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設立編
—第7章:マリアの正義1
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ヴェルヴェットは困惑していた。
風呂に入るよう促された先の風呂場は、まるで浴場のような広さだった。驚くべきはその広さだけでなく、二人の使用人の女性が風呂に入るのを手伝ってくれていることだった。
風呂場について扉が閉まると、自分の鎧や髪から漂う匂いに、端正な顔立ちの使用人たちがわずかに眉をひそめるのが見えた。その瞬間、相当な匂いなのだろうと察する。彼女たちに迷惑をかけたくなくて、自分で服を脱ぐと申し出たが、「それはできません」と言わんばかりに意を決した様子で鎧や服を脱がせかかってきた。
抵抗もせずに脱がされていく。こういうことをされたことがなく、むしろ面倒だと感じるのだが、彼女たちは当たり前のように行うので一々断るのも気が引ける。今日は色々なことがあって既に疲れていることもあり、されるがままに衣服を脱がされ、風呂場でシャワーをかけられ、体を隅々まで洗われていった。
最初に眉をひそめていた彼女たちも、体を洗っていくうちに少しずつ表情が和らいでいくのがわかる。
というか、やたら顔を見られているような気がするが、気まずいので気づかないふりをする。
一通り体を洗ってもらった後、湯船に浸かる。使用人たちは一礼をして、「出た後の準備をいたします」と言い残して風呂場をあとにした。
ここ数日、ろくに体も洗えず、返り血が付いたときもある程度拭っただけで完全に落ちきっていなかったことを考えると、なんともありがたい気持ちだ。
風呂はとてもいい香りがする。何か香料でも入れているのだろうか、これが貴族の風呂というものか。
「あぁ……気持ちいい」
思わずため息交じりの感想が漏れる。思えば、この数日間で本当に色々なことがあった。
傭兵として聖王国の防衛に就いていたが、悪魔が城内に入り込み、それを追いかけている間に上の床が崩れ、瓦礫に潰されて死にかけた。そして、マリアと融合し、聖王国を追放され逃亡の末、大貴族のテクノバーグ家を助けてここに招待された……。
今ようやくリラックスでき、少し冷静に物事を考えられるようになった気がする。
「ねぇ、マリア、あんたは聖王国で偉い人だったの?」
唐突な質問だが、マリアの魔法を思い出すと、ただの回復魔法や攻撃魔法の範疇を超えた何かがある気がしてならなかった。
—偉い、と言うと少し語弊がありますが、私は聖女マリア=マグダレナとして正義の名の下にやるべきことをおこなっていたまでです。
「聖女ってこの間も言ってたけど、本当に聖女なの?からかってるんじゃなくて?」
—はい、本当です。この間は信じてもらえてなかったのですね…
元々いた国、セレスティア聖王国は王を中心とした国家で、そこには騎士団と神官団という二大勢力が存在していた。聖女とはその神官団の中のトップではなかったか?
「つまり、神官団のトップってこと……?」
—国の運営には様々な役割があるので、一概にトップと言うのは語弊がありますが、祭事などの役割においてはそう言えるかもしれません。
驚いたものの、どこか納得もした。やはりあの魔法は特別だったのだ。しかし、そうなると新たな疑問が湧いてくる。
「なぜ一人で戦ってたの?神官団はあんたがいなくて大丈夫なの?」
—この間はしっかり説明できていませんでしたが、私は一人で戦っていたわけではありません。騎士や神官たちも共にいましたが、全員が大悪魔ヘルマルクに殺されました。そして最後の一人で戦っていた時、ヘルマルクの上空からの一撃を受け、床が抜け落ちたのです。私がいなくなって大丈夫かという質問については…神官団の運営という面ではおそらく大丈夫でしょう。
少し間を置いて答えたマリアに気づく。
「それ以外に問題があるのか?」
込み入った事情があるようで、好奇心から聞き返した。
—ヘルマルクを倒した後、騎士や神官たちが部屋に入ってきて、一悶着あったことを覚えていますか?
