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第二章 最強娘の学園生活
地下水路を捜索するには広すぎる
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テレーヌ市の地下にあるという大昔の水路。中で何が待ち構えているかわからないというのもあり、選抜するのだが、斡旋所から要請を受けた傭兵達、そして前回ピートを追い返した事も知られてしまっているので、俺にも白羽の矢が立つ。
だが、正直自信はない。
再びあの時のような力が出せるかは賭けだが、現在眠たそうに熊五郎の背中の上で涎を溢しそうに船を漕ぐアリステリアを単独で行かせる訳にもいかない。
熊五郎に関しても、サーシャ村でのカメ・レオンや先ほどの土竜顔といった魔物を察する能力に長けているのは、入り組んだ水路には必要だろう。
結局、俺とアリステリア、熊五郎、そしてルナ先生の四人で水路を捜索する事になった。
「問題は水路の入り口が何処にあるかだな」
随分と昔の水路であるため、水路自体はかなり地中深くにあると予想された。
何故なら、そうでもしなければ壁や門など重い建造物が地盤沈下を起こしてしまう。
手がかりを見つけたという報告を受けたイシューも加わるが、水路に関して詳しい事は知らないようで、手詰まりに。
「せめて、この下に確実に水路があると分かれば、掘ることも可能だとは思うのですが」
イシューの何気ない一言に、思わず俺は「あっ」と声をあげた。
十分に可能性がある場所に俺は心当たりがあったのだ。テレーヌ市で一番最初に消えたミオ。そして、その直前まで上空からその姿を捉えていたカルヴァンの話。
ミオが隠れていた場所こそ、地下に水路があるはずだった。
イシューに話をすると彼はすぐに手配へと動き出す。ミオの隠れていた場所は復興のために建て直しを行っていた現場の一角。イシューはすぐに持ち主に話をつけると、斡旋所に土木の要請を出した。
床用に貼り付けらた木板を全て剥がして集まった作業員総出で掘り進める。かなりの深さが予想出来た為、中心を一定に掘り進めると、穴を円状に広げる作業へ、そして再び中心を掘る。
現場は、徐々にすり鉢状に掘り進められ、穴が広がる度に、追加で作業員が投入されていく。
それは、ただただ深く一直線に穴を掘るよりも、安全を考慮したやり方。イシューの発想の天才ぶりを伺わせる。
「ほえー、イシューおにいちゃんがやったですか? スゴいです!」
「起きたのか、アリス」
作業は夜通し行われ、完全に眠っていたアリステリアが熟睡し終えて目を覚ますほどの時間が経過していた。
「アリス。ちょっといいかい? あ、ルナ先生もちょっと」
捜索に乗り出す前に俺は話をしておかなければならないこと事があった。
「もし、黄の魔王とやらが現れた場合、アリスとルナ先生は真っ先に逃げなさい。いいか、どれだけの広さか分からないが所詮水路だ。アリスが本気になれば壊しかねない」
「デヘヘヘヘ……」
アリステリアはなぜか照れ臭そうに笑う。
「今は褒めてないぞ? それで、ルナ先生には真っ先に外へとアリスを連れて行って欲しいのです」
「わかりました。しかしお父様は?」
「何処までできるかは分かりませんが時間を稼ぎます」
自信などない。しかし、アリステリアの親としての矜持というか、見栄というか。子供より後に死ぬ訳にはいかないからな。
そんな俺の想いなど知ってか知らずかルナ先生は快く承諾してくれた。
「見つかったぞーー!!」
夜中から始まった作業は昼過ぎまでかかったが、本当はもっと時間がかかっても仕方ないとさえ思っていた。
にもかかわらず、これだけの規模をやってしまうとはイシューの腕に感服してしまう。
捜索するのは俺の組を含めてたった三組。
