこのことだけに生きてきました。シャルと添い遂げられないのなら生きる意味はありません。」

先程までの笑顔は無く、その瞳は、シャーロットだけを見つめている。

「シャーロット!貴様、仮にも私の婚約者でありながらエドウィンと関係を持っていたのか!?」

「そうですよ!パトリック様がいながら酷いです!」

今まで蚊帳の外だったのが気に入らなかったのか、ここぞとばかりに話に割り込んできた。

それ、貴方たちが言いますか。婚約者がいながら不貞を働いていたのはどちらですか。それに、今思い出しました。カトリーヌという名前は確か、色々な殿方に媚びを売り、他の令嬢から煙たがられていた方ですわ。毎日が忙しすぎて、忘れていました。

「貴方がたと一緒にしないでください。それと、人が口説いている最中に邪魔しないで貰えますか。」

邪魔をされ怒りを露わにするエドウィン。
一気に室内の温度が下がる。それもそのはず。エドウィンは水属性の上級魔法である氷魔法が使える。氷魔法を使える者は珍しく、この国ではエドウィンを含めた5人しか使えない。

魔法は感情に左右されやすく、エドウィンから漏れ出た魔力が冷気に変わりエドウィンを中心に周りを凍らす。

「殿下、周りの方が凍えていますわ。魔力を閉まってください。」

エドウィンは何か言いたげにジーッとシャーロットを見つめる。

「はー、エド寒いわ。」

取り繕うことをやめたシャーロット。それに満足したのか、エドウィンは満面の笑みを浮かべる。

「すみませんシャル。あまりにも腹が立ったので。ところで、まだ返事を聞かせてもらってないのですが?」

「まず、私は婚約破棄されたとはいえ、書類上ではまだ婚約者はパトリック殿下よ。あの陛下が婚約破棄を認めてくださると思う?腕輪を外してもらった今、幽閉される前にこの国から出るわ。」

「そのことなら大丈夫。さっきまでその事についておど…きょうは…話し合ってきましたから。ついでに書類も燃やしてきました。」

そんな良い笑顔されましても…
でも、もう書類が無いのはいい誤算でした。

「それでもエドはこの国の第2王子でしょう?」

「それについては、籍を抜いてきました。言ったでしょう?シャルは僕の生きる意味だと。」

今まで見たことの無いような真っ黒い笑みを浮かべ、

「もう逃がしませんよ?」
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