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第1章

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「……ここは?」
 机や、黒のシーツで覆われたベッドが視界に入る。拘束を解かれた僕は辺りを見渡す。
「私の寝室だよ、ノア」
 振り返った先には、仮面とマントを脱ぎ捨てたカーティスの姿があった。警戒して振り返った僕はその場で固まってしまった。
(かっ…こいい……)
 僕は不覚にもあまりの美形にときめいてしまった。赤い目に長い金髪、高い鼻に形の整った唇。そして端正な顔立ち。
(あれ……僕、なんでドキドキしてるの?)
 今までに感じたことのない胸の高鳴りに困惑する。いや、ずるいよ、こんなにイケメンだなんて知らなかった。知ってればいい話でもないけれど。
「さあ、おいで。ノア」
 カーティスは優しい声で言った。僕はゆっくりと彼に近づき、そのまま抱きしめられる。
「ああ、君も感じているんだね。私達の魔法が共鳴しているのを。とても心地が良いよ…」
「うん……」
 頷きたくなかったけど、逆らえない。僕もこの触れ合いがなんだかすごく幸せに思えてきて、気づいたら背中に腕を回した。すると、カーティスの顔が僕の耳元に近づく。
「愛しいノア…君の全てを奪いたい。私を受け入れておくれ」
カーティスは熱っぽく囁いた。僕は思わず身震いをする。
「んっ……」
(騙されちゃ、だめなのに…悪いやつなのに…どうしてこんなに気持ちいいの…?)
「さあ、一緒にシャワーをあびよう。隅々まで綺麗にしてあげるよ?」
「……わかった」
 僕はカーティスにされるがままに浴室へと向かった。
***
「ん、ふ……あっ……やぁ……」
 僕はカーティスに後ろから抱き抱えられ、全身をくまなく洗われていた。恥ずかしくてずっと目を瞑っていたが、彼は構わず僕を責め立てる。
「君は美しいね。この白い肌、柔らかそうな桃色の乳首、それに、ここ」
 カーティスはそう言いながら僕の性器に触れた。
「ひっ!」
 急な刺激に驚いて僕は声を上げるが、すぐに口を手で塞いだ。魔法を使えば一瞬で終わるはずなのに、楽しむみたいにカーティスは丁寧に触れる。僕も嫌がればいいのに、何故か抵抗する気が起きない。
「大丈夫だよノア。ここには誰もいない。私と君だけしかいない。素直になってごらん?」
「やっ……ん、ふぅ……」
 カーティスは僕の耳に息を吹きかけるように喋りかけてきた。ゾクッとした感覚が背筋を走る。
「ほら、見てごらん。君と私の魔力が混ざって、ひとつになろうとしているよ」
「ん、はぁ……あ……んん……」
 僕は言われるがままに目を開き、きらきら白と黒の魔法が周りを囲んでいるのと、自分の下半身が目に入ってくる。そのすぐ下にカーティスのモノが僕の足の間から大きくなって反り返っていた。
(大きい…すごい…僕のと全然違う…)
 僕は無意識のうちにゴクリ、と唾を飲み込む。
「ふふ、そんなにこれが欲しいのかい?可愛い子だ」
 カーティスは僕を立たせると、壁に手をつかせた。
「あ、ね…?これ、どうするの?」
「ああ!初めてだったんだね!大丈夫だよ、ノア。全て私に委ねればいい」
「は、はう…んん…」
 何をされるのか分からないけれど、壊れ物みたいに大事に優しくされてしまうことに慣れない僕は、素直に頷いてしまった。
「挿れるよ……」
「ん……」
 カーティスは僕のお尻を掴むと、ゆっくり擦り付けながら、魔法を唱える。
「すまないが、馴らす余裕が無いから、魔法を使いながらこのまま私のモノでノアのナカを広げていくよ?勿論ゆっくり、優しくね。でも、もし痛かったら我慢せずに言うんだよ?」
「わ、わかっ……た……っ!」
