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最終章 決戦!『デスティウルス』編
決戦前の夕食会2
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皆が着席した瞬間、給仕のメイド達が見た目も華やかな料理を次々と運んでくる。
「船の中なのにこんな豪華な食事が出てくるとは思わなかったわ」
「元々この艦は改修前から有事の時に運用する他にも王族の移動に使われる予定だったからね。乗組員用の厨房とは別に貴族用の厨房が存在するんだよ」
「もちろん、普通の乗組員は食堂で食べるよ。そっちは二千人近くがごった返すから、それはもう戦場だよ」
「え・・ちょっとそっちで食べてみたい・・」
「いや、『女神様』が食堂に現れたら大変なことになるよ」
カチャカチャ・・・。
ハーティとマクスウェルが会話をしている間にも粛々と食事が並べられていき、さほどしない間に準備が完了した。
「・・では、食前の祈りを捧げよう」
マクスウェルの言葉に続いて、フィオナ、ナラトス、二アール以外の人間がハーティに向かって祈りを捧げた。
ちなみにクラリスは帝国貴族だが、ハーティと出会ってからは他国の慣習に倣って食事前に祈りを捧げていた。
「いつも私に向かって祈られるのは気まずいわ・・」
ハーティは気まずそうに頬を掻いた。
「何をおっしゃいます。敬虔な『女神教』信者がハーティルティア様に祈らずして一体何に対して祈るのですか?」
それに間伐を入れずにユナが答えた。
「生きる『神』をするのも大変ね。私もナラトス様に祈りを捧げようかしら」
「二アールさん、『女神教』において『邪神崇拝』は最大の禁忌です。それはもう、見つかった場合は火炙りの刑に処される程に。だから、ナラトスを崇めるならこっそりしないと駄目ですよ」
「冗談に決まってるでしょ!」
二アールはリリスに指摘されて、つーんとそっぽを向いた。
ちなみに、リリスは先ほどまで『女神化』していたが、現在は『聖杖』を手放して普段の姿に戻っている。
そして、『聖女』という立場ゆえにマクスウェルやフィオナと同列の位置に座っていた。
「しかし、こうして『女神』と『邪神』が同じテーブルを囲っている光景を見ることになるとはな」
「それも全てハーティルティア様の威光があるからこそです」
マクスウェルの言葉に、ユナがうんうんと頷きながら肯定の言葉を口にしていた。
それからも皆が美味しい食事に舌鼓を打ち、お酒もまわって場が賑やかになってきた頃。
「ハーティ・・こうやって『女神』になったハーティを近くで見ていると、ますます美しく見えるよ」
程よいくらいにお酒が回ったマクスウェルは、ハーティを見ながらうっとりとした表情をしていた。
「もう!マクスウェル!恥ずかしいよ!」
「くっ!『女神化』するのは反則だと思いますわ!マクスウェル様!どうか私のことも見てくださいませ!!」
フィオナはハーティに対抗するように頬を染めながら上目遣いでマクスウェルを見つめた。
その時に無意識に寄せられた胸が、無意識にマクスウェルの視線を誘うことになる。
「マクスウェル殿下の事は何とも思っていないけど、なんだか無性に腹が立つわ!胸なの!?やっぱり胸なのね!!」
チラッチラッ・・。
クラリスの言葉を聞いた二アールはそわそわとしながら、隣に座るナラトスに視線を送った。
「うん?」
上座の騒ぎなど物ともせず黙々と食事をしていたナラトスが、二アールの視線に気がついて首を傾げた。
「その・・ナラトス様も、胸が大きい女の子が好きですか?」
二アールはもじもじとしながらナラトスに問いかけた。
