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怖いイメージを持たれたままなのは嫌ですし、本格的に事を構えに来たわけでもありませんから穏やかにいきます。まあ、先程の牽制から嫌味も言われていませんし。
それはそれとしてこの焼き菓子は美味しいですね。食べ過ぎてしまいそうです。
「……あの、テオドラ様って異国からいらした皇女様とお聞きしたのですが、本当なのですか?」
「ええ。そうよ」
会話に参加していなかった令嬢の方も話しかけてきました。私より若いと見える、やっと社交会デビューしたくらいの年頃のお嬢さんです。
「テオドラ様の優雅な立ち居振る舞いを見て、わたしもテオドラ様のようになりたいと憧れてしまいました! 王族の方だったなんて……素敵です!」
きらきらした瞳で見つめられてこちらも恥ずかしくなりました。しかし、そんな年若い貴婦人を見つめるマルグリットさんの瞳は非常に険しいものです。あれ、もしかして王太子派に属する家門の令嬢でしたか。
「ちょっと、マルグリット様の前でそれは……」
ゾフィーさんが小声で嗜めると、はっとした顔になっています。
王族と結婚できるのは、一般的には他国の王族か自国でも最高位の貴族に限られています。マルグリットさんは貴族の中では高位ですが、それでも王太子殿下との婚姻は貴賤結婚の部類に入ります。王妃様にも反対を受けたと聞いているので、そんな彼女の前で私が王族の出であることを賞賛するような発言は不味いでしょう。
「も、申し訳ありません……!」
令嬢は慌てて立ち上がって謝罪をしました。ちょっと天然な子なのかもしれませんね。
「彼女はゾフィーの従姉妹で、伯爵令嬢のエリーザベト嬢よ。まだ十四歳で世間知らずだから少し浅はかみたい」
イザベラさんが私に耳打ちします。結構辛口評価ですね……。
明らかに敵対陣営の私が好戦的な態度を取るのならまだしも、味方である筈のエリーザベトさんが私を賞賛してマルグリットさんの機嫌を損ねてしまったため、以降はあまり会話も弾みませんでした。
まあ、散々言われたことについては言い返せたのでよしとします。
夕方に王宮を後にしました。馬車に乗り込んだ途端に疲れがどっと押し寄せてきます。慣れないことをすると疲れるものですね。
それはそれとしてこの焼き菓子は美味しいですね。食べ過ぎてしまいそうです。
「……あの、テオドラ様って異国からいらした皇女様とお聞きしたのですが、本当なのですか?」
「ええ。そうよ」
会話に参加していなかった令嬢の方も話しかけてきました。私より若いと見える、やっと社交会デビューしたくらいの年頃のお嬢さんです。
「テオドラ様の優雅な立ち居振る舞いを見て、わたしもテオドラ様のようになりたいと憧れてしまいました! 王族の方だったなんて……素敵です!」
きらきらした瞳で見つめられてこちらも恥ずかしくなりました。しかし、そんな年若い貴婦人を見つめるマルグリットさんの瞳は非常に険しいものです。あれ、もしかして王太子派に属する家門の令嬢でしたか。
「ちょっと、マルグリット様の前でそれは……」
ゾフィーさんが小声で嗜めると、はっとした顔になっています。
王族と結婚できるのは、一般的には他国の王族か自国でも最高位の貴族に限られています。マルグリットさんは貴族の中では高位ですが、それでも王太子殿下との婚姻は貴賤結婚の部類に入ります。王妃様にも反対を受けたと聞いているので、そんな彼女の前で私が王族の出であることを賞賛するような発言は不味いでしょう。
「も、申し訳ありません……!」
令嬢は慌てて立ち上がって謝罪をしました。ちょっと天然な子なのかもしれませんね。
「彼女はゾフィーの従姉妹で、伯爵令嬢のエリーザベト嬢よ。まだ十四歳で世間知らずだから少し浅はかみたい」
イザベラさんが私に耳打ちします。結構辛口評価ですね……。
明らかに敵対陣営の私が好戦的な態度を取るのならまだしも、味方である筈のエリーザベトさんが私を賞賛してマルグリットさんの機嫌を損ねてしまったため、以降はあまり会話も弾みませんでした。
まあ、散々言われたことについては言い返せたのでよしとします。
夕方に王宮を後にしました。馬車に乗り込んだ途端に疲れがどっと押し寄せてきます。慣れないことをすると疲れるものですね。
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