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第十一章 オーランド王国動乱編
第471話 オーランド王国束の間のひと時
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「ふむ。皆、概ね順調に近隣諸国の支配を進めているようだな……しかし、これは……」
迷宮さえ確保できれば問題ない。
そう思っていた。そう思っていたが……
しかしこれは、一体どうした事か……。
ヤンマイエン王国にチャネル王国。
ヴィーザルとトールに任せたその国は、今、とんでもない事になっていた。
話を聞いた時は問題ないと思っていたが、これは駄目だろう。
「だ、誰が……誰が国を滅ぼせと命じた? ワシは命じてないよな? 命じていないよな?」
ヤンマイエン王国にチャネル王国。
その両方の国は、ヴィーザルとトールにより滅茶苦茶になっていた。
ヴィーザルに任せた国は、国中が滅茶苦茶となり王城のあった場所には世界樹が聳えている。
トールに任せた国は、王城が黒焦げの状態だ。
王城に全ての王侯貴族が集まっていて、その全てが死んでいるならいざ知らず、隙を見て何人かの王侯貴族が逃げてしまっている。
こんな状態では、支配もクソもない。
そもそも、一番の目的は、信仰心を集める事。
力押しで国を掌握するなんて誰でもできる。しかし、それをやらなかったのは、それでは信仰心がまったく集まらないからだ。
国に住む国民に植え付けたのは恐怖心のみ。
信仰心とはかけ離れた心情だ。
「申し訳ございません」
「す、すまねぇ! まさかこんな事になるなんて思わなかったんだっ!」
ヴィーザルとトールがそう言うのを聞くと、ワシは頭を上げる。
「お、お前達……いや、しかし、終わった事は仕方がない。次から気を付けるように……ヤンマイエン王国にチャネル王国にはバルドルを向かわせる。魅了の力があれば、まあ、問題ないだろう」
なんだか、フィンが怒り狂っていた様に思ったが、終わってしまった事は仕方がない。
「次に支配する国は、メインランド王国にゴットランド王国だ。バルドルとヴァーリは既に、他の近隣諸国の支配に向かっている。お前達も、間違っても国を壊すような事をするな」
ワシがそう言うと、ヴィーザルとトールは元気よく声を上げた。
「はい!」
「わかったぜ!」
正直、不安で不安で仕方がない。
まったく、誰に似てこんな性格になったのか……。
まあいい。
「わかったのであれば良い。ロキがいるであろうサンミニアート・アルモンテ聖国。そして、フェロー王国へ攻め入るのは一ヶ月後。それまでに力を磨いておけ……何度も言うが、間違っても、今回と同様の事を起こすでないぞ?」
「「はい!」」
「それならいい。それでは、メインランド王国とゴットランド王国の占拠へと向かえ」
そう言うと、ヴィーザルとトールはここから去って行く。
さて、残された問題はと言うと……。
「オーディン様っ! あなた、一体どういう事よっ!」
椅子に腰かけてると、扉が開かれ、オーランド王国の女王フィンが部屋の中に入ってくる。
「どういう事とは、何の事だ? ワシは、フィンの言う通り近隣諸国を支配した。それでは不服か?」
ワシが白々しくそう言うと、フィンが額に青筋を浮かべながら声を上げる。
「不服? ねえ、今あなた、不服かどうかを私に聞いたの? 不服に決まっているじゃない! 何をどうやったら国一つ滅ぼせるのよっ! 滅んだ国を占拠してどうするの! 一体どれだけの金が掛かると思っているのっ!?」
まったく煩い奴よ。
仕方がないではないか。
ワシもそんな事は望んでいない。しかし、やってしまった事は仕方がない。
今更どうする事もできないのだから、そんな事を言っても仕方がないではないか。
それなのに、グチグチグチグチと生産性のない事を……。
「煩いわっ! 国を占拠する事ができたんだから別に問題なかろう! 迷宮は無事だし、壊滅したのはそこに住む人々の家だけ、金で何とかなる事に、このワシを巻き込むではないわっ! どこまでがめついのだ貴様はっ!」
ワシがそういうと、フィンは青筋を浮かべる。
「が、がめついですって!? 誰に言っているのよ! まさかこの私に言っているの!? この私に言っている訳じゃないわよねぇ!?」
「煩い。煩い。煩いわっ! 金、金、金、金と貴様は金の亡者かっ! まずは宣戦布告した近隣諸国を落とす事がなにより重要だろうがっ! なにが金だっ! 金位、ワシがなんとかしてやるわっ!」
「言ったわね? あなた、今言ったわね!?」
「ああ、それがどうしたっ!」
本当に煩い糞婆だ。
いつまで終わった事を蒸し返せば気が済む!
「宣戦布告した近隣諸国については、仕方がないから諦めてあげる。でも、フェロー王国に付いては別よ! 確実に国を破壊せず占拠してよね! 特にユートピア商会は確実に抑えなさい」
「なに? ユートピア商会だと?」
「……あなた。前に私、ユートピア商会に付いて説明したわよね? まさか、忘れたとか言わないわよね??」
正直、聞いた事のない商会だ。
そんな事を言っていたか?
