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10* 愛し合うために
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#10
北部には喫緊で討伐しなければならない魔物がいた。
魔石鉱山に住み着いた瘴殻土竜だ。
魔石採掘は北部の重要な産業であり生命線であるため、そこに居付いた瘴殻土竜の存在は死活問題だった。
幸い石扉で坑道の一つに封印することが出来たため、坑道から這い出る危険はなかったが、採掘による振動を挑発と受け取って威嚇の咆哮を上げるため崩落が起きかねず、採掘は中止されていた。
瘴殻土竜は体表から魔晶石が突き出た巨大な魔物だ。魔石を喰らい、体内で純度の高い魔晶石を精製する。その純度は人工的に作る魔晶石よりも遥かに質が高い。討伐できれば貴重な素材になる。
だが討伐は危険を極めた。
体表は石のように固く、剣や矢は通らない。唯一の弱点は氷魔法だが、難易度が高く使える騎士は限られた。
瘴殻土竜を封じた石扉の前で、重装備の騎士を従えたシルヴィオは防毒面を確認し、声を上げた。
「開けろ!!」
石扉に張り付いた騎士が数人がかりで重い扉を開く。
先頭のシルヴィオはまっさきに瘴殻土竜へ突進した。
(体が軽い……っ)
浄化のおかげで、四肢をきちんと自分のものだと認識できる。まだ敵の接近に気づいていない瘴殻土竜の頭に突っ込んで、シルヴィオは大剣で斬り上げた。
瘴殻土竜の体表から生える魔晶石は希少な資源なので、なるべく破壊したくない。狙うなら頭か腹だ。
頭を上げて瘴殻土竜は咆哮した。ビリビリと空気が震えて、ぽっかりと空いた坑道内の広い空間に、上からパラパラと石の欠片が降ってくる。
「公子! 無茶をしないでください! 土魔法で壁と天井を強化しますから!」
後続で魔術師たちの統率に当たるロットが忠告した。
無視してシルヴィオは氷魔法を剣にまとわせると、瘴殻土竜の喉を叩き上げる。
氷魔法の影響で、吐く息に氷の粒が混じった。強力な魔法は諸刃の剣だ。体にも強い負荷がかかる。
(早く終わらせる……!!)
瘴殻土竜は動きこそ鈍重だが、瘴気を含んだ魔石を食べるので存在自体が毒のような魔物だ。戦えばひどい魔障を受けるのは避けられない。
瘴気の大半は魔王のごとき魔核を持つシルヴィオに引き寄せられるとはいえ、騎士や魔術師たちにも影響は出る。
最速で終わらせるべく、シルヴィオは瘴殻土竜の頭を大剣で滅多打ちにした。
最初こそ暴走するシルヴィオに慌てふためいた騎士団だったが、一方的に瘴殻土竜を大剣で殴り倒すシルヴィオに、早々に自分たちの出る幕はないと悟った。
(あの人が敵じゃなくてよかった……)
(クリケットバットみたいに振り回してるけど、あの大剣、人一人分くらいの重さがあるだろ……)
(そうだった。絶好調の時の公子はこれくらいぶっ飛んでる人だった……)
剣も矢も通じない瘴殻土竜は、本来なら数十の犠牲を出しながら、数日がかりで討伐すような魔物だ。
シルヴィオのような魔王級の魔混じりは規格外とはいえ、常識が崩壊していく。
四半刻ほどで、瘴殻土竜は頭を割られて倒れた。
真っ黒い霧のような瘴気が吹き出し、もっとも近くにいたシルヴィオが全身に浴びる。
「公子……!!」
「来るな!!」
風魔法を使える者たちが瘴気を空気穴から外へと飛ばす。魔核から離れた瘴気は急速に力を失う。
それでも大量の瘴気を一身に浴びて、シルヴィオはうめいて膝をついた。
(クソ……っ!!)
