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小石井家
麟太郎 15歳 五
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「お、なんだ、いつもの弁当じゃん」
悪友、柳谷隆一が伸ばした手をぱしりと麟太郎ははね除けた。
「なんでよ」
卵焼きにきんぴらごぼう、唐揚げ。
プチトマトにキーウイ。
メインのおかずはその日で変わるが、蔦の時とほぼ同じメニューだ。
あきらは、指導通りにしてくれた。
「いや、ちょっと」
「あ、継母弁当か」
寺沢滋が焼きそばパンを食べながら話に入る。
「若い?
美人?
巨乳?」
「どれも当てはまらん」
「えー」
「シゲ、お前の母さんいくつ?」
「ん?
確か……38」
「柳谷のとこは」
「うちのばばあは40。
なんでよ」
「……ん」
麟太郎は食べながら考えていた。
どうして、初婚なのに年の離れた昌武と結婚したのだろう。
しかも高校生の息子がいるところなんて。
少なくとも、見合いの時は昌武を好きという風ではなかった。
蔦からの伝達事項を細かくノートに書き付けているところは、新人アルバイトを思わせる。
麟太郎の母親はかなり昔に儚くなったので、明確な母親像はない。
テレビドラマの受け売りのイメージがあるだけだ。
「……じゃあ、明日の午後な」
「いちお、土産は用意するから」
「えっ?
なんの話?」
「麟太郎のおっかさんにご挨拶ツアーだよ」
「なんじゃそりゃ。
勝手に決めんな」
云いながらも麟太郎は嬉しさを隠せずにいた。
どこか、あきらを見せびらかしたい気持ちもあったのだ。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
「お帰りなさい」
出迎えたあきらに、麟太郎は両手を広げた。
一瞬戸惑うが、あきらは麟太郎の胸にぽふんと納まる。
石鹸のいい香りがして、麟太郎は腕の中に包み込む。
ぷにっと当たる胸の感触が心地いい。
「もういい?」
ためらいがちにあきらは云った。
麟太郎は惜しむ気持ちを隠さない。
そんな麟太郎の態度を、母親が長くいなかったから、とあきらは解釈したようだった。
頭をぽんぽんとなだめるようにし、キッチンへ戻っていく。
「完食。
ありがとう、嬉しい」
弁当箱を渡すと、あきらはとても喜んだ。
ありがとうはこっちの台詞なのに、と麟太郎は思う。
が、口に出せない。
照れくさいのだ。
「あのさ」
弁当箱を水に浸けているあきらの背中に話しかけた。
「明日友達が来るんだ」
あきらは振り返る。
その目は期待に輝いていた。
麟太郎が想像していた反応と少し違う。
「何時頃?
お食事用意した方がいいかな」
「午後って云ってたけど」
「おやつでもいいのかしら。
甘いもの、大丈夫よね」
なぜ張り切る?
麟太郎にはわからなかった。
あきらは弁当箱を洗いながら、あれもいいこれもいいと独り言を云っている。
くるくる変わる表情が楽しい。
「手伝うよ」
その傍らに立つと、あきらの白い胸元が見えた。
布巾を手に取り、箸を拭きながら、首の角度を変える。
あまり露骨に覗き込むわけにはいかない。
谷間は見えるが、それ以上は無理なようだ。
「どうしたの?」
「いや、なんでも」
親父は労せず見放題だ。
理不尽だ。
悪友、柳谷隆一が伸ばした手をぱしりと麟太郎ははね除けた。
「なんでよ」
卵焼きにきんぴらごぼう、唐揚げ。
プチトマトにキーウイ。
メインのおかずはその日で変わるが、蔦の時とほぼ同じメニューだ。
あきらは、指導通りにしてくれた。
「いや、ちょっと」
「あ、継母弁当か」
寺沢滋が焼きそばパンを食べながら話に入る。
「若い?
美人?
巨乳?」
「どれも当てはまらん」
「えー」
「シゲ、お前の母さんいくつ?」
「ん?
確か……38」
「柳谷のとこは」
「うちのばばあは40。
なんでよ」
「……ん」
麟太郎は食べながら考えていた。
どうして、初婚なのに年の離れた昌武と結婚したのだろう。
しかも高校生の息子がいるところなんて。
少なくとも、見合いの時は昌武を好きという風ではなかった。
蔦からの伝達事項を細かくノートに書き付けているところは、新人アルバイトを思わせる。
麟太郎の母親はかなり昔に儚くなったので、明確な母親像はない。
テレビドラマの受け売りのイメージがあるだけだ。
「……じゃあ、明日の午後な」
「いちお、土産は用意するから」
「えっ?
なんの話?」
「麟太郎のおっかさんにご挨拶ツアーだよ」
「なんじゃそりゃ。
勝手に決めんな」
云いながらも麟太郎は嬉しさを隠せずにいた。
どこか、あきらを見せびらかしたい気持ちもあったのだ。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
「お帰りなさい」
出迎えたあきらに、麟太郎は両手を広げた。
一瞬戸惑うが、あきらは麟太郎の胸にぽふんと納まる。
石鹸のいい香りがして、麟太郎は腕の中に包み込む。
ぷにっと当たる胸の感触が心地いい。
「もういい?」
ためらいがちにあきらは云った。
麟太郎は惜しむ気持ちを隠さない。
そんな麟太郎の態度を、母親が長くいなかったから、とあきらは解釈したようだった。
頭をぽんぽんとなだめるようにし、キッチンへ戻っていく。
「完食。
ありがとう、嬉しい」
弁当箱を渡すと、あきらはとても喜んだ。
ありがとうはこっちの台詞なのに、と麟太郎は思う。
が、口に出せない。
照れくさいのだ。
「あのさ」
弁当箱を水に浸けているあきらの背中に話しかけた。
「明日友達が来るんだ」
あきらは振り返る。
その目は期待に輝いていた。
麟太郎が想像していた反応と少し違う。
「何時頃?
お食事用意した方がいいかな」
「午後って云ってたけど」
「おやつでもいいのかしら。
甘いもの、大丈夫よね」
なぜ張り切る?
麟太郎にはわからなかった。
あきらは弁当箱を洗いながら、あれもいいこれもいいと独り言を云っている。
くるくる変わる表情が楽しい。
「手伝うよ」
その傍らに立つと、あきらの白い胸元が見えた。
布巾を手に取り、箸を拭きながら、首の角度を変える。
あまり露骨に覗き込むわけにはいかない。
谷間は見えるが、それ以上は無理なようだ。
「どうしたの?」
「いや、なんでも」
親父は労せず見放題だ。
理不尽だ。
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