「うーむ、私は人の姿をしているが『邪神』故に身体的特徴について何か特別な思いというのはないな。だが、二アールはそんなことなど関係なしに、私にとって無くてはならない存在だと思っている」
「・・・っ!ナラトス様っ!」
ナラトスの言葉を聞いた二アールはナラトスに腕を絡めた。
「むきぃー!どいつもこいつも!あたしに高位の魔導が使えたら、今すぐ『エクスプロージョン』を放ちたい気分だわ!」
そう言いながら、クラリスはグラスのワインを一気に煽った。
「ふん!殿下は『色ボケ』ばかりか『変態』の肩書きまで付くどうしようもない人間なのですね。本当に気持ち悪いです」
「おい!私は『色ボケ』でも『変態』でもないぞ!!ユナ、その顔!またお酒にやられてるな!」
「・・私もハーティルティア様の前でそう何度も醜態など晒しません。今日は抑えていますとも。なのでこれは私の心の声がそのまま漏れているということです、ええ」
「なおタチが悪いぞ!!」
「もう!二人とも喧嘩しないで!」
「・・・まったく。・・あっ!そうだ!」
ハーティに嗜められて口論をやめたマクスウェルは突然何かを思い出したように声を出した。
「どうしたの?マクスウェル?」
「いや、この艦には貴族用の浴場があるんだよ。明日には人類の命運をかけた決戦が待っているんだ。今日はおいしい食事をして、湯に入って、ゆっくり休むといい」
「はあ・・『おっぱい狂い』に留まらず、とうとう覗きですか。王国の未来が不安になりますね」
ユナは呆れた様子で溜息を吐いた。
「ちょっ!ユナ!勝手に変な肩書きを増やさないでくれ!それと!私は決してハーティの事をおっぱいで好きになったわけじゃ無いからな!」
「っつ!?」
ハーティはマクスウェルの告白を聞いた瞬間、顔を真っ赤に染めて自分の胸を隠しながら非難の目を向けた。
「ハ、ハーティ!誤解だ!だからそんな目を向けないでくれ!!」
「おっぱいの事はどうでもいいけど、早く食べないとせっかくの食事が冷めるわよ・・」
やけっぱち気味に呟くクラリスの目は死んだ魚のようになっていた。
「船の中なのにこんな豪華な食事が出てくるとは思わなかったわ」
「元々この艦は改修前から有事の時に運用する他にも王族の移動に使われる予定だったからね。乗組員用の厨房とは別に貴族用の厨房が存在するんだよ」
「もちろん、普通の乗組員は食堂で食べるよ。そっちは二千人近くがごった返すから、それはもう戦場だよ」
「え・・ちょっとそっちで食べてみたい・・」
「いや、『女神様』が食堂に現れたら大変なことになるよ」
カチャカチャ・・・。
ハーティとマクスウェルが会話をしている間にも粛々と食事が並べられていき、さほどしない間に準備が完了した。
「・・では、食前の祈りを捧げよう」
マクスウェルの言葉に続いて、フィオナ、ナラトス、二アール以外の人間がハーティに向かって祈りを捧げた。
ちなみにクラリスは帝国貴族だが、ハーティと出会ってからは他国の慣習に倣って食事前に祈りを捧げていた。
「いつも私に向かって祈られるのは気まずいわ・・」
ハーティは気まずそうに頬を掻いた。
「何をおっしゃいます。敬虔な『女神教』信者がハーティルティア様に祈らずして一体何に対して祈るのですか?」
それに間伐を入れずにユナが答えた。
「生きる『神』をするのも大変ね。私もナラトス様に祈りを捧げようかしら」
「二アールさん、『女神教』において『邪神崇拝』は最大の禁忌です。それはもう、見つかった場合は火炙りの刑に処される程に。だから、ナラトスを崇めるならこっそりしないと駄目ですよ」
「冗談に決まってるでしょ!」
二アールはリリスに指摘されて、つーんとそっぽを向いた。
ちなみに、リリスは先ほどまで『女神化』していたが、現在は『聖杖』を手放して普段の姿に戻っている。
