4 / 4
4.王宮にて(シンシア side)
しおりを挟む
「確かに、受けとりました。正式に受理されましたら双方に通知書が送付されますのでご確認ください。お相手が獣人の方とのことなので、通常より時間がかかるかもしれませんが・・とはいっても2~3週間ほどでしょうか。」
「そうなのね、丁寧に教えてくださってありがとう。ただ、仰るように相手が獣人だったから、できるだけ早く関係を断ちたいのよ。あぁ、もちろんそのサインは本物よ?ちゃんと話し合って、書いてもらったの。私を運命だの云々言っていたから、また寄ってこられたら面倒で。」
「左様ですか。ではこちらの用紙にその旨書いておいた方がよろしいかと。処理が優先されるわけではありませんが、獣人との関係に詳しい方に事情を鑑みて回してもらえます。」
「ありがとう、すぐ書くわ。あと書類の送付先なのだけど住まいが定まっていないの。移動する可能性もあるし、魔鳩か何かで離婚が確定したことだけでも教えてくださらない?書類はすぐ受け取れなくても早く知りたいの。」
「承知しました。その旨も記載しておきますね。本日はお疲れさまでした。」
王宮の窓口に書類を預け、外に出た。
「あれ?シンシア?」
「・・団長?ご無沙汰してます。」
声をかけてきてくれたのは、元上司だった。
魔術師団・団長、ランドルフ・ハウゼン。
28才で団長に抜擢された、実力者だ。
彼は不思議そうに言った。
「なぜここに?結婚したのだろう?」
「話せば長くなるので割愛しますが、離婚することになりまして。その書類を今提出してきたところなのです。」
と正直に伝えると、団長は固まった。
「・・離婚?結婚したの半年ほど前じゃなかったか?しかも相手はあの獣人だろう?お前の上司でしかない私にさんざんケンカふっかけてきた。」
「その節はご迷惑をおかけしました。そのお相手の女性遊びが結婚当初から激しく、その上、彼の子を妊娠したと宣う女性が私を訪ねていらっしゃいまして。付き合いきれず離婚をつきつけて飛び出してきたのです。」
一気に説明すると、団長は言葉もなく固まっていた。
「・・なら、もう一度魔術師団にくるか?入団試験はまた受けてもらわねばならないが、お前の腕前は知っている。間違いなく採用されるだろうさ。」
「ありがたいお話なのですが、私はこの国を出ようと思っているのです。運命だのうるさい元夫から、出来るだけ離れたいですし。」
「・・そうか。まぁお前に関して心配は必要ないだろうが、気をつけて行けよ。」
団長の言葉に、にっこりと笑って、
「ご心配頂きありがとうございます。ですが移動魔法でひとっ飛びですし、問題ありませんよ。蓄えもありますしね。」
と、晴れ晴れとした空のもと、私は前に進みだした。
「そうなのね、丁寧に教えてくださってありがとう。ただ、仰るように相手が獣人だったから、できるだけ早く関係を断ちたいのよ。あぁ、もちろんそのサインは本物よ?ちゃんと話し合って、書いてもらったの。私を運命だの云々言っていたから、また寄ってこられたら面倒で。」
「左様ですか。ではこちらの用紙にその旨書いておいた方がよろしいかと。処理が優先されるわけではありませんが、獣人との関係に詳しい方に事情を鑑みて回してもらえます。」
「ありがとう、すぐ書くわ。あと書類の送付先なのだけど住まいが定まっていないの。移動する可能性もあるし、魔鳩か何かで離婚が確定したことだけでも教えてくださらない?書類はすぐ受け取れなくても早く知りたいの。」
「承知しました。その旨も記載しておきますね。本日はお疲れさまでした。」
王宮の窓口に書類を預け、外に出た。
「あれ?シンシア?」
「・・団長?ご無沙汰してます。」
声をかけてきてくれたのは、元上司だった。
魔術師団・団長、ランドルフ・ハウゼン。
28才で団長に抜擢された、実力者だ。
彼は不思議そうに言った。
「なぜここに?結婚したのだろう?」
「話せば長くなるので割愛しますが、離婚することになりまして。その書類を今提出してきたところなのです。」
と正直に伝えると、団長は固まった。
「・・離婚?結婚したの半年ほど前じゃなかったか?しかも相手はあの獣人だろう?お前の上司でしかない私にさんざんケンカふっかけてきた。」
「その節はご迷惑をおかけしました。そのお相手の女性遊びが結婚当初から激しく、その上、彼の子を妊娠したと宣う女性が私を訪ねていらっしゃいまして。付き合いきれず離婚をつきつけて飛び出してきたのです。」
一気に説明すると、団長は言葉もなく固まっていた。
「・・なら、もう一度魔術師団にくるか?入団試験はまた受けてもらわねばならないが、お前の腕前は知っている。間違いなく採用されるだろうさ。」
「ありがたいお話なのですが、私はこの国を出ようと思っているのです。運命だのうるさい元夫から、出来るだけ離れたいですし。」
「・・そうか。まぁお前に関して心配は必要ないだろうが、気をつけて行けよ。」
団長の言葉に、にっこりと笑って、
