恋愛は見ているだけで十分です

みん

文字の大きさ
34 / 61
第三章ー学園生活ー

無駄遣いとやればできる子

しおりを挟む
えっと……色々突っ込みどころが多くないですか?

今、ダレルさんはとんでもない事を、サラッと言ったよね?!

「探知魔法無効化添えって……」
「だろう?普通驚くよな?」

くくっ─と笑うのはモンテルアーノ様。
ダレルさんが城付きのままだったら、今頃は団長か副団長だったと言っていたのは、本当の事だったんだ。

「とんでもなく無駄遣いなお役所様ですね。今すぐにでも、城付きに戻った方が良くありませんか?」
「私も同意する。副団長の席を空けて、そこに入っても良いんじゃないか?」
「あ、それ、良い考えですね!」

クスクスと笑うモンテルアーノ様と私に、「役所勤めが丁度良いんですよ。」と、ダレルさんは苦笑した。

「と言うか、ナディアこそ城付きを目指さないのかい?相変わらずとんでもない事をしてるけど。」

「“とんでもない事”…ですか?」

ーあれ?私、何かしたっけ?ー

ダレルさんの言っている事がわからず、首を傾げて考える──が、思い当たる事が全く無い。

「ひょっとして…無意識?」
「すみません。私、何かやらかしましたか?」
「ナディア……君は、私が今朝会った時から今でもだけど、自分自身に結界の様なモノを張っているよ。」
「────はい?」

ー自分自身に結界?ー

「私には……ナディアが結界を纏わせているなんて、全く分からないが……」
「そうだね。それこそ、意識しないと分からないぐらいの魔力で作り上げられてるからね。それが、ずっと安定して張られてる。流石はナディアと言ったところだね。」
「知らなかった………」

まさか、自分が無意識のうちに魔法を使っていたなんて……私、やればできる子だったのか……。

「だから、ナディアは聖女の魔法に掛かる事なく、聖女のも断る事ができたのかもしれないね。」 

そう。今迄何度かシェイラからお誘いを受けたりしたが、もともと“聖女”に対しての拒否感があり、一度もそのお誘いに頷いた事がないのだ。ある意味、恐怖の対象でしかない。

「これで、聖女が何かしらの魔法を使っている事が分かったのは良いが、そこそこのレベルの使い手だと言う事だな。少し厄介な事にはなったが、ソレよりもダレルの方がと言う事も分かったから、少しは安心して講師を任せられるし、ナディアの方も大丈夫そうで良かった。」

ダレルさんが発動させた無効化の魔法が効いたと言う事は、シェイラよりもダレルさんの方がレベルが高いと言う事になる。

“ルシエント<シェイラ聖女<ダレル”

と言う事になる。

「でも、一体彼女に何があったんでしょうか?彼女、1学期の時は、本当に魔力の扱いが良くなくて…たった2週間で、こんなにも変わるものなんでしょうか?人格迄変わってしまったように思います。」

「2週間か……その時に何かあったのか…調べてみる必要もあるな。」

と、モンテルアーノ様が呟くと、部屋の中での動く気配がした。
どうやら、この部屋にも、今迄“影なる者”が居たようだ。

ーそれこそ、一体、どこに居たの!?ー

と、脳内で突っ込んでおいた。






******


「ルシエント様は、その後大丈夫なの?」
「大丈夫─と言うか、今はまだ中よ。」

そう言って、愉しそうに笑っているのは、私の大親友であるリゼット。今日は、お互い終業後に待ち合わせをして、久し振りに一緒に夕食を食べている。

ルシエント様が学園を休んでから3日。ルシエント様の様子はどうなのか?と訊けば、リゼットが愉しそうに教えてくれた。

リゼットは、攻撃に特化しているが、水属性で治癒や癒しの魔法を使えるとともに、それらを元に解呪に似た魔法も使える為、恋人でもあるルシエント様の解呪をしているのだ。

「もともと、第三王子程魔法が掛かっていないから、近くにが居なければ、いつも通りのオスニエルなのよ。あの女が自分よりだと思って油断してたみたい。よね?」

ー聖女を“あの女”呼びするのは、リゼットだけだよね。止はしないけどー

「まぁ…抜けてない事もないけど、1学期の彼女を知ってたら、油断してても仕方無かったかも。」

一応のフォローはするけど……に変わりはないだろう。

「それでもよ。城付きエリートの副団長が、油断でやすやすと魔法なんて掛けられて……きっちりシメておかないと、後々舐められるでしょう?」

うふふっ─と、美人が微笑むと恐ろしさを感じてしまうのは、私だけ……かな?
兎に角、ルシエント様は問題ないようで良かった。

「ところで…ナディア。私に隠している事はない?」
「ん?隠してる事?」

何だろう?今回の件に関しては、モンテルアーノ様やルシエント様から知らされてるだろうし、ある程度の情報は共有されてるよね?

「オードリック=モンテルアーノ様よ。」
「モンテルアーノ様がどうしたの?」
「ナディア、貴方、そのモンテルアーノ様と恋仲だって、噂になってるわよ」

「─────はい??」








❋エールを頂き、ありがとうございます❋
✧*。(ˊᗜˋ*)✧*。


しおりを挟む
感想 37

あなたにおすすめの小説

若い頃に婚約破棄されたけど、不惑の年になってようやく幸せになれそうです。

長岡更紗
恋愛
侯爵令嬢だったユリアーナは、第一王子のディートフリートと十歳で婚約した。 仲睦まじく過ごしていたある日、父親の死をきっかけにどん底まで落ちたユリアーナは婚約破棄されてしまう。 愛し合う二人は、離れ離れとなってしまったのだった。 ディートフリートを待ち続けるユリアーナ。 ユリアーナを迎えに行こうと奮闘するディートフリート。 二人に巻き込まれてしまった、男装の王弟。 時に笑い、時に泣き、諦めそうになり、奮闘し…… 全ては、愛する人と幸せになるために。 他サイトと重複投稿しています。 全面改稿して投稿中です。

【完結】さようなら。毒親と毒姉に利用され、虐げられる人生はもう御免です 〜復讐として隣国の王家に嫁いだら、婚約者に溺愛されました〜

ゆうき
恋愛
父の一夜の過ちによって生を受け、聖女の力を持って生まれてしまったことで、姉に聖女の力を持って生まれてくることを望んでいた家族に虐げられて生きてきた王女セリアは、隣国との戦争を再び引き起こした大罪人として、処刑されてしまった。 しかし、それは現実で起こったことではなく、聖女の力による予知の力で見た、自分の破滅の未来だった。 生まれて初めてみた、自分の予知。しかも、予知を見てしまうと、もうその人の不幸は、内容が変えられても、不幸が起こることは変えられない。 それでも、このまま何もしなければ、身に覚えのないことで処刑されてしまう。日頃から、戦争で亡くなった母の元に早く行きたいと思っていたセリアだが、いざ破滅の未来を見たら、そんなのはまっぴら御免だと強く感じた。 幼い頃は、白馬に乗った王子様が助けに来てくれると夢見ていたが、未来は自分で勝ち取るものだと考えたセリアは、一つの疑問を口にする。 「……そもそも、どうして私がこんな仕打ちを受けなくちゃいけないの?」 初めて前向きになったセリアに浮かんだのは、疑問と――恨み。その瞬間、セリアは心に誓った。自分を虐げてきた家族と、母を奪った戦争の元凶である、隣国に復讐をしようと。 そんな彼女にとある情報が舞い込む。長年戦争をしていた隣国の王家が、友好の証として、王子の婚約者を探していると。 これは復讐に使えると思ったセリアは、その婚約者に立候補しようとするが……この時のセリアはまだ知らない。復讐をしようとしている隣国の王子が、運命の相手だということを。そして、彼に溺愛される未来が待っていることも。 これは、復讐を決意した一人の少女が、復讐と運命の相手との出会いを経て、幸せに至るまでの物語。 ☆既に全話執筆、予約投稿済みです☆

ゴースト聖女は今日までです〜お父様お義母さま、そして偽聖女の妹様、さようなら。私は魔神の妻になります〜

嘉神かろ
恋愛
 魔神を封じる一族の娘として幸せに暮していたアリシアの生活は、母が死に、継母が妹を産んだことで一変する。  妹は聖女と呼ばれ、もてはやされる一方で、アリシアは周囲に気付かれないよう、妹の影となって魔神の眷属を屠りつづける。  これから先も続くと思われたこの、妹に功績を譲る生活は、魔神の封印を補強する封魔の神儀をきっかけに思いもよらなかった方へ動き出す。

そんなに聖女になりたいなら、譲ってあげますよ。私は疲れたので、やめさせてもらいます。

木山楽斗
恋愛
聖女であるシャルリナ・ラーファンは、その激務に嫌気が差していた。 朝早く起きて、日中必死に働いして、夜遅くに眠る。そんな大変な生活に、彼女は耐えられくなっていたのだ。 そんな彼女の元に、フェルムーナ・エルキアードという令嬢が訪ねて来た。彼女は、聖女になりたくて仕方ないらしい。 「そんなに聖女になりたいなら、譲ってあげると言っているんです」 「なっ……正気ですか?」 「正気ですよ」 最初は懐疑的だったフェルムーナを何とか説得して、シャルリナは無事に聖女をやめることができた。 こうして、自由の身になったシャルリナは、穏やかな生活を謳歌するのだった。 ※この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「アルファポリス」にも掲載しています。 ※下記の関連作品を読むと、より楽しめると思います。

【完結】中継ぎ聖女だとぞんざいに扱われているのですが、守護騎士様の呪いを解いたら聖女ですらなくなりました。

氷雨そら
恋愛
聖女召喚されたのに、100年後まで魔人襲来はないらしい。 聖女として異世界に召喚された私は、中継ぎ聖女としてぞんざいに扱われていた。そんな私をいつも守ってくれる、守護騎士様。 でも、なぜか予言が大幅にずれて、私たちの目の前に、魔人が現れる。私を庇った守護騎士様が、魔神から受けた呪いを解いたら、私は聖女ですらなくなってしまって……。 「婚約してほしい」 「いえ、責任を取らせるわけには」 守護騎士様の誘いを断り、誰にも迷惑をかけないよう、王都から逃げ出した私は、辺境に引きこもる。けれど、私を探し当てた、聖女様と呼んで、私と一定の距離を置いていたはずの守護騎士様の様子は、どこか以前と違っているのだった。 元守護騎士と元聖女の溺愛のち少しヤンデレ物語。 小説家になろう様にも、投稿しています。

偽物と断罪された令嬢が精霊に溺愛されていたら

影茸
恋愛
 公爵令嬢マレシアは偽聖女として、一方的に断罪された。  あらゆる罪を着せられ、一切の弁明も許されずに。  けれど、断罪したもの達は知らない。  彼女は偽物であれ、無力ではなく。  ──彼女こそ真の聖女と、多くのものが認めていたことを。 (書きたいネタが出てきてしまったゆえの、衝動的短編です) (少しだけタイトル変えました)

【完結】聖女になり損なった刺繍令嬢は逃亡先で幸福を知る。

みやこ嬢
恋愛
「ルーナ嬢、神聖なる聖女選定の場で不正を働くとは何事だ!」 魔法国アルケイミアでは魔力の多い貴族令嬢の中から聖女を選出し、王子の妃とするという古くからの習わしがある。 ところが、最終試験まで残ったクレモント侯爵家令嬢ルーナは不正を疑われて聖女候補から外されてしまう。聖女になり損なった失意のルーナは義兄から襲われたり高齢宰相の後妻に差し出されそうになるが、身を守るために侍女ティカと共に逃げ出した。 あてのない旅に出たルーナは、身を寄せた隣国シュベルトの街で運命的な出会いをする。 【2024年3月16日完結、全58話】

存在感のない聖女が姿を消した後 [完]

風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは 永く仕えた国を捨てた。 何故って? それは新たに現れた聖女が ヒロインだったから。 ディアターナは いつの日からか新聖女と比べられ 人々の心が離れていった事を悟った。 もう私の役目は終わったわ… 神託を受けたディアターナは 手紙を残して消えた。 残された国は天災に見舞われ てしまった。 しかし聖女は戻る事はなかった。 ディアターナは西帝国にて 初代聖女のコリーアンナに出会い 運命を切り開いて 自分自身の幸せをみつけるのだった。

処理中です...