誕生石物語・Ⅱ

水田 みる

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アメジストの章

ギルドマスターとの面会

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 セゴドは牢屋のベッドに腰掛けていた。

ジロリと視線だけでアメジストを見上げる。


「…まだじゃねぇ。」


セゴドの言う通りカーサーバー小国で裁かれるまでは、一応彼がゴワスギルドのマスターであるのだ。

アメジストはセゴドの睨みを軽く受け流した。


「ふーん、プライドだけは一丁前ですねぇ。

事情聴取は黙秘を貫いた癖にぃ。」

「小娘の分際でほざくんじゃねぇぞ。」


アメジストは自分を見てこの反応なら、セゴドは祝福者のアメジストを知らないのかと思ったが瞬時に理由が閃いた。


「ー領主様、私はこの人と事情聴取でなく話してみたいので上で待っててくれませんか?」


領主は一瞬でアメジストの意図を理解する。


「承知致しました。私は上で待機しております。」


そう返事して一足先に長い階段を上っていった。

完全に領主の気配がなくなるのを待ってから再びセゴドに話しかけた。


「先程、貴方は私の事を『小娘』と言いましたけど、私よりも年下の小娘に出し抜かれてるじゃないですかぁ。」

「…どういう意味だ?」
 
「これですよ。」


そう言ってアメジストは先程の証拠品の一つ、ターコイズの祝福者からの陳情書を見せた。


「貴方と村長の企みなんて早々と気付いてたみたいですよ…えぇとイズン様。」


アメジストがターコイズの祝福者の名を口にするとセゴドの目に怒りが宿る。

彼女は丁寧に陳情書をしまい問うた。


「この陳情書の内容に身の覚えは?」

「ねぇよ、イズン…あの恩知らずめ!」


セゴドの顔に真っ黒なモヤがかかっている。

アメジストは心中で溜め息を吐き尋問を続けた。


「恩知らずとは?」

「ケッ、キュッシュ領内で流行病が広がった時に孤児のイズンをゴワスギルドが拾ってやったんだよ!

なのに恩を仇で返しやがって、あのヤロウ!」

「…じゃあイズン様に恩返しをしてもらいたくて、メンソーレ村長と手を組んだんですか?」

 
アメジストはそう言って今度は同盟書を見せる。

セゴドは一瞬詰まりながらも否定した。


「そんな物は知らねぇ!偽物だ!!」


やはり彼の顔には黒いモヤがかかっている。

アメジストは今度は隠さずに盛大に溜め息を吐いた。


「ハァーー、元ギルドマスターともあろう者がケツの穴が小っちゃいですねぇ。

あぁ、元じゃなくて現役でしたっけ。辛うじて。」

「オイ小娘、俺が牢の中だからって好き勝手言ってんじゃねぇぞ。

いざとなればぶち破ってテメェを殺せんだからな。」


セゴドの殺気に隊長が反応するが、アメジストは視線だけで「来るな」と止める。


「…ゴワスギルドにとってイズン様は十分に恩返ししたでしょうに。」












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