耄碌婆め。きっと、こ奴の勘違いだろう。
しかし、これ以上フィンを怒らせるのもあまり良くない気がする。
「勿論だ。まあ、任せておけ。その程度、簡単な事だ」
自信満々にそういうと、ワシは高笑いを浮かべた。
迷宮さえ確保できれば問題ない。
そう思っていた。そう思っていたが……
しかしこれは、一体どうした事か……。
ヤンマイエン王国にチャネル王国。
ヴィーザルとトールに任せたその国は、今、とんでもない事になっていた。
話を聞いた時は問題ないと思っていたが、これは駄目だろう。
「だ、誰が……誰が国を滅ぼせと命じた? ワシは命じてないよな? 命じていないよな?」
ヤンマイエン王国にチャネル王国。
その両方の国は、ヴィーザルとトールにより滅茶苦茶になっていた。
ヴィーザルに任せた国は、国中が滅茶苦茶となり王城のあった場所には世界樹が聳えている。
トールに任せた国は、王城が黒焦げの状態だ。
王城に全ての王侯貴族が集まっていて、その全てが死んでいるならいざ知らず、隙を見て何人かの王侯貴族が逃げてしまっている。
こんな状態では、支配もクソもない。
そもそも、一番の目的は、信仰心を集める事。
力押しで国を掌握するなんて誰でもできる。しかし、それをやらなかったのは、それでは信仰心がまったく集まらないからだ。
国に住む国民に植え付けたのは恐怖心のみ。
信仰心とはかけ離れた心情だ。
「申し訳ございません」
「す、すまねぇ! まさかこんな事になるなんて思わなかったんだっ!」
ヴィーザルとトールがそう言うのを聞くと、ワシは頭を上げる。
「お、お前達……いや、しかし、終わった事は仕方がない。次から気を付けるように……ヤンマイエン王国にチャネル王国にはバルドルを向かわせる。魅了の力があれば、まあ、問題ないだろう」
なんだか、フィンが怒り狂っていた様に思ったが、終わってしまった事は仕方がない。
「次に支配する国は、メインランド王国にゴットランド王国だ。バルドルとヴァーリは既に、他の近隣諸国の支配に向かっている。お前達も、間違っても国を壊すような事をするな」
ワシがそう言うと、ヴィーザルとトールは元気よく声を上げた。
「はい!」
「わかったぜ!」
正直、不安で不安で仕方がない。
まったく、誰に似てこんな性格になったのか……。
まあいい。
「わかったのであれば良い。ロキがいるであろうサンミニアート・アルモンテ聖国。そして、フェロー王国へ攻め入るのは一ヶ月後。それまでに力を磨いておけ……何度も言うが、間違っても、今回と同様の事を起こすでないぞ?」
「「はい!」」
「それならいい。それでは、メインランド王国とゴットランド王国の占拠へと向かえ」
そう言うと、ヴィーザルとトールはここから去って行く。
さて、残された問題はと言うと……。
「オーディン様っ! あなた、一体どういう事よっ!」
椅子に腰かけてると、扉が開かれ、オーランド王国の女王フィンが部屋の中に入ってくる。
「どういう事とは、何の事だ? ワシは、フィンの言う通り近隣諸国を支配した。それでは不服か?」
ワシが白々しくそう言うと、フィンが額に青筋を浮かべながら声を上げる。
「不服? ねえ、今あなた、不服かどうかを私に聞いたの? 不服に決まっているじゃない! 何をどうやったら国一つ滅ぼせるのよっ! 滅んだ国を占拠してどうするの! 一体どれだけの金が掛かると思っているのっ!?」
まったく煩い奴よ。
仕方がないではないか。
ワシもそんな事は望んでいない。しかし、やってしまった事は仕方がない。
今更どうする事もできないのだから、そんな事を言っても仕方がないではないか。
それなのに、グチグチグチグチと生産性のない事を……。
「煩いわっ! 国を占拠する事ができたんだから別に問題なかろう! 迷宮は無事だし、壊滅したのはそこに住む人々の家だけ、金で何とかなる事に、このワシを巻き込むではないわっ! どこまでがめついのだ貴様はっ!」
ワシがそういうと、フィンは青筋を浮かべる。
「が、がめついですって!? 誰に言っているのよ! まさかこの私に言っているの!? この私に言っている訳じゃないわよねぇ!?」
「煩い。煩い。煩いわっ! 金、金、金、金と貴様は金の亡者かっ! まずは宣戦布告した近隣諸国を落とす事がなにより重要だろうがっ! なにが金だっ! 金位、ワシがなんとかしてやるわっ!」
「言ったわね? あなた、今言ったわね!?」
「ああ、それがどうしたっ!」
本当に煩い糞婆だ。
いつまで終わった事を蒸し返せば気が済む!
「宣戦布告した近隣諸国については、仕方がないから諦めてあげる。でも、フェロー王国に付いては別よ! 確実に国を破壊せず占拠してよね! 特にユートピア商会は確実に抑えなさい」
「なに? ユートピア商会だと?」
「……あなた。前に私、ユートピア商会に付いて説明したわよね? まさか、忘れたとか言わないわよね??」
正直、聞いた事のない商会だ。
そんな事を言っていたか?
耄碌婆め。きっと、こ奴の勘違いだろう。
しかし、これ以上フィンを怒らせるのもあまり良くない気がする。
「勿論だ。まあ、任せておけ。その程度、簡単な事だ」
自信満々にそういうと、ワシは高笑いを浮かべた。
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