下腹部から、まるで体内に氷の針を伸ばされるような激痛が走った。魔核が瘴気を取り込んで力を取り戻し、シルヴィオを屈服させようとしているのだ。
ロットが駆け寄って、防毒面を外すと、シルヴィオの口に革水筒を含ませた。
「聖女様から預かった葡萄酒です。飲んでください」
飲むと食道が焼けるような熱さを覚えた。
(媚薬だ、これ……)
この後の浄化の儀式のためにセラフィナが持たせてくれたのだろう。ロットの肩を借りながら、シルヴィオは浴びるように中身を飲み干した。
「叔父上、申し訳ありませんが……」
騎士団長である父の弟は、「よくやった。すぐ戻って聖女様に浄化してもらえ」とシルヴィオを送り出した。
重装備の騎士たちが剣を抜き、正面に構えることでシルヴィオを称えた。魔術師たちは手を叩いてシルヴィオの働きを称賛する。
どんなに痛みがあったとしても――領地領民、そして仲間のために戦うことはシルヴィオにとって誇りだった。
城へ戻ると、家族と一緒にセラフィナが待ってくれていた。
ロットに肩を借りていたことも忘れて、シルヴィオはセラフィナに駆け寄ると抱きしめた。
「ただいま戻りました、フィー」
驚いたような間があったが、セラフィナはシルヴィオの背中に手を回した。鎧でその感触を感じられないのがとても残念だ。
「お怪我は?」
「大丈夫。ちょっと魔障がきついだけです」
わざとらしい咳払いに振り向くと、父が気まずそうに立っていた。
「すみません、父上。気づきませんでした」
「そのようだな。まあ夫婦仲がいいのは良いことだ。……瘴殻土竜は?」
「倒しました」
侯爵は眉間にシワを寄せた。
「この短時間で? 小型だったのか?」
「大型でしたが、大剣で頭を殴り続けたらすぐ倒せました」
兄のユーシスまで怪訝そうにする。
「瘴殻土竜が黙って殴られ続けたのか?」
「抵抗してましたが、追いかけて滅多打ちにしましたよ。早く終わらせて帰りたかったので」
モグラじゃないんだからという空気になった。
シルヴィオに抱きしめられたままのセラフィナがおずおずと手を挙げる。
「報告は後にしていただけませんか? 浄化したいので」
それもそうだと、いったん解散した。
シルヴィオはすぐさま浄化のために小神殿へ通された。
まず体を温めるように言われ、沐浴場で温かい湯につかる。
魔障の印である血管状の黒い痣は、胸の方にまで広がっていた。
「温まりました?」
背後から声をかけられ、シルヴィオは振り返った。
聖女の白い服を着たセラフィナが、タオルを持って立っていた。
これから行われる儀式のことを想像して、シルヴィオは顔を赤らめた。
「はい……中以外は」
温かい湯につかっても、魔障に侵された下腹部はいまだ冷たく鋭い痛みを持っていた。
「こちらへどうぞ」
バスタオルを両手で広げたセラフィナにうながされ、シルヴィオは湯から上がった。
両手首の銀環が後ろ手にシルヴィオの腕を拘束する。魔核が活性化しているため、また勝手に体が動いてセラフィナを傷つける可能性がある。
拘束は当然だったが、セラフィナに体を拭かれるのは恥ずかしかった。
「すみません……」
「ふふ」
柔らかく笑って、セラフィナはシルヴィオを祭壇へとうながした。
沐浴場の奥に、薄い布で囲まれた白い石製の儀式台が置かれている。座ると柔らかく、防水性の布で覆われていた。
仰向けになって天井を見上げると、黒い鉄の梁が天蓋のように祭壇を囲っており、拘束用の鎖が巻き付いているのが見えた。
「……っ」
手は頭の上で、両足は太ももとスネをまとめて、開いた状態で固定された。
恥ずかしくて仕方ないのに、これからフィーに浄化してもらえるんだ――と思うと嬉しくて心臓が高鳴った。
「目隠しは? します?」
前回は魔障で光が眩しくて、目隠しが必須だった。だが今日はそこまで魔障は回っていない。
「今日はフィーの顔を見てされたいです……」
「あら。……じゃあ、私に何をされるか、よく見ていてくださいね」
祭壇横の棚から小瓶を取り、とろりとした液体をセラフィナはシルヴィオの後孔に垂らした。
「ん……っ」
彼女の指がすぼまった秘所の周りをもみほぐすように撫で、シルヴィオは甘い息をもらす。
冷たい指に撫でられるのが気持ちいい。
つぷん――と指が中に入って、前立腺を押されると、腰が浮いた。何も出ないのに、出そうなほどの快感がある。
「フィーっ、そこ……! グリグリしたら……っ」
指で執拗に押し上げられると、固く勃った陰茎の先から湧き出るように体液がこぼれた。
飛びそうなほど気持ちがいい。
手枷を軋らせてシルヴィオは身を捩った。喉の奥から甘い声がもれるのを止められない。
ぎゅっと彼女の指を締め付けて、シルヴィオは全身に力を入れた。
