大切なはずだった君と

りさ

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4.王宮にて(シンシア side)

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「確かに、受けとりました。正式に受理されましたら双方に通知書が送付されますのでご確認ください。お相手が獣人の方とのことなので、通常より時間がかかるかもしれませんが・・とはいっても2~3週間ほどでしょうか。」

「そうなのね、丁寧に教えてくださってありがとう。ただ、仰るように相手が獣人だったから、できるだけ早く関係を断ちたいのよ。あぁ、もちろんそのサインは本物よ?ちゃんと話し合って、書いてもらったの。私を運命だの云々言っていたから、また寄ってこられたら面倒で。」

「左様ですか。ではこちらの用紙にその旨書いておいた方がよろしいかと。処理が優先されるわけではありませんが、獣人との関係に詳しい方に事情を鑑みて回してもらえます。」

「ありがとう、すぐ書くわ。あと書類の送付先なのだけど住まいが定まっていないの。移動する可能性もあるし、魔鳩か何かで離婚が確定したことだけでも教えてくださらない?書類はすぐ受け取れなくても早く知りたいの。」

「承知しました。その旨も記載しておきますね。本日はお疲れさまでした。」

王宮の窓口に書類を預け、外に出た。


「あれ?シンシア?」

「・・団長?ご無沙汰してます。」

声をかけてきてくれたのは、元上司だった。

魔術師団・団長、ランドルフ・ハウゼン。
28才で団長に抜擢された、実力者だ。
彼は不思議そうに言った。

「なぜここに?結婚したのだろう?」

「話せば長くなるので割愛しますが、離婚することになりまして。その書類を今提出してきたところなのです。」

と正直に伝えると、団長は固まった。

「・・離婚?結婚したの半年ほど前じゃなかったか?しかも相手はあの獣人だろう?お前の上司でしかない私にさんざんケンカふっかけてきた。」

「その節はご迷惑をおかけしました。そのお相手の女性遊びが結婚当初から激しく、その上、彼の子を妊娠したと宣う女性が私を訪ねていらっしゃいまして。付き合いきれず離婚をつきつけて飛び出してきたのです。」

一気に説明すると、団長は言葉もなく固まっていた。

「・・なら、もう一度魔術師団にくるか?入団試験はまた受けてもらわねばならないが、お前の腕前は知っている。間違いなく採用されるだろうさ。」

「ありがたいお話なのですが、私はこの国を出ようと思っているのです。運命だのうるさい元夫から、出来るだけ離れたいですし。」

「・・そうか。まぁお前に関して心配は必要ないだろうが、気をつけて行けよ。」

団長の言葉に、にっこりと笑って、

「ご心配頂きありがとうございます。ですが移動魔法でひとっ飛びですし、問題ありませんよ。蓄えもありますしね。」

と、晴れ晴れとした空のもと、私は前に進みだした。
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