 僕は了承の言葉を言い終わる前にカーティスのモノが入ってきた。擦られてるだけでは分からない、比べ物にならないくらいの質量に、圧迫感を覚える。
「んっ!んんっ……!!」
「すぐ楽になるから、もう少し待っていてくれ」
 カーティスは僕の頭を撫で、落ち着かせてくれた。そして、暫くしてから動き出す。
「ん、あ……はぁ……んん」
「少しずつ、魔法を解いていこうか」
「ん……んんん!?」
 カーティスは腰を動かしながら、同時に指先で僕の胸の突起を弄ってきた。その瞬間、身体中に電流が流れるような衝撃を受ける。
(な、なにこれ……?気持ちいい……)
 僕は初めての快感に戸惑いながらも、段々と快楽に溺れていった。
「あ……ふぁ……ん、んふ……」
「ふふ、どうだい?気持ち良くなってきただろう?」
「きもちぃ……もっとぉ……」
 僕は自然と甘い声を出してしまう。カーティスの動きに合わせて腰を振り始めた時だった。
「ああ…僕の魔法が…」
 まるで体と同じように、僕の魔法がカーティスの闇魔法と混じり合っていくのを感じた。相性がよい、としきりに口にされたが、体感するとその比にならない。
(そっか……だからこんなにも……)
「気持ちいいね…保護魔法を解くとより一層ノアのナカ温かさが伝わってくるよ…キュウキュウ締め付けて、最高だ…!」
「あ……あぁ……ふぁ……ああん……んんっ!」
 カーティスの熱さと固さと大きさに、僕のナカから好きになってくのを感じる。
(ああ、もう何も考えられない…敵なのに…僕、今すっごく幸せ……)
「ああ……ノア、愛してるよ……」
 カーティスが僕にキスをしてきた。僕はそれに応えながら、更に強く彼を求める。
「ん……んん……ふぅ……んっ……」
「ノア……ノア……」
 僕達はお互いの名前を呼び合いながら激しく求め合った。
***
「ノア、ノア……」
 私はノアの名前を何度も呼び、彼の唇に貪るように吸い付いた。まだ少し濡れた黒髪がつやつやしている。自分の寝室にこの子がいること自体、夢のようにさえ思えた。
「ん……んん……ふぁ…ん…」
 ノアも私の舌に自分のそれを絡め、必死についてこようとする。それが可愛くて、愛しくて、私達の間に銀の糸を引きながら離れると再び口づけた。寝室に招いた数少ないベッドパートナー達の誰よりも、ノアとのセックスは私を満たしてくれる。彼が特別な存在だからに違いない。
「ん…ふぁ!んんっ…!」
「ふふ、可愛いよ。君は本当に素直で良い子だ……」
 私が褒めれば褒めるほど、ノアは嬉しそうに笑った。その笑顔を見てドキッとする。今までどんな女を抱いても感じなかった感情が込み上げてくる。
「ああ、愛しているよノア。永遠に、私だけのものにしたい」
 私は無意識のうちに愛の言葉を囁いていた。ノアは微笑みながら小さく首を縦に振る。赤い頬で少し恥じらった表情を見せるノアが、とても美しく見えた。たまらない。
(綺麗な子だな…)
 あの時。いくつかの村を焼き払った時、初めてこの子と対峙した時も、私は同じことを思った。私のものになればどれほど素晴らしいだろう、と。
 あの老いぼれ共に拉致されなければ、とっくに自分のものにしていた筈だった。幼いこの子を私の好みに変えて、私の為だけに生きる人形に仕立て上げる。美しい素顔を仮面で隠し、私にだけ傅く。そんな妄想だけで何度興奮したことか。
 成長し、私の前に立ち塞がる度に、ノアは益々強く美しく、機知に富んだ賢さを身に付けていった。常に驚かされ、そして魅せられた。大人が逃げ惑う中、逃げずに立ち向かう気高さ。それを自分の欲望で涜す。なんて甘美なんだろう。正常位のまま、ノアの細い腰を掴み、奥へ奥へと打ち付ける。
「あっ、あ、あ、あ、」
 ノアは目を閉じ、快感に耐えている。その姿もまた美しい。
(なんて可愛いんだ…)
「はあ……ノア、ノア、ノア!」
「ひゃ……う……ん……やっ…!」
 ノアは私の背中に手を回し、爪を立てた。カリカリと仔猫のように引っ掻かれる感覚にゾクッとして、私のモノが一段と大きくなった。するとノアはビクンと反応する。
「はぁ……ノア、出すよ……」
「え?ちょっ、まっ……!あぁああぁあ!!」
 私はノアの制止の声を無視して、そのまま射精した。
「あぁん…あつぃ……あついぃぃ……」
 ドクンドクン、という脈打つ音と共に熱い精液を注ぎ込む。同時に吹き出すようなノアの魔法に私の魔法が絡みつく。
(あぁ……最高だよ……ノア)
「あ……はぁ…はぁ…はぁ…」
 ノアはぐったりしながら息を整えていた。
「大丈夫かい?ノア」
「ん……平気……それより、早く抜いて……」
「ああ、すまない。でも」
「んひぃ!?」
 抜こうとしても、ノアのナカは離さないと言わんばかりに吸い付いてくる。
「ほら、君のココはまだ欲しいって言ってるみたいだけど?」
「ち、違っ……!」
「嘘はよくないな。本当はもっとシて欲しいのだろう?」
「違う……僕は……」
 頬を赤く染めながら否定するノアの頭を優しく撫でてやる。
「恥ずかしがることは無いよ。気持ち良くなりたいなら素直に言えばいい。君はもう立派な大人なんだから、ね……?」
「あ……うぅ……」
「さあ、どうして欲しいのかな?」
 耳元で甘く囁いてあげると、ノアの身体がピクリと跳ねる。それから、おずおずといった様子でノアは口を開いた。
「……して……」
「ん?聞こえないよ?」
(もう少し、あと少しで、堕ちる)
 興奮しきった私の魔法がノアの魔法に絡みつく。まるで蛇の交尾のように、濃厚に、淫らに。それはお互いを高め合う行為でもあった。
「……もう一回、犯して……」
 ノアの言葉を聞いた瞬間、私は理性を失いそうになった。目を見開きながら、荒くなった呼吸を必死に落ち着かせる。
「よく言えたね。偉いじゃないか……じゃあ、今度は後ろを向いてごらん」
 ノアは従順に私の指示に従う。一度引き抜き、ノアの向きを変えると再び挿入し直す。先程出したばかりの白濁液が潤滑油となり、スムーズに抽挿できる。
「あ……はぁ……ん……ん……」
「ノア……好きだよ……愛しているよ」
「もうそれ…やめっ…んあぁあ…」
 甘い言葉を紡ぎながら腰を動かす。ノアもそれに応えるように喘いだ。
「何故だい?愛の言葉を囁く程君のナカは喜び、君の身体は熱くなる。君はそれが好きなんだろう?」
「そ、それは……」
 ノアは口籠り、顔を逸らす。その顔は羞恥に染まっていた。
「ふふ、可愛いよノア……」
「う……うるさい……お前の頭の声が…入って来て……変になるんだよ……っ!」
 ノアは私の方を睨みつけてくる。しかし、そんな涙目の顔では逆効果だ。私の加虐心を煽ってしまうだけ。それに。
「あぁ、そうか。君も私の声が好きなんだね。嬉しいよ、私の愛しい人」
 言いながら、口ではなく脳の回路を繋げて直接囁く。自然と口元が歪む。敵対していたが誰よりもこの子とは相性がいい。それが証拠に。
『すき、すき、だいすき…』
「あっ、や、やめろぉ……!やめてぇ……!そんなこと、言うなぁ……!僕、おかしくなる……!ダメ、だめ、らめええええええ」
 ノアは泣きそうな声で訴えるが、私の魔法がそれを許さなかった。私の言葉が脳内に響く度にノアの身体は敏感に反応した。
(本当に可愛い子だ……)
 思わず笑みを浮かべてしまう。それと同時にゾクゾクとした快感が背筋を走る。
(そうだ、良いことを思いついた)
「ノア、ちょっと待っててくれ」
「あ……ん……」
 一旦抜くと、私は大きなクッションをノアに渡す。
「これを抱きしめなさい?落ち着くだろう?」
「ん…すぅ…はぁ…んん…カーティスの匂いがするぅ…はぁ……はぁ……」
 ノアは私のクッションを鼻に押し当てて深呼吸していた。まるで犬のように、何度も。その姿に再び興奮してしまう。五感全てでこの子を犯し尽くす。こんなに素晴らしいことがあるだろうか。
「こっちの方が……好きかも……あぁ……はぁ…んん…」
「それは良かった。じゃあ、もう一度しようか」
「うん……きて……」
 ノアは待ちきれないといった様子で自ら足を開いていた。素直で愛らしい。その姿はとても扇情的で、とても美しかった。
「ああ……ノア……」
「カーティス……」
お互いに名前を呼び合いながら、私たちは交わった。
***
「ん……」
「んふ…」
 れろれろと舌を絡ませて唾液を交換する。品のないいやらしい行為を、数時間前まで何も知らなかった少年と行う背徳感。
「ぷはっ……」
「はぁ……はぁ……」
 長いキスを終えると唇を繋ぐ銀色の糸が伸び、切れた。その瞬間を狙って蕩けるような甘い言葉を囁く。脳に直接語りかけるような声にノアは、震える。
「ああん…バカ、ハメてる時にそれ発動させないで…」
 ノアの身体にはムダ毛が一本もなく、身に纏わせているのは私のシャツだけだった。先程絶頂させて後に休憩の時に着せたら気に入ってくれたらしい。尤も、視覚的に自分のモノを纏い喘ぐ姿は、グッとくる。
「私の声を聞くと興奮してしまうんだね?可愛いよ」
「うるさい……お前だって人の事言えないだろうが…」
「ははは、そうだね。じゃあ続きをしようか?」
「うん……」
 恥じらいながら頷くノアの腰を掴む。触れるだけで身体はビクビクと痙攣しており、今すぐにでも達してしまいそうだった。
「ノア、いくよ……」
「きて……」
私は激しくピストン運動を繰り返す。パンッ、パァンという肉同士がぶつかり合う音と共に、結合部からはグチュッグチャッ、ヌチィ……と淫猥な水音が響いていた。
「んあぁあぁ~~~!!すごいぃいい!おくまでくるううう!!!」
「はぁ……凄いな……」
絡みつくようにうねる内壁に持っていかれそうになる。
「お前がぁ…僕の身体、こんな風にしたんじゃないかぁ…」
「嬉しいよ……私好みの身体になってくれて……」
「ばかぁ……責任取れよぉ…んおぉおお…!ナカすごぉお…カーティスのおちんちんしゅごいぃい……」
 脳のナカまで犯し尽くしたせいで、恥ずかしげもなく淫語を話す。腰を一層激しく動かしながら、髪をかきあげキスをする。
「あぁ、勿論。一生かけて償わせ貰うよ」
「約束だからな…?んちゅ…」
 キスをするとノアは甘えるように抱きついてきた。
「んっ……ふっ……」
「んんっ……ふっ……」
互いに貪るように口づけを交わす。
「ノア……好きだ……愛しているよ……」
「僕もだよ……」
『愛してる……愛してる……愛してる……』
「んひゃああ!?」
 私の言葉と同時に魔法を発動させる。するとノアは絶頂を迎えた。
「ははっ!またイったのか?本当に可愛いね君は……」
「はぁ……はぁ……んん……」
 ノアは焦点が合わない目でこちらを見つめている。
『すき……すき……だいすき……あいしてる……』
 その言葉を聞き、ノアは再び身体を震わせる。
「んん……カーティスぅ……」
「どうしたんだい?」
「僕、おかしくなってる…もっと、欲しい……」
「はは、ノアは欲張りだな」
「違うもん……」
 ノアは拗ねた子供のように口を尖らせる。
「じゃあどうしてそんなに物足りない顔をしているのかな?」
「それは……」
 ノアはモジモジと太腿を擦り合わせる。
「ほら、言ってみなよ」
「カーティスの…欲しい…です」
「よく言えました」
 私はノアの頭を撫でてやる。ふわふわの髪に触れると心地が良いらしい。
「んん……」
(なんて愛らしい…たまらないよノア…もっと苛めたくなる)
 安心しきった表情に、私はまた自らの欲望が頭を擡げ始める。自分の目が嗜虐的に細まるのを感じた。
***
「んん……はやくぅ……はやくう……」
 僕はカーティスの前で足を大きく開く。僕は上半身だけ、カーティスは下半身だけ服を着たままだった。僕の方が相当エッチな感じがする。なのに、彼は一向に挿入してくれる気配がなかった。
「ねぇ、なんでぇ……?」
「君が可愛くてね……つい見惚れてしまった」
「なんだよそれ…」
「君のここはすっかり蕩けてしまっているみたいだからね。慣らす必要はもうないかな?」
「んん……」
 確かに彼の言う通りだった。さっきまではあんなに欲しくて堪らなかったのに、今は少し触られただけで奥の方が疼くのだ。
「ねぇ、お願い……はやく挿れてよぉ……」
「ふむ……」
「カーティスぅ……」
「仕方ないな」
 ボトムスと下着を脱ぎ捨てる。そして僕の両足を掴み大きく広げさせた。
「わっ!」
「これで良いかい?淫乱救世主君?天敵とするセックスは気持ちが良いのかな?」
「う、うるさい……」
「はは、顔が真っ赤になっているぞ。図星かな?」
「ちが……ああん……」
 否定しようとしたところでカーティスのものが挿入される。待ち望んでいた質量に、僕の身体は歓喜に打ち震えていた。
(これこれぇ…だいすきぃ……)
「あぁ…きた、きたぁ…カーティスのおちんちん…♡」
「はは、すごいな。入れた瞬間に達してしまうとはね」
「だってぇ……ずっとほしかったんだもん……しょうがないじゃんか……」
「そうかそうか。じゃあ存分に味合わせてあげよう」
ぬちゅ、ぬちゅと恥ずかしい音が響くのに、バカになった僕はそれすら恥ずかしくて最高に興奮しちゃってる。熱くて、固くて、奥まで当たって、気持ちいい。
『可愛い子。さあ、もっと足を開いて、淫らに、叫ぶがいい』 
「んひゃああ!?」
 脳に直接響くような声に、思わず悲鳴を上げる。
「どうかしたのかな?」
「な、なんでも……んおぉおおお!!だめっ!いまうごかないでぇ!!」
「おやおや、これは失礼」
 今度は囁くように愛を告げられる。ゾクッとした快感が背筋を走る。脳内の声が思うままに叫べって言ってくる。
「んん……好きぃ……これすきぃ…気持ちいいよぉ…」
「私もだよ……ノア?さあ…もっと素直に叫ぶがいい」
「うれしい……カーティスぅ……んちゅ……」
 再び唇を重ねる。舌を絡ませ合いながら腰を打ち付けられる。その度に頭の中が真っ白になるほどの快楽に襲われる。
「んん……ふっ……」
「んんっ……」
 互いに貪るように口づけを交わす。その間も腰の動きは止まらない。熱いのがずっと僕のナカを支配するみたいに出入りし続ける。
「んっ……ふっ……」
「んんっ……ふっ……」
『愛してる……愛してる……愛してる……』
「んひゃああ!?」
 頭の中で声がする。これはカーティスの?それとも、僕の?
(あたま、どんどんバカになるぅう…♡止まんないよぉ…♡) 
「ぐっ……!」
 同時に絶頂を迎える。ドクンドクンと脈打つ感覚が伝わってくる。それと同時に脳内に大量の言葉が流れ込んでくる。
『愛してる……愛してる……愛してる……愛してる……愛してる……』
「んん~~~!!!」
(やめて…止めて…頭の中、おかしくなっちゃうよぉお…♡)
 僕はカーティスに抱きしめられながら、もがくことしか出来ない。はぁはぁと息を吐く。真っ暗な部屋の天井を見つめながら、魔法が僕のモノに絡みつくのが見えた。
(きれい…)
 こんなにひどいことされてるのに、奪われるのってどうしてこんなに気持ちがいいの…?
 放心状態の僕の顎を掴むと、全部奪われるようなキスをされた。その間も僕はぼんやりと、絡み合う魔法のひげがシーツに横たわった指先に触れるのを見つめていた。
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