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第一章 神聖イルティア王国編
15歳の誕生日
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ハーティとマクスウェルの婚約が決まった後、マクスウェルは正式に『神聖イルティア王国』の王太子となった。
それからは心配された王位継承問題もなく、ハーティは王都で厳しい王太子妃教育にも耐えつつも充実した日々を過ごしていった。
更に、婚約したことによってハーティとマクスウェルが一緒に過ごす時間も増えていき、二人も気安く話せるようになるまで仲を深めていったのであった。
そして、二人の婚約から七年近い歳月が経っていった。
・・・・・・。
・・・・・・・・。
「「「お誕生日おめでとう!!」」」
十五歳となったハーティは、王都のオルデハイト邸にて盛大な誕生パーティーを開催して、招待客達にお祝いされていた。
侯爵家令嬢で次期王太子妃であるハーティの誕生日パーティーは大変豪華なもので、『神聖イルティア王国』の王家や他国の要人達も多数来訪していた。
「みんなありがとう!」
七年の歳月でハーティの見た目は、すっかり立派な美少女となっていた。
成長するごとに魅力的になっていたハーティの見た目は、まるで女神ハーティルティアの生き写しのようになり、体型も女神像の造形のように女性的になってきていた。
特に、ある一部分の成長が著しく、ハーティとすれ違ったあらゆる男性がつい見入ってしまう程である。
その魅力は皮肉にも、『神聖イルティア王国』貴族達からその美貌を称えて『女神ハーティルティアの愛し子』という異名で呼ばれる程であった。
「ハーティ、十五歳の誕生日おめでとう!」
そう言いながら、ハーティの婚約者であるマクスウェルが大きな花束を持ってハーティを訪ねてきた。
「まあ!綺麗なお花!早速部屋に飾るわ。ありがとう!」
ハーティはお礼を言うと、側で立っていたユナに花束が痛まないように手渡した。
「だけど、どんな花だって女神ハーティルティア様の愛し子であるハーティの魅力には勝てないよ」
「まーた、マクスウェルはそんなことばっかり!」
そう言って笑顔を向けるマクスウェルの顔を見た招待客の他の貴族子女達は、ため息を出して頬を染めていた。
「・・・本当に気持ち悪いです」
しかし、花束をハーティから受け取ったユナは逆に顔を青ざめさせていた。
「・・・おい、ユナ。聞こえてるぞ」
「え、ああ・・花束に気持ち悪い虫が付いていたもので。なにか心当たりでもお有りでしょうか」
ユナはマクスウェルの質問にしれっとした態度で答えた。
「くっ、この女狐が・・!」
ユナはこの七年間で、自分がマクスウェルの婚約者であるハーティに大切にされている侍女であるが故に、彼への少々の無礼はお咎めないことを悟ったのか、マクスウェルに対してもこのように嫌味を隠さなくなってきていた。
マクスウェル自身も王族であるが故にユナのような気心なく話す事ができる存在は貴重で、彼女の事を半ば悪友みたいに思っていた。
「ふん、まあもうすぐ成人したらハーティは正式に私の妃になるんだ」
「そうなったら、お前のこれまで行ってきた妨害だって無駄になるんだからな!」
「ふふ・・権力と婚約を振りかざしてお嬢様を手に入れて満足なのでしょうか。こと恋愛に感じて無感情なお嬢様だって殿下の気持ちにそこまで気づいていませんしね」
「ねえ、ユナ・・何気に私も貶してない?」
「う、うるさい!こ・・これから時間をかけてふ、触れ合えば、必ずハーティも私を慕ってくれるはずだ!」
「これだから殿方は・・。まぁ・・ふふ・・その時は寝首をかかれないように気をつけてくださいませ」
そう言いながら微笑んでるユナを見て、何故か悪寒を感じたハーティとマクスウェルであった。
「くっ、かならずお前を出し抜いてやるからなっ!」
「もう、二人とも喧嘩しないで!」
そんな痴話喧嘩を繰り広げていると、ハーティ達の年齢より大分幼い美少年が駆け寄って来てハーティにそのまま抱きついた。
「姉上!お誕生日おめでとう!」
ハーティは抱きついてきた少年を優しく撫でた。
「まあ、ありがとう。ラクナウェル。あなたはいつまで経っても甘えん坊ね」
ハーティに撫でられている美少年は『ラクナウェル・フォン・オルデハイト』という名で、ハーティの実弟である。
もちろん、実弟であるラクナウェルはハーティ達が婚約して間もない頃にユリアーナが身篭っていた子であり、晴れて次期オルデハイト侯爵となるべき人物が生まれたという事になる。
ラクナウェルは既に六歳となっていたが、まだまだ甘えたい盛りで特に姉であるハーティが大好きであった。
「くっ・・尊い」
ハーティ達兄弟が抱き合っているのを見て、ユナはうち震えていた。
「おい、俺の時と対応が違うじゃないか」
「当たり前です。ラクナウェル様は邪気など全く感じられません。美しい兄弟愛ではありませんか」
「それはわたしが邪気を持ってハーティと接しているということか」
「お嬢様を穢さんとする人は全て悪です」
「ブレないな・・お前は」
そう言いながら、マクスウェルは嘆息した。
すると、更にもう一人の人物がハーティ達の元にやってきた。
