ゲーム内転移ー俺だけログアウト可能!?ゲームと現実がごちゃ混ぜになった世界で成り上がる!ー

びーぜろ

文字の大きさ
25 / 411

第25話 やられたらやり返す! 倍返しだ!②

しおりを挟む
「あ、あなたっ、それを寄越しなさ……。う、うぐっ……」

 くくくっ……。
 リフリ・ジレイター。お前は本当に欲しがりさんだな……。
 俺が取り出したオマルに熱い視線を向けて……。そんなにオマルが欲しいのかい?

 これ見よがしにオマルをチラつかせていると、リフリ・ジレイターは怒りと苦悶の表情を浮かべた。
 器用な表情の浮かべ方だ。
 しかし、もう。話す余裕もないらしい。
 プルプル震えながら悶絶している。
 いいザマである。

「さて、これで俺の気持ち。わかってくれたかな?」

 スタンガンで顔をウリウリすると、リフリ・ジレイターが歯を食い縛る。
 顔が真っ赤だ。
 ヤバいな。もうそろそろ肛門括約筋が決壊しそうだ。

 流石はモンスター用の下剤だ。効きが早い。
 馬車の振動と下剤の相乗効果で、リフリ・ジレイターの腹にダイレクトアタックを与え続けているのだろう。

 それはさながら永続トラップ『馬車の振動』。
 腹痛に苦しむ者に振動を与え続ける地獄の様な永続トラップだ。
 高橋翔はリフリ・ジレイターの肛門括約筋にダイレクトアタック!
 そんな気分である。

 俺は箱檻の鍵を開けると、リフリ・ジレイターに顔を向ける。

「じゃあな、リフリ・ジレイター。市中引き回しの刑頑張ってくれよ。アディオス!」
「ま、待ちなさ……。ふぐうううううっ!!?」

 親指を立てて、箱罠から飛び降りると同時に、リフリ・ジレイターから腹の内容物がぶち撒けられる。そんな音がした。

「汚ねえ花火だぜ」

 勿論、言ってみたかっただけだ。実際に汚いし……。
 リフリ・ジレイターの奴。折角、オマルを用意してやったと言うのに使わなかったらしい。
 まあ、縛られた状態で使う事ができたら、それはそれで凄い事だ。

 まあオマルを使えても、お前の汚ねえケツを拭く紙はないけどね。

 まああれだけ恥をかかせてやれば、もう二度と絡んでこないだろう。
 もし、また絡んでくる様なら、もうワンテイク行くまでだ。
 俺に絡みたくなくなるまで、何テイクでも付き合ってやる。
 その度に汚い花火を打ち続ける事になるが、それでも構わないというのであれば何度でも絡んでくるがいい。

 野太い声を上げるリフリ・ジレイターを乗せた馬車を後目に、俺は宿に向かった。

 ◇◆◇

『ぐ、ぐう、うおぉぉぉぉ! ビーツにクレソンは何をやっているのですかああああ!』

 馬車の荷台に設置された箱罠で叫び声を上げるリフリ・ジレイター。
 御者台に乗り、馬車の運転をしているビーツは怪訝な表情を浮かべた。

「うん……。おかしいな?」

 馬車の荷台からリフリ・ジレイター様の声が聞こえた様な気がする。

 いや、気のせいか……。

 リフリ・ジレイター様の乗る馬車は前を走っている。箱罠にはクレソンが乗っているし、大方、あのモブフェン野郎が叫び声を上げているのだろう。

 それにしても品のない叫び声だ。
 冷凍庫組に喧嘩を売るからそうなる。
 全く馬鹿な男だ。

 背後から聞こえてくる叫び声に耳を傾ける事なく馬車を走らせる。
 すると、暫くして冷蔵庫組本部が見えてきた。
 馬車を停めると御者台から降りて荷台に視線を向ける。

「クレソン。本部に着いたぞ。そこまでにしてお……けえ?」

 するとそこには、とても形容する事のできない姿となったリフリ・ジレイター様がいた。
 慌てて近寄ろうとするも、悪臭が立ち込めており近寄る事ができない。

「うっ……。くさっ!?」

 思わず、声に出してそう言うと、思いきりリフリ・ジレイター様に睨み付けられてしまう。

「ビーツさん? あなた、今、私に向かって何と言ったのですか?」

 拙い。私の余計な一言に。
 リフリ・ジレイター様がお怒りだ。
 な、何とか諫めなければ……。

「い、いえ、違うのです!? く、草木を腐らせた腐葉土の様に熟成された香しい匂いがしたなと……」
「そんな恥ずかしい弁解はいらないのよ!! さっさと私を解放しなさい! シャワーと服の準備もよ! ううっ……。恥ずかしくて、もう歩けないわ! 美容整形の予約も入れておいて!」
「い、いえ、ですが……」
「私は早くしてと言っているのよ!」
「は、はい! 承知しました!」

