3 / 50
盗賊納品
しおりを挟む
「盗賊を持って来たのですが何処へ出せば良いでしょう?」
「は?」
領都の冒険者ギルドに来ている。
地元のギルドで行き先のギルドには連絡がしてあると言っていたのだが受付のお姉さんに言ったらなにそれ?みたいな顔をされたんだが。
「それじゃ通じないだろ、坊主」
ちょっと笑いながら声を掛けて来たのは俺に字や戦い方を教えてくれた冒険者の1人ライナスさんだ。
「ライナスさんもこっち来てたんだ」
「装備を新しくしようと思ってな。それでだ、ギルドからなんか持たされてないのか?」
「そう言えば手紙と変な金属の板を持たされてた」
「それだ」
俺の手のひらくらいある金属製の板と手紙を受付のお姉さんに渡してライナスさんと話す。
「装備を買いにって、領都の武器屋ではうちの街よりも良い物が売ってたりするんですか?」
「まあな。人の多い場所の方が良い物も悪い物も集まるもんだろ」
「確かに、店の数からして違いますしね」
「そういうことだ」
受付のお姉さんに呼ばれたのでライナスさんと別れる。
盗賊と道中に捕獲した魔物を全部出せと書いてあったらしく、解体場へ行く。
「盗賊も解体するんですか?」
「しませんよ?!」
*
解体場に行くと見慣れた檻入り池と普通に置かれた檻と衛兵?が数人居た。
「盗賊をこの中に出してくれる」
「はい」
馬車一台分くらいの檻に27人の盗賊を詰め込む。
「入るもんだなあ」
「そうですねぇ」
衛兵さんが呑気にそんなことを言っていた。
やった俺が言うのもなんですが、あの中心に行きたくないな。
「水を溜めた中に檻を入れてってことだけどこれで良いかしら?」
「ええ」
盗賊が詰め込まれた檻と同じ大きさのものが急遽作られたと思われる水を貯めた穴の中にある。
「熊の魔物が居るのですがこの檻を破壊したりしないですかね?」
「水の中なら動きが鈍くなるから大丈夫じゃないかしら?」
「今持っている魔物の中でそいつが1番大物なので、念の為に最後にしておきますね」
それから魔物を溺死させる作業を繰り返した。
この作業にも慣れたな。もがき苦しむ魔物の横で本を読めるくらい慣れた。流石にご飯を食べるまでにはいかないが。
「紅狐に白狐の毛皮を丸ごと」
「傷も血もない白狐の毛皮なんてオークション行きでしょ」
「傷無しの軍隊蜂は高く売れそうだな」
「後処理が面倒だから汚れた水は入れ替えをしたほうが良さそうだな」
「肉が食える魔物は別な方法で殺したほうが良くないか?」
「そうだな。坊主、死ぬ直前まで弱ったところを取り出すことは出来るか?」
「タイミングを教えてくれればやれますよ」
「巨大熊も水の中だとそこまで怖くないのか」
「檻が狭いから身動き取りにくいのもあるかもな」
溺死する魔物を見ながらあれこれ話すギルド職員や衛兵たちは精神強いなぁ。
うちの冒険者ギルドだと初めて見た人は受付のお姉さん以外俺も含めて気分悪くなったのに、そこの盗賊みたいにさ。
後日衛兵さんに会った時、おかげで取り調べやりやすかったと笑って言われた。
うちにも檻水槽作るかもって、何を生きたまま沈めるんですかね?