「イク! イク……ぅ!」
びくんっと体が跳ねてシルヴィオは達した。奥からじわりと快感が広がって、脳がとろける。
射精はしておらず、睾丸は溜まって腫れたままだ。だからこそイッたのに苦しかった。
「上手にイけましたね。よくほぐれました」
シルヴィオの後孔は儀式用の粘液と自分の体液で濡れて、トロトロに柔らかくなっていた。
セラフィナはそこへ嘴管をあてがい、奥へとそっと進める。
嘴管の根本にはセラフィナの神聖力で形を変える銀環がついており、嘴管が奥まで入ると中で形状が変わった。肛門を塞ぐように中で広がり、シルヴィオは自分の意思で出せなくなる。
「入れますね」
嘴管からつながった管の先には、陶器製の大きな器があった。中には温められた神聖水がたっぷりと入っている。
セラフィナが弁を開けると、神聖水は管を通ってシルヴィオの中に注がれた。
(温かい……気持ちいい)
魔障で冷え切った下腹部が温められていく。その心地よさにシルヴィオは体の力を抜いた。
お湯に浸かっても温められなかった魔障が浄化されていくのを感じる。
セラフィナと目があって、シルヴィオは恥ずかしさから目をそらした。
「恥ずかしい夫で……すみません」
縛られて、尻穴を犯してもらって、みっともなく果てて――セラフィナに幻滅されているんじゃないかと、怖くてたまらない。
彼女は優しくシルヴィオの頭を撫でた。
「恥ずかしいだなんて。あなたは北部最強の騎士なのに」
「俺が騎士を続けられるのは、あなたが居てくれるからです」
本心だったが、セラフィナはひどく驚いた様子だった。
キスされて、シルヴィオの体温が上がった。
「私が聖女でいられるのも、あなたがいるからですよ」
ちゅ、ちゅ、とキスされて幸福を感じる。
「舌を出して」
言われたとおりにすると、セラフィナの舌が絡んだ。
(気持ちいい……)
彼女とキスするのが好きだ。もっと触ってほしくなる。
全裸のシルヴィオと違ってセラフィナは白い聖衣姿だ。布の感触がもどかしい。肌を触れ合わせたい。
「ごめんなさい。魔障に穢れた体液がつくと危ないので、脱ぐわけには……」
心を読んだようにセラフィナは説明した。申し訳なさそうに言われて、「いえ!」とシルヴィオは慌てて否定する。
「あなたに危険がないのが一番ですから。俺のせいで危ない目に合わせて、すみません」
「あなたのせいじゃありません」
二人の前妻にはシルヴィオの魔障で辛い思いをすることを責められた。だのにセラフィナは否定してくれる。
魔障はシルヴィオの努力でどうにかなるものではないと理解してくれる。
(好きです、フィー……)
どうにかなりそうなくらい彼女が好きだ。さっきも家族がいるのに、セラフィナのことしか見えなかった。
「あんまり入りませんね」
シルヴィオのお腹の撫でてセラフィナは悩ましい声を上げた。
「奥が締まって……入っていない感じがします」
「体勢を変えてみましょう。うつ伏せで、四つん這いになって」
セラフィナの手を借りながら、シルヴィオはゆっくり体勢を変えた。
祭壇に胸をつけるようにして尻を上げると、奥へ流れ込みやすくなる。だがやはり魔核が奥を締めているのか、ちょろちょろとしか入っていかない。
「力を抜いて」
栓と嘴管が一度引き抜かれ、梅ほどの丸い実が肛門に押し当てられた。
「んん……っ」
ぐっと押し込まれて中に入れられる。2つ、3つと入れられて、中がギチギチになる。
栓を戻されると、セラフィナはシルヴィオの腹部に手をかざした。
「あっ、や……! なんか震えて――!」
「聖珠果です。別名、淫蕩の果実。気持ちいいでしょう?」
ギチギチに中で詰まって敏感な場所に当たっている。激しい振動にシーツを握りしめ、むせび泣いてシルヴィオは腰を振った。
「イク! イく……っ、フィー!!」
射精の感覚はなかった。快感が背中を走り抜けて直接脳髄をとかす。
奥が開いて神聖水がどっと入ってくる。
「うぅ、ああ……! 気持ちいい、お腹、いっぱい入る……っ」
風船に水が注入されるように腹が膨らんでいく。重苦しいのに気持ちよかった。腹部に溜まった瘴気が出たがって、陰茎が張り詰める。
「フィー、危ないから俺の体液に触らないで……」
先からこぼれるものは瘴気で穢れて黒く染まりきっていた。
「大丈夫ですよ。いっぱい出させてあげますからね」
セラフィナは安全のために聖衣と同じ材質の薄い手袋を嵌めた。
シルヴィオの腹部は妊婦のように膨れ上がり、苦しいのに射精したくてたまらない。
嘴管が引き抜かれ、セラフィナによってシルヴィオは体を起こされた。
腹が重くて動けない。なのに性欲だけが強くて、ほんのちょっと触られただけてイきそうなほどだった。