「お誕生日おめでとうございます。義姉さん」
それは、第二王子であるデビッド殿下であった。
それからは心配された王位継承問題もなく、ハーティは王都で厳しい王太子妃教育にも耐えつつも充実した日々を過ごしていった。
更に、婚約したことによってハーティとマクスウェルが一緒に過ごす時間も増えていき、二人も気安く話せるようになるまで仲を深めていったのであった。
そして、二人の婚約から七年近い歳月が経っていった。
・・・・・・。
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「「「お誕生日おめでとう!!」」」
十五歳となったハーティは、王都のオルデハイト邸にて盛大な誕生パーティーを開催して、招待客達にお祝いされていた。
侯爵家令嬢で次期王太子妃であるハーティの誕生日パーティーは大変豪華なもので、『神聖イルティア王国』の王家や他国の要人達も多数来訪していた。
「みんなありがとう!」
七年の歳月でハーティの見た目は、すっかり立派な美少女となっていた。
成長するごとに魅力的になっていたハーティの見た目は、まるで女神ハーティルティアの生き写しのようになり、体型も女神像の造形のように女性的になってきていた。
特に、ある一部分の成長が著しく、ハーティとすれ違ったあらゆる男性がつい見入ってしまう程である。
その魅力は皮肉にも、『神聖イルティア王国』貴族達からその美貌を称えて『女神ハーティルティアの愛し子』という異名で呼ばれる程であった。
「ハーティ、十五歳の誕生日おめでとう!」
そう言いながら、ハーティの婚約者であるマクスウェルが大きな花束を持ってハーティを訪ねてきた。
「まあ!綺麗なお花!早速部屋に飾るわ。ありがとう!」
ハーティはお礼を言うと、側で立っていたユナに花束が痛まないように手渡した。
「だけど、どんな花だって女神ハーティルティア様の愛し子であるハーティの魅力には勝てないよ」
「まーた、マクスウェルはそんなことばっかり!」
そう言って笑顔を向けるマクスウェルの顔を見た招待客の他の貴族子女達は、ため息を出して頬を染めていた。
「・・・本当に気持ち悪いです」
しかし、花束をハーティから受け取ったユナは逆に顔を青ざめさせていた。
「・・・おい、ユナ。聞こえてるぞ」
「え、ああ・・花束に気持ち悪い虫が付いていたもので。なにか心当たりでもお有りでしょうか」
ユナはマクスウェルの質問にしれっとした態度で答えた。
「くっ、この女狐が・・!」
ユナはこの七年間で、自分がマクスウェルの婚約者であるハーティに大切にされている侍女であるが故に、彼への少々の無礼はお咎めないことを悟ったのか、マクスウェルに対してもこのように嫌味を隠さなくなってきていた。
マクスウェル自身も王族であるが故にユナのような気心なく話す事ができる存在は貴重で、彼女の事を半ば悪友みたいに思っていた。
「ふん、まあもうすぐ成人したらハーティは正式に私の妃になるんだ」
「そうなったら、お前のこれまで行ってきた妨害だって無駄になるんだからな!」
「ふふ・・権力と婚約を振りかざしてお嬢様を手に入れて満足なのでしょうか。こと恋愛に感じて無感情なお嬢様だって殿下の気持ちにそこまで気づいていませんしね」
「ねえ、ユナ・・何気に私も貶してない?」
「う、うるさい!こ・・これから時間をかけてふ、触れ合えば、必ずハーティも私を慕ってくれるはずだ!」
「これだから殿方は・・。まぁ・・ふふ・・その時は寝首をかかれないように気をつけてくださいませ」
そう言いながら微笑んでるユナを見て、何故か悪寒を感じたハーティとマクスウェルであった。
「くっ、かならずお前を出し抜いてやるからなっ!」
「もう、二人とも喧嘩しないで!」
そんな痴話喧嘩を繰り広げていると、ハーティ達の年齢より大分幼い美少年が駆け寄って来てハーティにそのまま抱きついた。
「姉上!お誕生日おめでとう!」
ハーティは抱きついてきた少年を優しく撫でた。
「まあ、ありがとう。ラクナウェル。あなたはいつまで経っても甘えん坊ね」
ハーティに撫でられている美少年は『ラクナウェル・フォン・オルデハイト』という名で、ハーティの実弟である。
もちろん、実弟であるラクナウェルはハーティ達が婚約して間もない頃にユリアーナが身篭っていた子であり、晴れて次期オルデハイト侯爵となるべき人物が生まれたという事になる。
ラクナウェルは既に六歳となっていたが、まだまだ甘えたい盛りで特に姉であるハーティが大好きであった。
「くっ・・尊い」
ハーティ達兄弟が抱き合っているのを見て、ユナはうち震えていた。
「おい、俺の時と対応が違うじゃないか」
「当たり前です。ラクナウェル様は邪気など全く感じられません。美しい兄弟愛ではありませんか」
「それはわたしが邪気を持ってハーティと接しているということか」
「お嬢様を穢さんとする人は全て悪です」
「ブレないな・・お前は」
そう言いながら、マクスウェルは嘆息した。
すると、更にもう一人の人物がハーティ達の元にやってきた。
「お誕生日おめでとうございます。義姉さん」
それは、第二王子であるデビッド殿下であった。
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