22 / 50
調査
しおりを挟む
「どうだ」
「訓練で身に付けた物だそうです。本当のスキルは早駆けみたいですね」
「早駆けか。それなりに使えるものだな」
「では予定通りに」
「ああ」
お付きの人に指示された騎士が自称神に選ばれた血族の当主を連れて行く。
彼は別室で尋問されることになる。
「問題はこの後か」
「今日に限って到着が遅れているのが気になりますね」
この国に有る神に選ばれた血族はもう1つある。
そちらは侯爵家なので先程連れて行かれた子爵家当主よりも気を使う必要があり、舞踏会終了後に王様が直々に部屋へ連れて行く予定だ。
だが、その家はまだ到着していない。
この計画は誰が聞いているのかわからない城ではなく、水の精霊が魔法で外に声が漏れないようにしたうちの庭で話しているので予め知るのは難しいと思うのだけれど。
「城の部屋を用意したのは昨日ですよね」
「ああ」
「その時に誰を迎えるかも言いましたか?」
「爵位だけで家名までは出してないな」
王が挨拶をされている間にお付きの人と話した。
「そこから推測した可能性も有るのでしょうか?」
「合わせて200以上は有る家からこの組み合わせを見つけるのは無理だろう」
「それもそうですね」
たまたまか?
あるいは知られていないなにかがあるとか?
「人に気が付かれないスキルや人を操るスキルなんて有るのでしょうか?」
「そう言ったスキルは有るが国に取り込まれるか処理されるな。…それらのスキルを魔法として使えるようにしてるかも知れないと考えたのか?」
「可能性も有るかなと」
「なんとも言えないな。我らはこの前まで訓練で魔法を身に付けられると知らなかったのだからな」
「侯爵家はその手のことを調べていたのでしょうか」
「それは調べるだろうな」
「ですよね」
処理したと偽って監禁し、魔法化の実験をしていたとしてもそんなには驚かないな。
王様や領主様が訓練で魔法を身に付けられると知っていたならそれくらいやるだろうし、会ったことはないが侯爵なんて高い位に居る人ならやはりやるだろう。
口には出さないが、王様は訓練次第で収納魔法を手に入れられるか考えているはずだ。
中に入れた人のスキルを手に入れられると知ったら必ず手に入れて王家で秘匿、ついでに俺は処分される可能性もなくもない。
人を操るスキルは有ると言っていたし見つけたら国が取り込んでるとも言っていた、今居ると言わなかったが居ないとも限らない。
絶対知られないようにしなくてはならないな。
「来たぞ」
「はい」
色々と考えてる間に問題の侯爵家当主が現れたと思ったのだが、話を聞いている感じでは違うようだ。
領地から王都へ向かってる途中、当主の乗った馬車が魔物に襲われて当主本人が怪我をしたので引き返し次期当主で有る息子の彼が代わりにやってきたのだとか。
たまたまか?
収納庫の中に居る水の精霊が言うには魔法のスキルを持っているが訓練して出来るようになった物はないそうだ。
運良く魔法関連のスキルを手に入れたから訓練しなかったのだろうか?
でも、使える魔法が増えると知ったら多くの魔法使いは訓練して新しい魔法を身につけるだろうと母は言っていたしな。
それとも、本当に魔法関連のスキルだけが手に入る家の可能性も?
王に侯爵家跡取りの話をする。
推測は言わず結果だけ。
王は納得出来なかったようで、あの男は本当の息子ではない可能性も有ると言い始めた。
「魔法関連のスキルを授かった子供を自分の子として育てるとかな」
「貴族の家に生まれたならともかく平民はスキルを手にする儀式をしない家も有りますし、そう簡単にはわからないのでは?」
俺の生まれた村には儀式をする教会が無かったから街で生まれた人たちよりも数年遅れて行ったし。
「お前のとこよりも先にスキルを活用することにしたのかもな」
領主様がやりはじめたことを先にか。
それは有るかもしれないが、侯爵家が周りに気が付かれず出来ることなのか?