陰茎にスライムの入った筒が装着される。柔く吸われた瞬間、シルヴィオは決壊した。
「出る! 出るっ!! 黒いの出る……っ!!」
泣き狂ってシルヴィオはままならない体で腰を揺すった。
噴水のように瘴気を含んだ黒い精液は出続ける。
溜まった精液が空っぽになっても体の排出反応は続いた。
「出ちゃう、おしっこも出ちゃう……いやだ、フィー、見ないで……っ」
泣きじゃくってシルヴィオはセラフィナの前で放尿した。尿にさえも黒いものがまじる。
「大丈夫ですよ。いっぱい出せて偉いですね。全部出してください」
筒を外してお湯で洗い流し、セラフィナは優しく言ってくれた。
「好き……フィー、嫌いにならないで」
しゃくりあげてシルヴィオは哀願した。快楽で頭が溶けてまともに思考できない。
「私も可愛いあなたが大好きですよ」
頬にキスして、セラフィナはシルヴィオの体内に残ったままの聖珠果を振動させた。
ガチガチに張っているのにもう出るもののない陰茎に儀式用の粘液を垂らして、しごき上げる。
「いやぁ! もう出ないっ、出ないのに……!!」
もう空っぽで出るものはないのに、刺激を加えられると陰茎は射精しようとしてわずかに体液を搾り出した。黒く濁ったそれを出させるのが目的なのだと理解できたが、これ以上の快楽は拷問に近かった。
「許して、フィー! もう出ない! 出ないから……!!」
泣いて懇願してもさらに数回イかされた。妊婦のように膨らんだ腹を晒して、後ろと前の快感に体がとろける。
「変になる……っ! フィー、もうおかしくなるから……許してっ」
体中の水分を陰茎から搾り出して、やっとシルヴィオは解放された。
体がぐでんぐでんで、力が入らない。どこかに力を入れると余韻でイッてしまうようなありさまだった。
後ろの栓も外してもらい、神聖水を排出する。入れられていた聖珠果を出すのは、まるで産卵のようだった。
「水を飲んで。よく頑張りましたね。瘴気はほとんどなくなりましたよ」
手枷と足枷が外された。魔核が弱っているので、もう体を操られる心配はない。
塩気と甘みのある水を渡され、ぼんやりと祭壇に座りながらシルヴィオは喉を潤した。
丹田から広がっていた黒い痣は、薄くなってほとんど消えていた。氷の針を伸ばされるようだった痛みもなくなり、下腹部はぽかぽかと温かい。
「お湯に浸かって汗を流しますか?」
全身汗だくだった。しかしシルヴィオは首を振って、彼女の手を握った。
「フィー、繋がりたいです」
下腹部を撫でてシルヴィオは懇願した。
「ここにあなたの神聖力がほしい」
「……敬虔な騎士様。素晴らしいですね」
そんな高尚な気持ちではなかった。シルヴィオはただ、愛する妻と繋がりたかったのだ。こんなふうにしか、自分たちは夫婦でいられない。
セラフィナが祈りの祈祷を捧げると、彼女の足の間から光り輝く「神の性器」が現れた。神聖力の塊であり、魔核を最も弱らせるもの。
だが挿入してもらうには、事前に瘴気を排して体を清めなければならなかった。魔核が活性化している状態で神の性器を押し込もうとしても、奥が開かず入らないためだ。ひどい痛みもある。
「あの……感覚はあるんですか?」
魔核まで届かせるため、神の性器は長い。これが自分の身体に入るのだと思うと、無意識にシルヴィオは生唾を飲み込んでいた。
「ありますよ。神聖力の雫を放つと、射精に似た快感もあります。……あなたの中は、温かくて、柔らかくて、とても気持ちがいいです」
耳元でささやかれてシルヴィオは真っ赤になった。「それならよかった」とわけのわからないことを言ってしまい、「なにが!?」と内心自分で突っ込む。
「さあ、敬虔な騎士様は祭壇に横になって、自ら足を開いてください」
言われたとおりに、シルヴィオは祭壇に横たわると太ももを抱えた。とても恥ずかしい。
「浄化の儀式より、黒魔術の儀式という感じがします……」
「哀れな生贄のお尻を、たっぷり濡らしましょうね」
とろりとした液体をかけて、セラフィナは料理の解説のように言い出した。
「よく塗り込んで、中にも注入します」
「……あっ」
注入された冷たい感触にシルヴィオが声を上げると、彼女はにっこり笑う。
「すると生贄の子羊がよく鳴くので、お尻を叩いてあげると喜びます」
ぺしーん!といい音をさせてセラフィナはシルヴィオの臀部を叩いた。
「ひんっ」
「準備が整ったら、お尻を貫きます」
神の性器があてがわれ、肉壁をごりごりと開きながら押し入れられた。
「気持ちいい……っ、フィー!」
「そこは子羊らしくメェでしょう?」
「め、めぇ……」
言う通りにしたのにセラフィナは爆笑した。
すねた気持ちでシルヴィオは横を向く。
