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第3話 勇者マコト国葬される
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「大魔王コサカを南極大陸に封印できたし、さあハジマリノ王国に凱旋だ。あいつ等、無事に魔王城を出る事ができただろうか……。」
勇者マコトは、ここまで一緒に戦ってきた仲間たちの事を思い返す。
思えば色々な事があった。
大賢者スラングを宿までパシらせたり、大魔法使いポッターに食べ物をYberEatsさせたり、大戦士センシと一緒に夜の街に繰り出してサキュバスに騙されたり、仲間たちが見ている中、俺一人で中ボスと戦ったり……。
あれ? あいつ等、大賢者スラングが魔王に目晦ましの呪文を唱えた以外、何もしてなくね?
「ま、まあ、魔王ハセガワに最後の一撃を与えたのも、大魔王コサカを南極大陸に封印したのも俺の手柄だしいいか……。」
それに今なら何でもできる気がする。
大魔王コサカも言っていたが、今の俺は半神。
大魔王コサカ以上に大魔王する事ができる。
なにせ世界の半分を俺が支配しているのだから。
何ならこんな事もできる。
勇者マコトが、年中常夏のバリ王国の海岸を≪半神眼≫で覗き込むと、魔王の支配から解放され海岸で遊んでいるパリピの姿を眼下に収める。
「ふっ、この俺様が大魔王コサカと共に南極大陸でガクブルしている時に、乳繰り合っていたパリピ共め……。こうしてやる!」
勇者マコトが醜い嫉妬心を、バリ王国の海岸に向けると、バリ王国の海岸を集中豪雨が襲う。
「ふははははっ! パリピ共が雨を避ける為、パラソルの中に避難しに行きおったわ! 俺様が大魔王コサカと戦っていた間も楽しい思いをしていたパリピ共め! 俺の狭量さを知れっ!」
大魔王コサカ以上に大魔王していた勇者マコトがふと我にかえると、自分のしていた事の小ささに気付く。
「き、今日の所はここらで勘弁してやろう。け、決してお前等が羨ましくてこんな事したんじゃないんだからね! 勘違いしないでよね!」
勇者マコトは誰得かも分からないツンデレを披露すると、バリ王国を元の晴れ晴れとした天候へと変え、思案気な表情で呟く。
「ふっ、先程はパリピ共に醜い嫉妬心を晒してしまったが、よくよく考えてみたら俺は大魔王から世界を救った勇者。これからは救世の英雄としてパリピよりもパリピな人生が待ってるじゃないか!」
勇者マコトは、これから始まるパリピな生活を思い浮かべると、だらしない笑顔を浮かべ呟く。
「よし! ハジマリノ王国に凱旋だ!」
勇者マコトは高らかに呟くと、ハジマリノ王国に転移する。
勇者マコトがハジマリノ王国に転移してみると、大魔王コサカを南極大陸に封印し、世界に平和が戻ってきたというのにも関わらず、王国の雰囲気が重い。
「一体何が起こっているんだ……。ま、まさか! まだ魔族がここにっ!」
まだ魔王がこの世界を支配していた頃、勇者マコト達のパーティーが解放する前の街は、今のハジマリノ王国と同様に重い雰囲気が街中を支配していた。
勇者マコトはゆっくりとした足取りで、王城へと向かう。
「くそっ! 大魔王コサカめ! 魔王軍はみんな南極大陸に強制転移したんじゃなかったのか⁉︎ みんな無事でいてくれ!」
勇者マコトが王城へと辿り着くと、王城の周りに多くの人が集まっている。そして、そこにいる全ての人が悲しみに暮れていた。
遅かったか! くっ! 大魔王コサカめ!
そして、王城を見上げるとそこには……。
「はあっ⁉︎」
勇者マコトの遺影がデカデカと掲げられていた。
いやいやいやいや、どういう事これ?
あり得ねーだろ、これ?
『皆のものよ!』
勇者マコトが軽くパニックを起こしていると、王城から王様が出てきた。後ろには、勇者パーティーが並んでいる。
『皆も既に知っている事と思うが、大魔王コサカを倒した勇者マコトはもうこの世にはいない。勇者パーティーによると、勇者マコトは最後まで我々のことを案じ、天へと旅立っていったとの事だ……』
いや、死んでねーよ。生きてここにいるよ。彼奴らもなにパチこいてんだよ?
『世界に平和を齎した勇者マコトに黙祷を捧げる。』
『黙祷』
いやいやいやいや、おかしいだろーがぁぁぁぁぁ!
勇者マコトは、涙を流しながら遺影に黙祷している老人に声をかける。
「お爺さん、お爺さん。何で黙祷してんの?」
しかし、お爺さんには勇者マコトの声が届いていない様だ。熱心に黙祷を捧げている。
「じ、じゃあ、お婆さんでいいや。なあ、俺生きているのに何で黙祷を捧げているんだ?」
しかし、お婆さんには勇者マコトの声が届いていない様だ。熱心に黙祷を捧げている。
「そこのお姉さん! 勇者マコトは生きて此処にいますよ! あなたの前にいますよ! 聞こえていますか⁉︎」
しかし、お姉さんには勇者マコトの声が届いていない様だ。熱心に黙祷を捧げている。
おぃぃぃぃ! いい加減にしろよテメーら!
俺は生きて此処にいるって言ってんだろうがぁぁぁぁぁ! 何これ、みんなの目には俺が認識できないようフィルターでも掛かってるの? ねえホント何これ!