 い、一体何が……。何が起こっているんだ……。あのモブフェン野郎はどこに?
 何故、リフリ・ジレイター様があの様な姿に……。
 それでは、前を走っていた馬車には誰が乗っているんだ?

 リフリ・ジレイター様を縛っていた縄を解き、馬車に視線を向けると、そこには股間を抑え悶絶するクレソンの姿があった。

 ク、クレソォォォォン!?
 お、お前、何やってんの!?
 っていうか、いつの間に前の馬車に??
 どういう事っ!?

「ビ、ビーツ……。あのモブフェン野郎は危険だ……。リフリ・ジレイター様はどちらに……」

 股間を抑えながら地面に這いつくばり悶絶するクレソン。
 心なしか、クレソンの目に恐怖が入り混じっている気がする。
 手になにかを持っているようだが、あれは……。

「……私はここですよ。クレソンさん。その手に持っている物は一体何です?」

 リフリ・ジレイター様が歩く度に、悪臭を放ちながら汚物が地面にポタポタと垂れる。
 思わず、私は渋面を浮かべた。
 しかし、渋面を浮かべた瞬間、リフリ・ジレイター様に睨み付けられてしまう。
 すぐさま、にこやかな笑みを浮かべると、リフリ・ジレイター様はクレソンが手に持っていた物を拾い上げる。

「こ、これは……。なるほど、そういう事でしたか……。クレソンさん。あなた、これを握り潰しながら私の名前を言いましたね?」
「え、ええっ、その通りです……」

 すると、リフリ・ジレイター様が鬼の様な形相を浮かべる。

「ふふふっ……。まさか、クレソンさんと私の位置を入れ替える為だけに、こんな高額なアイテムを使うとはね。初めてですよ……。こんな高額なアイテムを嫌がらせする為だけに使うお馬鹿さんは……」
「そ、それはどういう……。うっ!?」

 リフリ・ジレイター様の臭気に鼻が曲がりそうだ。

「あなたもしつこいですね……。そんなに私の事を怒らせたいのですか? まあいいでしょう。クレソンさんが使用したアイテムは、『スワップ・プレイス』と呼ばれる位置を入れ替えるだけの大変高価なアイテム……。いえ、消耗品です。恐らく、あの男はクレソンさんにこの『スワップ・プレイス』を渡し、私の名前を無理矢理言わせたのでしょう……。ふふふっ、この私に攻撃し、あまつさえ内容物塗れにするなんて、こんな屈辱初めてですよ。あの……クソ野郎ぉぉぉぉ! 絶対許さないからなぁぁぁぁ! この私を怒らせて平穏な暮らしが送れると思うんじゃねぇぞ! 絶対にぶち殺してくれる!」
「ぎゃんっ!?」

 リフリ・ジレイター様が叫び声を上げながらクレソンの股間を蹴り上げると、クレソンは泡を噴いて崩れ落ちる。

 お、恐ろしい……。
 股間に重傷を負っているクレソンを蹴り上げるなんて……。
 既に男としての人生を失ったも同然なのに平然と追い打ちをかける事ができるとは、流石はリフリ・ジレイター様だ。