「俺は子羊って柄じゃないですよ。んっ、大きいですし……あんっ」
ゆっくりと出し入れされてセラフィナを深く感じる。
(気持ちいい……)
無意識にシルヴィオは腰を振っていた。もっと激しく犯されたい。
「大羊にします?」
楽しそうにセラフィナは笑っている。
妻とこんな風に言い合うのがシルヴィオの夢だった。もちろん夢に描いていたのは、こんな状況ではなかったけれど。
「フィー。俺、上になりたいです……」
セラフィナの神の性器は立派だが、彼女自身の体重が軽いので突かれても物足りない。
位置を交代して、シルヴィオは妻の上で腰を振った。自重でずしんと腹部に来る上、いいところに自分で当てられて気持ちいい。
「ああっ、いい……イくっ、フィー!」
びくびくびくっと体が跳ねるくらい深く達して、シルヴィオはセラフィナにしがみついた。
彼女の細い両腕が背中に回されて、泣きそうになる。
好きな人と抱き合って、キスして、つながって――こんな幸福があるだろうか。自分には一生叶わないと思っていた夢だった。
「フィーもイって? 俺、いっぱい奥に出されたいです」
「なら頑張って搾り取ってみてください?」
挑戦的に微笑まれる。シルヴィオは彼女の頬にキスして受けて立った。
「空っぽにしてあげますよ。体力だけは自信があるので」
夜が明けるまで、二人で激しく抱き合った。浄化のためではなく、愛し合うために。
Fin
北部には喫緊で討伐しなければならない魔物がいた。
魔石鉱山に住み着いた瘴殻土竜だ。
魔石採掘は北部の重要な産業であり生命線であるため、そこに居付いた瘴殻土竜の存在は死活問題だった。
幸い石扉で坑道の一つに封印することが出来たため、坑道から這い出る危険はなかったが、採掘による振動を挑発と受け取って威嚇の咆哮を上げるため崩落が起きかねず、採掘は中止されていた。
瘴殻土竜は体表から魔晶石が突き出た巨大な魔物だ。魔石を喰らい、体内で純度の高い魔晶石を精製する。その純度は人工的に作る魔晶石よりも遥かに質が高い。討伐できれば貴重な素材になる。
だが討伐は危険を極めた。
体表は石のように固く、剣や矢は通らない。唯一の弱点は氷魔法だが、難易度が高く使える騎士は限られた。
瘴殻土竜を封じた石扉の前で、重装備の騎士を従えたシルヴィオは防毒面を確認し、声を上げた。
「開けろ!!」
石扉に張り付いた騎士が数人がかりで重い扉を開く。
先頭のシルヴィオはまっさきに瘴殻土竜へ突進した。
(体が軽い……っ)
浄化のおかげで、四肢をきちんと自分のものだと認識できる。まだ敵の接近に気づいていない瘴殻土竜の頭に突っ込んで、シルヴィオは大剣で斬り上げた。
瘴殻土竜の体表から生える魔晶石は希少な資源なので、なるべく破壊したくない。狙うなら頭か腹だ。
頭を上げて瘴殻土竜は咆哮した。ビリビリと空気が震えて、ぽっかりと空いた坑道内の広い空間に、上からパラパラと石の欠片が降ってくる。
「公子! 無茶をしないでください! 土魔法で壁と天井を強化しますから!」
後続で魔術師たちの統率に当たるロットが忠告した。
無視してシルヴィオは氷魔法を剣にまとわせると、瘴殻土竜の喉を叩き上げる。
氷魔法の影響で、吐く息に氷の粒が混じった。強力な魔法は諸刃の剣だ。体にも強い負荷がかかる。
(早く終わらせる……!!)
瘴殻土竜は動きこそ鈍重だが、瘴気を含んだ魔石を食べるので存在自体が毒のような魔物だ。戦えばひどい魔障を受けるのは避けられない。
瘴気の大半は魔王のごとき魔核を持つシルヴィオに引き寄せられるとはいえ、騎士や魔術師たちにも影響は出る。
最速で終わらせるべく、シルヴィオは瘴殻土竜の頭を大剣で滅多打ちにした。
最初こそ暴走するシルヴィオに慌てふためいた騎士団だったが、一方的に瘴殻土竜を大剣で殴り倒すシルヴィオに、早々に自分たちの出る幕はないと悟った。
(あの人が敵じゃなくてよかった……)
(クリケットバットみたいに振り回してるけど、あの大剣、人一人分くらいの重さがあるだろ……)
(そうだった。絶好調の時の公子はこれくらいぶっ飛んでる人だった……)
剣も矢も通じない瘴殻土竜は、本来なら数十の犠牲を出しながら、数日がかりで討伐すような魔物だ。
シルヴィオのような魔王級の魔混じりは規格外とはいえ、常識が崩壊していく。
四半刻ほどで、瘴殻土竜は頭を割られて倒れた。
真っ黒い霧のような瘴気が吹き出し、もっとも近くにいたシルヴィオが全身に浴びる。
「公子……!!」
「来るな!!」
風魔法を使える者たちが瘴気を空気穴から外へと飛ばす。魔核から離れた瘴気は急速に力を失う。
それでも大量の瘴気を一身に浴びて、シルヴィオはうめいて膝をついた。
(クソ……っ!!)
