聖女は傭兵と融合して最強唯一の魔法剣士になって好き勝手に生きる

ブレイブ31

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設立編

—第17章:王との謁見

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昨日の打ち合わせ通りに下級悪魔たちをサクッと倒す。

いつも通り傭兵ギルドの調査員に見せるために待っていると、調査員がすごい勢いで走ってきた。

「ヴェルヴェットさん!至急、王城まで来るようにとの王命が来ています!」

「なんだ?!」

それを聞いて目を見開く。王城など行ったこともないし、関係も全くの無縁だ。まさかインチキしているのがバレたのだろうか。もしバレたらどうなる?何かの罪になるんだろうか。

—ついに罪を償う時が来ましたね。

さらっとマリアが言ってくる。

捕まったら融合しているマリアも捕まるということなのに、とてもすがすがしい感じの声だ。この後先考えない感じからして、本当にあの悪魔が嫌いなんだろう。

色々可能性を考えるが、考えたところで意味がないことを悟る。逃げたりすれば王命に背くことになり、極刑だろう。インチキがバレても極刑の可能性があるというだけの話だ。

もしそうなったら、魔法の力を駆使しておさらばしよう。国といってもまだ他にあるし、どうしようもなくなったらまた逃げればいいさ。

意を決して王命に従い、王城に向かっていった。

王城に到着すると、剣を預けて丸腰の状態で騎士に連れられて王の間に到着した。騎士たちが帯刀しているのに丸腰でいるのはなんとも落ち着かないが、部外者が王の前で帯刀するのも当然許されない。

王への謁見の手順もよくわからないが、マリアが熟知しているようで、全て指示を受けてそれに従い、片足をついて頭を垂れる。よく考えたらマリアに体を任せればよかったのではないかと、今更ながらに思う。

「頭を上げよ」と声がして王を見上げる。

リチャード・アストラル3世、メカストリア3代目国王だ。

彼の衣装は一面に輝く金色で、重厚な金糸が織り込まれたコートは、まるで光をまとったように煌めいている。腰から流れるコートの裾は床に広がり、その豪奢な生地には無数のギアや歯車の装飾が織り込まれており、彼の一歩ごとに微かに動いてまるで衣装全体が生きているかのようだった。

胸元には巨大な蒸気機関のエンブレムが鎮座し、内部では小さな歯車がゆっくりと回り続けている。そのエンブレムは国王の心臓と同調して動いているかのように見えた。

肩には金属製の肩当てが装着され、鋭い曲線を描くその形状は古代の甲冑を思わせつつも、どこか未来的な蒸気機械のデザインを融合させているかのようだ。

彼の背中には長大なマントが垂れ下がり、金と黒が混ざり合った色調が光と影のコントラストを演出している。マントの縁には精緻な銀の鎖が絡み合うように配置され、蒸気の国の高度な技術を象徴するギアがそれぞれの結び目に埋め込まれている。

だが、何より目を引くのは、国王の長いヒゲだ。真っ白な髭は顎から胸元まで流れるように伸び、その先端は職人の手によって細かく編み込まれ、金のリングで飾られている。その髭はまるで王国の歴史そのものを語るかのように優雅でありながらも力強く、彼の権威を一層際立たせていた。

王冠は頭上で輝き、その金色の縁には自動人形を模した精巧な彫刻が施されていた。

王は口を開く。

「ヴェルヴェット、お前をここに呼んだのは、ある痕跡の調査を行なってもらうためだ」

なんの調査だろうか。あたしはそういう頭を使うことが苦手だし、一番不向きだと思う。なぜ名指しの指名なのか理解できない。

「その痕跡の場所はここから北東にある森の頂上。報告によれば1ヶ月ほど前に閃光と共に強力な爆発が発生したとのことだ。

メカストリア、聖王国、魔王国のちょうど間の場所だ。光は聖王国の方角から発生したというが詳細は不明だ。聖王国の兵器の可能性もあるし、魔王国も絡んでいるかもしれない。

そこでだ、我が国は今回調査部隊を編成した。その殲滅部隊リーダーとして加わってもらいたい」

なにを言っているんだこの人は。リーダー?そんな事をしたことがない。それに殲滅部隊って何をさせる気だ?不安すぎる。

「魔王国にもある程度接近する必要がある。聖王国も油断ならないが、いきなり攻撃を仕掛けてくることはないだろう。しかし悪魔たちは別だ。見つければすぐに戦闘になるだろう。

そこで、有志により悪魔討伐に適した人材を聞いたのだ。するとほとんどの者から名前が挙がった。ヴェルヴェットだと。

最近傭兵ギルドに入った新人だが、悪魔の討伐数が桁違いだそうではないか。私もそれを聞いて、お前が適任だと判断した」

たしかに討伐数は圧倒的だ。だがそれはインチキしていたからだとは口が裂けても言えない。引きつった顔で「ありがとうございます」と力のない声で答える。

「他にもとてつもない力を見たという噂も聞いているが、これは確証のない噂でしかないし、ここは真偽を問う場でもない。なのでそれについては言及するつもりもない」

天使の具現化のことだろう。あのときは民や傭兵、騎士までもがいた。あれだけ多くの悪魔たちを一瞬で滅ぼしたのだ、噂になってしまうのも仕方がない。

「なに、殲滅部隊といってもどこかに攻め込めと言っているわけではない。調査チームの護衛と思ってくれて構わない。敵が出てこなければ基本的に何もすることはない。その場合でも恩賞はしっかりと出す」

ほほぉ、とヴェルヴェットは少し笑みをこぼす。国の、しかも王直々の依頼だ。報酬は相当のはずだ。

—あの、ヴェルヴェット、その場所に心当たりがあるのですが…。

マリアがひそひそとした声で言ってくる。それはちょうどいい。さすがに全く知らない場所に遠征するのは不安だ。やはりマリアは頭がいい、様々な地名を知っているのだなと少し安心する。

—いえ、そうではなくてですね…たぶん私たちが大悪魔ヘルマルクを滅ぼした際の痕跡です。

ヴェルヴェットの顔は凍りついた。
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