脱走聖女は異世界で羽をのばす

ねむたん

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第二拠点?

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リディアたちは芝生と土が広がる浮島で、早速庭づくりを始めた。メリーちゃんがふわふわの毛から収納していた小さな鍬やスコップ、種や苗木を取り出し、リディアに渡していく。

「よし、まずはここを耕そう! 庭づくりの基本だよね!」
リディアは鍬を握りしめ、ふかふかの芝生の隙間から土を掘り起こし始めた。メリーちゃんはリディアの横で、器用に鼻先でスコップを操作しながら一緒に作業を手伝う。タフィーちゃんはぷるぷると弾みながら、掘った土を丸く整えていた。

「タフィーちゃんも上手だね! この調子でどんどんやっちゃおう!」
リディアは笑顔を浮かべながら、持参した種を一つずつ土に埋めていった。果物の種やカラフルな花の苗、ポーションの調合に使える薬草の苗など、リディアの好奇心を詰め込んだラインナップだ。

「ここにはハーブを植えて……こっちは果樹を並べよう! 早く育つといいなあ。」
リディアは植える場所を考えながら、一本一本丁寧に苗木を植えていった。その間、メリーちゃんは「メェ!」と楽しげに鳴きながら水を撒き、タフィーちゃんは苗木の根元に土を固める手伝いをしていた。

「これで第一段階は完成! 次はお花畑の浮島だね!」
リディアは満足そうに目の前の地面を見渡しながら、仲間たちを促して再び絨毯に乗り込んだ。

お花畑の浮島に戻ると、リディアは持参していたティーテーブルとパラソルを取り出した。カラフルなパラソルは太陽を遮るだけでなく、お花畑の景色にぴったりの華やかさを添えている。

「ここにティーテーブルを置いて、周りには椅子を並べて……これで完璧!」
リディアが設置を終えると、メリーちゃんが毛からふわふわのクッションを取り出して椅子に乗せ、タフィーちゃんがテーブルの上にカップを並べて仕上げてくれた。

「お庭仕事の合間にここでティータイムなんて、最高じゃない?」
リディアは満足げに微笑みながら、お花畑と空を見上げた。柔らかな風が吹き抜け、花の香りが漂う中で、浮島の空中庭園計画は着実に形になり始めていた。

「これからどんどん庭を広げていこうね! 次はどんなアイデアが浮かぶかな?」
リディアの言葉に、メリーちゃんは「メェ!」と賛成し、タフィーちゃんも「ぷるぷるん!」と元気よく弾んだ。空中庭園の夢は、まだ始まったばかりだった。

リディアたちはフルーツの浮島に立ち寄り、タフィーちゃんのために果物を採集していた。赤や黄色、紫に輝く果実を次々と摘み取り、メリーちゃんがふわふわの毛で器用に収納していく。

「これでタフィーちゃんのチョコ作りも捗るね!」
リディアは収穫を終えて満足そうに頷いた。タフィーちゃんはぷるぷると揺れながら、持ち帰った果物で新しいレシピを試すのが楽しみな様子だった。

次に向かったのは、星が落ちる島だった。メリーちゃんが「メェ!」と先導しながら、魔法の絨毯は雲海を抜けて青白い光に包まれた浮島へと降り立った。

「やっぱりここはすごく幻想的だね……!」
リディアは足元で瞬く星々のような光に目を輝かせた。その時、メリーちゃんがふわふわの毛の中からキラリと光るものを取り出した。それはドラゴンの巣穴で拾った透明な水晶だった。

「メリーちゃん、その水晶……どうするの?」
リディアが不思議そうに尋ねると、メリーちゃんは真剣な表情で水晶を地面に置いた。すると、突然水晶が強く輝き出し、島全体がその光に包まれた。

「うわっ、眩しい……!」
リディアは手で目を覆いながら、光が収まるのを待った。やがて、光が静まり、目を開けると魔法の地図が輝きながら動き出した。

地図には大きな文字で「第二拠点ゲット!おめでとう!」と書かれ、星が落ちる島が新たな拠点としてマークされた。

「えっ、これってどういうこと?」
リディアが驚いていると、メリーちゃんが「メェ!」と嬉しそうに鳴いて説明するように毛を揺らした。

「もしかして、メリーちゃんの転移能力がこの島にも使えるようになったってこと?」
リディアの推測に、メリーちゃんは力強く鳴いた。どうやら、この星が落ちる島が秘密基地に続く第二の拠点として登録されたらしい。

「すごい……これでこの島にも簡単に来られるね! しかも、庭づくりの道具や果物も持ち運びできるなんて便利すぎる!」
リディアは喜びのあまりぴょんと飛び跳ねた。タフィーちゃんも「ぷるぷるん!」と楽しげに体を揺らして賛同する。

星の光に包まれた島は、新たな冒険の可能性を広げる場所となった。
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