下腹部から、まるで体内に氷の針を伸ばされるような激痛が走った。魔核が瘴気を取り込んで力を取り戻し、シルヴィオを屈服させようとしているのだ。
ロットが駆け寄って、防毒面を外すと、シルヴィオの口に革水筒を含ませた。
「聖女様から預かった葡萄酒です。飲んでください」
飲むと食道が焼けるような熱さを覚えた。
(媚薬だ、これ……)
この後の浄化の儀式のためにセラフィナが持たせてくれたのだろう。ロットの肩を借りながら、シルヴィオは浴びるように中身を飲み干した。
「叔父上、申し訳ありませんが……」
騎士団長である父の弟は、「よくやった。すぐ戻って聖女様に浄化してもらえ」とシルヴィオを送り出した。
重装備の騎士たちが剣を抜き、正面に構えることでシルヴィオを称えた。魔術師たちは手を叩いてシルヴィオの働きを称賛する。
どんなに痛みがあったとしても――領地領民、そして仲間のために戦うことはシルヴィオにとって誇りだった。
城へ戻ると、家族と一緒にセラフィナが待ってくれていた。
ロットに肩を借りていたことも忘れて、シルヴィオはセラフィナに駆け寄ると抱きしめた。
「ただいま戻りました、フィー」
驚いたような間があったが、セラフィナはシルヴィオの背中に手を回した。鎧でその感触を感じられないのがとても残念だ。
「お怪我は?」
「大丈夫。ちょっと魔障がきついだけです」
わざとらしい咳払いに振り向くと、父が気まずそうに立っていた。
「すみません、父上。気づきませんでした」
「そのようだな。まあ夫婦仲がいいのは良いことだ。……瘴殻土竜は?」
「倒しました」
侯爵は眉間にシワを寄せた。
「この短時間で? 小型だったのか?」
「大型でしたが、大剣で頭を殴り続けたらすぐ倒せました」
兄のユーシスまで怪訝そうにする。
「瘴殻土竜が黙って殴られ続けたのか?」
「抵抗してましたが、追いかけて滅多打ちにしましたよ。早く終わらせて帰りたかったので」
モグラじゃないんだからという空気になった。
シルヴィオに抱きしめられたままのセラフィナがおずおずと手を挙げる。
「報告は後にしていただけませんか? 浄化したいので」
それもそうだと、いったん解散した。
シルヴィオはすぐさま浄化のために小神殿へ通された。
まず体を温めるように言われ、沐浴場で温かい湯につかる。
魔障の印である血管状の黒い痣は、胸の方にまで広がっていた。
「温まりました?」
背後から声をかけられ、シルヴィオは振り返った。
聖女の白い服を着たセラフィナが、タオルを持って立っていた。
これから行われる儀式のことを想像して、シルヴィオは顔を赤らめた。
「はい……中以外は」
温かい湯につかっても、魔障に侵された下腹部はいまだ冷たく鋭い痛みを持っていた。
「こちらへどうぞ」
バスタオルを両手で広げたセラフィナにうながされ、シルヴィオは湯から上がった。
両手首の銀環が後ろ手にシルヴィオの腕を拘束する。魔核が活性化しているため、また勝手に体が動いてセラフィナを傷つける可能性がある。
拘束は当然だったが、セラフィナに体を拭かれるのは恥ずかしかった。
「すみません……」
「ふふ」
柔らかく笑って、セラフィナはシルヴィオを祭壇へとうながした。
沐浴場の奥に、薄い布で囲まれた白い石製の儀式台が置かれている。座ると柔らかく、防水性の布で覆われていた。
仰向けになって天井を見上げると、黒い鉄の梁が天蓋のように祭壇を囲っており、拘束用の鎖が巻き付いているのが見えた。
「……っ」
手は頭の上で、両足は太ももとスネをまとめて、開いた状態で固定された。
恥ずかしくて仕方ないのに、これからフィーに浄化してもらえるんだ――と思うと嬉しくて心臓が高鳴った。
「目隠しは? します?」
前回は魔障で光が眩しくて、目隠しが必須だった。だが今日はそこまで魔障は回っていない。
「今日はフィーの顔を見てされたいです……」
「あら。……じゃあ、私に何をされるか、よく見ていてくださいね」
祭壇横の棚から小瓶を取り、とろりとした液体をセラフィナはシルヴィオの後孔に垂らした。
「ん……っ」
彼女の指がすぼまった秘所の周りをもみほぐすように撫で、シルヴィオは甘い息をもらす。
冷たい指に撫でられるのが気持ちいい。
つぷん――と指が中に入って、前立腺を押されると、腰が浮いた。何も出ないのに、出そうなほどの快感がある。
「フィーっ、そこ……! グリグリしたら……っ」
指で執拗に押し上げられると、固く勃った陰茎の先から湧き出るように体液がこぼれた。
飛びそうなほど気持ちがいい。
手枷を軋らせてシルヴィオは身を捩った。喉の奥から甘い声がもれるのを止められない。
ぎゅっと彼女の指を締め付けて、シルヴィオは全身に力を入れた。
「イク! イク……ぅ!」
びくんっと体が跳ねてシルヴィオは達した。奥からじわりと快感が広がって、脳がとろける。
射精はしておらず、睾丸は溜まって腫れたままだ。だからこそイッたのに苦しかった。
「上手にイけましたね。よくほぐれました」
シルヴィオの後孔は儀式用の粘液と自分の体液で濡れて、トロトロに柔らかくなっていた。
セラフィナはそこへ嘴管をあてがい、奥へとそっと進める。
