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そろそろ移動するよ?
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「ふわぁ~」眠い···
体感時間だともう6時頃かな?ぐっすり寝過ぎた。
昨日までは結界を身体に纏って外で寝ているだけだった。逃げることでいっぱいいっぱいで、寝ている最中は『ブーーーン』と虫が羽ばたく音や、『キュルルルル』と謎の生き物の声まで聞こえ慌てて飛び起きることが多々あり、朝日と共に活動をしていた。万年寝不足な状態でハードな移動正直疲れていた。
今日は結界テントのおかげで寒くもなければ、虫も聞こえず逃げ出してから1番快適な朝だった。
ただ草臥れたドレスで寝ているため身体が固まってとても痛い。
全身ぐぅーーーと背伸びをし、首を左右に回すと肩がゴキッゴキッとなった。
「身体がバキバキだ···誰かにマッサージをされたい。」
まだ若いのに年寄りのような身体にショックを受けた。
それもそのはずである。この世界の令嬢は『歩かない・走らない・持たない』の3大原則が当たり前である。
ルナタシア改めシンジュは少し特殊であるが、それでも魔力を使うことはあってもそれだけである。
歩かない···全く歩かない。精々歩くのは屋敷内や学生なら学院内である。それ以外は馬車移動が基本である。例えば100m先にお店があっても馬車を使うのが鉄則である。
馬車を使わない=野蛮、貧乏と思われる。そのため家が貧乏でも馬車は豪華な装飾品で飾り、偽っている貴族も多い。
走らないもほとんど同じ理由である。
持たない···荷物は持たない。基本的に人任せである。持つのは羽根ペンぐらいであり、学校にはノートすら持参せずにお喋り(社交)をして終わりである。
本を読む時はメイドや執事に1ページずつ捲ってもらう徹底ぶりである。
※ただしシンジュは自分で荷物も本も持っていた。誰もお世話をしてくれる人がいなかったので前世を思い出す前から当たり前に自分の事は自分で出来た。
さらに過度な食事制限によるカルシウム不足で足腰が弱い、骨が脆い女性の大量発生である。
そのため車椅子がないこの世界ではベットで寝たきりになる女性が多い。
前世の日本と比べて女性の方が男性よりも10年ほど寿命が短い。
前世を思い出したシンジュは、早急に身体を鍛えるために精力的に身体を動かすのであった。
身体を伸ばし後、手に水を出して顔を洗った。その後食料を探しに出掛けた。
昨日と違い今日の朝は地面が濡れているようで、歩く度にヒールの踵が泥に足をとられる。それによってドレスに泥が跳ねるが、シンジュは全く気に求めず「早く歩きやすい靴がほしいな」と呑気に考えながら昨日のことを振り返った。
昨日は色々あったな~断罪中と同じぐらい驚いた。
竜人族を初めて見たけれど、捨てられた子供だった。
まだ8歳だよ!しかも見た目は4.5歳くらいのガリガリな男の子だった。髪の毛は栄養が足りずパサパサで、爪が割れてた。
タンパク質も鉄も足りなさそう···何を食べていたのだろうか?
これは虐待だよね···人間とやってるようなことは同じじゃん。学院内の図書館で読んだ本には『竜人族は長寿の種族のため子供が生まれにくく、子供をとても大切にする』って書いてあったのに···きっとどの種族も生まれた環境によって変わるのかな。貧しくても愛してくれる両親のもとに生まれれば私も違った人生を歩めたのかな。そうは言っても過ぎてしまった過去は仕方がない。前を向いて歩いていかないと···
いつの間にか昨日収穫した場所に着いていた。立ち止まると昨日と何かがおかしい!!!
あれ?昨日の場所じゃない?アケビやポポーがない···でも、目印にしていた大岩がある···似てる岩?それとも探す時間によって生える植物が変わるのかな?ハハ そんな事ありえない。図書館でそんな本を見つけたことがない。
暫く観察していると「へ???」思わず声が出た。
山葡萄の蔓から違う果物が···驚きすぎて顔がビキッと固まりアホ面に···どどどいうこ?ポポーやアケビはどこにいった??
魔法がある世界だと何でもありなのかなと思うしかなかった。あまりにも昨日と違う光景に引きつった。
昨日の果物の代わりに目の前には木苺がいっぱい実がなっている。それにブラックベリーにラズベリー、見たことがないベリーまで『予期せぬベリー祭り!!!』にテンションが上った。
とりあえず結界で籠を作るイメージを·····うんさすがチート。イメージで作った結界籠にいっぱいベリーたちを集めれば、そのまま売ってもいいし、ジャムにも出来る。少しでもお金を増やさないと···ね。
美味しそうなフルーツを見て『ぐぅぅぅ』と思わずお腹がなった。
我慢できずに1つまみ食い(笑)パクっと一口
「・・・・・・」
あまりの美味しさに言葉がでない。
「なに、、これ???」と叫んだ。口の中いっぱいに苺にさくらぼ、梨の味が広がった。甘い・酸っぱい・旨味が加わって訳が分からないくらいおいしい!
