前世の記憶さん。こんにちは。

満月

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起こすと思った大事件

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翌朝 相変わらず早朝に目覚めたシンジュは日課になっている朝食探しに向かった。

湖の朝は日によって気温が違うようで今日はとても寒かった。地面には霜がおりザクザクと歩く度に音がなる。
『薄い服しか持っていないから買いに行かないとな~』と思いながら歩いていると、突然吹いた風の冷たさにブルッと震えた。すると上から服が降ってきた。
見上げてみるとハーフエルフが自分の着ていた服をかけてくれたのだった。

「ありがとう!寒くないの?」こんなに寒いなか上半身裸···ありがたいけど寒そう

「あぁ俺か?このくらい平気だ。それより人間は全てにおいて弱いと聞いた。体調に気をつけろ。それとな俺のことはルネと呼べ。ハーフエルフはなんか嫌だ!!!」

申し訳ないと思いながら「ルネありがとう」と伝えた。

それから無言で2人で歩いた。  
シンジュは何でルネが付いてくるのかよく分からなかったが、気にせず食材探しに集中し、今日はノビルを収穫した。

(鑑定)
名前 ノビル
生息地
食用 可
特徴 スイレンと間違いやすい。慣れても必ず鑑定魔法でノビルか調べるように!君は絶対に間違う!


最近の鑑定魔法は前よりも調子に乗ってきた···AIのように知能があるのかな?なんだか怖いけど今後も頼ります。と心のなかで伝えると『いいよ』とどこから声が聞こえ周りを見渡すも何もなかった。
「おぃ、どうした?」とルネから聞かれたが、何て答えていいのか分からず「大丈夫」と伝えた。


それからいつも通りにクレソンを湖付近で収穫した。クレソンは採っても採っても次の日にはフサフサに生えている。だから毎日採るように心がけている。
それに当初は池の中に入るのが怖かったが、鋭い歯を持つ小魚たちはクレソン周辺にいるだけで襲ってこないことが分かったため怖い気持ちは変わらないが比較的安全に収穫できている。


それから2人で無言で拠点に戻ると今日はノビルを小麦に混ぜ込だパン?チヂミ?のようなものを作ることにした。

伸びるの葉はネギのようで、球根部分はニンニクに似ている。味はどうなのか分からないが食べれる植物を有効活用しする。

小麦に水と、ノビルの葉を混ぜ合わせてフライパンで薄くカリカリに焼いていく。ジュージューッとバターの溶ける音がお腹を刺激する。約10枚ほど焼き終わりノビルチヂミ?ノビルパンが完成した。見た目はネギが練り込まれてるような···きっと美味しいはず!!と思って次に取り掛かった。


次はノビルの球根部分を細かくしてクレソンと炒めて塩で味を整えて完成!名付けてノビル炒め!!···ネーミングセンスは相変わらずありません。


調理後すぐにエメがのそのそと起きてきて3人でご飯を食べた。初めてノビルを食べたが、生のものは臭かったが、火を通すと臭いが消えるようだった。
問題なく美味しく食べることができた。昨日まではルネに監視されていたため食事が不味く最悪だったが、今日は朝から幸せな気分になった。

エメとルネも問題なく食べてくれたようで、2人とも葉っぱの皿まで食べる勢いで食べてくれた。
「エメ君今日のご飯はどうだった?」

「へんなにおいするけどクセになる!!!」

「本当に変な臭いだがすげぇ美味いな。雑草なんて食べれないと思ったが、お前は天才なんだな!!!」

「エメ君、ルネありがとう!全部の葉っぱが食べれるわけじゃないからね?」とルネの目を見て訴えた。
絶対にあのハーフエルフは適当な雑草を食べると思ったからだ。

それから食事の片付けを行って朝の日課であるエメに体調確認を行うと、「もうからだギシギシいわないよ?」

「え?終わった?今確認するね。」と言って慌てて鑑定魔法をかけた。



(鑑定魔法)
名前 エメ(エメラルドから名前を取った)
種族 竜人族
家族 なし
年齢 8歳
身長 142cm(10cmアップ)
体調 良好、成長痛
ギルドランク なし
魔力量 20
体力  55
スキル 不明
備考欄 幻のベリーを食べたことで身体の中で変化が起きている最中。
急激な成長痛お疲れさまでした。これからは激しい痛みは伴いませんが成長を続けます。朝起きたらいきなり5cm身長アップ?も夢じゃないかも。


もちろん情報共有し、無事に激痛期間を突破することが出来てよかった。ただ朝起きていきなり5cmは怖い気がする。


「ぼく、もうだいじょうぶだよ。シンジュ様どこでもいけるよ!」 エメは嬉しかった。やっと痛みがなくなりシンジュ様へ迷惑をかけずに済むと喜んだ。


「そうだね。これから少し街に戻って食料買わないとね。」


「うん。りょうりがんばるね!!」と元気満々に返事をした。


「おいおい、2人は何の話をしてやがる?」
2人の話がついていけなかったルネが堪らず質問をした。



「おにいさん。ぼくはちょっとからだ、ずっといたかったの。それがなおったとこ。」てへへ


「はぁ?大丈夫?」
そんな風には見えなかったぞ?竜だから痛みに強い種族なのか?と思った。


「うん。なおった。うれちぃ!」


「おい?お嬢さんこいつは大丈夫なのか?」


「大丈夫だよ。ここずっと大変だったけどね!」

「よし、わかった!俺は具合が悪いお前たちに迷惑をかけた詫びをするために、街に行くときは荷物持ちになってやるぞ!喜べ!!!」ガハハハハハ

シンジュはちょっとよく意味が分からないルネに、適当に返事を返し、すぐに話題を変えたのだった。
なぜなら、一緒に行ったら絶対に何かやらかすと思ったからだ。


「あ!あそこに食べれるものがあるよ。」
「どれだ?」
「あれだよ?あれ?」
「人間は目がいいのか?俺には見えないぞ。」
「あそこ!奥に見えるでしょ?!」
とっさに思いついた言葉が『あれこそそれ』しか思い浮かばなかった·····


それからすぐ道中にあるクレソン、シソ、ミゾソバを採った。 
「こんなにあるなんて知らなかったぞ?」と大興奮のルネがたくさん収穫を手伝ってくれたのでシンジュとエメは楽だった。

収穫しながらの移動だったため住処まで思いのほか時間がかかった。2時間歩いてやっと半分、あっ蓮が見えた!!!ただ以前と違い蓮の花はもう枯れていた。
蓮根は採りたいけど湖には入りたくないなぁ···思いつく魔法がなくてハーフエルフに相談すると「風魔法で俺が引っこ抜けばいい?」と言われたので、お願いすることにした。


すると大事件····

蓮の花があった一面が竜巻のように渦を巻き始めレンコン達が持ち上がったとも思ったら、そのまま竜巻が私達がいる方に向かってきて止まった·····想像通りにレンコンと泥が降ってきてた。結界を張るのを忘れていたため物凄い勢いで落ちてきた。

それほど高さは無かったが泥の重さとレンコン何百個と降り注ぎ···気付いた時には全身埋まって身動きが取れなくなりパニックに陥った。

シンジュは冷静だったら魔法が使えたかもしれないが、急だったため焦ってしまった。
必死に抜けようと藻掻く内にズブズブと泥にハマっていき泥を飲み込んだ····『死にたくない、しかも泥の中なんて嫌だ、異世界生活····』と思ったのを最後に意識を失った。

気付いたらテントで寝かされていたのである。

頭の中に誰かの鳴き声が聞こえた····うわぁぁぁん おき、て、おきちぇ、グスンッ 
なんだろう?それに手が痛い···シンジュはゆっくり目を開けると手を握りながら大泣きしているエメがいた。
あれ?何で泣いてるの?ここどこだろ?と思った。

「ゲホッゲホッ」声がうまくでない。


「ジ、ン、ジュちゃま、ぉ、きた?」と目があったエメがまたうわぁぁぁんょがっだぁーーーーと泣き出した。


状況が読めないけど、、、飲み物が飲みたい。

暫くすると外が騒がしくなり、バンッとドアが開いた。
「おい!!!大丈夫か?」

?ライオン??

とりあえず頷くとちょっと待ってろ!と言われて、次はハイエルフ?がやって来た。
「大丈夫でしょうか?」

うん。また頷きよ~く観察するとフライドポテトの人だと気が付いた。


「良かったです。私が急ぎ回復魔法をかけたのですが、思ったよりも泥を飲んでしまったようで、なかなか目覚めなかったのですよ。もう3日過ぎてます。」

え?3日?泥?

「覚えていますか?私の従兄弟くんが泥の雨を降らしたことを?」

あ!!!うん頷き、、、うん?従兄弟??従兄弟って言った?

「あのばか従兄弟が貴方と竜人の子を泥に埋めてしまって、竜人の子は自力で脱出して無事でしたよ。そこで泣いてるから分かりますね?従兄弟くんは今反省させてますので、ゆっくり休んで下さい。水を持ってきますね?」

パタンッと扉がしまった···
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