60 / 60
設立編
—第46章:機械天使教
しおりを挟む
「終わった…」
「そうだな」
力を全て使い果たして脱力する。アモンはゆっくりとあたしを抱き抱えたまま降下し、着地する。それと同時にアモンが地面に仰向けで倒れ伏す。
「ちょ、ちょっとアモン大丈夫!?あんた、死ぬなんて言わないでしょうね?」
不安げに膝でアモンの腰を支えて抱きしめる。
「悪魔は腕を失ったくらいじゃ死なねぇよ。しばらくすれば治る。」
それを聞いて心底ほっとする。アモンを抱きしめて、先ほどしてくれたように今度は自分から額を合わせる。
「あ…」
アモンが少し驚いた表情を見せる。
「そういえば、これって一体なんなのよ?」
さっきはそんな事を聞いている状態ではなかったが、不思議に思っていた。一体この動作はなんなのか。
「さぁな…」
「ぷっ、また?なによそれ。」
自然と笑みが溢れる。なにはともあれ、アモンとあたしも無事でよかった。ひとしきり休憩した後、外の様子が気になる。
「そういえば外はどうなったのかしら?」
「もうしばらく時間が経っているからな、見てみようぜ。」
教皇の間から崩れ落ちた瓦礫を伝い屋外に出る。その手前で、先ほど援護してくれた教皇に近づくが、既に息絶えていた。マリアが「教皇様、最後までありがとうございます」と祈りを捧げていたので、あたしとアモンもそこで一緒に祈りを捧げた。
「マリア!ヴェルヴェット!無事か!」
レオンが駆けつけてくる、その姿が悪魔の返り血を大量に浴びていた。マリアが「レオン!よかった無事だったのですね」と安堵の言葉を漏らす。
「レオン、大丈夫無事よ。その格好、あたしがあんたと出会った時みたいね」
「ああ、大量の悪魔を切り倒したからな。ん?おいアモン!その腕…」
アモンの腕に気づき震えた事で腕のないところを指をさす。
「ああ、しばらくしたら生えてくるから気にすんな。ただ疲れたけどな」
「そ、そうか」といまいち理解ができなかったようだが問題ないというのを聞いて少し安心して冷静さが戻る。あたしが肩を貸してる姿を見てムッとするがアモンは今腕がないのだ、さすがにこの状態であーだこーだと文句をつけるのはあまりにも大人気ないので納得しないながらもその行動を見守る。
そして屋外に出る。そこから見下ろした光景は、既にメカストリアの本隊も到着し、悪魔達を殲滅していた。もう夜が明け、太陽の光が鋭く差し込んでいる。
部隊の者たちはこちらの姿に気づき、武器を掲げそれぞれが雄叫びを上げていた。
それと同時に特に神官達から大きな声が上がる。
「天使様…いや、聖女様!?聖女様だ!しかし先ほどの神々しいお姿は…」
神官達は困惑しながらも瞳から涙を流し、あたしを見てひざまづき、両手を握って祈りを捧げる。
騎士や住民も同じようにひざまづいている。
—高位の神官達は皆亡くなられました。信仰を統べる者がいなければ、これから先、聖王国は混沌を迎えるでしょう。そしておそらく次の大侵攻には耐えられない。
「そうか…ならさ、あたし達がトップになればいいんじゃない?」
単純に考えた結果、それしかないという風にマリアに伝える。
—ですが、私たちは指名手配に…
「なに言ってるの、見なさいよ。これで捕まえる奴なんて出てこないわよ。それに放っておけばまた子供達が危険に晒される、そんな事になっちゃだめよ」
—ヴェルヴェット、あんたという人は…いえ、そうですね。私たちがこの国を支えましょう。
マリアが小さい声と共に祈りを捧げる。あたしの口の周りに小さい魔法陣が浮かんだ。
—声を増幅させる低位魔法です。このくらいなら私の意思だけで発動できるようですね。
ヴェルヴェットはアモンから離れ、一人で王城の端に立って民衆を見下ろして答える。
言うべき事はなんだろうか。国の王になる?導く?天使?大それた感じだ。少し違う気がする。
周りを見渡す。そこには一緒に突撃してくれた部隊員達が大勢いた。皆いまだに天使の羽の機械を背負ってこちらを見上げていた。そして傭兵パーティの自分の職業を思い出す。
「ギアの天使…そうね、あたしは…」
そして魔法の力で増幅させた声で高らかに宣言する。
「あたしは機械天使ヴェルベット・マグダレナ、今この時をもって機械天使教を設立する!」
「そうだな」
