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元王子アール
700年前⑫
しおりを挟むパステルピンクのクリクリ頭にスカイブルーの瞳の元メイド。
ツバキの専属メイドのメイだった。
アイツ、生き残っていたのか!?
いや、それよりも何でアイツがボクを謀反人に仕立て上げているんだ!?
恩知らずな奴め、叩き斬ってくれる!!
ボクが怒りに打ち震えている間に会話が終わったらしく、メイは移動している。
いかん、見失ってしまう!
さり気なくメイの後をつけていく。
メイは人気の少ない路地裏に入っていった。
チャンスだ!!
ボクも急いで後を追って路地に移動する。
メイの周りには誰もいない、今だ!!
「メイーッッッ!!
貴様、何のつもりだーーっっっ!!!」
ボクの魂の叫びにメイがギョッとして振り返る。
「…?
…まさか、アール殿下いえ謀反人アール!!」
茶髪のウィッグを着けていたから咄嗟にボクとは分からなかったようだが、顔を見て分かったようだ。
この期に及んでこのボクを謀反人呼ばわりしてくる。
言い訳ぐらいは聞いてやろうかと思ったが、もう我慢ならない。
逃げられないように左手でメイの腕を捕まえた。
「痛っ!何すんのよ、この野蛮人!!」
メイがボクを睨みつけながら大声を出す。
「野蛮人だとっ!?
王子であるこのボクに何て言い草だっ!」
「元王子でしょ?
アンタのせいでお城は燃えて、みんな亡くなったんだから野蛮人で合ってるじゃない!」
「ボクがやったんじゃないっ!!」
その言葉を聞いてメイの顔から表情が無くなる。
「…そうね、お城に火を点けたのはツバキ様だものね。」
コイツが知っていた事に驚いた。
メイは言葉を続ける。
「でもね、ツバキ様はアンタのせいで絶望して火を放ったのよ?
アンタはそこの所、分かってんの?
いえ『ボクはやってない』なんて言ってるんだから、絶対に分かってないわね。
アンタは直接的には手を下してないけどツバキ様を追い詰めたのはアンタなんだから、元凶は間違いなく『アール元王子』で合ってるじゃない。」
メイはそう言うなり全力でボクの股間を蹴った!
目の前が真っ白になり、星がチカチカしている。
「ぐわぁぁぁ!!!」
あまりの痛みに両手で股間を抑えて跪いてしまう。
その隙にメイはボクの手から逃れ、ボクの茶髪のウィッグを無理矢理むしり取った。
無理矢理取ったので、地毛も少なからずブチブチっと持っていかれた。
地味に痛い。
メイはウィッグを握りしめながら、路地裏を大通りに向けて全力で走り去る。
そして大通りに出てボクがいる路地裏を指差しながら大声で叫んだ。
「誰かーっ!!ここに謀反人の元王子がいるわーっ!!
誰か来てちょうだい!!」
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