転生女神は自分が創造した世界で平穏に暮らしたい

りゅうじんまんさま

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最終章 決戦!『デスティウルス』編

各国の現状 〜マクスウェル視点〜

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 ・・・・・・。

 ・・・・・・・・。

 ゴゴゴゴゴ・・・・。

「なんだって!?『カームクラン』でも『邪神』が現れただと!?」

 時は少し遡り、『イルティア・レ・イーレ』の艦橋にいるマクスウェルは、各国から入ってくる『邪神』出現の報告に顔を顰めていた。

(これで『イルティア王国』、『魔導帝国オルテアガ』に続いて、三柱全ての『邪神』の居場所が特定できたわけだが・・・)

「それで、アキト殿・・『カームクラン』の被害はどうなっているのだ?」

 現在マクスウェルは、『カームクラン』にある『白銀の剣』の拠点となっている屋敷に設けられた長距離エーテル通信機で、ギルドマスターであるアキトと会話していた。

『はい、『カームクラン』に襲来した『邪神』はあらゆるものを沈めながら飲み込んでいく大規模な範囲攻撃を行いながら『カームクラン』中心地に進路を進めています。現在、連邦軍と冒険者ギルド、『神社庁』が総力を上げて防衛していますが、正直状況は絶望的と言っていいでしょう・・・』

 マクスウェルには通信機越しですら、アキトが気落ちしているというのがひしひしと伝わってきていた。

「・・いずれにせよ輸送が間に合わなかったとは言え、魔導機甲ラピスを『カームクラン』に配備できなかったことが今になって悔やまれるな」

『いえ、これ程短期間に『邪神』が再来する事など、誰にも予想できませんでしたから・・殿下が気を病むことではありません』

『・・とにかく、戦力差は絶望的であっても、只やられるわけにはいきません!我々『カームクラン』の民は最後の一人になっても死力を尽くして戦います!』

「・・・承知した。今後もお互い連絡は密に取り合う事にしよう!『カームクラン』の無事を祈る!」

『わかりました!』

 マクスウェルは自身の不甲斐なさに嘆息すると、長距離エーテル通信の回線を切り替えた。

「・・こちら『女神同盟軍』総旗艦『イルティア・レ・イーレ』の艦長、マクスウェルだ。聞こえるか?」

『・・ああ、良く聞こえているよ』

「オルクス!無事で何よりだ!前回の通信から帝都の様子はどうなっている!?」

 マクスウェルは続いて『帝都リスラム』にいるオルクス皇帝に通信を繋いでいた。

『こちらはクウォリアス軍務卿が率いる『ラピス』が何とか『邪神』を抑えているってところだ。帝都に襲来してきた獣人型の『邪神』は、あくまで今のところの見解だが、かつての『ナラトス』のような従来型と同じく大規模の攻撃手段は持っていないようだ』

『だが、正直なところ『ラピス』とて『邪神』を滅ぼすまで至るかどうか・・』

 オルクスの言葉を聞いたマクスウェルは、ふとを思い出した。

「・・・っ!?そう言えば、そちらには『聖騎士』シエラ嬢がいるのでは!?彼女なら『邪神』も滅ぼせるだろう!?」

 ちょうどこの頃、シエラは『バハムス』の導きによって『霊峰』に辿り着いていたのだが、マクスウェルがその事を知る術は無かった。

『それなのだが、運の悪い事にシエラ嬢は今帝都にのだ』

「なぜだ!?彼女は『聖騎士』なんだぞ!?『邪神』襲来を察知して逃げ出したとは思えないが」

 マクスウェルには、シエラが『邪神』を前にして逃げ出すような卑怯者ではないという確信があった。

 そうでなければ、ハーティが世界のパワーバランスを揺るがすリスクを知りながら、シエラに力を与えたり『神聖魔導甲冑』を授けたりはしないはずなのだから。

は余も考えてはおらぬ。彼女は『君からの神託があるかもしれない』と言って、帝都の『女神教会』関係者に届け出てから東に向けて旅立ったそうだ。・・東といえば、案外行きずりで『カームクラン』に出現した『邪神』でも滅しそうだな』

「・・そんなバカな」

『・・まあ、冗談はさておき、こっちにはとっておきのがあるしな。やれるところまではやるさ。何せ余の国は。武器だけは他国より豊富だからな』

「世が世であれば、今の言葉で貴国に間者を送り込みたい気分になっていたな・・・まあ、シエラ嬢の魔導通信機ピアスへの連絡方法は、おそらくハーティ達が知っているだろう。シエラ嬢が今どこにいるかわからないが、可能な限り連絡を取ってみよう」

『ああ、頼む』

「とにかく、何とか帝都が持ち堪える事を祈る。私は今から本国にも現況を確認する。一旦通信を切るが何か変化があったら連絡をしてほしい」

『ああ・・わかった』

 オルクスとの二度目の通信を切断したマクスウェルはコンソールを操作する。

 しかし、その指は微かに震えていた。

 なぜなら、マクスウェルはその時恐怖を感じていたからであった。

 今から通信を行う『王都イルティア』。

 自分の母国であり、故郷であり、ハーティと自分が共に帰る場所。

 もし、その王都が既に『邪神』によって破壊の限りを尽くされていて、自分の通信に応答しなかったら・・。

(いや、『王都イルティア』は『女神教会』の本拠地だ。『浄化魔導』を使える神官の数はどこよりも多い。それに『ラピス』もある。大丈夫だ!)

 マクスウェルは脳裏によぎった弱気な考えをかぶりを振る事で払い落とすと、再びコンソールに指を走らせた。

 ザザ・・・。

「こちら、マクスウェルだ・・誰か、応答を・・!」

 ザザザ・・・。

 マクスウェルは聞こえて来るノイズ音に耳を澄ませながら応答を待つ。

 その間、マクスウェルは数秒の時間がやけに長く感じていた。

『・・んか!・・殿下!ご無事ですか!?』

 暫くマクスウェルがやきもきしながら応答を待つと、ようやく相手からの声が聞こえてきた。

「っ!?その声はレイノス卿!?よかった!無事であったか!」

『ええ、今のところは持ち堪えています。殿下が無事ということは、ハーティもまだ戦っているのですね?』

「ああ、私が不甲斐ないばかりに、ハーティに戦いを強いて申し訳ない」

『・・いいえ、それが娘の使命なら仕方ありません。何より、娘はこの世界の。ですから、娘が生きている限り、我々王国民は諦めませんよ』

「頼もしい言葉をありがとう。で、そちらは今どうなっている?」

『ええ、こちらは・・・・』

 レイノスはマクスウェルに促されると、王都の現状を事細かく説明し始めた。
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