嘴管の根本にはセラフィナの神聖力で形を変える銀環がついており、嘴管が奥まで入ると中で形状が変わった。肛門を塞ぐように中で広がり、シルヴィオは自分の意思で出せなくなる。
「入れますね」
嘴管からつながった管の先には、陶器製の大きな器があった。中には温められた神聖水がたっぷりと入っている。
セラフィナが弁を開けると、神聖水は管を通ってシルヴィオの中に注がれた。
(温かい……気持ちいい)
魔障で冷え切った下腹部が温められていく。その心地よさにシルヴィオは体の力を抜いた。
お湯に浸かっても温められなかった魔障が浄化されていくのを感じる。
セラフィナと目があって、シルヴィオは恥ずかしさから目をそらした。
「恥ずかしい夫で……すみません」
縛られて、尻穴を犯してもらって、みっともなく果てて――セラフィナに幻滅されているんじゃないかと、怖くてたまらない。
彼女は優しくシルヴィオの頭を撫でた。
「恥ずかしいだなんて。あなたは北部最強の騎士なのに」
「俺が騎士を続けられるのは、あなたが居てくれるからです」
本心だったが、セラフィナはひどく驚いた様子だった。
キスされて、シルヴィオの体温が上がった。
「私が聖女でいられるのも、あなたがいるからですよ」
ちゅ、ちゅ、とキスされて幸福を感じる。
「舌を出して」
言われたとおりにすると、セラフィナの舌が絡んだ。
(気持ちいい……)
彼女とキスするのが好きだ。もっと触ってほしくなる。
全裸のシルヴィオと違ってセラフィナは白い聖衣姿だ。布の感触がもどかしい。肌を触れ合わせたい。
「ごめんなさい。魔障に穢れた体液がつくと危ないので、脱ぐわけには……」
心を読んだようにセラフィナは説明した。申し訳なさそうに言われて、「いえ!」とシルヴィオは慌てて否定する。
「あなたに危険がないのが一番ですから。俺のせいで危ない目に合わせて、すみません」
「あなたのせいじゃありません」
二人の前妻にはシルヴィオの魔障で辛い思いをすることを責められた。だのにセラフィナは否定してくれる。
魔障はシルヴィオの努力でどうにかなるものではないと理解してくれる。
(好きです、フィー……)
どうにかなりそうなくらい彼女が好きだ。さっきも家族がいるのに、セラフィナのことしか見えなかった。
「あんまり入りませんね」
シルヴィオのお腹の撫でてセラフィナは悩ましい声を上げた。
「奥が締まって……入っていない感じがします」
「体勢を変えてみましょう。うつ伏せで、四つん這いになって」
セラフィナの手を借りながら、シルヴィオはゆっくり体勢を変えた。
祭壇に胸をつけるようにして尻を上げると、奥へ流れ込みやすくなる。だがやはり魔核が奥を締めているのか、ちょろちょろとしか入っていかない。
「力を抜いて」
栓と嘴管が一度引き抜かれ、梅ほどの丸い実が肛門に押し当てられた。
「んん……っ」
ぐっと押し込まれて中に入れられる。2つ、3つと入れられて、中がギチギチになる。
栓を戻されると、セラフィナはシルヴィオの腹部に手をかざした。
「あっ、や……! なんか震えて――!」
「聖珠果です。別名、淫蕩の果実。気持ちいいでしょう?」
ギチギチに中で詰まって敏感な場所に当たっている。激しい振動にシーツを握りしめ、むせび泣いてシルヴィオは腰を振った。
「イク! イく……っ、フィー!!」
射精の感覚はなかった。快感が背中を走り抜けて直接脳髄をとかす。
奥が開いて神聖水がどっと入ってくる。
「うぅ、ああ……! 気持ちいい、お腹、いっぱい入る……っ」
風船に水が注入されるように腹が膨らんでいく。重苦しいのに気持ちよかった。腹部に溜まった瘴気が出たがって、陰茎が張り詰める。
「フィー、危ないから俺の体液に触らないで……」
先からこぼれるものは瘴気で穢れて黒く染まりきっていた。
「大丈夫ですよ。いっぱい出させてあげますからね」
セラフィナは安全のために聖衣と同じ材質の薄い手袋を嵌めた。
シルヴィオの腹部は妊婦のように膨れ上がり、苦しいのに射精したくてたまらない。
嘴管が引き抜かれ、セラフィナによってシルヴィオは体を起こされた。
腹が重くて動けない。なのに性欲だけが強くて、ほんのちょっと触られただけてイきそうなほどだった。
陰茎にスライムの入った筒が装着される。柔く吸われた瞬間、シルヴィオは決壊した。
「出る! 出るっ!! 黒いの出る……っ!!」
泣き狂ってシルヴィオはままならない体で腰を揺すった。
噴水のように瘴気を含んだ黒い精液は出続ける。
溜まった精液が空っぽになっても体の排出反応は続いた。
「出ちゃう、おしっこも出ちゃう……いやだ、フィー、見ないで……っ」
泣きじゃくってシルヴィオはセラフィナの前で放尿した。尿にさえも黒いものがまじる。
「大丈夫ですよ。いっぱい出せて偉いですね。全部出してください」
筒を外してお湯で洗い流し、セラフィナは優しく言ってくれた。
「好き……フィー、嫌いにならないで」
しゃくりあげてシルヴィオは哀願した。快楽で頭が溶けてまともに思考できない。
「私も可愛いあなたが大好きですよ」
頬にキスして、セラフィナはシルヴィオの体内に残ったままの聖珠果を振動させた。
ガチガチに張っているのにもう出るもののない陰茎に儀式用の粘液を垂らして、しごき上げる。