こんな美味しい食べ物は、1粒で2度美味しいどころではない『力が漲る~』
今なら世界一周飛べちゃうかも!!!冗談ではなく、本気で飛べそうである。そのくらい美味しくて、パワーが出そう!
うんうん。気付いたら2つ目に手を伸ばし、10個ほどぐらい食べていた。
『うっわぁ』食べることに集中しすぎて、時間もかなり経ってることに気がついて慌てて戻った。
泥まみれの身体を魔法で清潔にしてからご飯を届けるために隣のテントへ向かった。
もう起きているかな??
コンコンコン
シーン
返事がないからまだ寝ているかな?
もうそろそろ起こさない···部屋をそっと開けて丸まって寝ているエメ君に「起きてください???」と軽くトントンと叩いた。
するとビクッと身体が揺れ地面に額をぶつけた。
「あぁごめんね。驚かせちゃった。」それを見て思わずあたふたと慌てて謝った。
赤くなった額を手て擦りながら「だだだだいじょうぶ。僕は起こされたの初めてで驚いただけだよ。それに僕は竜だからある程度ぶつけてもいたくない。また起こしてくれるとうれしぃて···」///と照れながら答えた。
「うんうんうん。分かったよ。これからお姉さんが起こしてあげよう。」///
モジモジと照れるエメ君にシンジュは可愛いと思った。
予期せぬ寝起きドッキリからの逆に寝起きにドキッとさせられたのである。///
「改めておはよう、朝になったよ!!起きれるかな?
今日は川を飛びながら渡るよ!なるべく人が少ない時間に動きたいから、そろそろ起きれると嬉しいな。
結界の桶の中に水を入れてるので顔を洗ってね。
そのドレスはそのまま置いておいてね。
あとこれがごはん。今日はベリーです!!!
すっごーい美味しいベリー!!!ふふ。
ドワーフ国に行ったら美味しいものを食べようね。
じゃあ私も準備とご飯を食べるので、良い時間になったら迎えに行くね。ご飯食べて出かける準備をよろしくね。」
バタンッと扉を閉めた。
エメ君のテレ顔にドキッとさせられて、思わず早口で今日の説明をしたシンジュは満足気味に微笑みながら自分のテントに戻ってベリーを食べるのである。
エメ視点
昨日のは夢じゃなかったんだ。
シンジュ様がいた·····嬉しい!!!
まだ捨てられてない。
しかも美味しそうなベリー?っていうフルーツがいっぱい。
まず顔を洗うって言ってたけど、顔ってどうやって洗うのかな?
身体を濡らすの?分かんない、、、
体感時間だともう6時頃かな?ぐっすり寝過ぎた。
昨日までは結界を身体に纏って外で寝ているだけだった。逃げることでいっぱいいっぱいで、寝ている最中は『ブーーーン』と虫が羽ばたく音や、『キュルルルル』と謎の生き物の声まで聞こえ慌てて飛び起きることが多々あり、朝日と共に活動をしていた。万年寝不足な状態でハードな移動正直疲れていた。
今日は結界テントのおかげで寒くもなければ、虫も聞こえず逃げ出してから1番快適な朝だった。
ただ草臥れたドレスで寝ているため身体が固まってとても痛い。
全身ぐぅーーーと背伸びをし、首を左右に回すと肩がゴキッゴキッとなった。
「身体がバキバキだ···誰かにマッサージをされたい。」
まだ若いのに年寄りのような身体にショックを受けた。
それもそのはずである。この世界の令嬢は『歩かない・走らない・持たない』の3大原則が当たり前である。
ルナタシア改めシンジュは少し特殊であるが、それでも魔力を使うことはあってもそれだけである。
歩かない···全く歩かない。精々歩くのは屋敷内や学生なら学院内である。それ以外は馬車移動が基本である。例えば100m先にお店があっても馬車を使うのが鉄則である。
馬車を使わない=野蛮、貧乏と思われる。そのため家が貧乏でも馬車は豪華な装飾品で飾り、偽っている貴族も多い。
走らないもほとんど同じ理由である。
持たない···荷物は持たない。基本的に人任せである。持つのは羽根ペンぐらいであり、学校にはノートすら持参せずにお喋り(社交)をして終わりである。
本を読む時はメイドや執事に1ページずつ捲ってもらう徹底ぶりである。
※ただしシンジュは自分で荷物も本も持っていた。誰もお世話をしてくれる人がいなかったので前世を思い出す前から当たり前に自分の事は自分で出来た。
さらに過度な食事制限によるカルシウム不足で足腰が弱い、骨が脆い女性の大量発生である。
そのため車椅子がないこの世界ではベットで寝たきりになる女性が多い。
前世の日本と比べて女性の方が男性よりも10年ほど寿命が短い。
前世を思い出したシンジュは、早急に身体を鍛えるために精力的に身体を動かすのであった。
身体を伸ばし後、手に水を出して顔を洗った。その後食料を探しに出掛けた。
昨日と違い今日の朝は地面が濡れているようで、歩く度にヒールの踵が泥に足をとられる。それによってドレスに泥が跳ねるが、シンジュは全く気に求めず「早く歩きやすい靴がほしいな」と呑気に考えながら昨日のことを振り返った。
昨日は色々あったな~断罪中と同じぐらい驚いた。
竜人族を初めて見たけれど、捨てられた子供だった。
まだ8歳だよ!しかも見た目は4.5歳くらいのガリガリな男の子だった。髪の毛は栄養が足りずパサパサで、爪が割れてた。
タンパク質も鉄も足りなさそう···何を食べていたのだろうか?
