黒の書を持って呼ばれた12人の賢者たち

水野(仮)

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残りの四賢者

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「なんで捨てたノートがこんなところにあるんだよ、お前は引っ越す時に捨てたはずだろう…」

誰も俺のことを知らない土地で高校デビューする時に忌まわしき記憶と共に捨てたはずだ。
ついでに友も捨てた。

「おお、これはヨウジ殿ではござらぬか!」
「なぜお前がココにいるんだサカモト!」
「私も控えておりますよ御曹司」
「ミヤギまで…」

チビだった俺は中2の後半あたりから身長が伸び始め、ぽっちゃり体型からすらっとしたものになり割とカッコ良くなって自信がつきクラスの女の子に気後せず話せるようになったんだ。
それでもそれまでオタク丸出しだった過去は消えないのであちら側に行くことも出来ず、誰も知らない街の高校へ通って新しい自分として生きていこうと叔母の家の近くの高校を選んだ。

サカモトはいい奴なんだが場所を気にせず萌えキャラ話をして周りの目が気になるし、ミヤギは…自分の世界観を持っててよくわからないが見る作品の趣味があって仲良くしてた。御曹司ってのはとある漫画で御曹司と呼ばれるキャラの見た目が俺と似てるからであってうちは別に金持ちじゃない。
昔は気にならなかったんだが、周りの反応を気にし出してからはわりと苦痛だったんだよな御曹司。
 
「ヨウジ殿もやはり持っているでござるな」
「御曹司は7冊ですか、表紙に描かれたイラストがポイント高いでね」
「こだわり派のヨウジ殿らしいですな」

2人の手にもノートが有る。
いや、持ってておかしくないと言うか当然だと思うけどね。

「なんで御曹司って呼ばれてるのジュリアンくん」
「悠里…」

声の方を見るとそこには桜庭悠里が居た。

高校デビューは上手くいって普通の学生生活を送っていたのだけれど、当時付き合っていたキスしかしてない彼女が妊娠して精神的ショックを受け逃避先に選んだネトゲで知り合った友人だ。

彼女を孕ませたのが部活の顧問だと後日発覚し、なぜかクラスの女子から俺が責められると言うよくわからない状況になってることを相談したら一緒に騒いで忘れようと誘われてリアルで会った。
ネトゲでは男キャラを使っていたし互いにテキストチャットだったから性別なんて知らない、ついでに男だと勝手に思ってたから現れた悠里を見たときはビックリした。
でも話すと本人だったのですぐにネトゲの時のようになれてその日は遊んだんだ。
そしてお酒を飲んでみんな忘れようってことになり、外ではまずいからと一人暮らしをしている悠里の家へ行って飲んで別れた彼女の愚痴を言ってスッキリして…そう言うことになった。

それ以降もネトゲをそれなりにやっていたのだが上手く話せなくてそれがなんか嫌でログインしなくなり、LINEのやりとりもそんなにしなくなって今は半年くらい何もなかった。

そんな悠里もノートを持っていた。

*****
ヨウジ 捨てたノートと共に捨てた過去も戻ってきたジュリアン 17歳 高校生
サカモト 最近同人作家デビューした 17歳 高校生
ミヤギ 衣装も作れるコスプレイヤー 17歳 高校生
桜庭悠里 ネトゲ親友に手を出して後悔してた 23歳 同人作家でイラストレーター

シリアス担当…かもしれない
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