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16巻
16-1
しおりを挟む第一章―――― 帝国へ
冬期休暇の間、故郷のベルン村で過ごした私――ドランは、久しぶりにガロア魔法学院の寮に戻ってきていた。
私は既に飛び級での卒業が確定しているので、残り三ヵ月は今後に活かす為の研究などをして自由に学生生活を謳歌するつもりだ。
そんな折、私はオリヴィエ学院長から呼び出しを受けた。
今まで数々の不測の事態に遭遇してきた私にとって、この手の呼び出しは慣れたものである。
早速、私は婚約者にして使い魔の二人――ラミアの美少女セリナ、バンパイアの元王女ドラミナ――と、リビングゴーレムの少女リネットを伴って学院長室に向かった。
しかし、そこで学院長と共に待っていたのは、意外な人物だった。
アークレスト王国王太子、スペリオン殿下である。
殿下が学院にいらした事も驚きだが、何よりもこの方から告げられた依頼の内容が私を困惑させた。
西の隣国、ロマル帝国のギスパール皇帝が崩御され、殿下は王国の弔問団の代表として帝国へ赴く運びとなった。その弔問団の護衛の一人として、私が抜擢されたのである。
考えようによっては、遠からず我がアークレスト王国と戦火を交えるであろうロマル帝国の内情を、この目で確かめる好機とも言えるが……
「殿下、弔問団に同行させていただくのは大変な名誉であります。しかし、セリナやドラミナ、リネット達を純人間種至上主義のロマル帝国に連れて行くのは、少々問題があると存じますが、どのようにお考えですか?」
私の懸念は正しく伝わったようで、殿下は真剣な表情でセリナ達の顔を見回してから、口を開いた。
先ほどから黙って話に耳を傾けている学院長もハイエルフである為、亜人に区別される。さて、彼女は殿下の返答にどれだけ関心を向けているのか。
「君の大切な女性達を表立って連れ出そうとは考えていないよ。こちらがどう言い繕っても、あちら側は悪い感情しか抱くまい。次期皇帝候補の一人、ライノスアート大公は亜人種に対して差別的だ。対抗馬のアステリア皇女は、大公と比べれば寛容とされるが、どこまでその風聞を信じて良いのか測りかねる。自らの勢力を整える為に大公とは正反対の主張をしているだけで、本心は別とも取れるからね。いざ皇帝の玉座に就いた時、これまでの主張を変えないとは誰にも保証出来ない」
ふむ、帝国の次代を担う二大巨頭の両方とも腹の内は黒い可能性あり、か。お隣の帝国は、私としては手を取り合うのが難しいな。
そうなると、次期皇帝の座を巡って国を二つに割る内乱だけでなく、これまで隷属していた亜人種社会の蜂起も加わった三つ巴の戦いになる可能性が高いようだ。
「ゴーレムのリネットであれば、君の傍にいても大丈夫だろう。逆にラミアのセリナやバンパイアのドラミナは、たとえ使い魔であっても表立っては連れて行けない。すまないが、護衛の馬車の中で待ってもらう事になる。二人に出番が回ってくるとしたら……それこそ、大公と皇女が帝都で配下の十二翼将を全力で戦わせるような真似をした時くらいだな」
「王国への牽制や取引の材料として、王太子である御身を保護の名目で拘束、監禁しようとする可能性もなくはないですね。ともすれば、殿下を皇女の婿あるいは大公の息の掛かった女性の婿に据えて、アークレスト王国の併呑を企む……などという話もあるのでは?」
「考え得る最も危惧すべき可能性の一つだな。そうなれば我が国としては下手に手を出せなくなる。大人しく静観するか、あるいは国を挙げての戦争を挑むか。まあ、私が戻らなくとも妹のフラウが居るし、いざとなれば私を切り捨てるまでの話だよ」
殿下は冗談めかして言ったが、その瞳は真剣な光を帯びていた。
