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第三章ー学園生活ー
無駄遣いとやればできる子
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えっと……色々突っ込みどころが多くないですか?
今、ダレルさんはとんでもない事を、サラッと言ったよね?!
「探知魔法無効化添えって……」
「だろう?普通驚くよな?」
くくっ─と笑うのはモンテルアーノ様。
ダレルさんが城付きのままだったら、今頃は団長か副団長だったと言っていたのは、本当の事だったんだ。
「とんでもなく無駄遣いなお役所様ですね。今すぐにでも、城付きに戻った方が良くありませんか?」
「私も同意する。副団長の席を空けて、そこに入っても良いんじゃないか?」
「あ、それ、良い考えですね!」
クスクスと笑うモンテルアーノ様と私に、「役所勤めが丁度良いんですよ。」と、ダレルさんは苦笑した。
「と言うか、ナディアこそ城付きを目指さないのかい?相変わらずとんでもない事をしてるけど。」
「“とんでもない事”…ですか?」
ーあれ?私、何かしたっけ?ー
ダレルさんの言っている事がわからず、首を傾げて考える──が、思い当たる事が全く無い。
「ひょっとして…無意識?」
「すみません。私、何かやらかしましたか?」
「ナディア……君は、私が今朝会った時から今でもだけど、自分自身に結界の様なモノを張っているよ。」
「────はい?」
ー自分自身に結界?ー
「私には……ナディアが結界を纏わせているなんて、全く分からないが……」
「そうだね。それこそ、意識しないと分からないぐらいの魔力で作り上げられてるからね。それが、ずっと安定して張られてる。流石はナディアと言ったところだね。」
「知らなかった………」
まさか、自分が無意識のうちに魔法を使っていたなんて……私、やればできる子だったのか……。
「だから、ナディアは聖女の魔法に掛かる事なく、聖女のお誘いも断る事ができたのかもしれないね。」
そう。今迄何度かシェイラからお誘いを受けたりしたが、もともと“聖女”に対しての拒否感があり、一度もそのお誘いに頷いた事がないのだ。ある意味、恐怖の対象でしかない。
「これで、聖女が何かしらの魔法を使っている事が分かったのは良いが、そこそこのレベルの使い手だと言う事だな。少し厄介な事にはなったが、ソレよりもダレルの方が上と言う事も分かったから、少しは安心して講師を任せられるし、ナディアの方も大丈夫そうで良かった。」
ダレルさんが発動させた無効化の魔法が効いたと言う事は、シェイラよりもダレルさんの方がレベルが高いと言う事になる。
“ルシエント<シェイラ<ダレル”
と言う事になる。
「でも、一体彼女に何があったんでしょうか?彼女、1学期の時は、本当に魔力の扱いが良くなくて…たった2週間で、こんなにも変わるものなんでしょうか?人格迄変わってしまったように思います。」
「2週間か……その時に何かあったのか…調べてみる必要もあるな。」
と、モンテルアーノ様が呟くと、部屋の中で何かの動く気配がした。
どうやら、この部屋にも、今迄“影なる者”が居たようだ。
ーそれこそ、一体、どこに居たの!?ー
と、脳内で突っ込んでおいた。
******
「ルシエント様は、その後大丈夫なの?」
「大丈夫─と言うか、今はまだ締め上げ中よ。」
そう言って、愉しそうに笑っているのは、私の大親友であるリゼット。今日は、お互い終業後に待ち合わせをして、久し振りに一緒に夕食を食べている。
ルシエント様が学園を休んでから3日。ルシエント様の様子はどうなのか?と訊けば、リゼットが愉しそうに教えてくれた。
リゼットは、攻撃に特化しているが、水属性で治癒や癒しの魔法を使えるとともに、それらを元に解呪に似た魔法も使える為、恋人でもあるルシエント様の解呪をしているのだ。
「もともと、第三王子程魔法が掛かっていないから、近くにあの女が居なければ、いつも通りのオスニエルなのよ。あの女が自分より下だと思って油断してたみたい。まぬけよね?」
ー聖女を“あの女”呼びするのは、リゼットだけだよね。止はしないけどー
「まぁ…抜けてない事もないけど、1学期の彼女を知ってたら、油断してても仕方無かったかも。」
一応のフォローはするけど……まぬけに変わりはないだろう。
「それでもよ。城付きの副団長が、油断でやすやすと魔法なんて掛けられて……きっちりシメておかないと、後々舐められるでしょう?」
うふふっ─と、美人が微笑むと恐ろしさを感じてしまうのは、私だけ……かな?
兎に角、ルシエント様は問題ないようで良かった。
「ところで…ナディア。私に隠している事はない?」
「ん?隠してる事?」
何だろう?今回の件に関しては、モンテルアーノ様やルシエント様から知らされてるだろうし、ある程度の情報は共有されてるよね?
「オードリック=モンテルアーノ様よ。」
「モンテルアーノ様がどうしたの?」
「ナディア、貴方、そのモンテルアーノ様と恋仲だって、噂になってるわよ」
「─────はい??」
❋エールを頂き、ありがとうございます❋
✧*。(ˊᗜˋ*)✧*。
今、ダレルさんはとんでもない事を、サラッと言ったよね?!
「探知魔法無効化添えって……」
「だろう?普通驚くよな?」
くくっ─と笑うのはモンテルアーノ様。
ダレルさんが城付きのままだったら、今頃は団長か副団長だったと言っていたのは、本当の事だったんだ。
「とんでもなく無駄遣いなお役所様ですね。今すぐにでも、城付きに戻った方が良くありませんか?」
「私も同意する。副団長の席を空けて、そこに入っても良いんじゃないか?」
「あ、それ、良い考えですね!」
クスクスと笑うモンテルアーノ様と私に、「役所勤めが丁度良いんですよ。」と、ダレルさんは苦笑した。
「と言うか、ナディアこそ城付きを目指さないのかい?相変わらずとんでもない事をしてるけど。」
「“とんでもない事”…ですか?」
ーあれ?私、何かしたっけ?ー
ダレルさんの言っている事がわからず、首を傾げて考える──が、思い当たる事が全く無い。
「ひょっとして…無意識?」
「すみません。私、何かやらかしましたか?」
「ナディア……君は、私が今朝会った時から今でもだけど、自分自身に結界の様なモノを張っているよ。」
「────はい?」
ー自分自身に結界?ー
「私には……ナディアが結界を纏わせているなんて、全く分からないが……」
「そうだね。それこそ、意識しないと分からないぐらいの魔力で作り上げられてるからね。それが、ずっと安定して張られてる。流石はナディアと言ったところだね。」
「知らなかった………」
まさか、自分が無意識のうちに魔法を使っていたなんて……私、やればできる子だったのか……。
「だから、ナディアは聖女の魔法に掛かる事なく、聖女のお誘いも断る事ができたのかもしれないね。」
そう。今迄何度かシェイラからお誘いを受けたりしたが、もともと“聖女”に対しての拒否感があり、一度もそのお誘いに頷いた事がないのだ。ある意味、恐怖の対象でしかない。
「これで、聖女が何かしらの魔法を使っている事が分かったのは良いが、そこそこのレベルの使い手だと言う事だな。少し厄介な事にはなったが、ソレよりもダレルの方が上と言う事も分かったから、少しは安心して講師を任せられるし、ナディアの方も大丈夫そうで良かった。」
ダレルさんが発動させた無効化の魔法が効いたと言う事は、シェイラよりもダレルさんの方がレベルが高いと言う事になる。
“ルシエント<シェイラ<ダレル”
と言う事になる。
「でも、一体彼女に何があったんでしょうか?彼女、1学期の時は、本当に魔力の扱いが良くなくて…たった2週間で、こんなにも変わるものなんでしょうか?人格迄変わってしまったように思います。」
「2週間か……その時に何かあったのか…調べてみる必要もあるな。」
と、モンテルアーノ様が呟くと、部屋の中で何かの動く気配がした。
どうやら、この部屋にも、今迄“影なる者”が居たようだ。
ーそれこそ、一体、どこに居たの!?ー
と、脳内で突っ込んでおいた。
******
「ルシエント様は、その後大丈夫なの?」
「大丈夫─と言うか、今はまだ締め上げ中よ。」
そう言って、愉しそうに笑っているのは、私の大親友であるリゼット。今日は、お互い終業後に待ち合わせをして、久し振りに一緒に夕食を食べている。
ルシエント様が学園を休んでから3日。ルシエント様の様子はどうなのか?と訊けば、リゼットが愉しそうに教えてくれた。
リゼットは、攻撃に特化しているが、水属性で治癒や癒しの魔法を使えるとともに、それらを元に解呪に似た魔法も使える為、恋人でもあるルシエント様の解呪をしているのだ。
「もともと、第三王子程魔法が掛かっていないから、近くにあの女が居なければ、いつも通りのオスニエルなのよ。あの女が自分より下だと思って油断してたみたい。まぬけよね?」
ー聖女を“あの女”呼びするのは、リゼットだけだよね。止はしないけどー
「まぁ…抜けてない事もないけど、1学期の彼女を知ってたら、油断してても仕方無かったかも。」
一応のフォローはするけど……まぬけに変わりはないだろう。
「それでもよ。城付きの副団長が、油断でやすやすと魔法なんて掛けられて……きっちりシメておかないと、後々舐められるでしょう?」
うふふっ─と、美人が微笑むと恐ろしさを感じてしまうのは、私だけ……かな?
兎に角、ルシエント様は問題ないようで良かった。
「ところで…ナディア。私に隠している事はない?」
「ん?隠してる事?」
何だろう?今回の件に関しては、モンテルアーノ様やルシエント様から知らされてるだろうし、ある程度の情報は共有されてるよね?
「オードリック=モンテルアーノ様よ。」
「モンテルアーノ様がどうしたの?」
「ナディア、貴方、そのモンテルアーノ様と恋仲だって、噂になってるわよ」
「─────はい??」
❋エールを頂き、ありがとうございます❋
✧*。(ˊᗜˋ*)✧*。
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