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シンジュがサラッと通過した獣人国では···
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獣人国視点
他国に密偵に出ていた者により1つの情報が送られてきた。
その1つの情報によって上層部は大困惑した。
宰相から報告を受けた陛下が、騎士団団長、魔術騎士団団長、宰相、王太子に緊急招集をかけ話し合いが行われた。
陛下
「宰相、どういうことだ?先程説明を受けたが意味が分からない。なぜ1人の令嬢が居なくなったことであの国の結界が消えるのだ?」
「「は?」」
宰相以外の声が重なった。
いち早く立ち直った王太子殿下が
「父上どういうことでしょう?」
宰相自身も困惑をしていた。
猿獣人の密偵より
「セロピアル国 王太子殿下婚約破棄により結界が貧弱する恐れあり。セロピアル国崩壊予定。それにより難民予想・・・」
という連絡があったからだ。
獣人国含め他の国は、セロピアル国の結界事情を詳しく知らなかった。
なぜならば、結果の張り方は金銭等で教えてもらえるが、それ以外の情報は国の外に出ることがなかった。
なぜならルナタシアが張っていた最強の結界があるため、密偵等進入不可であった。
そのため訳が分からなかった。
宰相も返答に困った。
「私も分からないのです。あの国には密偵が入れないと分かっていますよね?」
「あぁ~それは知ってるぞ。だが今回のことはどういうことだ?知っている国もあるということか?我が国が遅れを取っているのではないか?」
騎士団団長からの指摘が。
宰相は心のなかで溜息を付き、
「各国に密偵を放っているので、我が国だけ遅れを取るはずがありません。我が国の密偵レベルを疑いますか?」
そう。獣人国の密偵はスペシャリス集団である。
密偵になれる者は猿獣人や狐、狸の獣人がほとんどである。
猿獣人は人間に姿が似ているため溶け込みやすく、狐や狸獣人は変化が上手く、魔法も得意であった。
脳筋と言われる獣人国で、まともで賢く更に魔法が上手い集団である。
「うーん、いや、疑った訳では無いが・・・うーん」
騎士団団長が怯む・・・
魔術騎士団団長は騎士団団長の様子を無視し、
「あの宰相樣どうにかその元婚約者を貰えませんか?すごーく欲しいです。僕のお嫁さんにして魔術について語り合いたいです。ふふふ」
魔術騎士団団長は魔術に対して頭が馬鹿になる。
魔術がすごい元婚約者と聞いて、ウキウキワクワクドキドキと心が高鳴っていた。
会議に参加するのが面倒だったが参加して良かったと思っている。
ただもう元婚約者以外については考えられない。
元婚約者が欲しくてほしくて、探しに行こうか考えてる。
周りはその様子にドン引きである。
宰相は
「はぁ、そうですか。自分で見つけて相手に許可を取ればいいですよ。ただ仕事はしてください。部下に押し付けたりはやめでください。あと無理矢理は禁止です。」
「ありがとうございます。ふふふ。僕は何だって出来ちゃうから安心して。ちゃんと仕事もするよ!あー楽しみだなあ。魔術棟に彼女の部屋も準備しないと。ニヤニヤ」
全員心のなかでため息を付く・・・
宰相は
「密偵からは何かあり次第すぐに連絡をするように伝えていますので、今後予想される対策を考えましょう。」と本来の話に戻した。
夜が明けるまで話し合いが続き、数日後にはある程度話がまとまったが、その頃ルナタシアは既に獣人国に不法入国し、自由気ままに森で食べ物を探しながら、ドワーフ共和国を目指していた。
そんなことは知らない魔術騎士団団長はセロピアル国周辺に周囲網を張り、いつ来るかいつ来るかとウキウキと待ち望んでいた。
ーーーーーーーーーー
獣人国のB村で噂
住人Ⅰ
「おい聞いたか?A町の近くに茶髪黒目の妖精が現れたそうだぞ?この村には来て欲しいな。」