「いずれにせよ、泥沼の戦争になって長引くのだけは避けたいものです。皇帝の首のすげ替えが定まらぬうちは、民草への負担はとどまるところを知らないでしょう。帝国の民が、ただ翻弄されるだけの弱者という立場に甘んじているだけならば、ですが」
無論、翻弄される立場だからこその強かさというものもある。
生き残る為に、落ち目になったそれまでの領主一族を殺し、新たな領主に恭順の意を示すくらいの事は、今も昔もそう珍しい話ではない。
我が国は帝国内部の反抗勢力にどこまで支援の手を伸ばしているのやら。目の前の殿下の表情からは、それを読み取れそうにない。
「少し話が逸れてしまったな。そんな事情の帝国にセリナやドラミナを連れて行こうとしているのは、二人が君と離れようとはしないだろうと、私なりに考えたからだ。それとまあ……護衛を頼む以上は長期間ガロアから離れてもらわなければならない。その間、君達を離れ離れにさせるのは酷だと思ったというのもある」
話題が男女の事だからか、少し照れくさそうに話す殿下の顔には、少年めいた潔癖さが見え隠れしている。
ふむん、どうやら本当に気を遣われたらしい。
「お気遣い、痛み入ります。では、セリナとドラミナは公式の記録には残さない員数外の人員として弔問団に加えるという理解でよろしいでしょうか?」
「ああ。狭苦しい思いをさせて申し訳ないが、耐えてほしい。それと、弔問団に合流した後、ドランには近衛騎士の一員に扮して、護衛の列に加わってもらいたい。服装や喪章など、一式はこちらで用意しよう」
「近衛ですか。騎士としては花形の役職ですね。仮とはいえ、私などを近衛騎士にしては、現役の近衛や王室の方々に問題視されるのでは?」
近衛の方が殿下の傍に居られるのは道理とはいえ、ついこの間まで農民だった騎爵なぞ、小間使いか何かに扮するものとばかり思っていたが。
思った以上に殿下は私を評価しているのか、それとも王国最強の魔法使い『アークウィッチ』メルルからの高評価を汲んでの事かな?
「ドランの身分を口にする者もいないではない。しかし、そもそも我がアークレスト王国の建国王からして平民の冒険者上がりであるし、君だってもう騎爵なのだ。言いくるめるのは難しくなかったさ」
「普通なら王宮の方々に名前を覚えていただいたと喜ぶべきなのでしょうが、どうも素直にそう出来ないところがありますね」
「はっきりそう口にするところは君の美徳だ。確かに、心の内ではまだ納得しきれていない者もいるだろう。特に近衛の若い者などはな。一言二言嫌味を言われるかもしれんが、そこは堪えてくれ。頼み事ばかりですまないが、よろしく頼む。君がベルン男爵、クリスティーナの下に就いた時には、私の方でいろいろと便宜を図っておくから」
魔法学院での先輩にあたるクリスティーナさんは、近々我がベルン村の領主になる予定だ。
ここで彼女の話を持ち出すとは……
ふうむ、自覚があるのかないのか、ちと腹黒いぞ、うちの王太子様。
「殿下、その報酬はずるいですよ。それでは私もやる気を出さざるを得ないではないですか」
「いや、すまないな。普通ならこんな話はしないのだが、どうも君が相手だとつい口が滑りやすくなってしまう。どうしてか気を緩めてしまうらしい。同世代の友人はいないではないが、君のようにあけすけにものを言う相手は希少だからかもしれないな」
そう言って、殿下は人好きのする笑顔を見せる。まったく、大した人誑しだわい。
「殿下のご友人方と同列に扱っていただけるとは、光栄の極みですな。では、私は近衛に扮装するとして、セリナとドラミナ達は如何いたしましょう? もし可能であれば、ドラミナの所有している馬車を使わせていただきたく存じます。馬達は全てスレイプニルですから、普通の馬に見えるよう偽装する必要はあるでしょうが、いざとなれば空を駆ける事も出来ます。殿下を連れて急ぎ王国に戻らねばならぬ事態が生じた時には、重宝するかと」
「スレイプニルか……。名高き戦神の愛馬を祖とする神馬の末裔を乗騎としているとは、そちらの方は本来なら使い魔などに収まるような素性ではないのだろうな」