「いやぁ! もう出ないっ、出ないのに……!!」
もう空っぽで出るものはないのに、刺激を加えられると陰茎は射精しようとしてわずかに体液を搾り出した。黒く濁ったそれを出させるのが目的なのだと理解できたが、これ以上の快楽は拷問に近かった。
「許して、フィー! もう出ない! 出ないから……!!」
泣いて懇願してもさらに数回イかされた。妊婦のように膨らんだ腹を晒して、後ろと前の快感に体がとろける。
「変になる……っ! フィー、もうおかしくなるから……許してっ」
体中の水分を陰茎から搾り出して、やっとシルヴィオは解放された。
体がぐでんぐでんで、力が入らない。どこかに力を入れると余韻でイッてしまうようなありさまだった。
後ろの栓も外してもらい、神聖水を排出する。入れられていた聖珠果を出すのは、まるで産卵のようだった。
「水を飲んで。よく頑張りましたね。瘴気はほとんどなくなりましたよ」
手枷と足枷が外された。魔核が弱っているので、もう体を操られる心配はない。
塩気と甘みのある水を渡され、ぼんやりと祭壇に座りながらシルヴィオは喉を潤した。
丹田から広がっていた黒い痣は、薄くなってほとんど消えていた。氷の針を伸ばされるようだった痛みもなくなり、下腹部はぽかぽかと温かい。
「お湯に浸かって汗を流しますか?」
全身汗だくだった。しかしシルヴィオは首を振って、彼女の手を握った。
「フィー、繋がりたいです」
下腹部を撫でてシルヴィオは懇願した。
「ここにあなたの神聖力がほしい」
「……敬虔な騎士様。素晴らしいですね」
そんな高尚な気持ちではなかった。シルヴィオはただ、愛する妻と繋がりたかったのだ。こんなふうにしか、自分たちは夫婦でいられない。
セラフィナが祈りの祈祷を捧げると、彼女の足の間から光り輝く「神の性器」が現れた。神聖力の塊であり、魔核を最も弱らせるもの。
だが挿入してもらうには、事前に瘴気を排して体を清めなければならなかった。魔核が活性化している状態で神の性器を押し込もうとしても、奥が開かず入らないためだ。ひどい痛みもある。
「あの……感覚はあるんですか?」
魔核まで届かせるため、神の性器は長い。これが自分の身体に入るのだと思うと、無意識にシルヴィオは生唾を飲み込んでいた。
「ありますよ。神聖力の雫を放つと、射精に似た快感もあります。……あなたの中は、温かくて、柔らかくて、とても気持ちがいいです」
耳元でささやかれてシルヴィオは真っ赤になった。「それならよかった」とわけのわからないことを言ってしまい、「なにが!?」と内心自分で突っ込む。
「さあ、敬虔な騎士様は祭壇に横になって、自ら足を開いてください」
言われたとおりに、シルヴィオは祭壇に横たわると太ももを抱えた。とても恥ずかしい。
「浄化の儀式より、黒魔術の儀式という感じがします……」
「哀れな生贄のお尻を、たっぷり濡らしましょうね」
とろりとした液体をかけて、セラフィナは料理の解説のように言い出した。
「よく塗り込んで、中にも注入します」
「……あっ」
注入された冷たい感触にシルヴィオが声を上げると、彼女はにっこり笑う。
「すると生贄の子羊がよく鳴くので、お尻を叩いてあげると喜びます」
ぺしーん!といい音をさせてセラフィナはシルヴィオの臀部を叩いた。
「ひんっ」
「準備が整ったら、お尻を貫きます」
神の性器があてがわれ、肉壁をごりごりと開きながら押し入れられた。
「気持ちいい……っ、フィー!」
「そこは子羊らしくメェでしょう?」
「め、めぇ……」
言う通りにしたのにセラフィナは爆笑した。
すねた気持ちでシルヴィオは横を向く。
「俺は子羊って柄じゃないですよ。んっ、大きいですし……あんっ」
ゆっくりと出し入れされてセラフィナを深く感じる。
(気持ちいい……)
無意識にシルヴィオは腰を振っていた。もっと激しく犯されたい。
「大羊にします?」
楽しそうにセラフィナは笑っている。
妻とこんな風に言い合うのがシルヴィオの夢だった。もちろん夢に描いていたのは、こんな状況ではなかったけれど。
「フィー。俺、上になりたいです……」
セラフィナの神の性器は立派だが、彼女自身の体重が軽いので突かれても物足りない。
位置を交代して、シルヴィオは妻の上で腰を振った。自重でずしんと腹部に来る上、いいところに自分で当てられて気持ちいい。
「ああっ、いい……イくっ、フィー!」
びくびくびくっと体が跳ねるくらい深く達して、シルヴィオはセラフィナにしがみついた。
彼女の細い両腕が背中に回されて、泣きそうになる。
好きな人と抱き合って、キスして、つながって――こんな幸福があるだろうか。自分には一生叶わないと思っていた夢だった。
「フィーもイって? 俺、いっぱい奥に出されたいです」
「なら頑張って搾り取ってみてください?」
挑戦的に微笑まれる。シルヴィオは彼女の頬にキスして受けて立った。
「空っぽにしてあげますよ。体力だけは自信があるので」
夜が明けるまで、二人で激しく抱き合った。浄化のためではなく、愛し合うために。
Fin
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