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第六章 冷然たる儀式
Ⅰ
しおりを挟むその日サディアスは儀式の為の薄い衣を身に纏い、白宮の奥のある間に向かった。
王族を迎えるためだけに用意された広間は部屋の中央に玉座が置かれていた。サディアスは部屋の玉座に座る男の前で膝まづく。
「久しいな。サディアス」
男が口を開く。
「お目にかかれて光栄ですわ。殿下」
感情がこもらない声で答え声の主、ドロノワの手を取り、その手の指輪に口づけした。
王位継承者が公務や戦で国外に出る際は生命の危機を避けるために出来る限りの対策が取られる。癒しの力を持つ聖人がいる時代には、神聖力の授与も対策のうちのひとつだった。癒しの力は健康な者に注いでおけば病や怪我への保険になる。
今日はその儀式のために白宮に王位継承権二位の王子であるドロノワが招かれた。彼は数日後、外交のために隣国へ出立する予定だ。
「お前が男だったらよかったんだが」
密かに男色で名高い王子はサディアスの顎を乱暴にあげさせる。
「贅沢は言えないな」
早く儀式を終わらせようと、2人は口を合わせた。深く口づけしながらお互いに服をはだけさせる。
「さすが、淫欲の聖女。口づけだけで私の体を反応させるのはお前くらいだよ」
「殿下はもう少し練習なされては?」
聖女の生意気な口調に王子は喉を鳴らして笑う。
サディアスの手は、固さを持ち始めた王子の陰茎に手を伸ばすと刺激を与え始めた。初めは全体を撫でつけ、軽くしごく。完全に固くなったら次は自分の手のひらを舐め、滑りをよくしてから先端を転がすようにする。聖女の挑発的な目線にドロノワは口の端を上げる。
「まるで娼婦だな」
「そういう殿下は半可なようで」
聖女は再度膝まづくと肉棒を両手で包みこみ、舌で唾液をすり込むように舐めながら揉み込む。先端の穴を広げるようにしたかと思えば全体を舐め回す。半分ほど口に含むと飲み込むような動きで締め付けた。
王子はおもむろに聖女の頭を掴むと、遠慮なく根本まで咥えさせる。喉の奥が締まり、いい具合だ。
そのまま強引に出し入れすると聖女は涙を流しながらもそれに耐えている。それどころか、舌を使って刺激してきた。
予告もなく喉の奥に射精する。ドロノワは満足して息を深く吐く。残りをしごき出すように、もう何度か出し入れしてから解放すると聖女は倒れ込んだ。苦しそうに咳き込み、酸素を求めて喘いでいる。
「本当に女にしておくのは惜しい‥」
ドロノワは軽く乱れた髪をかき上げながら立ち上がり、残念そうに声をかけた。
*
聖女を固い床に押し倒す。
「自分のは準備してきたんだろうな」
「殿下を受け入れるのに準備など必要ありません」
股を開かせ、おもむろに指を2本挿し込む。サディアスが苦痛の声をあげる。
「なんだ、ならしてあるじゃないか。カガリか?」
指を引き抜き舐める。
「あいつはいい声で鳴きそうだ。今度貸してくれ」
そう言うと、サディアスが口をきく前に一気に肉棒を押し込む。いつも使う穴とは感じが違うがたまにはいい。間髪入れず腰を打ち付ける。聖女が跳ねて声をあげる。
「強引に、抱いても、悦ぶ、躰は、幸運か、不幸か、どっち、なんだろうな?」
抜き差しの間に声を掛けるがサディアスは強く目を瞑り喘ぐだけだ。足の付根を掴み腰を固定して体重をかけるように何度も打ち付ける。そして一番奥で果てた。
床に横たわり肩で息をする聖女を見下した。
「まだ終わってないぞ。何かあったときに神聖力が足りなかったら困るだろ」
愛液と精液が混ざり滴る肉棒をサディアスの眼前に差し出す。
聖女は震える口で大人しく奉仕する。竿を舐めあげ綺麗にすると口に咥えて全体を吸う。
棒に硬さが戻ると口から引き抜いた。
「後ろを向いて尻を出せ」
女は微かに震えながら従順に四つん這いになる。再び穴の中に収めると女の膣内が痙攣した。
「お前は、これが、好きだよな」
何度も先端を腹側の壁に押しつける。サディアスの穴からは、先程注いだ体液が泡立ちながら溢れてくる。それを掻き出すように棒を出し入れする。
背中を舐め、胸に手を伸ばすと先端をつねった。女が盛大に達し、中も大きく収縮した。構わず腰を振り続ける。尻と腰がぶつかる音が広間に反響して耳が心地良い。
聖女じゃなければ子を作るための道具として近くに置いてもよかったかもな。そんなことを考えながらもう一度果てた。
*
一息つくと転がる床に散らばっていた服を着、上着を羽織って儀式の間をでた。
広間の外にはサディアスの従者、カガリが待ち構えていた。一瞬目が合うと従者は礼をする。
「そう威嚇するな」
従者の肩に気安く手を置く。
「そうそう。私へ儀式をしないように神殿に働きかけても無駄だぞ」
カガリの耳元に顔を寄せた。
「聖女を使いたくないなら、お前の体に神聖力を満たして献上するんだな」
わずかに表情を変えた従者の肩を叩くと薄笑いを浮かべ、その場を後にした。
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