異世界召喚するはずが異世界に来てしまいました。

ヒデト

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七話

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翌朝、奏音が目を覚ます。いつもの風景。だが一つ違う点かある。床に寝そべるコスプレ男。奏音は寝起き眼でコスプレ男を見つめ大きなため息を吐く。


夢であって欲しかった。


心底そう思った。

ガゼルが起きると奏音は服を着替え何か準備をしている。


「お前、何処か行くのか?」

「え?学校に行くのよ」

「ガッコウ?」

「勉強するところよ。」

「ほー、勉学か。なら俺も行こう」

「何言ってるの、ダメに決まってるでしょ。それよりアンタにはやって貰わないといけないことがある」

「何だ?」

「ここで暮らすに当たり、あなたにはお金を稼いでもらいます。その為に戸籍と住民票作ってきて。名前も変えてね。

「おい待て、戸籍?住民票?何だそれは」

「この世界での自分を証明するものの一つかな。これが無い働けないから。住所はここで市役所行って、多分向こうで何か面倒な事言われると思うからそこは魔法で何とかしてちゃちゃっと作ってきてね。あと、名前変えといて。あんた、ガゼル何とかって言ったよね。銀髪の日本人みたいな顔してるのに名前が外人みたいだと不自然だから。じゃあ、学校行くから帰って来るまでにやっといてね」


一方的にマシンガンの様に言い放ち。ガゼルは家から追い出された。
奏音も無茶な注文をしたと自分でも思っている。これは奏音の狙いだ。働いてもらわないといけない。これは本心からだ。中学二年の時に両親が死んだ。親戚と縁を切っていた両親、頼る人のいない私はその頃からバイトを始める貧乏生活を送っている。そんな私に、ガゼルの面倒を見て養う余裕がある訳がない。
もし、戸籍と住民票が作れなければ、追い出す理由になる。

だが、そう上手くはいかない。

「作れなかった」という言葉を期待してドキドキしながら帰宅すると、家の前で戸籍と住民票を作って立っているガゼルの姿が



この出来事から一年歳月が



「本当、馴染んだよな」


そして現在、一条翔と名前を改めたガゼルは


「いらっしゃいませ!何名様ですか?」


ファミレスでバイトしていた。
ここで働き出して早7ヶ月。今では先輩、後輩から期待される優秀な社員だ。
この世界に来てからの3ヶ月、いくつかのバイトを経験したが、そこ数ほどクビになっている。だが、その3ヶ月で世間の常識を学び今の場所に定着した。
テキパキと仕事をこなし、大きい声の挨拶、爽やかすぎる営業スマイル。目立つ銀髪は染めた物とは違い、綺麗で鮮やか、翔目的で来る客も少なくない。
クレイムを言うおばさんも彼が頭を下げると、笑顔で帰って行く。

だが、翔はここの人間ではない。一度、聞いたことがある。


「あんた、自分の世界に帰らなくていいの。帰る気がない様に見えるんだけど」

「帰る気は……今はないかな」

「はあ?」

「ないって言うか。帰る方法が分からないから」

「探しなさいよ」

「探すって言ってもなあ。転移の魔法なんか知らないし、俺は基本肉体を強化して戦うタイプの魔法師だから魔法に特別詳しい訳じゃない。それにこういうタイプの魔法は専門外だ。もし仮に帰る方法あるとすれば、むこうから召喚魔法で召喚してもらうしかないんだ」




こんな事を言っている。
まぁ、今では収入も増えて助かっている部分もある。今はこれでいいが、先のことを考えると少し不安だ。
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