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設立編
—第37章:不穏な知らせ
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今、ベルフェゴールはなんといったのか?聖王国に侵攻している?誰が?
「おい、今なんて言ったんだ!」
レオンが怒鳴るように聞き返す。
「だから言っただろ、聖王国に悪魔の大軍が押し寄せてるってよ。ヘルマルクが倒されたんだ。悪魔にも面子というものがある。そう時間も立たないで侵攻するさ、逆になんで来ないと思っていたんだ?」
ベルフェゴールが大笑いをしている。
焦燥な顔つきのマリア。しかし心の中でマリアとあたしは「フフフ」と笑っていた。
思った以上に、理想の展開になった。しかしこんなことならベルフェゴールのところなどこないで自分の部屋でずっと酒でも飲んでごろごろしていればよかった。アモンは特に気にしていないような顔をしているが、レオンは明らかに動揺しているようだ。マリアがレオンに近づく。
「レオン、大丈夫。聖王国はとても強大な国です。たとえ悪魔の軍勢が攻めてきても、そう簡単に落ちる国ではありません」
どさくさに紛れて、ぎゅっと両手を握ってレオンを励ましている。
—ばか!敵から目を離すな!
マリアに忠告する。それに反応して、マリアはベルフェゴールに振り返る。
しかしその瞬間、ベルフェゴールの存在が希薄になる。いや、実際に体が徐々に透けていく。
「な!」
「あれは転移魔法か?こいつ、俺たちから逃げる気だぜ!」
アモンが逃がすものかと斧を構える。
「ははは、もう遅いわ!バカなやつらめ、さっきヘルマルクが倒されたって言っただろ?あれからずっと悪魔たちは厳戒態勢なんだよ。いくら俺が怠惰の悪魔って言っても、自分たちの国を滅ぼしかねない力を持ってるやつが来て、協力するわけがないだろう!」
ばれていた。融合したとは言ったがそれ以上の事は話していない、しかし超位神聖魔法が使えることはおそらくばれているのだろう。主従契約を交わさなければ殺すつもりだったのに、このままではまずい。
転移魔法なんて人間で使える人間は存在しない。悪魔は人間よりはるかに多様な魔法が使えるのか。しかし今はそんなことを考えている暇はない。
—マリア!
「ホーリースマイト」
片手を出してベルフェゴールに標準を合わせ、そしてホーリースマイトを放つ。巨大な光が直線上に放たれる。しかしその一瞬前に、完全にベルフェゴールの姿がかき消えたのを見た。
ものすごい音と光で家の半分が消し飛ぶ。直線上にえぐれた地面が地平線上まで届いていた。
「逃しましたね…」
マリアが残念そうに呟く。これは問題だ。マリアの話では単体の大悪魔には勝てるという話だった。だからこそベルフェゴールは戦わなかったのかもしれない。しかし相手に情報が漏れた以上、大悪魔単体ではもう戦えないだろう。次戦う時は大悪魔複数との戦闘になる。
そうなると本当に勝てるのかは予想がつかない。強い後悔の念が浮かぶ。
だが、しかしだ。体が戻ればマリアたちにそこらへんは全部任せてしまえばいい。なんだったら、安全な国へ逃亡してしまえばいいのだ。実はそれほど気にする必要はないのだ。
などと考えていたら、マリアも似たような考えに至ったのか。逃した当初と比べて顔は明るい。
「では、メカストリアに戻りましょうか」
そう言いつつ、ヴェルヴェットと意識を交代する。
「すぐにこのことを国に戻って伝えなければ!」
レオンが慌てて提案をするが、アモンが冷静に「もう攻められてるならメカストリアにも情報がいってるだろ?」と言われ、まぁ確かに、と少し冷静になる。
「どちらにせよメカストリアには戻るんだからいいでしょ。こんな陰気くさいところにいてもしょうがないし、もう帰るわよ」
そう言いつつ出口とは別の方向へ向かう。
「おい、何をやっているんだヴェルヴェット?」
不思議そうにアモンが後ろからついてきて聞いてくる。
「何してるって?お酒どっかにないのか探してるのよ。あんたたちも探しなさいよね」
「冷静すぎるだろ、お前」
アモンが呆れた様に言うが、先ほどのことを思い出したことがあり、ヴェルヴェットをじっと見て質問をする。
「ところでヴェルヴェット。さっきマリアが俺を差し出そうとしたろ?あのとき、あいつが途中で言うのを止めたと思うんだが、あのとき止めたのはお前だろ?なんて言ってくれたんだ?」
棚を探していたのをやめ、立ち上がってアモンに向き直る。
「ふん、別に。あんたはあたしの仲間だからね…そういうのは許さないって言っただけよ」
じっとアモンが見てくる、細かい心の中のやりとりまで聞かれると、なんか小っ恥ずかしいものを感じる。
「へー、お前俺のこと庇ってくれたってことか。そんなことあるんだな、まぁ助かったわ」
アモンが馴れ馴れしく肩を組んで抱き寄せてくる。どかっと力強い力だ。そして、身長が高いので妙に圧迫感がある。
「ちょっとあんた、馴れ馴れしいのよ。しかも重いって!」
抱き寄せてきた腕を振り解く。それを見たレオンが鬼の形相で走ってくるのを目の端で感じる。
そしてそのまま剣を抜こうとしたレオンの顔面にあたしの右ストレートが入った。
「おい、今なんて言ったんだ!」
レオンが怒鳴るように聞き返す。
「だから言っただろ、聖王国に悪魔の大軍が押し寄せてるってよ。ヘルマルクが倒されたんだ。悪魔にも面子というものがある。そう時間も立たないで侵攻するさ、逆になんで来ないと思っていたんだ?」
ベルフェゴールが大笑いをしている。
焦燥な顔つきのマリア。しかし心の中でマリアとあたしは「フフフ」と笑っていた。
思った以上に、理想の展開になった。しかしこんなことならベルフェゴールのところなどこないで自分の部屋でずっと酒でも飲んでごろごろしていればよかった。アモンは特に気にしていないような顔をしているが、レオンは明らかに動揺しているようだ。マリアがレオンに近づく。
「レオン、大丈夫。聖王国はとても強大な国です。たとえ悪魔の軍勢が攻めてきても、そう簡単に落ちる国ではありません」
どさくさに紛れて、ぎゅっと両手を握ってレオンを励ましている。
—ばか!敵から目を離すな!
