誕生石物語・Ⅱ

水田 みる

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アメジストの章

事件の概要

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 「先ずはこの3人の関係から説明致します。」


学園長からの説明によるとー

まず、トムリード侯爵子息とスラリズラ公爵令嬢は共に2年生で婚約者同士である。

そして、二人は学園内の自治を守る生徒会に所属している。

また今回の案件を持ち込んだのはトムリード侯爵子息である。

自分の婚約者が酷い虐めを行なっているから厳正に処分してほしいとの事。

虐めの被害者とされているのが1年生のベンディ子爵令嬢である。


ーここでふとアメジストに疑問が湧いた。

そして学園長に聞いてみる。


「あのぅ、2年生と1年生は学年が違うのに関わり合いがあるんですか?」

「ーそれについては、私から説明しましょう。」


声がした方に顔を向けると自信満々な表情のトムリードであった。


「学園の生徒会という組織は身分に関係なく成績優秀者を見つけて、上級生が勧誘する組織なんです。

ベンディ嬢は定期試験で毎回上位3位以内に必ず入る才女なんです。

ですから私が生徒会に勧誘してるんですよ。」

「…なるほど。」


アメジストは彼の顔をじっと見つめるが特に変化はない。


「ーですが、この勧誘活動を婚約者のリディアに誤解されてしまいましてね。」

「誤解?」

「えぇ、私がベンディ嬢に心変わりをしたから熱心に口説いてると、リディアが勘違いしてしまったんです。」

「…はぁ。」


アメジストは言いたい事は沢山あるが、ぐっと呑み込み公爵令嬢を見た。

しかし先程と全く変わらない表情で真っ直ぐ前を見つめていた。


「ーつまりスラリズラ公爵令嬢の嫉妬心から発生した虐めだという事ですか?」


アメジストが要点をトムリードに問う。


「はい、その通りです。

ベンディ嬢からの訴えがありましたので2年生の教師代表、ルジャ先生に相談したんです。」


彼の言葉に教師のルジャは肯定する様に頷いた。

そして、名前を唐突に出された子爵令嬢は怯えた様に肩を揺らした。


「…ベンディ様、事実ですか?」

「…はっ、はい…」


ティスタ・ベンディは俯いたまま小声で答える。

顔を見なくても分かった。


ー彼女の顔の辺りは真っ黒なモヤが掛かっていた。

アメジストは心中でハァと溜め息を吐く。


「トムリード様、その虐めをスラリズラ様が行なったという証拠はあるんですか?」

「証拠…というより証言ですね。

ベンディ嬢が直接目撃していたんですよ。

彼女の教室から出ていくリディアを。

ベンディ嬢が荷物を確認すると教科書がズタズタに破られていたそうです。

その件よりも前から彼女の所持品が紛失したり、噴水に捨てられていたりとあったようなんです。」










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