神官団には聖女とは別に最高位神官という者がいますが、その中でも司祭の位にあるのが、あの時あなたと話していたヘイムダル司祭とロキ司祭です。
あの時、神官たちが何か話していた気がするが、内容が分からず理解できなかった。ただ、二人の顔はなんとなく覚えている。
—ヘイムダル司祭は私を信頼していましたが、ロキ司祭は派閥や権力に強い執着があり、ヘイムダル司祭と私の存在を疎ましく思っていたのです。だから、私が死んだことにしたかったのでしょう。
どこの世界にも汚い奴はいるものだ。神官と言っても所詮そんなものか、とため息をつき、申し訳ないと思いながらもはっきり言う。
「戻りたくても戻れないわ。あたしたちが殺人犯として指名手配されてるからね」
自分自身も戻れないことも意味するが、あたしは聖王国にそこまで未練はない。傭兵仲間はいるが、お互いにいつ死んでもおかしくない関係だし、金を稼ぐ手段として割り切っている。
「だから諦めることね。幸い、こっちでのつながりもできたし、しばらくはなんとか生き延びられそうだし」
自分で言って、はっとする。ずっとマリアと一つの体で生きていくのか?さすがにそれは勘弁してほしい。自由に好き勝手生きることが生きがいだ。誰かと一生一緒にいるなんてまっぴらごめんだ。すると、マリアが答えた。
—そうですね。ただ、聖王国に戻ることには、あなたにもメリットがあるのです。
心の中で考えたことが読まれているのかと驚く。そうであれば、軽率なことは考えられない。さらに、彼女と一緒にいるのはやっぱりごめんだと思う。
「あんた、あたしの心が……」
—読めます。そして、聖王国に戻るメリットについてですが、聖王国の宝物庫には、どんな病気や状態異常でも治すことができると言われる“世界樹の葉”が保管されています。
初耳の名前だ。そもそも、聖王国に宝物庫があること自体知らなかったが、言われてみればそんな場所があるのも不思議ではない。
そして何より、心を読まれていることに絶望する。
—世界樹の葉があれば、私たちは元に戻れるかもしれません。
「なに?本当か!?」
思わず湯船から飛び上がり問い返す。
—世界樹の葉は秘宝中の秘宝であり、どんな病も治せると言われています。さらには、死人すら蘇らせることができると。ですから、融合した私たちの体も元に戻せる可能性が高いのではないでしょうか。
もしその話が本当なら、元に戻れる可能性がある。死人を生き返らせるという話は聞いたことがない。まさに奇跡のようなアイテムだ。
風呂に入るよう促された先の風呂場は、まるで浴場のような広さだった。驚くべきはその広さだけでなく、二人の使用人の女性が風呂に入るのを手伝ってくれていることだった。
風呂場について扉が閉まると、自分の鎧や髪から漂う匂いに、端正な顔立ちの使用人たちがわずかに眉をひそめるのが見えた。その瞬間、相当な匂いなのだろうと察する。彼女たちに迷惑をかけたくなくて、自分で服を脱ぐと申し出たが、「それはできません」と言わんばかりに意を決した様子で鎧や服を脱がせかかってきた。
抵抗もせずに脱がされていく。こういうことをされたことがなく、むしろ面倒だと感じるのだが、彼女たちは当たり前のように行うので一々断るのも気が引ける。今日は色々なことがあって既に疲れていることもあり、されるがままに衣服を脱がされ、風呂場でシャワーをかけられ、体を隅々まで洗われていった。
最初に眉をひそめていた彼女たちも、体を洗っていくうちに少しずつ表情が和らいでいくのがわかる。
というか、やたら顔を見られているような気がするが、気まずいので気づかないふりをする。
一通り体を洗ってもらった後、湯船に浸かる。使用人たちは一礼をして、「出た後の準備をいたします」と言い残して風呂場をあとにした。
ここ数日、ろくに体も洗えず、返り血が付いたときもある程度拭っただけで完全に落ちきっていなかったことを考えると、なんともありがたい気持ちだ。
風呂はとてもいい香りがする。何か香料でも入れているのだろうか、これが貴族の風呂というものか。
「あぁ……気持ちいい」
思わずため息交じりの感想が漏れる。思えば、この数日間で本当に色々なことがあった。
傭兵として聖王国の防衛に就いていたが、悪魔が城内に入り込み、それを追いかけている間に上の床が崩れ、瓦礫に潰されて死にかけた。そして、マリアと融合し、聖王国を追放され逃亡の末、大貴族のテクノバーグ家を助けてここに招待された……。
今ようやくリラックスでき、少し冷静に物事を考えられるようになった気がする。
「ねぇ、マリア、あんたは聖王国で偉い人だったの?」
唐突な質問だが、マリアの魔法を思い出すと、ただの回復魔法や攻撃魔法の範疇を超えた何かがある気がしてならなかった。
—偉い、と言うと少し語弊がありますが、私は聖女マリア=マグダレナとして正義の名の下にやるべきことをおこなっていたまでです。
「聖女ってこの間も言ってたけど、本当に聖女なの?からかってるんじゃなくて?」
—はい、本当です。この間は信じてもらえてなかったのですね…
元々いた国、セレスティア聖王国は王を中心とした国家で、そこには騎士団と神官団という二大勢力が存在していた。聖女とはその神官団の中のトップではなかったか?