これは虐待だよね···人間とやってるようなことは同じじゃん。学院内の図書館で読んだ本には『竜人族は長寿の種族のため子供が生まれにくく、子供をとても大切にする』って書いてあったのに···きっとどの種族も生まれた環境によって変わるのかな。貧しくても愛してくれる両親のもとに生まれれば私も違った人生を歩めたのかな。そうは言っても過ぎてしまった過去は仕方がない。前を向いて歩いていかないと···
いつの間にか昨日収穫した場所に着いていた。立ち止まると昨日と何かがおかしい!!!
あれ?昨日の場所じゃない?アケビやポポーがない···でも、目印にしていた大岩がある···似てる岩?それとも探す時間によって生える植物が変わるのかな?ハハ そんな事ありえない。図書館でそんな本を見つけたことがない。
暫く観察していると「へ???」思わず声が出た。
山葡萄の蔓から違う果物が···驚きすぎて顔がビキッと固まりアホ面に···どどどいうこ?ポポーやアケビはどこにいった??
魔法がある世界だと何でもありなのかなと思うしかなかった。あまりにも昨日と違う光景に引きつった。
昨日の果物の代わりに目の前には木苺がいっぱい実がなっている。それにブラックベリーにラズベリー、見たことがないベリーまで『予期せぬベリー祭り!!!』にテンションが上った。
とりあえず結界で籠を作るイメージを·····うんさすがチート。イメージで作った結界籠にいっぱいベリーたちを集めれば、そのまま売ってもいいし、ジャムにも出来る。少しでもお金を増やさないと···ね。
美味しそうなフルーツを見て『ぐぅぅぅ』と思わずお腹がなった。
我慢できずに1つまみ食い(笑)パクっと一口
「・・・・・・」
あまりの美味しさに言葉がでない。
「なに、、これ???」と叫んだ。口の中いっぱいに苺にさくらぼ、梨の味が広がった。甘い・酸っぱい・旨味が加わって訳が分からないくらいおいしい!
こんな美味しい食べ物は、1粒で2度美味しいどころではない『力が漲る~』
今なら世界一周飛べちゃうかも!!!冗談ではなく、本気で飛べそうである。そのくらい美味しくて、パワーが出そう!
うんうん。気付いたら2つ目に手を伸ばし、10個ほどぐらい食べていた。
『うっわぁ』食べることに集中しすぎて、時間もかなり経ってることに気がついて慌てて戻った。
泥まみれの身体を魔法で清潔にしてからご飯を届けるために隣のテントへ向かった。
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もうそろそろ起こさない···部屋をそっと開けて丸まって寝ているエメ君に「起きてください???」と軽くトントンと叩いた。
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赤くなった額を手て擦りながら「だだだだいじょうぶ。僕は起こされたの初めてで驚いただけだよ。それに僕は竜だからある程度ぶつけてもいたくない。また起こしてくれるとうれしぃて···」///と照れながら答えた。
「うんうんうん。分かったよ。これからお姉さんが起こしてあげよう。」///
モジモジと照れるエメ君にシンジュは可愛いと思った。
予期せぬ寝起きドッキリからの逆に寝起きにドキッとさせられたのである。///
「改めておはよう、朝になったよ!!起きれるかな?
今日は川を飛びながら渡るよ!なるべく人が少ない時間に動きたいから、そろそろ起きれると嬉しいな。
結界の桶の中に水を入れてるので顔を洗ってね。
そのドレスはそのまま置いておいてね。
あとこれがごはん。今日はベリーです!!!
すっごーい美味しいベリー!!!ふふ。
ドワーフ国に行ったら美味しいものを食べようね。
じゃあ私も準備とご飯を食べるので、良い時間になったら迎えに行くね。ご飯食べて出かける準備をよろしくね。」
バタンッと扉を閉めた。
エメ君のテレ顔にドキッとさせられて、思わず早口で今日の説明をしたシンジュは満足気味に微笑みながら自分のテントに戻ってベリーを食べるのである。
エメ視点
昨日のは夢じゃなかったんだ。
シンジュ様がいた·····嬉しい!!!
まだ捨てられてない。
しかも美味しそうなベリー?っていうフルーツがいっぱい。
まず顔を洗うって言ってたけど、顔ってどうやって洗うのかな?
身体を濡らすの?分かんない、、、
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