「さあ、そんなゴミは置いておいて行きますよ。臭いが酷くて堪りません!」
「は、はい! すぐに準備致します!」

 私は泡を噴いて倒れているクレソンを放置すると、これ以上、リフリ・ジレイター様の機嫌を損ねないようシャワーと服の準備をし、その後、美容整形の予約を入れる。

「ビーツさん! この服は処分しておいて! あと、私が歩いた場所の清掃よ! 私がシャワーから上がる前にやっておいてよね!」
「は、はい! 今すぐに!」

 冷蔵庫組の本部に着いてやった事。
 それは内容物塗れとなった組の掃除だった。

 くそっ!
 何で冷蔵庫組のエリートである私がこんな事を……。
 これも全て、リフリ・ジレイター様を内容物塗れにしたモブフェン野郎のせいだ!
 絶対に許さない。

 私は怒りの炎を目に宿すと、リフリ・ジレイター様の内容物に塗れた廊下の拭き掃除を始めた。

 ◇◆◇

「……そうか。それは良かった」

 宿に戻った俺は、従業員達に聞き取り調査を行い、リフリ・ジレイター達に何かされていないか話を聞いていく。
 話を聞いた限り、リフリ・ジレイター達はこの宿に悪さをする事はなかったようだ。
『地上げ屋本舗』の様に、宿に火をつけるようであれば、俺自ら冷蔵庫組を潰しに行かなければならない所だった。
 完全に潰す事はできないかも知れないが、嫌がらせだけはしてやろうと思っている。

 まあ、あいつ等は俺の事を探していたみたいだし、元々、この宿を取り戻そうとしていたから手荒い事をすることはなかったのだろう。

 まあ、あれだけ酷い目に遭わせてやったのだから、もう絡んでくる事はないと思いたい。
 とりあえず、何かしら対策を打たないといけない。
 いっその事、冒険者協会に宿の警備でも頼もうかな?

 その方が良さそうだ。
 金で解決できることは金で解決するべきだ。
 この宿に過度な利益は求めていない。
 潰れない程度に経営してくれれば十分だ。
 よし。決めた!
 冒険者に宿の警備を頼もう!

 そう考えた俺は、早速、冒険者協会へと向かった。

「さてと……」

 冒険者協会に辿り着いた俺は、早速、宿の警備を依頼する事にした。
 冷蔵庫組の奴等を追い払うには、最低でも、Cランクの力が必要だろう。
 勿論、実際にやり合ってみて感じた俺の所感である。
 しかし、Cランクが宿の警備依頼を受けてくれるだろうか?

 一抹の不安を覚えながら受付で依頼をかけると、受付嬢が首を振る。

「申し訳ございません。現在、ご紹介する事のできる冒険者はおりません」
「ええっ! なんでですか!?」

 冒険者協会併設の酒場に冒険者達が大勢いますけど!?

 すると、受付嬢は申し訳なさそうな表情を浮かべる。

「じ、実は今、ランクに合わないレベルの方が続出しておりまして……。現在、冒険者協会ではランク制度の運用見直しを含め、協議中なのです。その為、暫くの間、冒険者協会から冒険者の斡旋及び派遣は控えさせて頂いております」
「な、なん、だと……」

 レベル一のSランク冒険者急増の余波がこんな所に……。

 いや、言われてみれば当たり前か。
 冒険者協会としても、実力の伴わない冒険者を斡旋したり派遣する事はできない。
 実力の伴わない冒険者を派遣した結果、依頼を失敗しましたでは冒険者協会の名誉が毀損してしまう。

 しかし、困ったな……。
 完全に想定外だ。

「おや? お前、カケルじゃないか?」
「うん?」

 背後から声をかけられ顔を向けると、そこには筋骨隆々の逞しい体躯に、日焼けサロンで焼いたかのような鮮やかな黒い肌が特徴的な魔法使い、カイルが佇んでいた。
しおりを挟む
感想 558

あなたにおすすめの小説

はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~

さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。 キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。 弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。 偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。 二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。 現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。 はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える

ハーフのクロエ
ファンタジー
 夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。  主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。

侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】

のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。 そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。 幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、 “とっておき”のチートで人生を再起動。 剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。 そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。 これは、理想を形にするために動き出した少年の、 少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。 【なろう掲載】

俺得リターン!異世界から地球に戻っても魔法使えるし?アイテムボックスあるし?地球が大変な事になっても俺得なんですが!

くまの香
ファンタジー
鹿野香(かのかおる)男49歳未婚の派遣が、ある日突然仕事中に異世界へ飛ばされた。(←前作) 異世界でようやく平和な日常を掴んだが、今度は地球へ戻る事に。隕石落下で大混乱中の地球でも相変わらず呑気に頑張るおじさんの日常。「大丈夫、俺、ラッキーだから」

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~

明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!! 『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。  無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。  破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。 「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」 【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

ひっそり静かに生きていきたい 神様に同情されて異世界へ。頼みの綱はアイテムボックス

於田縫紀
ファンタジー
 雨宿りで立ち寄った神社の神様に境遇を同情され、私は異世界へと転移。  場所は山の中で周囲に村等の気配はない。あるのは木と草と崖、土と空気だけ。でもこれでいい。私は他人が怖いから。

処理中です...