そして、『聖女』という立場ゆえにマクスウェルやフィオナと同列の位置に座っていた。
「しかし、こうして『女神』と『邪神』が同じテーブルを囲っている光景を見ることになるとはな」
「それも全てハーティルティア様の威光があるからこそです」
マクスウェルの言葉に、ユナがうんうんと頷きながら肯定の言葉を口にしていた。
それからも皆が美味しい食事に舌鼓を打ち、お酒もまわって場が賑やかになってきた頃。
「ハーティ・・こうやって『女神』になったハーティを近くで見ていると、ますます美しく見えるよ」
程よいくらいにお酒が回ったマクスウェルは、ハーティを見ながらうっとりとした表情をしていた。
「もう!マクスウェル!恥ずかしいよ!」
「くっ!『女神化』するのは反則だと思いますわ!マクスウェル様!どうか私のことも見てくださいませ!!」
フィオナはハーティに対抗するように頬を染めながら上目遣いでマクスウェルを見つめた。
その時に無意識に寄せられた胸が、無意識にマクスウェルの視線を誘うことになる。
「マクスウェル殿下の事は何とも思っていないけど、なんだか無性に腹が立つわ!胸なの!?やっぱり胸なのね!!」
チラッチラッ・・。
クラリスの言葉を聞いた二アールはそわそわとしながら、隣に座るナラトスに視線を送った。
「うん?」
上座の騒ぎなど物ともせず黙々と食事をしていたナラトスが、二アールの視線に気がついて首を傾げた。
「その・・ナラトス様も、胸が大きい女の子が好きですか?」
二アールはもじもじとしながらナラトスに問いかけた。
「うーむ、私は人の姿をしているが『邪神』故に身体的特徴について何か特別な思いというのはないな。だが、二アールはそんなことなど関係なしに、私にとって無くてはならない存在だと思っている」
「・・・っ!ナラトス様っ!」
ナラトスの言葉を聞いた二アールはナラトスに腕を絡めた。
「むきぃー!どいつもこいつも!あたしに高位の魔導が使えたら、今すぐ『エクスプロージョン』を放ちたい気分だわ!」
そう言いながら、クラリスはグラスのワインを一気に煽った。
「ふん!殿下は『色ボケ』ばかりか『変態』の肩書きまで付くどうしようもない人間なのですね。本当に気持ち悪いです」
「おい!私は『色ボケ』でも『変態』でもないぞ!!ユナ、その顔!またお酒にやられてるな!」
「・・私もハーティルティア様の前でそう何度も醜態など晒しません。今日は抑えていますとも。なのでこれは私の心の声がそのまま漏れているということです、ええ」
「なおタチが悪いぞ!!」
「もう!二人とも喧嘩しないで!」
「・・・まったく。・・あっ!そうだ!」
ハーティに嗜められて口論をやめたマクスウェルは突然何かを思い出したように声を出した。
「どうしたの?マクスウェル?」
「いや、この艦には貴族用の浴場があるんだよ。明日には人類の命運をかけた決戦が待っているんだ。今日はおいしい食事をして、湯に入って、ゆっくり休むといい」
「はあ・・『おっぱい狂い』に留まらず、とうとう覗きですか。王国の未来が不安になりますね」
ユナは呆れた様子で溜息を吐いた。
「ちょっ!ユナ!勝手に変な肩書きを増やさないでくれ!それと!私は決してハーティの事をおっぱいで好きになったわけじゃ無いからな!」
「っつ!?」
ハーティはマクスウェルの告白を聞いた瞬間、顔を真っ赤に染めて自分の胸を隠しながら非難の目を向けた。
「ハ、ハーティ!誤解だ!だからそんな目を向けないでくれ!!」
「おっぱいの事はどうでもいいけど、早く食べないとせっかくの食事が冷めるわよ・・」
やけっぱち気味に呟くクラリスの目は死んだ魚のようになっていた。
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