住人Ⅱ
「俺もその話聞いたぞ。でも本当か?どうせ間違いだろう。居たとしてもこんな山奥の村に来るはずないだろう。」
住人Ⅲ
「あんたたち夢がないわね。こんな山奥だからこそ来るのよ。きっと逃げてきたのよ。」
住人Ⅳ
「そうよ。きっとそうだわ。見守ってあげましょう!」
住人Ⅵ、Ⅶ
「おい!!!お前達大変だ。妖精が居た。妖精が居たんだ。」
住人
「「「なんだって???」」」
大騒ぎである。
バレないように飛んでいたルナタシアだったが、滝や湖などを観光しながら飛んでいたため一部の獣人には見られていた。
それが後々妖精伝説になる・・・
獣人国の西辺境伯視点
普段と変わらず執務室で息子と執事と作業をしていたところ門の方から馬の足音が聞こえた。
騒がしい音が聞こえてきて、「何事か」と息子と話していたところ、バンッとドアが開き部下が駆け込んできた。
焦っている部下が早口で「すごい速さで見たこともない生物がドワーフ共和国に続く谷へ向かった」と報告を受けた。
私は大慌てて部下数名と飛竜に乗って追いかけた。
息子も「様子を見に行く」と言って騒いでいたが、息子には辺境伯の領土を守るように言いつけた。
慌てて追いかけると遠くの方に何かが見えた。
ここからだと茶色い点と白い羽しか見えない。
谷を越えたところで見失ってしまった。
見失ったところまで来てみると、地面にクッキーの食べかすが落ちていた、、、
ますますあの生き物が分からなくなった。
この先は標高が高い山と巨大な川がある。
きっとその周辺に住む生物だと結論付けた。
だかしかし王から緊急招集命令があり、王都に向かう村や町では妖精伝説が噂になっていた。
もしかすると妖精だったのではないかと、、、息子には会いたかったと散々言われた。
ーーーーーーーーーー
ルナタシア視点
西辺境伯を通過中、お腹が減ってしまい、くすねたクッキーを食べていたところ、山から吹き荒れる風に煽られてクッキーを落としていた。
他国に密偵に出ていた者により1つの情報が送られてきた。
その1つの情報によって上層部は大困惑した。
宰相から報告を受けた陛下が、騎士団団長、魔術騎士団団長、宰相、王太子に緊急招集をかけ話し合いが行われた。
陛下
「宰相、どういうことだ?先程説明を受けたが意味が分からない。なぜ1人の令嬢が居なくなったことであの国の結界が消えるのだ?」
「「は?」」
宰相以外の声が重なった。
いち早く立ち直った王太子殿下が
「父上どういうことでしょう?」
宰相自身も困惑をしていた。
猿獣人の密偵より
「セロピアル国 王太子殿下婚約破棄により結界が貧弱する恐れあり。セロピアル国崩壊予定。それにより難民予想・・・」
という連絡があったからだ。
獣人国含め他の国は、セロピアル国の結界事情を詳しく知らなかった。
なぜならば、結果の張り方は金銭等で教えてもらえるが、それ以外の情報は国の外に出ることがなかった。
なぜならルナタシアが張っていた最強の結界があるため、密偵等進入不可であった。
そのため訳が分からなかった。
宰相も返答に困った。
「私も分からないのです。あの国には密偵が入れないと分かっていますよね?」
「あぁ~それは知ってるぞ。だが今回のことはどういうことだ?知っている国もあるということか?我が国が遅れを取っているのではないか?」
騎士団団長からの指摘が。
宰相は心のなかで溜息を付き、
「各国に密偵を放っているので、我が国だけ遅れを取るはずがありません。我が国の密偵レベルを疑いますか?」
そう。獣人国の密偵はスペシャリス集団である。
密偵になれる者は猿獣人や狐、狸の獣人がほとんどである。
猿獣人は人間に姿が似ているため溶け込みやすく、狐や狸獣人は変化が上手く、魔法も得意であった。
脳筋と言われる獣人国で、まともで賢く更に魔法が上手い集団である。
「うーん、いや、疑った訳では無いが・・・うーん」
騎士団団長が怯む・・・
魔術騎士団団長は騎士団団長の様子を無視し、
