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第二章 最強娘の学園生活
すべて、俺達は手のひらの上で転がされ
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オットーと名乗る男の言葉に、ここにいる誰もが言葉を失っていた。
それは、俺もご多分に漏れずという感じで、最初何を言っているのかを理解するのに時を要した。
少しずつ言葉を噛み砕くように理解する。
オットーと名乗るこの男こそ、サラの縁談相手であり、王都ミラージュで行方不明とされサラとアラキは、わざわざ捜索に向かった。
向かわざるを得なかったのは、彼が“王族”の役割を持つ人間であり、跡取りに“王族”の役割を持つ者が居ない現王の後継人として迎え入れられた為。
その男が“黄の魔王”の役割まで持つ? 人間ですらない? そもそも役割を二つ持つなんて……。色々と問い質したいところではあるが、今はこの場をどう凌ぐかだ。
「ルナ先生……」
俺の背後にいるはずのルナ先生に声をかけるが返事がない。
「ルナ先生! しっかりしてください!!」
「……あっ! は、ハイ!」
大事な生徒が目の前で無惨な死に方をしたのだから呆けるのは仕方ないが今は、それどころではない。
「ルナ先生は、アリスと皆を連れて退いてください!」
「で、でも!」
「アハッ! このまま逃がしても良いんだけどね、どうせなら僕の成果を見て行ってくれても良いんだよ? さぁ、どうぞ」
そう言うとオットーの背後からは、この地下水路を知るきっかけとなった魔物と同種である土竜面が、行方不明になった人達を連れて現れた。
「アハッ。さっきの女の子さぁ、どうやって爆発したと思う? 分かるわけないかぁ? この世界の真理を知らずに生きているものね。アッハーッ!」
オットーは俺達を前にして、演説を始めた。それは、如何に自分が優秀で、如何に俺達が低俗で無知であるかと聞くに耐えないものだった。しかし……。
「じゃあ、何故爆発したのか教えてあげよう。アハッ、それはね、アレの役割が“爆弾”だからだよぅ! アハッ、アハッ! 僕がねぇ、役に立つように書き換えて上げたんだよ、“職人・下”から珍しい役割の“爆弾”にぃ! そしてぇ、こいつらも同じようにね!」
ーー役割を書き換えた? そんな事が!?
俺が聞いた限りでは、そんな事が可能などと聞いたこともなく、同じように話を聞いていた捜索隊の人達も首を傾げていた。
「ほらぁ、わざわざ君達を捜しに来てくれたんだ。助けてもらいなよ! アハッアハッ!」
オットーの合図で土竜面から行方不明だった人たちは押し出される。当然、自分たちが“爆弾”という役割に書き換えられた事を聞いていた行方不明の人たちだが、藁にもすがる思いで、そのまま俺達に向かって助けを求めながら近寄ってくる。
「うわぁ、く、来るな!」
「そこで止まれ! 止まれって!!」
捜索隊の面々は助けを求める行方不明者達を拒絶する言葉を投げ掛けながら逃げようとするも、混乱していたのか、一斉に同じ水路へと向かう。
こちらにも二人ほど向かって来ており、「止まれ」と叫ぶが、死の恐怖に支配され、耳に入っていない様子だった。
「ヘキサグラム!!」
虹色の六角形の壁が二人の行く手を遮り、近づくのを塞いだ。
「ごめんなさい、動揺してしまって。でももう大丈夫よ」
サラと同等の上級魔法を唱えたルナ先生はようやく気を取り戻しており、その威力はサラとは少し桁が違い、壁をいくつも作り出し、俺やアリステリアを取り囲んでいた。
「アハッ、やるね君。それほどの上級魔法、使える人間がいるとはね。でも良いのかな? 他の奴らは捕まったみたいだよ?」
ルナ先生が守ったのは俺達のみで、他の人達は行方不明者達に体が触れられる位置まで傍に。
しかし、不思議と爆発する様子はない。
「失敗か?」
そう言うとオットーは一層甲高い笑い声を上げて言い放つ。
「僕が失敗? しないよ。そいつらはさっきのと違い、僕の意思で起爆出来るからね、アハッ!」
そう言って此方に向かって、さようならと言わんばかりに手を振る仕草を見せる。