殿下はヴェールで顔を隠しているドラミナにちらりと視線を送った。ドラミナは小さく会釈するきりで、口を開く事はない。
彼女に語るつもりがないと悟り、殿下はそれ以上深く追及しなかった。
ふむ、賢明な判断だ。
「とりあえず、馬車と馬の件は承諾した。私の方で弔問団に報せを送っておこう。改めて言うが、明後日の正午までには準備を整えて、王都に来てくれ」
それにしても、まだ皇帝崩御は世間に知れ渡っていないというのに、もう弔問団を派遣するとは、いささか早すぎる気がする。帝国が正式に公表するのを待ってから派遣するのが、通例だったと記憶しているが……
まるでロマル帝国の不意を衝くように――いや、そもそも不意を衝くのが目的なのだろうな。
皇帝崩御の報せを受けて動き出す者達に対して、情報を隠して少しでも時間を稼ぎたいという皇女や大公への嫌がらせか。
狙いがそれだけではないにしても、権謀術数蠢くとはまさにこの事かね。
私が胸の内で溜息を吐いていると、これまで沈黙を保っていた学院長が不意に口を開いた。
考えてみると、この方もなかなか複雑な立場だ。建国王の仲間であり、同時に王国東方に広がるエンテの森の最重要人物の一人なのだから、殿下であっても対応には慎重を要する。
「殿下、横から失礼いたします。ドラン、弔問団の護衛としてガロアを離れるのであれば、ディアドラを連れて行ってあげてはくれませんか?」
「ディアドラを? 連れて行けるのなら喜んでそうしますが、彼女には教師としての仕事があるのでは?」
私の恋人の一人である、黒薔薇の精のディアドラは、ガロア魔法学院で臨時講師を務めている。彼女自身、人前に姿を見せるのが稀な花の精であるのに加え、男女を問わず魅了する美貌と面倒見の良さから、生徒からの人気がある。彼女が長期不在となれば、寂しがる生徒は多そうだ――と思うのは、贔屓が過ぎるかな?
「その心配は無用です。もう引き継ぎは済んでいますし、彼女が受け持つ授業はもうありませんよ。セリナとドラミナが貴方と一緒なのに、自分だけ置いていかれたとあっては、ディアドラは大いに臍を曲げるでしょう。それに、彼女にとっても貴方達同様に見聞を広める良い機会になります。良い経験ばかりとは言えないでしょうが、それもまた経験というものです」
「そういう事でしたら、私としては問題ありません。殿下、さらに一人追加となっても支障はありませんか?」
「ディアドラというと、あの黒薔薇の精の女性だな。相分かった。確かに、彼女だけを置いていくのは不公平というものだ。一人くらいならどうとでもなるよ」
殿下が快く承諾してくださったので、弔問団の護衛にディアドラも加わる事となった。
「エンテの森側がロマル帝国の現状を知りたいと言って、無理にディアドラを同行させたという体で押し通していただくのがいいでしょう」
学院長の提案に従って、私と殿下も口裏を合わせる事にした。
エンテの森としては、これから本格的に交流を持つ相手であるアークレスト王国が戦争状態に突入するというのであれば、情報を得ようとするのは当然の話だ。
その後、殿下は弔問団の行動予定や、帝国の事情や作法などを私達に伝えてから、ガロアを後にした。
なんとも愉快な道中になりそうだが……さて、私がガロアを離れるにあたって飛びっ切りごねそうな子がまだ残っている。
……これが最後の難関か。
†
殿下と別れた私達は、すぐに出立の準備を整えた。
馴染みの学友達にも帝国行きの話を伝えねばならないが、殿下が弔問団団長としてロマル帝国へ赴く話はまだ口外を禁じられている。
仕方がないので、ただ二ヵ月ほどガロアを離れると誤魔化して伝える事にした。
他人の耳目を遠ざけられる、私印の浴場の休憩室に集まったのは、いつもの面子だ。