心の中でそうツッコミを入れると、黙祷終了のアナウンスが流れ、解散となった。
勇者マコトは、ここまで一緒に戦ってきた仲間たちの事を思い返す。
思えば色々な事があった。
大賢者スラングを宿までパシらせたり、大魔法使いポッターに食べ物をYberEatsさせたり、大戦士センシと一緒に夜の街に繰り出してサキュバスに騙されたり、仲間たちが見ている中、俺一人で中ボスと戦ったり……。
あれ? あいつ等、大賢者スラングが魔王に目晦ましの呪文を唱えた以外、何もしてなくね?
「ま、まあ、魔王ハセガワに最後の一撃を与えたのも、大魔王コサカを南極大陸に封印したのも俺の手柄だしいいか……。」
それに今なら何でもできる気がする。
大魔王コサカも言っていたが、今の俺は半神。
大魔王コサカ以上に大魔王する事ができる。
なにせ世界の半分を俺が支配しているのだから。
何ならこんな事もできる。
勇者マコトが、年中常夏のバリ王国の海岸を≪半神眼≫で覗き込むと、魔王の支配から解放され海岸で遊んでいるパリピの姿を眼下に収める。
「ふっ、この俺様が大魔王コサカと共に南極大陸でガクブルしている時に、乳繰り合っていたパリピ共め……。こうしてやる!」
勇者マコトが醜い嫉妬心を、バリ王国の海岸に向けると、バリ王国の海岸を集中豪雨が襲う。
「ふははははっ! パリピ共が雨を避ける為、パラソルの中に避難しに行きおったわ! 俺様が大魔王コサカと戦っていた間も楽しい思いをしていたパリピ共め! 俺の狭量さを知れっ!」
大魔王コサカ以上に大魔王していた勇者マコトがふと我にかえると、自分のしていた事の小ささに気付く。
「き、今日の所はここらで勘弁してやろう。け、決してお前等が羨ましくてこんな事したんじゃないんだからね! 勘違いしないでよね!」
勇者マコトは誰得かも分からないツンデレを披露すると、バリ王国を元の晴れ晴れとした天候へと変え、思案気な表情で呟く。
「ふっ、先程はパリピ共に醜い嫉妬心を晒してしまったが、よくよく考えてみたら俺は大魔王から世界を救った勇者。これからは救世の英雄としてパリピよりもパリピな人生が待ってるじゃないか!」
勇者マコトは、これから始まるパリピな生活を思い浮かべると、だらしない笑顔を浮かべ呟く。
「よし! ハジマリノ王国に凱旋だ!」
勇者マコトは高らかに呟くと、ハジマリノ王国に転移する。
勇者マコトがハジマリノ王国に転移してみると、大魔王コサカを南極大陸に封印し、世界に平和が戻ってきたというのにも関わらず、王国の雰囲気が重い。
「一体何が起こっているんだ……。ま、まさか! まだ魔族がここにっ!」
まだ魔王がこの世界を支配していた頃、勇者マコト達のパーティーが解放する前の街は、今のハジマリノ王国と同様に重い雰囲気が街中を支配していた。
勇者マコトはゆっくりとした足取りで、王城へと向かう。
「くそっ! 大魔王コサカめ! 魔王軍はみんな南極大陸に強制転移したんじゃなかったのか⁉︎ みんな無事でいてくれ!」
勇者マコトが王城へと辿り着くと、王城の周りに多くの人が集まっている。そして、そこにいる全ての人が悲しみに暮れていた。
遅かったか! くっ! 大魔王コサカめ!
そして、王城を見上げるとそこには……。
「はあっ⁉︎」
勇者マコトの遺影がデカデカと掲げられていた。
いやいやいやいや、どういう事これ?
あり得ねーだろ、これ?
『皆のものよ!』
勇者マコトが軽くパニックを起こしていると、王城から王様が出てきた。後ろには、勇者パーティーが並んでいる。
『皆も既に知っている事と思うが、大魔王コサカを倒した勇者マコトはもうこの世にはいない。勇者パーティーによると、勇者マコトは最後まで我々のことを案じ、天へと旅立っていったとの事だ……』
いや、死んでねーよ。生きてここにいるよ。彼奴らもなにパチこいてんだよ?
『世界に平和を齎した勇者マコトに黙祷を捧げる。』
『黙祷』
いやいやいやいや、おかしいだろーがぁぁぁぁぁ!
勇者マコトは、涙を流しながら遺影に黙祷している老人に声をかける。
「お爺さん、お爺さん。何で黙祷してんの?」
しかし、お爺さんには勇者マコトの声が届いていない様だ。熱心に黙祷を捧げている。
「じ、じゃあ、お婆さんでいいや。なあ、俺生きているのに何で黙祷を捧げているんだ?」
しかし、お婆さんには勇者マコトの声が届いていない様だ。熱心に黙祷を捧げている。
「そこのお姉さん! 勇者マコトは生きて此処にいますよ! あなたの前にいますよ! 聞こえていますか⁉︎」
しかし、お姉さんには勇者マコトの声が届いていない様だ。熱心に黙祷を捧げている。
おぃぃぃぃ! いい加減にしろよテメーら!
俺は生きて此処にいるって言ってんだろうがぁぁぁぁぁ! 何これ、みんなの目には俺が認識できないようフィルターでも掛かってるの? ねえホント何これ!
心の中でそうツッコミを入れると、黙祷終了のアナウンスが流れ、解散となった。
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