マリアに忠告する。それに反応して、マリアはベルフェゴールに振り返る。
しかしその瞬間、ベルフェゴールの存在が希薄になる。いや、実際に体が徐々に透けていく。
「な!」
「あれは転移魔法か?こいつ、俺たちから逃げる気だぜ!」
アモンが逃がすものかと斧を構える。
「ははは、もう遅いわ!バカなやつらめ、さっきヘルマルクが倒されたって言っただろ?あれからずっと悪魔たちは厳戒態勢なんだよ。いくら俺が怠惰の悪魔って言っても、自分たちの国を滅ぼしかねない力を持ってるやつが来て、協力するわけがないだろう!」
ばれていた。融合したとは言ったがそれ以上の事は話していない、しかし超位神聖魔法が使えることはおそらくばれているのだろう。主従契約を交わさなければ殺すつもりだったのに、このままではまずい。
転移魔法なんて人間で使える人間は存在しない。悪魔は人間よりはるかに多様な魔法が使えるのか。しかし今はそんなことを考えている暇はない。
—マリア!
「ホーリースマイト」
片手を出してベルフェゴールに標準を合わせ、そしてホーリースマイトを放つ。巨大な光が直線上に放たれる。しかしその一瞬前に、完全にベルフェゴールの姿がかき消えたのを見た。
ものすごい音と光で家の半分が消し飛ぶ。直線上にえぐれた地面が地平線上まで届いていた。
「逃しましたね…」
マリアが残念そうに呟く。これは問題だ。マリアの話では単体の大悪魔には勝てるという話だった。だからこそベルフェゴールは戦わなかったのかもしれない。しかし相手に情報が漏れた以上、大悪魔単体ではもう戦えないだろう。次戦う時は大悪魔複数との戦闘になる。
そうなると本当に勝てるのかは予想がつかない。強い後悔の念が浮かぶ。
だが、しかしだ。体が戻ればマリアたちにそこらへんは全部任せてしまえばいい。なんだったら、安全な国へ逃亡してしまえばいいのだ。実はそれほど気にする必要はないのだ。
などと考えていたら、マリアも似たような考えに至ったのか。逃した当初と比べて顔は明るい。
「では、メカストリアに戻りましょうか」
そう言いつつ、ヴェルヴェットと意識を交代する。
「すぐにこのことを国に戻って伝えなければ!」
レオンが慌てて提案をするが、アモンが冷静に「もう攻められてるならメカストリアにも情報がいってるだろ?」と言われ、まぁ確かに、と少し冷静になる。
「どちらにせよメカストリアには戻るんだからいいでしょ。こんな陰気くさいところにいてもしょうがないし、もう帰るわよ」
そう言いつつ出口とは別の方向へ向かう。
「おい、何をやっているんだヴェルヴェット?」
不思議そうにアモンが後ろからついてきて聞いてくる。
「何してるって?お酒どっかにないのか探してるのよ。あんたたちも探しなさいよね」
「冷静すぎるだろ、お前」
アモンが呆れた様に言うが、先ほどのことを思い出したことがあり、ヴェルヴェットをじっと見て質問をする。
「ところでヴェルヴェット。さっきマリアが俺を差し出そうとしたろ?あのとき、あいつが途中で言うのを止めたと思うんだが、あのとき止めたのはお前だろ?なんて言ってくれたんだ?」
棚を探していたのをやめ、立ち上がってアモンに向き直る。
「ふん、別に。あんたはあたしの仲間だからね…そういうのは許さないって言っただけよ」
じっとアモンが見てくる、細かい心の中のやりとりまで聞かれると、なんか小っ恥ずかしいものを感じる。
「へー、お前俺のこと庇ってくれたってことか。そんなことあるんだな、まぁ助かったわ」
アモンが馴れ馴れしく肩を組んで抱き寄せてくる。どかっと力強い力だ。そして、身長が高いので妙に圧迫感がある。
「ちょっとあんた、馴れ馴れしいのよ。しかも重いって!」
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