『氷花』ネルネシア、『金炎の君』フェニアさん、『白銀の姫騎士』クリスティーナさん、『破壊者』レニーアの〝ガロア四強〟。そこにネルネシアの大親友ファティマと、レニーアの唯一の友人、イリナが加わっている。
話を聞いた彼女達は、皆一様に寂しそうな表情を浮かべた。
「卒業前のこの時期に遠出しなきゃならないなんて、ドランも大変だねえ。長期休暇でもないのにお友達の顔が見られなくなるのは寂しいや。もちろん、長期休暇でも寂しいけどね~」
砂糖たっぷりのミルクティーを飲んでいたファティマが、のほほんとした口調で心情を吐露した。
私は飛び級試験に合格しているから、一年先輩のクリスティーナさんやフェニアさんと同じく、今年で卒業する。残り僅かな時間を共に過ごす事が出来なくなり、ファティマの顔には悲しみが色濃く浮かび上がっていた。
ファティマにこのような顔をさせてしまうとは……お怨み申し上げますぞ、殿下、そして崩御されたギスパール皇帝。
我ながらとんだ八つ当たりだと分かっているが、文句の一つも言わずにはいられない。そんな私の心境を、この場にいる皆なら理解してくれるだろう。
一方、ネルことネルネシアは、ファティマとは違った意味でこの帝国訪問を残念がっていた。
「はあ……。予定が狂った。ドランやクリスティーナ先輩が卒業するまでの間、濃密な試合をしておこうと思っていたのに。とても残念」
ネルにしては珍しく、はっきりと聞き取れるくらいの溜息を零した。その瞳に闘争の悦楽と高揚を得られぬ未来への失望が滲んでいる。
花の盛りを迎え、青春を謳歌する年頃の少女には少々物騒な嗜好だが、これこそが彼女の持ち味である。ふむむん。
「君らしい考えだな、ネル。ベルン村とガロアはそう遠くはないとはいえ、卒業した後は顔を合わせる機会が減ってしまうだろう。寂しいけれどね」
「分かっている。それに、私やファティマも卒業すれば、実家に戻るから、ますます会う機会が少なくなる。だからこそ、この時期にドラン達が学院を離れるのが、残念でならない」
彼女が私と試合が出来ない事に不満を抱いているのは明らかだが、同時に寂しがっているのも確かである。
一見すると感情が希薄に見えても、胸の内に激情を秘めたこの少女が示した友情に、私は――大仰かもしれないが――感動さえしていた。
しょんぼりとした様子のファティマとネルを慰めるように、フェニアさんは困り顔で二人に声をかける。
「ファティマさん、ネルネシアさん、そう悲観的になってばかりいては、可愛いお顔が台無しですわよ。確かに、今のように頻繁には会えなくなるでしょうが、社交界やら魔法学院卒業生の同窓会やら、お互いのお祝い事やらで、顔を合わせる機会はあるでしょう。それに、学生の時のように気軽にとは言えませんが、遊びに行く事だって出来ないわけではないでしょう? お互いを思いやる気持ちと、一緒に過ごした思い出さえ忘れなければ、私達の友情は永遠不滅、堅牢堅固、絶対無敵でしてよ」
言葉の選択に少し首を傾げるところはあったが、フェニアさんの仰る事はもっともである。そして何より、ありがたい言葉だった。
かつて〝ガロア四強は全員変人だ〟と、私に確信させたこの方も、根は善良で情に厚い方だ。得難い縁を結べたものだとしみじみ思う。
これから先、アークレスト王国周辺は波乱の時代を迎える事になるだろうが、それでもここにいる皆との縁が途切れはしないと私は信じている。
「うん、フェニア先輩の言う通りだね~。それにしても、クリスティーナ先輩はどうしてさっきからそんなにお顔をしかめているの~?」
ファティマが不思議そうな視線を向けた先には、冬季休暇を終えてアルマディア家から魔法学院に戻って来ていたクリスティーナさんがいた。
彼女は私達がガロアを離れると伝えた途端、苦虫を噛み潰したような顔で黙り込んでしまった。
せっかくの絶世の美女も、そんな表情では魅力が半減――とならないあたりは、流石クリスティーナさんである。
しかし、この様子だと私達に何かしら相談でもあったか?
