理想とは違うけど魔法の収納庫は稼げるから良しとします

水野(仮)

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暗殺

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冒険者ギルドの登録証で普通に入れた。
質問とかもされなかったがこれで良いのだろうか?

「門を通る時に魔道具で色々と調べられていたわよ」
「なるほど、その道具で見た結果問題有りと思ったからあの兵士たちはこちらに向かってきてるのか」

流石は帝国、歴史が古いだけ有り色々と仕込んであるな。

「精霊だとバレたら何かまずいことあるのか?」
「私の方には心当たり無いわね」
「帝国次第か…」

兵士に取り囲まれてるなぁ。
武器構えてるし、あまり良い感じではなさそうだ。
なんか胡散臭そうなのが遅れて来てるが、あいつが責任者とかか?

「その女を置いていけ」

…どう言うこと?

「そうすればお前は捕まえないでおいてやる」
「全く意味わからない」
「その女を気に入ったお方が居るのだ、名誉な事であろう」

胡散臭そうなのがそんなこと言ったが、何処かの誰かが水の精霊の見た目を気に入ったから寄越せってことか?
精霊だからじゃなく?

「帝国ではこのような事が良くあるのか?」
「置いて立ち去るか捕まるかだ」

話す気もないと…?

「一応確認、俺が他国からの使者だったらどうする?」
「もういい、そいつらを捕まえろ」

おう、無視か。収納しよう。

「どうするの?」
「次は俺の身分や王国からの使者であることを言ってみようと思う」
「それで大丈夫なの?」
「城に確認したりするんじゃないかな?」

それから何回か収納して誰も出て来なくなったのでその場を離れた。
明日、城に行こう。
その時は最初から身分を名乗り使者の証を出そうと思う。
水の精霊は念のため収納しておくか。



「サーシャ王国からの使者を捕まえようとしたと」
「遠目からですがあの証はおそらく本物かと」
「それでロップ皇子たちの行方は?」
「不明です、少なくともこの都市には反応ありません」
「そうか」

使者と名乗らず入った側にも問題があると言いたいところだが、魔道具の履歴を見た限りでは2人ともに犯罪歴も無く登録証の情報とも一致してるので問題は無いのだ。都市の様子を見る為に平民として入ったと言われたらそれまでだ。
ただの平民であったなら、兵士に対して抵抗をしたこと理由に捕まえることが出来たのだが王国からの使者では…。

「使者の居る場所はわかるか?」
「宿に入るのは確認済みです」
「王国からの使者はこの都市に入らなかった、良いな」
「それでよろしいのですか?」
「今は大事な時だ」
「わかりました」

使者が帰ってこなければ再び送って寄越すだろう。



「仲の悪い国の方が安全だった気がするな」
「そうね、宿で襲われたりしなかったし」

宿屋に居たら暗殺者みたいのが窓から入って来たので収納した。
このままだと夜に何度か襲撃される気がしたので水の精霊に誰も部屋に入ってこれない魔法を使ってもらいその日は眠った。
そうまでして水の精霊を手に入れようとするとは…。

「君のことを可愛いとは思うけれど、俺を殺してまで手に入れようと思うほどなのだろうか?」
「いつも一緒だから慣れちゃったんじゃない?」

最初の印象が怖いだったのもあるかな。 



「ひっ?!」

朝に部屋から出ようとドアを開けたら何かを握ろうとした姿の男の氷像が有った。その横には別な男。
ドアを閉めて中に戻る。

「あれって君が?」
「悪意を持って入ろうとしたら凍るのよ」
「そう言う魔法なのか」
「窓の下にも有るわよ」

窓を開けて下を見ると割れた男の氷像と、その周りに兵士が数人居た。

「城に行くより先に捕まるな」
「何も悪いことしてないのに?」
「相手が暗殺者だって兵士たちは知らないからね。少なくとも話を聞く為に連れていかれると思う」
「気付かれずに外へ行ければ良いの?」
「出来るのか?」
「任せて」

俺に収納へ入れと水の精霊が言うがそんなの無理だろと思ったら出来た?!
そして水の精霊が姿を消して宿から出来た。

「収納の中に入ろうなんて考えたこともなかった」
「私が出来るのだから貴方も出来るのは当然よ」

当然なのか?
その辺の理屈がわからない。



城を挟んで反対側の街に移動して新たに宿を借り、そこで王が用意した貴族らしい服に着替える。
質の悪い服を着ていては城の兵士に相手されないからな。

城の前に行くまでに2つほど門を潜った。
徒歩であることで追い返させられそうになったが王様から貰った硬貨を見せたら通してもらえた。

まずは使者として来たことを伝えてくれと城の受付みたいなところで言うんだよな。
そして居場所を伝えて待つと。
王とか皇帝は予定が有るので即会おうとはならないからね。
それから城に入る時は馬車が必要だと言っていたから何処かで馬と御者を借りる手配をしないと。
王国の貴族らしい馬車は収納内に用意してある。

城の兵士に話をして案内された場所で手続きをする。
都市に入る時のように兵に囲まれることは無い。
こちらの身分は王国内だと公爵と同じ扱いとなっているが、他国ではわからないので特に明言はしない。
ただ、ドゥーンハルトの名を聞いた偉そうな人がなにか言っていたので領主様の家は有名なのかも知れない。

貴族が手続きに来ることはあまりないそうだが、飛竜に乗って来たので使用人を連れてこられなかったと言ったら納得していた。
急ぎの用事なのかと訊かれたが、重要なことなのでこのでは言えないと答えたら残念そうにはしていたが問い詰められはしなかった。

帰りは馬車で宿まで送ってもらった。
ここなのですか?と言われたが何か不味かったのだろうか?



「貴方が使者殿を亡き者にしようとした件について上に報告済みです」
「飛竜を用いる程の内容だとは思わぬだろう!」
「使者であることを知られずに入ろうとしていた事実を深く考えるべきでしたね。ロップ皇子も貴方も運がない」
「どういうことだ?」
「何がです?」
「まるでお前は関係無いようではないか」
「私の上司はロップなんて支持してませんよ」
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