「でも、手に入れた子供を次期当主にする物なのですか? 血の繋がった自分の子供に跡を継がせたいと思う物なのでは?」
貴族や商家とはそう言う物だと考えてたんだが。
*
後日分かったことは、次期当主としてやってきた男は本当の息子では無かった。
後妻の連れ子で魔法関連のスキルを持っているものの血が繋がらないので当主候補に含まれなかったらしく、それが不満で色々とやったらしい。
侯爵家の血が流れている人間で残されたのは彼の母と侯爵の間に産まれた4歳の娘だけ。
魔法の訓練法などはその男が処分したとのことで何も残っていなかった。
魔法関係のスキルを持っている自分が血の繋がりがないことを理由に跡継ぎにされないことが不満で行動を起こしたそうだが、血の繋がりが無いのに貴族家の跡継ぎになれると考えるほうがどうかしている。
子爵家の方には代々引き継がれてきた魔法の訓練法が書かれた書物が有り、その中には気配を消す物や人を魅了するなども含まれていた。
現在の当主はそれらの訓練をしたことがないと言っているが、身に付かなかっただけの可能性もある。
子爵は全ての資料を没収、親族だけでなく使用人なども監禁や処分された。
これまで隠し続けていた家を信用出来ないと言うことだった。
友人関係である事を利用して皇帝陛下へ報告しに行かされた。
皇帝陛下は魔法が使える事を隠している貴族が居る可能性もあるなと言っていた。
彼等は見えない武器を所持して私の前に来ることが出来るのだと。
目の前に居る俺も似たような物だが特に何も言われなかった。
帝国の宮殿に池を作らされ、後日色彩鯉を持ってくる約束もさせられてから帰った。
代わりに貰った鉢植えを王様に見せたら凄く喜んでいた。まだ収納の中にあるので自分でも栽培してみようかな。
「訓練で身に付けた物だそうです。本当のスキルは早駆けみたいですね」
「早駆けか。それなりに使えるものだな」
「では予定通りに」
「ああ」
お付きの人に指示された騎士が自称神に選ばれた血族の当主を連れて行く。
彼は別室で尋問されることになる。
「問題はこの後か」
「今日に限って到着が遅れているのが気になりますね」
この国に有る神に選ばれた血族はもう1つある。
そちらは侯爵家なので先程連れて行かれた子爵家当主よりも気を使う必要があり、舞踏会終了後に王様が直々に部屋へ連れて行く予定だ。
だが、その家はまだ到着していない。
この計画は誰が聞いているのかわからない城ではなく、水の精霊が魔法で外に声が漏れないようにしたうちの庭で話しているので予め知るのは難しいと思うのだけれど。
「城の部屋を用意したのは昨日ですよね」
「ああ」
「その時に誰を迎えるかも言いましたか?」
「爵位だけで家名までは出してないな」
王が挨拶をされている間にお付きの人と話した。
「そこから推測した可能性も有るのでしょうか?」
「合わせて200以上は有る家からこの組み合わせを見つけるのは無理だろう」
「それもそうですね」
たまたまか?
あるいは知られていないなにかがあるとか?
「人に気が付かれないスキルや人を操るスキルなんて有るのでしょうか?」
「そう言ったスキルは有るが国に取り込まれるか処理されるな。…それらのスキルを魔法として使えるようにしてるかも知れないと考えたのか?」
「可能性も有るかなと」
「なんとも言えないな。我らはこの前まで訓練で魔法を身に付けられると知らなかったのだからな」
「侯爵家はその手のことを調べていたのでしょうか」
「それは調べるだろうな」
「ですよね」
処理したと偽って監禁し、魔法化の実験をしていたとしてもそんなには驚かないな。
王様や領主様が訓練で魔法を身に付けられると知っていたならそれくらいやるだろうし、会ったことはないが侯爵なんて高い位に居る人ならやはりやるだろう。
口には出さないが、王様は訓練次第で収納魔法を手に入れられるか考えているはずだ。
中に入れた人のスキルを手に入れられると知ったら必ず手に入れて王家で秘匿、ついでに俺は処分される可能性もなくもない。
人を操るスキルは有ると言っていたし見つけたら国が取り込んでるとも言っていた、今居ると言わなかったが居ないとも限らない。
絶対知られないようにしなくてはならないな。
「来たぞ」
「はい」
色々と考えてる間に問題の侯爵家当主が現れたと思ったのだが、話を聞いている感じでは違うようだ。
領地から王都へ向かってる途中、当主の乗った馬車が魔物に襲われて当主本人が怪我をしたので引き返し次期当主で有る息子の彼が代わりにやってきたのだとか。
たまたまか?
収納庫の中に居る水の精霊が言うには魔法のスキルを持っているが訓練して出来るようになった物はないそうだ。
運良く魔法関連のスキルを手に入れたから訓練しなかったのだろうか?
でも、使える魔法が増えると知ったら多くの魔法使いは訓練して新しい魔法を身につけるだろうと母は言っていたしな。
それとも、本当に魔法関連のスキルだけが手に入る家の可能性も?
王に侯爵家跡取りの話をする。
推測は言わず結果だけ。
王は納得出来なかったようで、あの男は本当の息子ではない可能性も有ると言い始めた。
「魔法関連のスキルを授かった子供を自分の子として育てるとかな」
「貴族の家に生まれたならともかく平民はスキルを手にする儀式をしない家も有りますし、そう簡単にはわからないのでは?」
俺の生まれた村には儀式をする教会が無かったから街で生まれた人たちよりも数年遅れて行ったし。
「お前のとこよりも先にスキルを活用することにしたのかもな」
領主様がやりはじめたことを先にか。
それは有るかもしれないが、侯爵家が周りに気が付かれず出来ることなのか?