「あの宰相樣どうにかその元婚約者を貰えませんか?すごーく欲しいです。僕のお嫁さんにして魔術について語り合いたいです。ふふふ」
魔術騎士団団長は魔術に対して頭が馬鹿になる。
魔術がすごい元婚約者と聞いて、ウキウキワクワクドキドキと心が高鳴っていた。
会議に参加するのが面倒だったが参加して良かったと思っている。
ただもう元婚約者以外については考えられない。
元婚約者が欲しくてほしくて、探しに行こうか考えてる。
周りはその様子にドン引きである。
宰相は
「はぁ、そうですか。自分で見つけて相手に許可を取ればいいですよ。ただ仕事はしてください。部下に押し付けたりはやめでください。あと無理矢理は禁止です。」
「ありがとうございます。ふふふ。僕は何だって出来ちゃうから安心して。ちゃんと仕事もするよ!あー楽しみだなあ。魔術棟に彼女の部屋も準備しないと。ニヤニヤ」
全員心のなかでため息を付く・・・
宰相は
「密偵からは何かあり次第すぐに連絡をするように伝えていますので、今後予想される対策を考えましょう。」と本来の話に戻した。
夜が明けるまで話し合いが続き、数日後にはある程度話がまとまったが、その頃ルナタシアは既に獣人国に不法入国し、自由気ままに森で食べ物を探しながら、ドワーフ共和国を目指していた。
そんなことは知らない魔術騎士団団長はセロピアル国周辺に周囲網を張り、いつ来るかいつ来るかとウキウキと待ち望んでいた。
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獣人国のB村で噂
住人Ⅰ
「おい聞いたか?A町の近くに茶髪黒目の妖精が現れたそうだぞ?この村には来て欲しいな。」
住人Ⅱ
「俺もその話聞いたぞ。でも本当か?どうせ間違いだろう。居たとしてもこんな山奥の村に来るはずないだろう。」
住人Ⅲ
「あんたたち夢がないわね。こんな山奥だからこそ来るのよ。きっと逃げてきたのよ。」
住人Ⅳ
「そうよ。きっとそうだわ。見守ってあげましょう!」
住人Ⅵ、Ⅶ
「おい!!!お前達大変だ。妖精が居た。妖精が居たんだ。」
住人
「「「なんだって???」」」
大騒ぎである。
バレないように飛んでいたルナタシアだったが、滝や湖などを観光しながら飛んでいたため一部の獣人には見られていた。
それが後々妖精伝説になる・・・
獣人国の西辺境伯視点
普段と変わらず執務室で息子と執事と作業をしていたところ門の方から馬の足音が聞こえた。
騒がしい音が聞こえてきて、「何事か」と息子と話していたところ、バンッとドアが開き部下が駆け込んできた。
焦っている部下が早口で「すごい速さで見たこともない生物がドワーフ共和国に続く谷へ向かった」と報告を受けた。
私は大慌てて部下数名と飛竜に乗って追いかけた。
息子も「様子を見に行く」と言って騒いでいたが、息子には辺境伯の領土を守るように言いつけた。
慌てて追いかけると遠くの方に何かが見えた。
ここからだと茶色い点と白い羽しか見えない。
谷を越えたところで見失ってしまった。
見失ったところまで来てみると、地面にクッキーの食べかすが落ちていた、、、
ますますあの生き物が分からなくなった。
この先は標高が高い山と巨大な川がある。
きっとその周辺に住む生物だと結論付けた。
だかしかし王から緊急招集命令があり、王都に向かう村や町では妖精伝説が噂になっていた。
もしかすると妖精だったのではないかと、、、息子には会いたかったと散々言われた。
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ルナタシア視点
西辺境伯を通過中、お腹が減ってしまい、くすねたクッキーを食べていたところ、山から吹き荒れる風に煽られてクッキーを落としていた。
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