モブで薬師な魔法使いと、氷の騎士の物語

みん

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第一章ー婚約ー

初めての

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『うん。俺、制作途中で死んだから、完成した時にそれがどうなったかは分からないんだけど…』

と、前置きをして、リュウが語ったのは─

『浄化を終えて日本に還った聖女の1人が、何らかの理由でまた異世界に戻って来て、そこから攻略対象者達と再会して恋愛へ。でも、そこへ、日本から新たにもう1人、イレギュラーでやって来て、そのゲームに絡んで来る─ってどう?って言う話をした事があったんだ。』

『それ、前半部分は…その通りじゃないの?』

ミヤさんの顔が引きつっている。

『そうなんだ。だから、聖女のあんたを見た時、ちょっと驚いたんだよ。で、あんたには、日本で…彼氏はいた?』

ーあ、地雷じゃないかな?ー

『……いた…けど?二股してたから、殴って別れたけど?』

ーやっぱり…ミヤさんからの圧が…凄いですー

『そ…そうか…すみません。でも、あ─その、イレギュラーでやって来るのが、その聖女の彼氏だったら面白いよな─って話を…してたから…』  

『『……… 』』 

ーもう、その人が来ちゃう未来しか…視えないよね?ー

『リュウ──もし、がこっちに来たら…覚えてなさいよ──』

『…………はい。』

『えっと…でも、本当に来たとしても、要は私達は自分の意思で選んでいける事に変わりは無いから…いつも通りに進んで行くだけ─ですよね?』

『…そうね。私の機嫌が悪くなる事以外は…変わらないわね。ふふっ─。』

『『……』』

ー裏ボスを、怒らせないように…しましょう!ー 

『あ─、兎に角、2人は大丈夫だと思うけど…気を付けて。』






「それじゃあ、また近いうちにパルヴァンに行くから。」

と、最後にリュウと笑顔で別れた。









その日は、パルヴァン領の邸に戻り、エディオルさんもそのままパルヴァンの邸に泊まる事になった。

と、言う事は─

「ふふっ」

自然と笑みが溢れる。

「何か楽しい事があった?」

「はい─っ!?」

ーいつも!気配を消して!後ろから抱き付くの!止めてもらっていいですか!?ー

と、心の中で叫びながら、お腹に回されているエディオルさんの腕をペシペシと叩く。もがいても無駄だと学習したので、叩くだけで留まる─って…あれ?これも…慣らされてる??

「楽しいと言うか…エディオルさんが─」

「ハル?今は…2人だけだな?」

ーぐうっ…容赦が…全く無いよね?ー

「──ディが…ここに泊まると言う事は、ノアも泊まるって事で…。そうなると…最近では、ネージュが私の部屋では…寝ないんですよ…。ノアの居る馬小屋で、一緒に寝てるみたいで…。それが、何だか嬉しくて。」

「嬉しい?寂しくはないのか?」

「少しは…寂しいですけどね?でも、ネージュが昔、人間にされた事や、今迄独りだった事を知ってるから。同じ魔獣で、心を許せる相手が出来た事が本当に嬉しくて。ネージュには、幸せになって欲しいから。」

「成る程。本当に、ハルとネージュ殿は、相思相愛─だな?」

「はい!私、ネージュが大好きです!」

と、エディオルさんを振り返れば、優しい目のエディオルさんと目が合った。

「「……」」 

ーどどど…どうすれば良いですか?心臓が痛いですー

「ハル──」

エディオルさんの顔が近付いて来て─

おでこにソッとキスをされた。

「──っ!?」

それから、エディオルさんは私の肩に顔を乗せて、お腹に回している腕にグッと力を入れた。

「えっと…あの…エ─ディ?ちょっと…苦しい…かな?」

「ハルも…俺が側に居ること…嬉しいと思ってくれてる?」

エディオルさんが、私の肩に顔を乗せたまま訊いて来る。

ーそうか…エディオルさんは、いつも私に気持ちを伝えてくれている。じゃあ、私は…?ー

お腹に回されたエディオルさんの腕を、ギュッと握る。

「えっと…私、ディの側に居る事を…嬉しく思ってます。あの…恥ずかしくて…なかなか口に出しては言えなくて。でも、前にも言いましたけど、私、ディの事……好き…なので、あの…こうやって、ギュッとされるのは、凄く恥ずかしいんですけど…安心するし、嬉しかったりもします。」

ー言った!私、言い切りました!頑張りました!ー

「うぇっ─!?」

何故か、更にエディオルさんが力を入れて来て、またまた変な声が出た。そして、またペシペシとエディオルさんの腕を叩いた。

「この状態の今、そんな事を言われたら…何をされても…文句は無い─と思ってしまうだろう?」

エディオルさんは、私の肩に顔を埋めたまま、私の方を見る事なく、小さい声で囁いた。

ー文句は無いー

「文句なんて…無いですよ?私、ディにされて、嫌な事なんて……」

と言い掛けた時、顔を上げたエディオルさんと視線がぶつかる。

でも…文句は…無い?」


私の頬に手をあてて─


今度はオデコじゃなくて─


唇に触れるだけのキスをされた─






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