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無能
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ギルドでは、さまざまな依頼が掲示板に貼り出されている。
主に街の治安に関わることやインフラ、つまり生活や産業の基盤に関わる依頼が多く貼り出されている。
それとは別に、魔物の討伐依頼。
こちらの目的は主に二つ。
一つは最初の治安に関わるものとも関係があるが、街に魔物が現れて被害が出るのを防ぐため。
この街ではゴブリン退治がそれにあたる。
もう一つは素材のための魔物狩り。
これらはひっくるめて狩りと言われているが、時には生捕りという依頼もある。
素材は大まかに骨や牙などのマテリアルと呼ばれるものと、魔石とに分けられる。
マテリアルは鉱石と組み合わせて武具が作られたりするが、魔石は様々な道具の付与効果のために使われる。
「たとえば、林によくいるスライムの魔石なんかは、ちょっとした回復効果をもつからポーションとして飲み物にされたりするのよ」
ただし、魔石からその力を取り出すには、かなりの時間を要するそうだ。
そして魔石の持つ力というのが、人の持つマナと同じであるとも考えられている。
「魔石は魔力の塊だけど、自分の魔力じゃない場合はエーテルが魔法を使うみたいに簡単にはいかないってこと?」
「んー……そう考えればいいのかな?
そう言われれば私も他人の魔力を操作したりはできないもんね。
でも杖の媒体にすると魔法が使いやすくなったりするわよ」
魔石を使った鋼は加工が難しいらしく、多くは棒状の杖のような形にされることが多いらしい。
うまく魔石が杖に馴染むことで、杖に魔力を流した時に自身との一体感が感じられるのだとエーテルは言う。
「ちなみにこの杖だけで、金貨三枚はするわね」
そして、魔道具と呼ばれるそれらはとても高価なものらしいのだ。
「お待たせしました。ソーマ様は魔力測定の部屋へお入りください」
説明もキリの良いところで、ギルドの受付に名前を呼ばれる。
エーテルと共に中に入ると、年老いた女性が水晶を前に座っている。
「よぅ来た……
ワシが測定師をやっておるババアじゃ……」
さすがにババアは名前ではないだろう。
白髪の測定師と名乗る女性が手を差し出すと、エーテルはそこに一枚の銀貨を置く。
魔力を測定するにもお金がかかるのだ。
「では、この水晶に手を置いてしばらくジッとしてなされ……」
ソーマの持つ魔力を、時間をかけて水晶に映し出すらしい。
仕組みはわからないが、魔石の持つ魔力を何かに溶け込ますような作業と一緒なのだろう。
それから30分は経った。
まだかまだかと思うのだが、ババ……測定師は何も語らない。
さらに30分が経ったが、やはりババアは何も語らない。
その頃になってエーテルも若干ソワソワし始めたのだ。
その様子から、そろそろ測定が終わるのだと思ったが、しかしさらに30分。
「うーーーむ……」
ババアがそれだけを言うと、またも黙ってしまう。
さすがのエーテルもおかしいと思ったのか、時折水晶を覗き込む。
そしてようやく……
「あかんわい。
この子には全くマナを感じん。
微塵にも、じゃ」
ババアの結論はこうだった。
ソーマには魔法の才能どころか、下級魔法を使う力すら無い。
そもそも人族ならばそんなことはありえないので、人ではない……可能性みたいなことも遠回しに言っていたようだった。
なんというか、きっと自分が転生者でありこの世界には元々存在しなかったということなのだろうか?
もしくは神の嫌がらせ?
期待しているなどと言って、その実、人を見て嘲笑っているのではないか。
何時間も待たされて出た結論がこれでは面白くもない。
色々な期待は目の前で崩れていき、ソーマは水晶に手をついたまま、しばらく放心状態であった。
主に街の治安に関わることやインフラ、つまり生活や産業の基盤に関わる依頼が多く貼り出されている。
それとは別に、魔物の討伐依頼。
こちらの目的は主に二つ。
一つは最初の治安に関わるものとも関係があるが、街に魔物が現れて被害が出るのを防ぐため。
この街ではゴブリン退治がそれにあたる。
もう一つは素材のための魔物狩り。
これらはひっくるめて狩りと言われているが、時には生捕りという依頼もある。
素材は大まかに骨や牙などのマテリアルと呼ばれるものと、魔石とに分けられる。
マテリアルは鉱石と組み合わせて武具が作られたりするが、魔石は様々な道具の付与効果のために使われる。
「たとえば、林によくいるスライムの魔石なんかは、ちょっとした回復効果をもつからポーションとして飲み物にされたりするのよ」
ただし、魔石からその力を取り出すには、かなりの時間を要するそうだ。
そして魔石の持つ力というのが、人の持つマナと同じであるとも考えられている。
「魔石は魔力の塊だけど、自分の魔力じゃない場合はエーテルが魔法を使うみたいに簡単にはいかないってこと?」
「んー……そう考えればいいのかな?
そう言われれば私も他人の魔力を操作したりはできないもんね。
でも杖の媒体にすると魔法が使いやすくなったりするわよ」
魔石を使った鋼は加工が難しいらしく、多くは棒状の杖のような形にされることが多いらしい。
うまく魔石が杖に馴染むことで、杖に魔力を流した時に自身との一体感が感じられるのだとエーテルは言う。
「ちなみにこの杖だけで、金貨三枚はするわね」
そして、魔道具と呼ばれるそれらはとても高価なものらしいのだ。
「お待たせしました。ソーマ様は魔力測定の部屋へお入りください」
説明もキリの良いところで、ギルドの受付に名前を呼ばれる。
エーテルと共に中に入ると、年老いた女性が水晶を前に座っている。
「よぅ来た……
ワシが測定師をやっておるババアじゃ……」
さすがにババアは名前ではないだろう。
白髪の測定師と名乗る女性が手を差し出すと、エーテルはそこに一枚の銀貨を置く。
魔力を測定するにもお金がかかるのだ。
「では、この水晶に手を置いてしばらくジッとしてなされ……」
ソーマの持つ魔力を、時間をかけて水晶に映し出すらしい。
仕組みはわからないが、魔石の持つ魔力を何かに溶け込ますような作業と一緒なのだろう。
それから30分は経った。
まだかまだかと思うのだが、ババ……測定師は何も語らない。
さらに30分が経ったが、やはりババアは何も語らない。
その頃になってエーテルも若干ソワソワし始めたのだ。
その様子から、そろそろ測定が終わるのだと思ったが、しかしさらに30分。
「うーーーむ……」
ババアがそれだけを言うと、またも黙ってしまう。
さすがのエーテルもおかしいと思ったのか、時折水晶を覗き込む。
そしてようやく……
「あかんわい。
この子には全くマナを感じん。
微塵にも、じゃ」
ババアの結論はこうだった。
ソーマには魔法の才能どころか、下級魔法を使う力すら無い。
そもそも人族ならばそんなことはありえないので、人ではない……可能性みたいなことも遠回しに言っていたようだった。
なんというか、きっと自分が転生者でありこの世界には元々存在しなかったということなのだろうか?
もしくは神の嫌がらせ?
期待しているなどと言って、その実、人を見て嘲笑っているのではないか。
何時間も待たされて出た結論がこれでは面白くもない。
色々な期待は目の前で崩れていき、ソーマは水晶に手をついたまま、しばらく放心状態であった。
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