「つまり、神官団のトップってこと……?」
—国の運営には様々な役割があるので、一概にトップと言うのは語弊がありますが、祭事などの役割においてはそう言えるかもしれません。
驚いたものの、どこか納得もした。やはりあの魔法は特別だったのだ。しかし、そうなると新たな疑問が湧いてくる。
「なぜ一人で戦ってたの?神官団はあんたがいなくて大丈夫なの?」
—この間はしっかり説明できていませんでしたが、私は一人で戦っていたわけではありません。騎士や神官たちも共にいましたが、全員が大悪魔ヘルマルクに殺されました。そして最後の一人で戦っていた時、ヘルマルクの上空からの一撃を受け、床が抜け落ちたのです。私がいなくなって大丈夫かという質問については…神官団の運営という面ではおそらく大丈夫でしょう。
少し間を置いて答えたマリアに気づく。
「それ以外に問題があるのか?」
込み入った事情があるようで、好奇心から聞き返した。
—ヘルマルクを倒した後、騎士や神官たちが部屋に入ってきて、一悶着あったことを覚えていますか?
神官団には聖女とは別に最高位神官という者がいますが、その中でも司祭の位にあるのが、あの時あなたと話していたヘイムダル司祭とロキ司祭です。
あの時、神官たちが何か話していた気がするが、内容が分からず理解できなかった。ただ、二人の顔はなんとなく覚えている。
—ヘイムダル司祭は私を信頼していましたが、ロキ司祭は派閥や権力に強い執着があり、ヘイムダル司祭と私の存在を疎ましく思っていたのです。だから、私が死んだことにしたかったのでしょう。
どこの世界にも汚い奴はいるものだ。神官と言っても所詮そんなものか、とため息をつき、申し訳ないと思いながらもはっきり言う。
「戻りたくても戻れないわ。あたしたちが殺人犯として指名手配されてるからね」
自分自身も戻れないことも意味するが、あたしは聖王国にそこまで未練はない。傭兵仲間はいるが、お互いにいつ死んでもおかしくない関係だし、金を稼ぐ手段として割り切っている。
「だから諦めることね。幸い、こっちでのつながりもできたし、しばらくはなんとか生き延びられそうだし」
自分で言って、はっとする。ずっとマリアと一つの体で生きていくのか?さすがにそれは勘弁してほしい。自由に好き勝手生きることが生きがいだ。誰かと一生一緒にいるなんてまっぴらごめんだ。すると、マリアが答えた。
—そうですね。ただ、聖王国に戻ることには、あなたにもメリットがあるのです。
心の中で考えたことが読まれているのかと驚く。そうであれば、軽率なことは考えられない。さらに、彼女と一緒にいるのはやっぱりごめんだと思う。
「あんた、あたしの心が……」
—読めます。そして、聖王国に戻るメリットについてですが、聖王国の宝物庫には、どんな病気や状態異常でも治すことができると言われる“世界樹の葉”が保管されています。
初耳の名前だ。そもそも、聖王国に宝物庫があること自体知らなかったが、言われてみればそんな場所があるのも不思議ではない。
そして何より、心を読まれていることに絶望する。
—世界樹の葉があれば、私たちは元に戻れるかもしれません。
「なに?本当か!?」
思わず湯船から飛び上がり問い返す。
—世界樹の葉は秘宝中の秘宝であり、どんな病も治せると言われています。さらには、死人すら蘇らせることができると。ですから、融合した私たちの体も元に戻せる可能性が高いのではないでしょうか。
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