小スカ短編集

こじらせた処女

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恋人が寝ている間に車の中でこっそりおしっこをしたのに、実はバレていて…

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 とある日曜の買い物帰り。後部座席には大型ショッピングモールで買い込んだ食材やら、日用品やらが積まれている。
(あ~…トイレいっとけばよかった…)
小さなアクセルとブレーキを繰り返しながら、ハンドルのせいで前を押さえられないもどかしさに悶える。
隣の同居人は疲れていたのか、爆睡中。三連休の中日だからトイレが混んでいて断念したのだから、道だって混んでいるに決まっている。30分近くで到着する距離なのに、すでに1時間近くが経っていた。
肌寒くてコンビニで買ったミルクティーに、昼食のスープ。普段飲まないカフェインの影響か、ムズムズとした、いいや、キュンキュンとした疼きさえ感じる。幼い頃の我慢しすぎての切迫感ではなく、カフェイン特有の、大人でしか経験できない、尿道に直接注ぎ込まれるような差し込む尿意。持っているハンドルに思わず力が入って、小さく尻を右左に動かす。
 同居人に代わってもらおうか。でも、代わってもらったからといっておしっこが無くなるわけではない。前をぎゅうぎゅうに押さえて全力でおしっこ我慢に注力できるだけ。
(あ、よかった、ぬけた、)
徐々に車が動き出し、スムーズになっていく。
(あっ、赤信号…っ~、)
止まった瞬間がやばい。家にある便器のことばかり考えた瞬間、これでもかと液体が出口に集中する気さえする。
 だめ、本当。このままじゃ事故りそう。このまま帰ったらあと10分もせずに到着できる。でも、もう無理。
同居人はスヤスヤと気持ちよさそうに眠っている。こいつはどこでも寝起きが悪い。車の中でも着いてから何度も何度も肩を叩いてやっと起きる。だから多分大丈夫。
 無料駐車場が見えた。はやる気持ちを抑えて入ってパーキングに入れる。
 じょっっっ、
「っ~!!!」
じ…じゅ…
(まって、まってまって、)
飲み干したまま捨てなかった250mlのペットボトルを開けながら、体を前に倒して地面を踏む。
「っくぅ、ぅ、」
だめ、おしっこ。漏れる。
チャックを降ろす手はスローモーションのようにゆっくりに見えて。パンツはぐっしょり濡れていて。今もなお、止められなくて湿り続けている。
(やばいやばいやばい…)
しぃっっっ!!!
出口を当てた瞬間、弾かれたようにボトルを叩いた。
「ぁふ…」
間に合った、というのは大間違いだった。成人男性の漏れそうな貯蓄量が250mlであるわけがない。脳を抉られるような快感も束の間、着々と蓋の部分に近付いていく。
「んんっっ!!!」
根本をぎゅうぎゅうに押さえつけ、太ももを内に、内にと力を入れる。
「や、やば、」
じゅうじゅうと歯切れが悪く、手のひらがしっとりと湿っていく。
急いでキャップをして、両手で押さえつけた。まだまだしたい、解放してくれって声が聞こえてきそう。
きゅうぅ…と出る直前の排泄感。一度緩めた筋肉は疲れているのか、まだおちびりはとまらない。
じゅ……じゅ…
「っは、ぁ、」
波が、過ぎた。そっとぐちょぐちょのパンツは冷たくて、また出口が緩みそう。濡れたズボンのチャックを閉める。手を洗った後のように手のひらは濡れていて、汚いけれどシャツで拭いた。
(あっ、康生…)
恐る恐る隣を見ると、まだすやすやと眠っている。よかった。見られていない。
 ムズムズとする下腹部は、止める時こそ苦戦したが、漏れそう、からめちゃくちゃしたい、くらいには収まった。
駐車場から出てしまえば幾分のこと。すんなりと我が家のアパートの駐車場に今度こそ戻れた。


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