「あ、ああ。実は冬季休暇の間、父上や兄上に領主としての今後の心構えなどを教授していただいたので、その成果の一端でも示したかったのだが……。これではベルン村赴任前にドラン達と綿密な打ち合わせは出来そうにないな。ううむ、二ヵ月近くも留守となると、残された時間は一ヵ月あるかないかくらいか。ドラン、どうしても断れない話なのか?」
切実な表情と声で訴えるクリスティーナさんを見て、私は胸が張り裂けそうな気持ちになった。
私とて、彼女と打ち合わせを重ねて、故郷の未来を輝かしいものにする為の時間を持ちたいに決まっている。
しかし、私はその心のうちとは異なる答えを口にしなければならなかった。せめて時期がもっとずれていれば……などと、どうしても思ってしまう。
「ああ。具体的には言えないが、そう簡単に断れないくらいには偉い方からの指名なのだよ。相手方も私の事情を把握はされているから、申し訳なさそうにしていた。きっと今回の事が終われば、多少なり報いてはくださるはずだ」
弔問団の護衛に人員を加えるとなれば、当然国王陛下や大臣方にも話が通っているだろう。農民出身の騎爵風情が覆すわけにはいかない。
私の返答を耳にしたクリスティーナさんは、傍目にも明らかなくらいにがっくりと肩を落として、失望と落胆を露わにする。
「すまない、クリスティーナさん。帰ってきたらたくさん構ってあげるから、許してほしい」
人一倍食いしん坊な彼女には、とりあえずは食べ物だな。
「いや、そんなに頭を下げないでくれ。私だって子供というわけではないのだ。故郷への想いが強い君が、それでも行かなければならないとなると、よほどの事なのだというくらいは分かる。ドラン達だけでなく、フェニアやファティマにも色々と相談に乗ってもらいたかったのだ。君がいない間は皆に付き合ってもらうとしよう。ネルネシア、ドランの代わりに私がいくらでも試合の相手をするから、話を聞かせてくれないか?」
「ん。でも、私に経営関係の話は無理。兵隊の動かし方とか、鍛え方とかならどんと聞いて」
実にネルらしい返答に、クリスティーナさんはようやく前向きな気分になったのか、微笑みを浮かべた。
一方でフェニアさんはというと、クリスティーナさんに頼られた事が嬉しかったらしく、にんまりと満面の笑みを浮かべて、愛用の扇をやたらパタパタ動かしている。この方のクリスティーナさん好きは変わらないな。
「おほほほ、私でよろしければ、いくらでも話し相手になりますわよ。それが出来るのも、生徒という立場だからこそ。この魔法学院を卒業すれば、ベルン男爵とフェニックス家の令嬢として接しなければならない機会が増えて、気軽に言葉を交わせなくなるでしょうから」
「そう、そうだな。立場の違いが付き合い方も変えるか……。寂しいものだ」
「ええ、本当に。ふふ、少し私らしくない、湿っぽい話になってしまいましたわね。ま! いずれにせよ、クリスティーナさんもドランさんも、栄達の道を進んでいる事には変わらないのですから、第一に喜ぶべきですわ。それにしてもレニーアさん、先程からずっと黙っていらっしゃいますけれど、どうかされまして? 失礼かもしれませんが、ドランさんと離れ離れになるのですから、もっと気分を害されるかと思っていましたのに」
フェニアさんが口にした通り、この場に同席しているレニーアは、口を貝のように固く閉ざし続けている。
この反応は私にも気掛かりなものだった。
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