力を全て使い果たして脱力する。アモンはゆっくりとあたしを抱き抱えたまま降下し、着地する。それと同時にアモンが地面に仰向けで倒れ伏す。
「ちょ、ちょっとアモン大丈夫!?あんた、死ぬなんて言わないでしょうね?」
不安げに膝でアモンの腰を支えて抱きしめる。
「悪魔は腕を失ったくらいじゃ死なねぇよ。しばらくすれば治る。」
それを聞いて心底ほっとする。アモンを抱きしめて、先ほどしてくれたように今度は自分から額を合わせる。
「あ…」
アモンが少し驚いた表情を見せる。
「そういえば、これって一体なんなのよ?」
さっきはそんな事を聞いている状態ではなかったが、不思議に思っていた。一体この動作はなんなのか。
「さぁな…」
「ぷっ、また?なによそれ。」
自然と笑みが溢れる。なにはともあれ、アモンとあたしも無事でよかった。ひとしきり休憩した後、外の様子が気になる。
「そういえば外はどうなったのかしら?」
「もうしばらく時間が経っているからな、見てみようぜ。」
教皇の間から崩れ落ちた瓦礫を伝い屋外に出る。その手前で、先ほど援護してくれた教皇に近づくが、既に息絶えていた。マリアが「教皇様、最後までありがとうございます」と祈りを捧げていたので、あたしとアモンもそこで一緒に祈りを捧げた。
「マリア!ヴェルヴェット!無事か!」
レオンが駆けつけてくる、その姿が悪魔の返り血を大量に浴びていた。マリアが「レオン!よかった無事だったのですね」と安堵の言葉を漏らす。
「レオン、大丈夫無事よ。その格好、あたしがあんたと出会った時みたいね」
「ああ、大量の悪魔を切り倒したからな。ん?おいアモン!その腕…」
アモンの腕に気づき震えた事で腕のないところを指をさす。
「ああ、しばらくしたら生えてくるから気にすんな。ただ疲れたけどな」
「そ、そうか」といまいち理解ができなかったようだが問題ないというのを聞いて少し安心して冷静さが戻る。あたしが肩を貸してる姿を見てムッとするがアモンは今腕がないのだ、さすがにこの状態であーだこーだと文句をつけるのはあまりにも大人気ないので納得しないながらもその行動を見守る。
そして屋外に出る。そこから見下ろした光景は、既にメカストリアの本隊も到着し、悪魔達を殲滅していた。もう夜が明け、太陽の光が鋭く差し込んでいる。
部隊の者たちはこちらの姿に気づき、武器を掲げそれぞれが雄叫びを上げていた。
それと同時に特に神官達から大きな声が上がる。
「天使様…いや、聖女様!?聖女様だ!しかし先ほどの神々しいお姿は…」
神官達は困惑しながらも瞳から涙を流し、あたしを見てひざまづき、両手を握って祈りを捧げる。
騎士や住民も同じようにひざまづいている。
—高位の神官達は皆亡くなられました。信仰を統べる者がいなければ、これから先、聖王国は混沌を迎えるでしょう。そしておそらく次の大侵攻には耐えられない。
「そうか…ならさ、あたし達がトップになればいいんじゃない?」
単純に考えた結果、それしかないという風にマリアに伝える。
—ですが、私たちは指名手配に…
「なに言ってるの、見なさいよ。これで捕まえる奴なんて出てこないわよ。それに放っておけばまた子供達が危険に晒される、そんな事になっちゃだめよ」
—ヴェルヴェット、あんたという人は…いえ、そうですね。私たちがこの国を支えましょう。
マリアが小さい声と共に祈りを捧げる。あたしの口の周りに小さい魔法陣が浮かんだ。
—声を増幅させる低位魔法です。このくらいなら私の意思だけで発動できるようですね。
ヴェルヴェットはアモンから離れ、一人で王城の端に立って民衆を見下ろして答える。
言うべき事はなんだろうか。国の王になる?導く?天使?大それた感じだ。少し違う気がする。
周りを見渡す。そこには一緒に突撃してくれた部隊員達が大勢いた。皆いまだに天使の羽の機械を背負ってこちらを見上げていた。そして傭兵パーティの自分の職業を思い出す。
「ギアの天使…そうね、あたしは…」
そして魔法の力で増幅させた声で高らかに宣言する。
「あたしは機械天使ヴェルベット・マグダレナ、今この時をもって機械天使教を設立する!」
0
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流@3/19書籍発売!
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。
「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」
そう言われて、ミュゼは城を追い出された。
しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。
そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……
冤罪で殺された聖女、生まれ変わって自由に生きる
みおな
恋愛
聖女。
女神から選ばれし、世界にたった一人の存在。
本来なら、誰からも尊ばれ大切に扱われる存在である聖女ルディアは、婚約者である王太子から冤罪をかけられ処刑されてしまう。
愛し子の死に、女神はルディアの時間を巻き戻す。
記憶を持ったまま聖女認定の前に戻ったルディアは、聖女にならず自由に生きる道を選択する。
追放された【才能鑑定】スキル持ちの俺、Sランクの原石たちをプロデュースして最強へ
黒崎隼人
ファンタジー
人事コンサルタントの相馬司が転生した異世界で得たのは、人の才能を見抜く【才能鑑定】スキル。しかし自身の戦闘能力はゼロ!
「魔力もない無能」と貴族主義の宮廷魔術師団から追放されてしまう。
だが、それは新たな伝説の始まりだった!
「俺は、ダイヤの原石を磨き上げるプロデューサーになる!」
前世の知識を武器に、司は酒場で燻る剣士、森に引きこもるエルフなど、才能を秘めた「ワケあり」な逸材たちを発掘。彼らの才能を的確に見抜き、最高の育成プランで最強パーティーへと育て上げる!
「あいつは本物だ!」「司さんについていけば間違いない!」
仲間からの絶対的な信頼を背に、司がプロデュースしたパーティーは瞬く間に成り上がっていく。
一方、司を追放した宮廷魔術師たちは才能の壁にぶつかり、没落の一途を辿っていた。そして王国を揺るがす戦乱の時、彼らは思い知ることになる。自分たちが切り捨てた男が、歴史に名を刻む本物の英雄だったということを!
無能と蔑まれた男が、知略と育成術で世界を変える! 爽快・育成ファンタジー、堂々開幕!
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
だから聖女はいなくなった
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
「聖女ラティアーナよ。君との婚約を破棄することをここに宣言する」
レオンクル王国の王太子であるキンバリーが婚約破棄を告げた相手は聖女ラティアーナである。
彼女はその婚約破棄を黙って受け入れた。さらに彼女は、新たにキンバリーと婚約したアイニスに聖女の証である首飾りを手渡すと姿を消した。
だが、ラティアーナがいなくなってから彼女のありがたみに気づいたキンバリーだが、すでにその姿はどこにもない。
キンバリーの弟であるサディアスが、兄のためにもラティアーナを探し始める。だが、彼女を探していくうちに、なぜ彼女がキンバリーとの婚約破棄を受け入れ、聖女という地位を退いたのかの理由を知る――。
※7万字程度の中編です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
これは一種のバディものと言えるのでしょうか?
毎日の更新で追いつきませんが、少しづつ楽しみに拝読しています。
がんばって下さい!