「中はかなり複雑と思われる。それぞれマッピングを忘れるな! それと、必ずこの行灯の中の明かりが消えたら再度点け直して、帰還するように」
傭兵の中でもかなり若手に見える男がリーダーシップを発揮する。俺は納得して頷いた。
名前はたしかバベルとか。
前回のスタンピートで僅かに残った傭兵の一人で、汚名返上に燃えている。
妙に気になるのは熱く熱弁する度に、チラリとルナ先生の方に視線を送っていた。
捜索するにあたって大変なのは、ずっと水路に入る事が出来ないことだ。
時折、戻りマッピングした箇所で、再び穴を掘る。
そうでもしないと空気を確保出来ない。
「目標は、王都ミラージュ!」
バベルは一人、そう叫び張り切ってみせる。ミラージュでも同様の事件があることから、その目標は間違いではないのだが、恐らくは両方行き来しやすくするため途中には何かしらあるだろうとは予想がつきそうなものだが。
水路は長年使われていないにも関わらず、造り自体はわりとしっかりしているように見受けられた。
しかし、周りはとてもカビ臭い。
「パパ、これ……ここ、おかしくないです?」
「何かを引きずった跡?」
開けた穴の真下から北へかけて地面を引きずった二本の線。そう、ちょうどアリステリアと同じ足の幅の間隔。同じ年のミオのものの可能性が高く、引きずったと言うことは、別の誰かがその場にいたということ。
俺達はその跡を追跡調査していくと、別れ道にぶつかる。二度、三度と別れ道に出くわすが、遂に四度目になると、あの引きずった跡のような二本の線は見えなくなっていた。
「最初の捜索はここまでか」
初日は順調であったが、二日目以降になると急激に捜索の速度が日に日に落ちる。
何せ、別れ道の連続でテレーヌ市内だけでもバカ広い。
投入する人を増やしたにも関わらず、だ。
魔物の巣窟、そう誰もが思っていたのだが拍子抜けするほど魔物の姿はない。
そして遂にはあのスタンとピートが襲って来た門のあった付近までたどり着く。
そこは今までとは違い、広く作られた空間で、その中心にはぼんやりと行灯が照らす見知った顔の女の子の姿。
彼女は、こちらを虚ろな目をしながらぽつり呟く。
「そばに、来ないで」と。
だが、正直自信はない。
再びあの時のような力が出せるかは賭けだが、現在眠たそうに熊五郎の背中の上で涎を溢しそうに船を漕ぐアリステリアを単独で行かせる訳にもいかない。
熊五郎に関しても、サーシャ村でのカメ・レオンや先ほどの土竜顔といった魔物を察する能力に長けているのは、入り組んだ水路には必要だろう。
結局、俺とアリステリア、熊五郎、そしてルナ先生の四人で水路を捜索する事になった。
「問題は水路の入り口が何処にあるかだな」
随分と昔の水路であるため、水路自体はかなり地中深くにあると予想された。
何故なら、そうでもしなければ壁や門など重い建造物が地盤沈下を起こしてしまう。
手がかりを見つけたという報告を受けたイシューも加わるが、水路に関して詳しい事は知らないようで、手詰まりに。
「せめて、この下に確実に水路があると分かれば、掘ることも可能だとは思うのですが」
イシューの何気ない一言に、思わず俺は「あっ」と声をあげた。
十分に可能性がある場所に俺は心当たりがあったのだ。テレーヌ市で一番最初に消えたミオ。そして、その直前まで上空からその姿を捉えていたカルヴァンの話。
ミオが隠れていた場所こそ、地下に水路があるはずだった。
イシューに話をすると彼はすぐに手配へと動き出す。ミオの隠れていた場所は復興のために建て直しを行っていた現場の一角。イシューはすぐに持ち主に話をつけると、斡旋所に土木の要請を出した。
床用に貼り付けらた木板を全て剥がして集まった作業員総出で掘り進める。かなりの深さが予想出来た為、中心を一定に掘り進めると、穴を円状に広げる作業へ、そして再び中心を掘る。
現場は、徐々にすり鉢状に掘り進められ、穴が広がる度に、追加で作業員が投入されていく。
それは、ただただ深く一直線に穴を掘るよりも、安全を考慮したやり方。イシューの発想の天才ぶりを伺わせる。
「ほえー、イシューおにいちゃんがやったですか? スゴいです!」
「起きたのか、アリス」
作業は夜通し行われ、完全に眠っていたアリステリアが熟睡し終えて目を覚ますほどの時間が経過していた。
「アリス。ちょっといいかい? あ、ルナ先生もちょっと」
捜索に乗り出す前に俺は話をしておかなければならないこと事があった。
「もし、黄の魔王とやらが現れた場合、アリスとルナ先生は真っ先に逃げなさい。いいか、どれだけの広さか分からないが所詮水路だ。アリスが本気になれば壊しかねない」
「デヘヘヘヘ……」
アリステリアはなぜか照れ臭そうに笑う。
「今は褒めてないぞ? それで、ルナ先生には真っ先に外へとアリスを連れて行って欲しいのです」
「わかりました。しかしお父様は?」
「何処までできるかは分かりませんが時間を稼ぎます」
自信などない。しかし、アリステリアの親としての矜持というか、見栄というか。子供より後に死ぬ訳にはいかないからな。
そんな俺の想いなど知ってか知らずかルナ先生は快く承諾してくれた。
「見つかったぞーー!!」
夜中から始まった作業は昼過ぎまでかかったが、本当はもっと時間がかかっても仕方ないとさえ思っていた。
にもかかわらず、これだけの規模をやってしまうとはイシューの腕に感服してしまう。
捜索するのは俺の組を含めてたった三組。
「中はかなり複雑と思われる。それぞれマッピングを忘れるな! それと、必ずこの行灯の中の明かりが消えたら再度点け直して、帰還するように」
傭兵の中でもかなり若手に見える男がリーダーシップを発揮する。俺は納得して頷いた。
名前はたしかバベルとか。
前回のスタンピートで僅かに残った傭兵の一人で、汚名返上に燃えている。
妙に気になるのは熱く熱弁する度に、チラリとルナ先生の方に視線を送っていた。
捜索するにあたって大変なのは、ずっと水路に入る事が出来ないことだ。
時折、戻りマッピングした箇所で、再び穴を掘る。
そうでもしないと空気を確保出来ない。
「目標は、王都ミラージュ!」
バベルは一人、そう叫び張り切ってみせる。ミラージュでも同様の事件があることから、その目標は間違いではないのだが、恐らくは両方行き来しやすくするため途中には何かしらあるだろうとは予想がつきそうなものだが。
水路は長年使われていないにも関わらず、造り自体はわりとしっかりしているように見受けられた。
しかし、周りはとてもカビ臭い。
「パパ、これ……ここ、おかしくないです?」
「何かを引きずった跡?」
開けた穴の真下から北へかけて地面を引きずった二本の線。そう、ちょうどアリステリアと同じ足の幅の間隔。同じ年のミオのものの可能性が高く、引きずったと言うことは、別の誰かがその場にいたということ。
俺達はその跡を追跡調査していくと、別れ道にぶつかる。二度、三度と別れ道に出くわすが、遂に四度目になると、あの引きずった跡のような二本の線は見えなくなっていた。
「最初の捜索はここまでか」
初日は順調であったが、二日目以降になると急激に捜索の速度が日に日に落ちる。
何せ、別れ道の連続でテレーヌ市内だけでもバカ広い。
投入する人を増やしたにも関わらず、だ。
魔物の巣窟、そう誰もが思っていたのだが拍子抜けするほど魔物の姿はない。
そして遂にはあのスタンとピートが襲って来た門のあった付近までたどり着く。
そこは今までとは違い、広く作られた空間で、その中心にはぼんやりと行灯が照らす見知った顔の女の子の姿。
彼女は、こちらを虚ろな目をしながらぽつり呟く。
「そばに、来ないで」と。
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