そして爆弾の役割を果たすように行方不明者達は、一斉に膨らみ、爆発した。
「うわあああっ!!」
俺も熊五郎もアリステリアもルナ先生も吹き飛ぶ。しかし俺達は、ルナ先生の魔法のおかげもあり、吹き飛ばされるだけで済んだが、周りは悲惨であった。
生きている者は誰もいない。ただ、強烈な血の臭いが残っていた。
「な、何でこんな真似が平気で出来るんだ……お前だって、元は人間じゃないのか!」
俺はオットーを問い詰める。もう半ば破れかぶれなのもあったが、幸い吹き飛ばされたお陰で、広がる空間から後方の来た道でもある水路へと踏み入れていた。
あとは、ルナ先生にアリステリアと熊五郎を任せ、俺が少しでもと時間稼ぎを込めての問いだった。
「アハッ、タツロウくん。何も知らないというのは、それだけで罪だよ。僕の行動は全てこの世界の為なのだよ。それが僕の“黄の魔王”としての役割なんだよ」
オットーの話は話半分に聞き背後のアリステリアの様子を伺う。まだミオの事がショックなのかひどく落ち込んでおり、ルナ先生がアリステリアを抱きしめてくれていた。
「仕方ない、少し教えてあげようか。この世界の仕組みをね。アハッ」
オットーは、突然天井を指差す。
「今起こったことも全て含めての出来事は、神……の役割を持つ奴の更に上の存在の手のひらの上での出来事なのだよ。僕もタツロウくんもそいつに良いように踊らされているのさ」
オットーは誰も居ない天井に向かって、馬鹿にするように嘲笑う。
「僕を含めた四人の魔王。赤はこの世界の力の均衡を、そして僕の黄は、この世界の精神的な支え、つまり“役割”そのものの均衡を担っているだよ。因みに、青はその両方をバランスよく整えるのが役目」
スケールの大きな話に、俺は段々とついていけなくなる。
「因みに黒は、また別。あれが司るのは破壊だから。そして、神の手下でもあるからね。破壊して全てをやり直させようとするのさ」
俺に世界のことなんてわからない。たとえ、そうであってもしても、オットーのやったことは許されることではない。
だけど、今の俺には止める為の力すらないのだ。悔しい思いもあるけれど、自分の不甲斐なさに腹が立ってきた。
それは、俺もご多分に漏れずという感じで、最初何を言っているのかを理解するのに時を要した。
少しずつ言葉を噛み砕くように理解する。
オットーと名乗るこの男こそ、サラの縁談相手であり、王都ミラージュで行方不明とされサラとアラキは、わざわざ捜索に向かった。
向かわざるを得なかったのは、彼が“王族”の役割を持つ人間であり、跡取りに“王族”の役割を持つ者が居ない現王の後継人として迎え入れられた為。
その男が“黄の魔王”の役割まで持つ? 人間ですらない? そもそも役割を二つ持つなんて……。色々と問い質したいところではあるが、今はこの場をどう凌ぐかだ。
「ルナ先生……」
俺の背後にいるはずのルナ先生に声をかけるが返事がない。
「ルナ先生! しっかりしてください!!」
「……あっ! は、ハイ!」
大事な生徒が目の前で無惨な死に方をしたのだから呆けるのは仕方ないが今は、それどころではない。
「ルナ先生は、アリスと皆を連れて退いてください!」
「で、でも!」
「アハッ! このまま逃がしても良いんだけどね、どうせなら僕の成果を見て行ってくれても良いんだよ? さぁ、どうぞ」
そう言うとオットーの背後からは、この地下水路を知るきっかけとなった魔物と同種である土竜面が、行方不明になった人達を連れて現れた。
「アハッ。さっきの女の子さぁ、どうやって爆発したと思う? 分かるわけないかぁ? この世界の真理を知らずに生きているものね。アッハーッ!」
オットーは俺達を前にして、演説を始めた。それは、如何に自分が優秀で、如何に俺達が低俗で無知であるかと聞くに耐えないものだった。しかし……。
「じゃあ、何故爆発したのか教えてあげよう。アハッ、それはね、アレの役割が“爆弾”だからだよぅ! アハッ、アハッ! 僕がねぇ、役に立つように書き換えて上げたんだよ、“職人・下”から珍しい役割の“爆弾”にぃ! そしてぇ、こいつらも同じようにね!」
ーー役割を書き換えた? そんな事が!?
俺が聞いた限りでは、そんな事が可能などと聞いたこともなく、同じように話を聞いていた捜索隊の人達も首を傾げていた。
「ほらぁ、わざわざ君達を捜しに来てくれたんだ。助けてもらいなよ! アハッアハッ!」
オットーの合図で土竜面から行方不明だった人たちは押し出される。当然、自分たちが“爆弾”という役割に書き換えられた事を聞いていた行方不明の人たちだが、藁にもすがる思いで、そのまま俺達に向かって助けを求めながら近寄ってくる。
「うわぁ、く、来るな!」
「そこで止まれ! 止まれって!!」
捜索隊の面々は助けを求める行方不明者達を拒絶する言葉を投げ掛けながら逃げようとするも、混乱していたのか、一斉に同じ水路へと向かう。
こちらにも二人ほど向かって来ており、「止まれ」と叫ぶが、死の恐怖に支配され、耳に入っていない様子だった。
「ヘキサグラム!!」
虹色の六角形の壁が二人の行く手を遮り、近づくのを塞いだ。
「ごめんなさい、動揺してしまって。でももう大丈夫よ」
サラと同等の上級魔法を唱えたルナ先生はようやく気を取り戻しており、その威力はサラとは少し桁が違い、壁をいくつも作り出し、俺やアリステリアを取り囲んでいた。
「アハッ、やるね君。それほどの上級魔法、使える人間がいるとはね。でも良いのかな? 他の奴らは捕まったみたいだよ?」
ルナ先生が守ったのは俺達のみで、他の人達は行方不明者達に体が触れられる位置まで傍に。
しかし、不思議と爆発する様子はない。
「失敗か?」
そう言うとオットーは一層甲高い笑い声を上げて言い放つ。
「僕が失敗? しないよ。そいつらはさっきのと違い、僕の意思で起爆出来るからね、アハッ!」
そう言って此方に向かって、さようならと言わんばかりに手を振る仕草を見せる。
そして爆弾の役割を果たすように行方不明者達は、一斉に膨らみ、爆発した。
「うわあああっ!!」
俺も熊五郎もアリステリアもルナ先生も吹き飛ぶ。しかし俺達は、ルナ先生の魔法のおかげもあり、吹き飛ばされるだけで済んだが、周りは悲惨であった。
生きている者は誰もいない。ただ、強烈な血の臭いが残っていた。
「な、何でこんな真似が平気で出来るんだ……お前だって、元は人間じゃないのか!」
俺はオットーを問い詰める。もう半ば破れかぶれなのもあったが、幸い吹き飛ばされたお陰で、広がる空間から後方の来た道でもある水路へと踏み入れていた。
あとは、ルナ先生にアリステリアと熊五郎を任せ、俺が少しでもと時間稼ぎを込めての問いだった。
「アハッ、タツロウくん。何も知らないというのは、それだけで罪だよ。僕の行動は全てこの世界の為なのだよ。それが僕の“黄の魔王”としての役割なんだよ」
オットーの話は話半分に聞き背後のアリステリアの様子を伺う。まだミオの事がショックなのかひどく落ち込んでおり、ルナ先生がアリステリアを抱きしめてくれていた。
「仕方ない、少し教えてあげようか。この世界の仕組みをね。アハッ」
オットーは、突然天井を指差す。
「今起こったことも全て含めての出来事は、神……の役割を持つ奴の更に上の存在の手のひらの上での出来事なのだよ。僕もタツロウくんもそいつに良いように踊らされているのさ」
オットーは誰も居ない天井に向かって、馬鹿にするように嘲笑う。
「僕を含めた四人の魔王。赤はこの世界の力の均衡を、そして僕の黄は、この世界の精神的な支え、つまり“役割”そのものの均衡を担っているだよ。因みに、青はその両方をバランスよく整えるのが役目」
スケールの大きな話に、俺は段々とついていけなくなる。
「因みに黒は、また別。あれが司るのは破壊だから。そして、神の手下でもあるからね。破壊して全てをやり直させようとするのさ」
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