「でも、手に入れた子供を次期当主にする物なのですか? 血の繋がった自分の子供に跡を継がせたいと思う物なのでは?」
貴族や商家とはそう言う物だと考えてたんだが。
*
後日分かったことは、次期当主としてやってきた男は本当の息子では無かった。
後妻の連れ子で魔法関連のスキルを持っているものの血が繋がらないので当主候補に含まれなかったらしく、それが不満で色々とやったらしい。
侯爵家の血が流れている人間で残されたのは彼の母と侯爵の間に産まれた4歳の娘だけ。
魔法の訓練法などはその男が処分したとのことで何も残っていなかった。
魔法関係のスキルを持っている自分が血の繋がりがないことを理由に跡継ぎにされないことが不満で行動を起こしたそうだが、血の繋がりが無いのに貴族家の跡継ぎになれると考えるほうがどうかしている。
子爵家の方には代々引き継がれてきた魔法の訓練法が書かれた書物が有り、その中には気配を消す物や人を魅了するなども含まれていた。
現在の当主はそれらの訓練をしたことがないと言っているが、身に付かなかっただけの可能性もある。
子爵は全ての資料を没収、親族だけでなく使用人なども監禁や処分された。
これまで隠し続けていた家を信用出来ないと言うことだった。
友人関係である事を利用して皇帝陛下へ報告しに行かされた。
皇帝陛下は魔法が使える事を隠している貴族が居る可能性もあるなと言っていた。
彼等は見えない武器を所持して私の前に来ることが出来るのだと。
目の前に居る俺も似たような物だが特に何も言われなかった。
帝国の宮殿に池を作らされ、後日色彩鯉を持ってくる約束もさせられてから帰った。
代わりに貰った鉢植えを王様に見せたら凄く喜んでいた。まだ収納の中にあるので自分でも栽培してみようかな。
16
あなたにおすすめの小説
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発
ハーフのクロエ
ファンタジー
アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。
アリエッタ幼女、スラムからの華麗なる転身
にゃんすき
ファンタジー
冒頭からいきなり主人公のアリエッタが大きな男に攫われて、前世の記憶を思い出し、逃げる所から物語が始まります。
姉妹で力を合わせて幸せを掴み取るストーリーになる、予定です。
身代わりで呪いの公爵に嫁ぎましたが、聖女の力で浄化したら離縁どころか国一番の溺愛妻になりました〜実家が泣きついてももう遅い〜
しょくぱん
恋愛
「お前のような無能は、死神の生贄にでもなっていろ」
魔力なしの無能と蔑まれ、家族に虐げられてきた伯爵令嬢レティシア。 彼女に命じられたのは、近づく者すべてを病ませるという『呪いの公爵』アレクシスへの身代わり結婚だった。
鉄格子の馬車で運ばれ、たどり着いたのは瘴気に満ちた死の城。 恐ろしい怪物のような男に殺される――。 そう覚悟していたレティシアだったが、目の前の光景に絶望よりも先に別の感情が湧き上がる。
(な、何これ……汚すぎるわ! 雑巾とブラシはどこ!?)
実は、彼女が「無能」と言われていたのは、その力が『洗浄』と『浄化』に特化した特殊な聖女の魔力だったから。
レティシアが掃除をすれば、呪いの瘴気は消え去り、枯れた大地には花が咲き、不気味だった公爵城はまたたく間にピカピカの聖域に塗り替えられていく。 さらには、呪いで苦しんでいたアレクシスの素顔は、見惚れるほどの美青年で――。
「レティシア、君は一体何者なんだ……? 体が、こんなに軽いのは初めてだ」
冷酷だったはずの公爵様から、まさかの執着と溺愛。 さらには、呪いが解けたことで領地は国一番の豊かさを取り戻していく。
一方で、レティシアを捨てた実家は、彼女の『浄化』を失ったことで災厄に見舞われ、今さら「戻ってきてくれ」と泣きついてくるが……。
「私は今、お城の掃除と旦那様のお世話で忙しいんです。お引き取りくださいませ」
これは、掃除を愛する薄幸令嬢が、その愛と魔力で死神公爵を救い、最高に幸せな居場所を手に入れるまでのお話。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
勝手に召喚され捨てられた聖女さま。~よっしゃここから本当のセカンドライフの始まりだ!~
楠ノ木雫
ファンタジー
IT企業に勤めていた25歳独身彼氏無しの立花菫は、勝手に異世界に召喚され勝手に聖女として称えられた。確かにステータスには一応〈聖女〉と記されているのだが、しばらくして偽物扱いされ国を追放される。まぁ仕方ない、と森に移り住み神様の助けの元セカンドライフを満喫するのだった。だが、彼女を追いだした国はその日を境に天気が大荒れになり始めていき……
※他の投稿サイトにも掲載しています。
甲斐性無し王子と共働き聖女
あんど もあ
ファンタジー
国で唯一の聖女のルーナは18歳のお年頃。いい加減に寿退職したいのだが、そうはさせまいと国王は第二王子とルーナの婚約を決める。
「なぜ王子の私が平民の聖女などと!」
「王子様と結婚しても聖女を続けないといけないの? 王子って、共働きしないといけないくらい甲斐性無しなの?!」
さて、すれ違ってる二人は結ばれるのか……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる