堕ちた神と同胞(はらから)たちの話

鳳天狼しま

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第二部

第四話 言寿ぎ〜懐かしい人々〜

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日も落ちた夜陰の中、アカツキの名を貰った闇堕ちジルカースと、現世ジルカース&デロとの戦いが始まった。
視界を遮られた真っ暗闇の中での戦闘は、完全に相手の気配の読み合いであった。
通常であれば、こんな悪条件の中での戦闘はどちらも受けては立たないだろう。かつて名うての暗殺者と呼ばれた腕を持つジルカースだからこそ出来る芸当だった。

『右、左、ほら前に居るよ、昔より感覚鈍ったんじゃない?』

聞こえてくるのは、いまだに姿を認知できないデロの声だった。
アカツキの攻撃してくる方向をアシストするように、目視できぬデロがジルカースに語りかけてくる。

「相変わらず減らない口だな」

しかしながら、その声のする方向を暗闇の中で意識することで、ジルカースは不思議と姿の見えぬデロと連携が取れている様に感じていた。
まるで背中合わせにデロが張り付いているような、不思議な心地だった。
同じように“気配を消すことのできる神力を有するジルカース二人“だったのだが、同じ神力を持つ二人である以上、その効果は打ち消されていた。
また別時空の存在であれど、同じジルカースという存在であることが、お互いの気配を強く紐づけてもいた。

『次の連撃は下段から薙いで、その次に脇を狙って』

背中から聞こえたデロの小声にジルカースは、暗闇の中に感じるアカツキの気配を察して、手にした刀を握り直す。
繰り出した連撃がデロの動きとシンクロした瞬間のことだった。ジルカースの視界に眩い光が溢れ、その視界に突如としてデロの姿が現れたのである。

六角紋様の薄紫色の和装に、生前のデオン・ギロと同じ、見慣れた銀髪のテール髪の後ろ姿が映える。
振り返ったその表情は雑面(布で出来た面)に覆われ伺い知れなかったが、その体の周囲に浮遊しながら展開されている見覚えのある幾何本のナイフが、ジルカースの目に止まった。

「“デオン“……やはりお前は」
『ボクはこの世界ではとうに死んだ存在として認識されているからね、易々とこの顔を晒すわけにはいかないのさ。もっとも、“もう一人のボク“は違う様だけど』
「……?それはどういう事だ」

ジルカースとデロのコンビによる一撃を脇腹に喰らい、二人の足元へ座り込んだアカツキの元へ、偵察へやっていたアイラの声が通信機越しに飛び込んできた。
日の落ちた暗闇の支配する森の中へこだまするその音声を、一同は注意しながら聞き入る。

「こちらアイラ!東の国が大変なことになってる、デオン・ギロがあの世から蘇ってきたよ!」
「なんだと!?」

アイラの言葉を聞いてジルカースは真っ先に目の前に居るデロを見る。
霊体であるデロは、特段動じたような様子もなくそこに存在していた。

「どういう事だ!詳しく説明してくれ!」
「詳しいことはわからない、ただ目撃してた村人の証言によれば、時空の歪みらしきものが現れて、そこからデオン・ギロが率いる幾千万の軍勢らしきものが現れたってさ。それと“ジルカースと会いたがってる“国家要人が居るんだよ」
「……なるほどな」

アカツキの言っていた“この世界にアクセスしていたもの“の正体がなんとなく分かったジルカースは、古くからの相棒であるキスクにいの一番に声をかけ、一つの提案をした。

「東の国でよからぬことが起こっているようだ。キスクはイヴァンと共に、捉えた奴隷狩り犯たちを西国の収容監獄へ送ってくれ。ルトラは俺たちと共に来てくれ、デロの力も借りたいしな」
「了解!新入りのことは任せてくれ。旦那もくれぐれも用心してくれよ」

ジルカースとキスクのやり取りに“じゃあウチら採用ってこと!?“と叫んだルトラが、イヴァンと目を見合わせる。

「まぁそういうことだ、今は兎にも角にも人手が欲しいしな。イヴァンもそれでいいか」
「もちろんです師匠!今は一緒には行けないけど、必ず合流しますから、その時はまた戦い方を間近で見させてください」
「ああ、良いだろう。では、各自検討を祈る!」

アイラに変わって号令を飛ばしたジルカースは、テオ・アカツキ・ルトラ・デロの五人を伴って、再び東の国へ戻るため馬車を繰り出した。

「デオンが生きているだと?アカツキの様に、別の世界線から来たということか」

馬車の手綱を握り、誰へともなくそうこぼしたジルカースへ、ルトラと共に乗り込んだデロが口を開いた。

『ジルカースはわかると思うけど、もう一人の自分が居るっていうのは嫌な気分だね。つねに“自分と同じ何かの存在“を感じてる。すごく変な感じだよ』

ジルカースがアカツキを探し当てた“気配“もそれだった。
今デロの身にも同じことが起こっているのだろう。

「いずれにせよ、東の国に行けばすべてがわかる」
「ジルカース、気をつけて。アカツキがこの世界へ来たことも、なんだか偶然ではない様な気がするのよ」

そう口にしたテオの隣で大人しくなったアカツキを見やって、ジルカースはいっとき不思議な心地になる。
まさかもう一人の自分とこんなふうに旅路を共にすることがあるとは思わなかった。

(デオン、お前は何を思ってこの世界に来たんだ……?)

***

その頃、東の国シュウヨウの王都では、
ジルカースの息子のゼロが、知り合った少年イルヴァーナの手により、王者となった世界線のデオンの元へ連れてこられていた。

「こいつらは僕の友達の……えーと、お前名前なんだっけ、そういえば聞いてなかったな」
「おいおい、どこまでマイペースなんだお前は!」

そこから、少しは自軍の動向も考えろだの、いつもの説教モードに入ったレギオンを尻目に、イルヴァーナはゼロたちと改めての自己紹介をした。

「僕はゼロです。皆さんとは初対面ですが、なんだか初めて会った様な気がしないというか、不思議な心地がします」

今起こっている騒動の渦中に居るとも知らずに、呑気な心境を口にしたゼロに、王であるデオンはどことなく見覚えのあるゼロの面影に納得した様子だった。

「その漆黒の闇色の髪、どことなく見覚えのある面影、ボクも君のこと初対面とは思えないな。これは不思議な事だね」

いつになく上機嫌なデオンを前に、メリルもレギオンも驚きを隠せない様子だった。
そこへ割って入る様におずおずと自己紹介をしたのは、あの名前も分からない不思議な少年だった。
ゼロとイルヴァーナの数歩後ろに控えていた少年だったが、ふわふわとした黒い髪を靡かせて二人の間をすり抜けると、一堂の前に踏み出した。

「私は先ほどまで、この最寄りの廃墟に閉じ込められていたのだけれど、皆さん何かご存知無いかな。私は自分の名前すら分からなくてね」
「それって、いわゆるキオクソーシツってやつだろ?」

一堂に対する少年の問いかけに、イルヴァーナが横槍を入れるように言及する。
すると、少年の長い黒髪に入ったブルーのメッシュと、左右色違いの金赤のオッドアイが、これまたデオンの目に止まった。
途端にデオンの口元に笑みが溢れる。

「キミ、“閣下“と呼ばれた覚えはないかい?いや、あまりにも見覚えのある風体だったものだからね、ふふっ」
「ああ、言われてみればこれは確かに」

続いてレギオンも、はっとした様に笑みをこぼす。
二人のやり取りを見てようやく“気付いた“メリルは、「懐かしい方に似ていますね」と、珍しく口元を綻ばせた。

「ちょっとちょっと、僕を差し置いて誰のことを話してるんだよ!」
「?」

一堂に流れた穏やかな空気に、唯一ついて行けないイルヴァーナとゼロは、頭の上にクエスチョンマークを浮かべながら顔を見合わせた。

「皆さんは私について何かご存知なのだろうか?」
「そうだな、名付けるとするなら……この国の神子の血を引いているであろうキミが名付けるのが望ましいんじゃないかな、ゼロ」
「えっ?」

突如として自分に関する予想だにしない言葉をかけられ、ゼロは目を見開いた。
彼らには、かつて母親テオが“東の国の神子“だったことは話していないはずだった。
確か東の国の政権は、ジルカースたちが関わった騒乱以降は、志のある者が継いでいるとのことだったが。それがデオンたちだったと言うのだろうか、幼いゼロには判断がつきかねた。

「どうしてそれを……?」
「ボクたちは、キミのご両親とはちょっとした古い因縁があってね。確証は五分五分だったんだけど、そうか、やっぱりキミが、ね」

そう言うなり、デオンは手を振りかざす。
それと同時にメリルとレギオンが意を察した様にその場から退き、そしてゼロたち三人を取り囲むように数十人の兵が現れた。

「おやおや」
「……!?」
「デオン、これはどういうこと!?」

穏やかながらも驚いた様子の少年と、怯える様子を見せたゼロを背中に庇うようにして、イルヴァーナがデオンに問いかける。
デオンは何かを期待するようなニンマリ笑いを浮かべながら、三人に言った。

「ボクは“ジルカース“を探していてね、悪いけどゼロ、キミには人質になってもらうよ」
「なんだって……!?」

初めて連れてきた友人を人質にすると告げられ、イルヴァーナは怒りを隠せない。
そこへ、兵士たちをまとめる小隊長らしき双子が現れ、敬礼する。
黒い軍服を身に纏った男女の兵士だ。男の方は小さな三つ編み、女の方はツインテールに髪を結えており、二人ともパッキリと冴えた青髪だ。
言葉を発したのは三つ編み髪の少年兵の方だった。

「あなたはイルヴァーナ様のお客人、人質といえど無下な扱いは致しません。あくまで軟禁状態下へ置かせていただくまでのこと。健全な衣食住は保証いたします」
「そう言うこと。さぁどうする?」

デオンの言葉に“本当なんだろうね“と念を押したイルヴァーナは、苦虫を噛んだような顔をしていっとき間を置いてから、「わかった、その部屋へは僕も一緒に行くから。嫌とは言わせない!」と声を荒げた。
かくして王城の一室に軟禁されることになったゼロと記憶喪失の少年は、時折イルヴァーナたちとの交流を重ねながら生活することとなったのだった。

***

その頃、東の国の領内を再び訪れたジルカース一行は、別行動をしていたアイラの一団と合流するため、通信機の発信元である王都のはずれの古宿を訪れた。
しかしそこに現れたのは、とある政府要人だという使者だった。
アイラと話し込んでいたその政府要人だと名乗る鎧姿の男は、ジルカースと握手を交わすと朗らかに挨拶をした。

「お初にお目にかかります。わたくし東の国シュウヨウを起源とします、“人民解放戦線リベラシオン“の隊長を務めております、オネスト・イーゼン・ベルグと申します」

アッシュグレーの長い髪と、“ベルグ“という昔懐かしいラストネームを耳にしたジルカースは、一瞬もしやと思い目を見開く。
しかしジルカースの師匠であるグライド・ベルグはすでに年老いて現役から引退しており、実子などもいないことを聞き及んでいたため、きっと他人の空似だろうと思い至る。
聞けばオネストは、ジルカースの持つ神力を頼ってやってきたらしかった。

「ジルカース殿はデオン・ギロと互角にやりあえる神力をお持ちとのこと。ぜひ我々に力をお貸しいただきたい」
「それは構わないが、どこで俺の名を……?」
「我々リベラシオンの母体は、元を辿れば東の国の新政権でしてね。それが今はデオン軍の急襲を受け、悔しいことに王城は制圧されてしまった。ジルカース殿、あなたの存在は、私の叔父“グライド・ベルグ“から聞いたといえば合点が行きますか?」

グライドの名がでたことにやはりと思う反面、ジルカースはグライドがまだ自分の存在を忘れずにいてくれたことに感謝した。

「しかし、叔父グライドの説明によれば、ジルカース殿も同様にご高齢のはず……私は人違いをしてはいないだろうか」

二十数歳程度の見た目で年齢がとまっているジルカースを前に、オネストは不思議そうな顔をする。

「安心してくれ、俺がジルカース本人だ。俺たちキャラバンの仲間たちは、少しばかり長命な命を授かっていてな。一般の人間とは生きる時間が違うんだ」

ジルカースの言葉にようやく納得がいったらしきオネストは、“左様でしたか、これはありがたい“と言った。

「当初は神力のなんたるかを、また出来うるのであれば神力の使い方を教えていただきたい、と思っておりましたが。より実戦的なご助力がいただけそうで嬉しく思います」
「あぁ、それに関してなんだが……」

やはりその話題がきたかと感じたジルカースは、現行の技術では後転的に神力の力を得ることは難しいこと、生まれつき力を授かっていない者には訓練の施し用がないことを説明した。
その点に関してはアイラからも若干の説明があった様子だが、神力という未知の力を前に、オネストも理解が追いついていない様子だった。

「ううむ、そうなると難しいことになりましたな。デオン軍の中枢幹部四人は皆、神力や不老不死の力を有していたと聞き及んでおります。四人とやり合うとなれば、こちらにもそれなりの人員が必要になるのですが」
「早い話が“自分たちの代わりに先人切って戦いに出てくれ“ってことだろ」

アイラの言葉に“あ、いや、それは“と気まずげに口ごもったオネストは、「確かにそうなのですが」と前置きをして、話を続けた。

「我々もただでは起きません。せめて我が軍の兵たちが神力を使うことに少しでも道筋をつけたい。神力に関する研究にご協力いただくことは可能でしょうか」
「人柱の次はモルモットかい。話した通り、あたしらも奴隷狩り一派と戦う日々で、引く手数多でね」

乗り気でない様子のアイラの意味ありげな目線が、ジルカースへ飛ぶ。
それを察したテオが、ジルカースの隣で気まずげに言葉を繋いだ。

「ご存知とは思うのですが、デオン軍が現れた際の時空の歪みに巻き込まれ、私たちの家族であるゼロが姿を消してしまいました。十にも満たない幼い子です。消息をご存知ではありませんか?彼も神力が使えるのですが」

“神力が使える“という言葉にぴんときたらしきオネストは、「少し待ってください」と遮って、背後に控えていた一人の部下に詳細を確認する。
そして“あまりにも出来すぎた事実“を提示してきた。

「デオン軍は現在、東の国王都を制圧しておりますが、そこに捕虜として“ゼロという子供が軟禁されている“という情報を入手しております。これはデオン軍公式の発表です」
「そんな……!」

口元を抑えショックを受けた様子のテオを気遣ったのは、隣ですっかり大人しくしていたアカツキだった。そうして面前のジルカースの肩を軽く叩くと、“任せておけ“とだけ言ってオネストの前へ立つ。

「こちらとしては息子であるゼロを助けたい、そちらとしては戦いにおける即戦力が欲しい、そういう交渉でいかがだろうか」

ジルカースと同じ見てくれの男が出てきたことでオネストは困惑したが、アカツキの“双子だ“という自己紹介に、すんなりと納得した様子だった。

「現状、ゼロを取り戻す代わりに、俺がジルカースの名代として参戦しよう。その代わりゼロを保護次第、すぐにジルカースたちのもとへ帰すこと。彼らの参戦はそれが済んだ後でのことだ、いいな」
「……承知した、今はそれにて交渉妥結といたしましょう」

思わぬ形での交渉の完結に、アイラもジルカースたちも驚いたが、ただ一人テオだけはアカツキの心の変化を理解した様子だった。

「ああ、それから、もう一つ重要なことを申し遅れておりました」

しかし、去り際にオネストがジルカースに告げてきた言葉は、また懐かしい感傷をジルカースの心のうちに呼び起こした。

「どういう事情かはわかりませんが、デオン・ギロがジルカース殿を探しておられるようです。行く先で遭遇することがあるやもしれません。くれぐれもお気をつけを」
「ああ、それは分かっていた。他でもない、あいつのことだからな」

握りしめた拳に未だ蘇るのは、デオンと刃を交えた時の衝撃。
剣撃から爆ぜるまばゆい火花の向こうで、憎らしいほどにぎらついた笑みで嬉しげに笑うデオンの顔。
未だにこびりついて記憶から離れないそれを、ジルカースは誰にも話さぬままに心の奥底へとしまい込む。

「ゼロのことは任せておけ。必ず連れ帰る。“俺たちの“息子だからな」

他でもないもうひとりの自分に告げられたその言葉に、ジルカースは確かな信頼を感じ取った。
別れの言葉を告げたアカツキの後を追うように、敬礼し去って行くオネストを見送ったジルカースは、キスクたちと合流する経路を参照するため、宿屋で作戦会議とすることにした。

***

一方その頃、東の国王都では、軟禁状態下に置かれたゼロが、名もなき少年の名付けで小一時間悩んでいた。
デオンから提案された名付けの役目だったが、さしたる名付けの知識もないゼロには、いささか荷の重い仕事だった。

「コロ、ヤト……ライ、ああ、これはぼくんちの犬の名前だしなぁ」
「犬の名前つけてどうすんのさ、相手は人間だよ」
「うーん……」

イルヴァーナのツッコミを受けながら頭をひねったゼロは、軟禁部屋の絨毯の上に寝転がると背伸びをした。

「イルヴァーナ、何かいい案ないかなぁ」
「僕はデオンに名付けをしてもらったけど、昔縁のあった人の名前を拝借したって言ってたね」
「そうなんだ……うーん」

絨毯の上を転がりながら、ゼロは昔テオに読んでもらった絵本の話をふと思い出す。

『真っ黒な太陽は、その闇で世界を包んで、争いごとを消してしまいました。太陽の名は“イクリプセ“』

なんの気はなしに思い出した記憶だったが、“真っ黒な太陽“という意味を持つどこか神秘的な名前が、少年の纏うそれにピッタリのような気がした。

「決めた!君の名はイクリプセ、黒い太陽って意味だよ」
「黒い太陽……なんかかっこいいな」

わやわやと騒ぎ立つゼロとイルヴァーナを見やりながら、“イクリプセ“という初めての言寿ぎ(ことほぎ)を受け取った少年は、ふんわりと微笑んだ。
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