「ご心配頂きありがとうございます。ですが移動魔法でひとっ飛びですし、問題ありませんよ。蓄えもありますしね。」
と、晴れ晴れとした空のもと、私は前に進みだした。
42
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
義弟の婚約者が私の婚約者の番でした
五珠 izumi
ファンタジー
「ー…姉さん…ごめん…」
金の髪に碧瞳の美しい私の義弟が、一筋の涙を流しながら言った。
自分も辛いだろうに、この優しい義弟は、こんな時にも私を気遣ってくれているのだ。
視界の先には
私の婚約者と義弟の婚約者が見つめ合っている姿があった。
惚れ薬を自作して敬愛する騎士団長に飲ませたら、なぜか天敵の副団長が一晩中私を口説いてきました
藤森瑠璃香
恋愛
宮廷魔術師の私には、密かに想いを寄せる騎士団長がいる。彼のために自作した惚れ薬を夜会の酒杯に忍ばせる…までは完璧な計画だったのに、その酒杯をぐいっと飲み干したのは、よりにもよって私の天敵である副団長のザカリー様だった! 普段は皮肉屋で私に意地悪ばかりしてくる彼が、「ずっと君だけを見ていた」なんて熱っぽい瞳で囁いてくる。薬の効果は明日の朝日が昇るまで。一晩だけの甘い悪夢だとわかっているのに、普段の彼からは想像もできない優しいキスに、私の心臓はうるさくて…。薬のせいだと割り切りたい一夜のドタバタラブコメディ。
『完結』番に捧げる愛の詩
灰銀猫
恋愛
番至上主義の獣人ラヴィと、無残に終わった初恋を引きずる人族のルジェク。
ルジェクを番と認識し、日々愛を乞うラヴィに、ルジェクの答えは常に「否」だった。
そんなルジェクはある日、血を吐き倒れてしまう。
番を失えば狂死か衰弱死する運命の獣人の少女と、余命僅かな人族の、短い恋のお話。
以前書いた物で完結済み、3万文字未満の短編です。
ハッピーエンドではありませんので、苦手な方はお控えください。
これまでの作風とは違います。
他サイトでも掲載しています。
【第2章完結】無表情な黒豹騎士に懐かれたら、元の世界に戻れなくなった私の話を切実に聞いてほしい!!
カントリー
恋愛
懐かれた時はネコちゃんみたいで可愛いなと思った時期がありました。
でも懐かれたのは、獲物を狙う肉食獣そのものでした。by大空都子。
大空都子(おおぞら みやこ)。食べる事や料理をする事が大好きなぽっちゃりした女子高校生。
今日も施設の仲間に料理を振るうため、買い出しに外を歩いていた所、暴走車両により交通事故に遭い異世界へ転移してしまう。
異世界先は獣人の世界ークモード王国。住民の殆どが美男美女で、おデブは都子だけ。
ダーク
「…美味そうだな…」ジュル…
都子「あっ…ありがとうございます!」
(えっ…作った料理の事だよね…)
元の世界に戻るまで、都子こと「ヨーグル・オオゾラ」はクモード城で料理人として働く事になるが…
これは大空都子が黒豹騎士ダーク・スカイに懐かれ、最終的には逃げられなくなるお話。
★いいね・応援いただけると嬉しいです。創作の励みになります。
戦いの終わりに
トモ
恋愛
マーガレットは6人家族の長女13歳。長く続いた戦乱がもうすぐ終わる。そんなある日、複数のヒガサ人、敵兵士が家に押し入る。
父、兄は戦いに出ているが、もうすぐ帰還の連絡があったところなのに。
家には、母と幼い2人の妹達。
もうすぐ帰ってくるのに。なぜこのタイミングで…
そしてマーガレットの心には深い傷が残る
マーガレットは幸せになれるのか
(国名は創作です)
番など、今さら不要である
池家乃あひる
恋愛
前作「番など、御免こうむる」の後日談です。
任務を終え、無事に国に戻ってきたセリカ。愛しいダーリンと再会し、屋敷でお茶をしている平和な一時。
その和やかな光景を壊したのは、他でもないセリカ自身であった。
「そういえば、私の番に会ったぞ」
※バカップルならぬバカ夫婦が、ただイチャイチャしているだけの話になります。
※前回は恋愛要素が低かったのでヒューマンドラマで設定いたしましたが、今回はイチャついているだけなので恋愛ジャンルで登録しております。
それでも好きだった。
下菊みこと
恋愛
諦めたはずなのに、少し情が残ってたお話。
主人公は婚約者と上手くいっていない。いつも彼の幼馴染が邪魔をしてくる。主人公は、婚約解消を決意する。しかしその後元婚約者となった彼から手紙が来て、さらにメイドから彼のその後を聞いてしまった。その時に感じた思いとは。
小説家になろう様でも投稿しています。
どうせ運命の番に出会う婚約者に捨てられる運命なら、最高に良い男に育ててから捨てられてやろうってお話
下菊みこと
恋愛
運命の番に出会って自分を捨てるだろう婚約者を、とびきりの良い男に育てて捨てられに行く気満々の悪役令嬢のお話。
御都合主義のハッピーエンド。
小説家になろう様でも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる