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#好きかも
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庭の片隅。石造りの噴水の陰に、アイリーンがうずくまっていた。
カリオンは、その小さな背を一目で見つける。
「……アイリーン!」
駆け寄って、目の前にしゃがみ込む。
彼女は息が荒く、顔は青ざめ、全身から汗が噴き出していた。
「平気……」
かすれた声が返る。
「気持ちが高ぶると、魔力のコントロールできなくなるの。……あの女に会った時は、いつもこう」
ぎゅっと歯を食いしばり、耐えている。
それでも肩は小刻みに震えていた。
「大丈夫? 医者を呼んでもらおうか?」
「呼んでも、どうせ“気を引きたい仮病”って言われるわ」
「そんなこと言うのはあの母親だけだよ」
カリオンは、胸が詰まるような思いだった。
誰に言っても信じてもらえず、身体の苦しみすら“演技”と片づけられ、ずっと一人で耐えてきたのだろう。
(それを……今も。たった一人で)
「どうしたら楽になる? 水を持って来ようか? それとも温かいものがいい?」
縋るようにアイリーンはカリオンを見た。
「あの……変な意味じゃなくて、誤解しないでほしんだけど」
「うん」
「コルセットが苦しくて……自分じゃできないから緩めてほしいの」
ワンピースの上から纏われたコルセットは背後でベルトを締めるタイプだった。これでは確かに自分では緩められないだろう。
カリオンは上着を脱ぐと、アイリーンをくるんだ。
「なるべく、触らないようにするから。嫌だったら言って」
「ありがとう……」
コルセットのベルトはぎちぎちに締め上げられていた。
「これ、誰にやってもらったの?」
「お店の人……お見合いに何を着ていけばいいかわからなくて。できるだけ絞ったほうが綺麗に見えるって言われて、言われるまま」
「これじゃずっと苦しかっただろう」
仏頂面の理由が一つ判明した。
カリオンがベルトを緩めていくと、熱のこもった息を吐いてアイリーンは空気を深く吸った。
その姿にドキリとした。
こんな場面でそう思うのは不謹慎だとわかっている。
けれど――
(……どうしよう。俺、この子のこと、かなり好きかも)
衝動的にキスして押し倒したい願望に駆られた。十も年下の少女なのに。
「ありがとう。楽になったわ……」
ふらつく足取りで立ち上がろうとするので、カリオンは引き止めた。
「そんな格好でどこ行くの」
「今のうちに帰らないと……あの人に家に連れ戻されたらひどい目に遭わされるから」
吐き気がするとばかりにアイリーンは口元を押さえた。顔色が真っ青だ。
「迷惑をかけてごめんなさい。結婚したら、あの家と縁が切れると思ったの……」
肩を震わせて、か細い声でアイリーンは言った。
「気持ちはわかるよ。あの母親なら俺だって縁を切りたい」
ふっとアイリーンは笑った。
「兄はもっとひどいわ」
「あれより?」
「母はひどくても暴言と、せいぜい頬をぶつくらいだもの」
それよりひどいなんて何をされてきたんだろう。絶句するカリオンに肩をすくめて、無理にアイリーンは笑顔を作った。
あまりに痛々しい笑みだった。
鞄からアイリーンは封筒を取り出してカリオンに差し出した。
「これ、受け取って。迷惑をかけてしまったから……」
なにかの招待券だろうかと中身を見ると、入っていたのは高額紙幣だった。それも何枚も。
(この子……本当にろくな人間関係がないんだな)
人とどう接すればいいのか、見本になる相手が誰もいなかったのだ。精一杯考えた結果がお金なのだろう。
「……これ、最初から用意してたの?」
怒ったわけではなかったのに、アイリーンはびくりと肩を震わせた。
「ごめんなさい。自分から結婚したいって言ったのに、いざお見合いをセッティングされたら怖くなって……でも今更やめたいなんて言えなくて、お金でお詫びするしか思いつかなくて――」
彼女は今にも泣き出しそうだった。
(お見合いの間、どう断ったらいいか考えていたから上の空だったのか……)
アイリーンの口ぶりは兄からの身体的虐待を示唆していた。断って体格のいいカリオンが怒ったらどうしようと、怖くてたまらなかったのだろう。
カリオンは封筒をアイリーンに差し戻した。
「これはもらえない。もらうなら俺を見合いに引っ張り出した上司からもらうべきだしね」
アイリーンは鞄からさらに封筒を取り出した。
「あの、じゃあ、騎士団の人にも……」
「あの人は旧知の友人からの頼みを聞いたんだよ。君がお金を払うようなことじゃない」
途方に暮れたように、アイリーンは封筒を持った手をさまよわせた。
「たぶん、教授の分も入ってるんだろう? 彼は、君が結婚したいなら、しかるべき相手のほうがいいと思って信頼できる友人に紹介を頼んだんだ。その厚意にお金を渡すのは不誠実だよ。……成婚のお礼ならともかくね」
愕然とアイリーンは黙り込んだ。親に捨てられた子供みたいだ。お金は彼女が頼れる唯一の手段だったのに、それを否定してしまった。ひどいことをしただろうか。
「……アイリーン。君さえ良ければ、お見合いを進めないか?」
「え……?」
アイリーンは目を見開いた。
「君には庇護者が必要だ。君が考えた通り、結婚するのが一番いいと思う。あの家と縁を切ろう」
アイリーンは視線をさまよわせ、最後には目を伏せた。
「でも、私……“欠陥品”だから」
腹部を押さえて、アイリーンは自分をそう言い切った。
「子どもも産めない。あなたみたいな、ちゃんとした人が……私なんかと、結婚しちゃいけないわ……」
「君は欠陥品なんかじゃない」
強くカリオンは言い切った。
「釣書を見ただけでも、どんなに努力家で優秀な人かわかるよ。あの母親や、もっとひどい兄に長年痛めつけられながら勉強するのは、どんなに大変で難しかったか。一人で戦って、必死に自立しようとしてる、立派な女性だ」
大粒の涙がアイリーンの両目からこぼれた。体を折り曲げて嗚咽に耐えながら、それでもアイリーンは首を振った。
「私……本当に、あなたが思ってくれるような人間じゃないの。普通の奥さんみたいなことなんて、何一つできないわ」
「普通の結婚がしたいと思ってるわけじゃない。……俺の家もそれなりにゴタゴタしててさ。結婚なんて人生の墓場だと思ってたよ。上に兄が五人いるし、継ぐものもない。子供だって別に好きじゃないし。一生気楽な独身でいようと思ってた」
カリオンを見返し、アイリーンは震える手で小さなカードを差し出した。
その表には、黒地に金の文字で印刷された店舗の名。
「水曜日に……そこに来て。私の本当の姿を見てから決めて。……きっと、結婚なんてしたくなくなるから」
そう言い残して、彼女は上着をそっと脱ぎ、返した。
「帰る場所あるの? あの母親や、兄が来れない場所」
「今は大学の寮にいるの。そこまで帰れれば、母も兄も手を出せないわ」
良かった。大学の寮なら教授も目をかけてくれるだろう。ひとまず安全な場所だ。
「タクシー乗り場まで送るよ。その格好を人に見られるとまずい」
外れそうなほどゆるんだコルセットはひどく扇情的だった。カリオンはアイリーンに自分の上着を着せて、しっかりとボタンを止めさせた。
「……水曜日、必ず行くよ。またね」
アイリーンをタクシーに乗せて、カリオンは約束した。アイリーンの表情は晴れなかったが、たぶん水曜日に会えば、その理由もわかるのだろう。
(……“本当の姿”ね)
手元のカードを見つめながら、彼は心の中で呟いた。
(見てやろうじゃないか)
カリオンは、その小さな背を一目で見つける。
「……アイリーン!」
駆け寄って、目の前にしゃがみ込む。
彼女は息が荒く、顔は青ざめ、全身から汗が噴き出していた。
「平気……」
かすれた声が返る。
「気持ちが高ぶると、魔力のコントロールできなくなるの。……あの女に会った時は、いつもこう」
ぎゅっと歯を食いしばり、耐えている。
それでも肩は小刻みに震えていた。
「大丈夫? 医者を呼んでもらおうか?」
「呼んでも、どうせ“気を引きたい仮病”って言われるわ」
「そんなこと言うのはあの母親だけだよ」
カリオンは、胸が詰まるような思いだった。
誰に言っても信じてもらえず、身体の苦しみすら“演技”と片づけられ、ずっと一人で耐えてきたのだろう。
(それを……今も。たった一人で)
「どうしたら楽になる? 水を持って来ようか? それとも温かいものがいい?」
縋るようにアイリーンはカリオンを見た。
「あの……変な意味じゃなくて、誤解しないでほしんだけど」
「うん」
「コルセットが苦しくて……自分じゃできないから緩めてほしいの」
ワンピースの上から纏われたコルセットは背後でベルトを締めるタイプだった。これでは確かに自分では緩められないだろう。
カリオンは上着を脱ぐと、アイリーンをくるんだ。
「なるべく、触らないようにするから。嫌だったら言って」
「ありがとう……」
コルセットのベルトはぎちぎちに締め上げられていた。
「これ、誰にやってもらったの?」
「お店の人……お見合いに何を着ていけばいいかわからなくて。できるだけ絞ったほうが綺麗に見えるって言われて、言われるまま」
「これじゃずっと苦しかっただろう」
仏頂面の理由が一つ判明した。
カリオンがベルトを緩めていくと、熱のこもった息を吐いてアイリーンは空気を深く吸った。
その姿にドキリとした。
こんな場面でそう思うのは不謹慎だとわかっている。
けれど――
(……どうしよう。俺、この子のこと、かなり好きかも)
衝動的にキスして押し倒したい願望に駆られた。十も年下の少女なのに。
「ありがとう。楽になったわ……」
ふらつく足取りで立ち上がろうとするので、カリオンは引き止めた。
「そんな格好でどこ行くの」
「今のうちに帰らないと……あの人に家に連れ戻されたらひどい目に遭わされるから」
吐き気がするとばかりにアイリーンは口元を押さえた。顔色が真っ青だ。
「迷惑をかけてごめんなさい。結婚したら、あの家と縁が切れると思ったの……」
肩を震わせて、か細い声でアイリーンは言った。
「気持ちはわかるよ。あの母親なら俺だって縁を切りたい」
ふっとアイリーンは笑った。
「兄はもっとひどいわ」
「あれより?」
「母はひどくても暴言と、せいぜい頬をぶつくらいだもの」
それよりひどいなんて何をされてきたんだろう。絶句するカリオンに肩をすくめて、無理にアイリーンは笑顔を作った。
あまりに痛々しい笑みだった。
鞄からアイリーンは封筒を取り出してカリオンに差し出した。
「これ、受け取って。迷惑をかけてしまったから……」
なにかの招待券だろうかと中身を見ると、入っていたのは高額紙幣だった。それも何枚も。
(この子……本当にろくな人間関係がないんだな)
人とどう接すればいいのか、見本になる相手が誰もいなかったのだ。精一杯考えた結果がお金なのだろう。
「……これ、最初から用意してたの?」
怒ったわけではなかったのに、アイリーンはびくりと肩を震わせた。
「ごめんなさい。自分から結婚したいって言ったのに、いざお見合いをセッティングされたら怖くなって……でも今更やめたいなんて言えなくて、お金でお詫びするしか思いつかなくて――」
彼女は今にも泣き出しそうだった。
(お見合いの間、どう断ったらいいか考えていたから上の空だったのか……)
アイリーンの口ぶりは兄からの身体的虐待を示唆していた。断って体格のいいカリオンが怒ったらどうしようと、怖くてたまらなかったのだろう。
カリオンは封筒をアイリーンに差し戻した。
「これはもらえない。もらうなら俺を見合いに引っ張り出した上司からもらうべきだしね」
アイリーンは鞄からさらに封筒を取り出した。
「あの、じゃあ、騎士団の人にも……」
「あの人は旧知の友人からの頼みを聞いたんだよ。君がお金を払うようなことじゃない」
途方に暮れたように、アイリーンは封筒を持った手をさまよわせた。
「たぶん、教授の分も入ってるんだろう? 彼は、君が結婚したいなら、しかるべき相手のほうがいいと思って信頼できる友人に紹介を頼んだんだ。その厚意にお金を渡すのは不誠実だよ。……成婚のお礼ならともかくね」
愕然とアイリーンは黙り込んだ。親に捨てられた子供みたいだ。お金は彼女が頼れる唯一の手段だったのに、それを否定してしまった。ひどいことをしただろうか。
「……アイリーン。君さえ良ければ、お見合いを進めないか?」
「え……?」
アイリーンは目を見開いた。
「君には庇護者が必要だ。君が考えた通り、結婚するのが一番いいと思う。あの家と縁を切ろう」
アイリーンは視線をさまよわせ、最後には目を伏せた。
「でも、私……“欠陥品”だから」
腹部を押さえて、アイリーンは自分をそう言い切った。
「子どもも産めない。あなたみたいな、ちゃんとした人が……私なんかと、結婚しちゃいけないわ……」
「君は欠陥品なんかじゃない」
強くカリオンは言い切った。
「釣書を見ただけでも、どんなに努力家で優秀な人かわかるよ。あの母親や、もっとひどい兄に長年痛めつけられながら勉強するのは、どんなに大変で難しかったか。一人で戦って、必死に自立しようとしてる、立派な女性だ」
大粒の涙がアイリーンの両目からこぼれた。体を折り曲げて嗚咽に耐えながら、それでもアイリーンは首を振った。
「私……本当に、あなたが思ってくれるような人間じゃないの。普通の奥さんみたいなことなんて、何一つできないわ」
「普通の結婚がしたいと思ってるわけじゃない。……俺の家もそれなりにゴタゴタしててさ。結婚なんて人生の墓場だと思ってたよ。上に兄が五人いるし、継ぐものもない。子供だって別に好きじゃないし。一生気楽な独身でいようと思ってた」
カリオンを見返し、アイリーンは震える手で小さなカードを差し出した。
その表には、黒地に金の文字で印刷された店舗の名。
「水曜日に……そこに来て。私の本当の姿を見てから決めて。……きっと、結婚なんてしたくなくなるから」
そう言い残して、彼女は上着をそっと脱ぎ、返した。
「帰る場所あるの? あの母親や、兄が来れない場所」
「今は大学の寮にいるの。そこまで帰れれば、母も兄も手を出せないわ」
良かった。大学の寮なら教授も目をかけてくれるだろう。ひとまず安全な場所だ。
「タクシー乗り場まで送るよ。その格好を人に見られるとまずい」
外れそうなほどゆるんだコルセットはひどく扇情的だった。カリオンはアイリーンに自分の上着を着せて、しっかりとボタンを止めさせた。
「……水曜日、必ず行くよ。またね」
アイリーンをタクシーに乗せて、カリオンは約束した。アイリーンの表情は晴れなかったが、たぶん水曜日に会えば、その理由もわかるのだろう。
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