転生女神は自分が創造した世界で平穏に暮らしたい

りゅうじんまんさま

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最終章 決戦!『デスティウルス』編

『神の紅雷』 〜シエラ視点〜

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「『聖斧レガリア』の能力解放オーバードライヴ!その第一の能力は『空間転移』!!全力を出した私に、『距離』という概念はないのです!!」

 ズガァァァァァァン!!!

「!!?」

 空間転移能力で先回りしたシエラは、そのままリルヴァを『聖斧レガリア』で天高く打ち上げた。

 キィィィィィン!!!

 シエラは空を見上げてリルヴァが小さくなっていくのを眺める。

 そして、徐に自身の周囲を見渡した。

(・・・・ここなら、大丈夫!)

 周囲に集落や町が存在しないことを確認したシエラは、再び『聖斧レガリア』の空間転移能力を発動した。

 直後、シエラの視界が空間転移の能力によって一気に塗り替えられていく。

 そして、再び転移が完了したシエラの眼下には、青と緑で描かれた球体の大地惑星が広がっていた。

(綺麗・・・・)

 シエラはに思わず言葉を発するが、その言葉が周囲に届くことは無かった。

 何故なら、シエラが今存在する場所は地上から二千キロも上空の場所であり、言葉を伝えるための空気がからである。

 生物が存在できない絶対的な死の空間に漂うシエラは本来一瞬のうちに命を落とす筈だが、『女神』の能力によってほぼ宇宙空間といっても過言ではない場所でも平然としていた。

 ・・・・・・。

 そして、シエラは音のない世界で静かに『聖斧レガリア』を振りかぶった。

 そのままシエラは『聖斧レガリア』が持つ転移能力とは異なるを発動するが、彼女が現在その能力の効果を確かめる術はなかった。

(『聖斧レガリア』第二の能力は『質量増加』・・!)

 何故なら、『聖斧レガリア』は質量増加の能力でその重量を増しているが、そもそも今漂う場所には重力が存在しない為にシエラがその重さを体感することができないのである。

 そして、シエラは『聖斧レガリア』にありったけのマナを込めると、『極大浄化魔導』を発動させた。

 ・・・・・・。

(『聖斧レガリア』の纏った『極大浄化魔導』と転移能力、そして質量増加能力を組み合わせた、『邪神』を滅ぼす為の、絶対的な戦略級攻撃・・・・)

(もし、かつて『神界大戦』で数多の『邪神』を滅ぼしつくした』でも『邪神』を滅ぼせないとしたら・・私達に未来はない!)

(だから、『聖斧レガリア』!!!私に力を貸して!!!!)

 パァァァァァァァ!!!

 シエラの願いに応えるように、『聖斧レガリア』から聖なる光が激しく輝く。

「・・・・・!!」

 そして、シエラは光り輝く『聖斧レガリア』を振りかぶりながら全速力で地上へと降下しはじめた。

 ・・・・・。

 ・・・・・・・・・。

 ゴウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!

『女神』の力により一瞬で音速の十倍を優に超える落下速度に到達したシエラは、そのまま大気圏に突入したことによる摩擦熱で赤熱した光の帯を生み出す。

 ゴウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!

 赤熱したまま落下するシエラの視線の先には、猛烈な速度で地上が迫ってくるのが見える。

 そして、その先に小さくリルヴァの姿を捉えはじめた。

「うおおおお!破邪の神技!!『神の紅雷』!!」

 シエラは声高らかに叫ぶと、視界に捉えたリルヴァに向かって『聖斧レガリア』を力いっぱい振り下ろした。

「ごばあ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“!!」

 シエラの『聖斧』が触れた瞬間、リルヴァは断末魔のような声を上げて木端微塵に弾け散る。

 もはや、リルヴァの肉体は散り散りとなってしまって視認できないのだが、なおも勢いの収まらないシエラは、とうとう地上へと衝突しようとしていた。

『神の紅雷』は浄化魔導を纏った『聖斧レガリア』の質量を増大させ、対象に向かって上空から猛スピードで振り下ろすという、非常にシンプルな『神技わざ』である。

 しかし、上空二千キロから音速の数十倍に達する速度まで加速して振り下ろされた『聖斧』が持つ運動エネルギーは天文学的な数字になる。

 それは、まさに巨大な隕石に匹敵する程のエネルギーを孕んで地上へ衝突しようとしていた。




 ・・・・・・・。
 ・・・・・・・・・・・。





「・・・・一体、『邪神』はどうなったのかえ??」

「・・わからぬ・・新たな『女神様』が『邪神』諸共山々を消し飛ばしてから、『カームクラン』へ戻ってくる気配はなさそうであるから・・・既に討伐されたと思うのが妥当な筈であるが・・」

 一方、シエラが吹き飛んだリルヴァを追撃しに向かってからは、先ほどまで死力を尽くして戦っていたのが嘘のように『カームクラン』は静けさを取り戻していた。

 しかし、あまりにもあっさりリルヴァが排除されてしまったことで、『カームクラン』の人々は戸惑いを隠せないようであった。

「ん?なんじゃあれは!?」

 その時、ミウは遠くの空に雲を割りながら地上へと突き刺さるを見つけて指差した。

 その直後・・・。

 ピカッ!!

「「「うぐっ!?」」」

『カームクラン』にいる全ての人々の目を眩ますほどの猛烈な閃光がミウ達を襲う。

 そして、その閃光が収まった直後、空を真っ赤に染め上げるほどの巨大なキノコ雲状の爆発が天まで登った。

「「「っ!!?」」」

 それから三十秒程経った頃・・。

 チュドォォォォォォォォォォォン!!

 グラララッ!!

「「「うわあああああ!?」」」

 光に遅れてやってきた爆風による衝撃波と地震のような激しい揺れが『カームクラン』を襲った。

 ガラララ・・。

「なんじゃ!?なんなのじゃ!?この揺れは!?」

 ミウは躯体がしなってタイルを落とす家屋や地割れを起こして隆起する街道を見て、思わずその場にしゃがみながら慄いた。

「・・もしや、あの爆発は『神技』ではなかろうか?」

「・・・『神技』とな?」

 シゲノブが語り出した『神技』という言葉にミウが首を傾げた。

「うむ、かの『女神』が携えていた武器は間違いなく『神器アーティファクト』であろう。その『神器アーティファクト』の力を最大に発揮して放つ『神技』は一撃で一帯にいる『邪神』を程の威力を持つとされている」

「も・・もしそうだとしても『邪神』一柱に対して過剰攻撃が過ぎるのではないかえ?あの様子だと、爆心地から数十キロに渡る大地は無事ではすまぬと思うのじゃが・・・」

「まあ・・間違いなく地図の海岸線は描き変えなければならんだろうな・・」

「なんという馬鹿げた威力じゃ・・・」

 シゲノブの言葉を聞いて、ミウは再び頭を抱えた。
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