そう言えば盗賊を出してもスキルは消えなかったな。
スキルを奪ったのか俺にも出来るようになっただけで盗賊はまだ持ったままなのかはわからないけど、入れっぱなしにしなくても良いとわかったのは嬉しい。
盗賊をやるような人たちなので凄いスキルを持ってる人は居なかったけれど、これからに期待だな。
*
適当に店を周りながら過ごすつもりだったのだけれど、ライナスさんに誘われてダンジョンに入って過ごした。
俺はダンジョン体験が出来て楽しかったし、ライナスさんたちは倒した魔物を丸ごと持ち帰ることが出来てご機嫌だった。
何匹か見たことのない魔物を生きたまま収納したので地元に戻ってから溺死させる予定だ。
領都のダンジョンは塔型と言われ、上に登っていくタイプでわりと珍しいのだとか。
街の周辺に出る魔物を取り込む機能が有り、そのおかげで領都周辺には魔物が出ないのだがその代わりに盗賊が住み着くらしく安全安心というわけにはいかないらしい。
ちなみに魔物を生み出す魔王を倒して平和な世界を手に入れる為の寄付金をイスダ教国と言うちょっと遠くの国が集めてるらしいのだが、塔型のダンジョンが有る国では寄付をする人が少ない。
魔物が居なくなったら盗賊が増えるだけだろうて考える人が多いからだとか。冒険者は盗賊から守る為の護衛と採取依頼しか無くなり仕事が減って転職する人が出るし、冒険者が減ったら冒険者相手にしてる店も困る。
魔物が消えたからと言って幸せになるとは限らない、ダンジョンに行く途中でイスダ教会の信者集金活動をしているのを見てライナスさんの仲間で聖職者でも有るリジンさんが教えてくれた。
*
領都からの帰り道は盗賊に会うことなく魔物を数体収納しただけだった。
盗賊から貰った気配察知のおかげで見えない場所に居る魔物や動物を収納出来るようになったのでこれまで以上に活用出来そうだ。
スキル欲しさに盗賊狩りをしようかなと考えてしまう。
*****
収納庫の中身を表示するリストに、所持スキル一覧と言う項目が増えた。
冒険者ギルドで文字を習って居なかったらこれも模様で済まされていた可能性が高い。
「は?」
領都の冒険者ギルドに来ている。
地元のギルドで行き先のギルドには連絡がしてあると言っていたのだが受付のお姉さんに言ったらなにそれ?みたいな顔をされたんだが。
「それじゃ通じないだろ、坊主」
ちょっと笑いながら声を掛けて来たのは俺に字や戦い方を教えてくれた冒険者の1人ライナスさんだ。
「ライナスさんもこっち来てたんだ」
「装備を新しくしようと思ってな。それでだ、ギルドからなんか持たされてないのか?」
「そう言えば手紙と変な金属の板を持たされてた」
「それだ」
俺の手のひらくらいある金属製の板と手紙を受付のお姉さんに渡してライナスさんと話す。
「装備を買いにって、領都の武器屋ではうちの街よりも良い物が売ってたりするんですか?」
「まあな。人の多い場所の方が良い物も悪い物も集まるもんだろ」
「確かに、店の数からして違いますしね」
「そういうことだ」
受付のお姉さんに呼ばれたのでライナスさんと別れる。
盗賊と道中に捕獲した魔物を全部出せと書いてあったらしく、解体場へ行く。
「盗賊も解体するんですか?」
「しませんよ?!」
*
解体場に行くと見慣れた檻入り池と普通に置かれた檻と衛兵?が数人居た。
「盗賊をこの中に出してくれる」
「はい」
馬車一台分くらいの檻に27人の盗賊を詰め込む。
「入るもんだなあ」
「そうですねぇ」
衛兵さんが呑気にそんなことを言っていた。
やった俺が言うのもなんですが、あの中心に行きたくないな。
「水を溜めた中に檻を入れてってことだけどこれで良いかしら?」
「ええ」
盗賊が詰め込まれた檻と同じ大きさのものが急遽作られたと思われる水を貯めた穴の中にある。
「熊の魔物が居るのですがこの檻を破壊したりしないですかね?」
「水の中なら動きが鈍くなるから大丈夫じゃないかしら?」
「今持っている魔物の中でそいつが1番大物なので、念の為に最後にしておきますね」
それから魔物を溺死させる作業を繰り返した。
この作業にも慣れたな。もがき苦しむ魔物の横で本を読めるくらい慣れた。流石にご飯を食べるまでにはいかないが。
「紅狐に白狐の毛皮を丸ごと」
「傷も血もない白狐の毛皮なんてオークション行きでしょ」
「傷無しの軍隊蜂は高く売れそうだな」
「後処理が面倒だから汚れた水は入れ替えをしたほうが良さそうだな」
「肉が食える魔物は別な方法で殺したほうが良くないか?」
「そうだな。坊主、死ぬ直前まで弱ったところを取り出すことは出来るか?」
「タイミングを教えてくれればやれますよ」
「巨大熊も水の中だとそこまで怖くないのか」
「檻が狭いから身動き取りにくいのもあるかもな」
溺死する魔物を見ながらあれこれ話すギルド職員や衛兵たちは精神強いなぁ。
うちの冒険者ギルドだと初めて見た人は受付のお姉さん以外俺も含めて気分悪くなったのに、そこの盗賊みたいにさ。
後日衛兵さんに会った時、おかげで取り調べやりやすかったと笑って言われた。
うちにも檻水槽作るかもって、何を生きたまま沈めるんですかね?
そう言えば盗賊を出してもスキルは消えなかったな。
スキルを奪ったのか俺にも出来るようになっただけで盗賊はまだ持ったままなのかはわからないけど、入れっぱなしにしなくても良いとわかったのは嬉しい。
盗賊をやるような人たちなので凄いスキルを持ってる人は居なかったけれど、これからに期待だな。
*
適当に店を周りながら過ごすつもりだったのだけれど、ライナスさんに誘われてダンジョンに入って過ごした。
俺はダンジョン体験が出来て楽しかったし、ライナスさんたちは倒した魔物を丸ごと持ち帰ることが出来てご機嫌だった。
何匹か見たことのない魔物を生きたまま収納したので地元に戻ってから溺死させる予定だ。
領都のダンジョンは塔型と言われ、上に登っていくタイプでわりと珍しいのだとか。
街の周辺に出る魔物を取り込む機能が有り、そのおかげで領都周辺には魔物が出ないのだがその代わりに盗賊が住み着くらしく安全安心というわけにはいかないらしい。
ちなみに魔物を生み出す魔王を倒して平和な世界を手に入れる為の寄付金をイスダ教国と言うちょっと遠くの国が集めてるらしいのだが、塔型のダンジョンが有る国では寄付をする人が少ない。
魔物が居なくなったら盗賊が増えるだけだろうて考える人が多いからだとか。冒険者は盗賊から守る為の護衛と採取依頼しか無くなり仕事が減って転職する人が出るし、冒険者が減ったら冒険者相手にしてる店も困る。
魔物が消えたからと言って幸せになるとは限らない、ダンジョンに行く途中でイスダ教会の信者集金活動をしているのを見てライナスさんの仲間で聖職者でも有るリジンさんが教えてくれた。
*
領都からの帰り道は盗賊に会うことなく魔物を数体収納しただけだった。
盗賊から貰った気配察知のおかげで見えない場所に居る魔物や動物を収納出来るようになったのでこれまで以上に活用出来そうだ。
スキル欲しさに盗賊狩りをしようかなと考えてしまう。
*****
収納庫の中身を表示するリストに、所持スキル一覧と言う項目が増えた。
冒険者ギルドで文字を習って居なかったらこれも模様で済まされていた可能性が高い。
22
あなたにおすすめの小説
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発
ハーフのクロエ
ファンタジー
アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。
アリエッタ幼女、スラムからの華麗なる転身
にゃんすき
ファンタジー
冒頭からいきなり主人公のアリエッタが大きな男に攫われて、前世の記憶を思い出し、逃げる所から物語が始まります。
姉妹で力を合わせて幸せを掴み取るストーリーになる、予定です。
身代わりで呪いの公爵に嫁ぎましたが、聖女の力で浄化したら離縁どころか国一番の溺愛妻になりました〜実家が泣きついてももう遅い〜
しょくぱん
恋愛
「お前のような無能は、死神の生贄にでもなっていろ」
魔力なしの無能と蔑まれ、家族に虐げられてきた伯爵令嬢レティシア。 彼女に命じられたのは、近づく者すべてを病ませるという『呪いの公爵』アレクシスへの身代わり結婚だった。
鉄格子の馬車で運ばれ、たどり着いたのは瘴気に満ちた死の城。 恐ろしい怪物のような男に殺される――。 そう覚悟していたレティシアだったが、目の前の光景に絶望よりも先に別の感情が湧き上がる。
(な、何これ……汚すぎるわ! 雑巾とブラシはどこ!?)
実は、彼女が「無能」と言われていたのは、その力が『洗浄』と『浄化』に特化した特殊な聖女の魔力だったから。
レティシアが掃除をすれば、呪いの瘴気は消え去り、枯れた大地には花が咲き、不気味だった公爵城はまたたく間にピカピカの聖域に塗り替えられていく。 さらには、呪いで苦しんでいたアレクシスの素顔は、見惚れるほどの美青年で――。
「レティシア、君は一体何者なんだ……? 体が、こんなに軽いのは初めてだ」
冷酷だったはずの公爵様から、まさかの執着と溺愛。 さらには、呪いが解けたことで領地は国一番の豊かさを取り戻していく。
一方で、レティシアを捨てた実家は、彼女の『浄化』を失ったことで災厄に見舞われ、今さら「戻ってきてくれ」と泣きついてくるが……。
「私は今、お城の掃除と旦那様のお世話で忙しいんです。お引き取りくださいませ」
これは、掃除を愛する薄幸令嬢が、その愛と魔力で死神公爵を救い、最高に幸せな居場所を手に入れるまでのお話。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
勝手に召喚され捨てられた聖女さま。~よっしゃここから本当のセカンドライフの始まりだ!~
楠ノ木雫
ファンタジー
IT企業に勤めていた25歳独身彼氏無しの立花菫は、勝手に異世界に召喚され勝手に聖女として称えられた。確かにステータスには一応〈聖女〉と記されているのだが、しばらくして偽物扱いされ国を追放される。まぁ仕方ない、と森に移り住み神様の助けの元セカンドライフを満喫するのだった。だが、彼女を追いだした国はその日を境に天気が大荒れになり始めていき……
※他の投稿サイトにも掲載しています。
甲斐性無し王子と共働き聖女
あんど もあ
ファンタジー
国で唯一の聖女のルーナは18歳のお年頃。いい加減に寿退職したいのだが、そうはさせまいと国王は第二王子とルーナの婚約を決める。
「なぜ王子の私が平民の聖女などと!」
「王子様と結婚しても聖女を続けないといけないの? 王子って、共働きしないといけないくらい甲斐性無しなの?!」
さて、すれ違ってる二人は結ばれるのか……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる