転生女神は自分が創造した世界で平穏に暮らしたい

りゅうじんまんさま

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最終章 決戦!『デスティウルス』編

『臨界』 ~『帝都リスラム』視点~

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『おおおおおおお!!』

「ちっ!何度も同じ手に乗るかよ!!」

 ランスを振り下ろしたクウォリアスを見たヅヴァイは、爪をクロスさせて防御態勢で構える。

『ふん!案の定ようだな!!!『邪神』とて、私の積み上げてきた実践経験を上回ることはできぬのだ!!』

 ダァーン!!!!

 そう、クウォリアスがランスを振り下ろしたのはであり、その実は至近距離での腕部砲による攻撃が目的であった。

「ぐあぁぁぁ!!!」

 そして、至近距離で真面に砲弾を食らったヅヴァイは、激しい爆風によって一瞬怯んでしまう。

 長年の実践経験において、が命取りであることを身を以て知っていたクウォリアスは、己の勘だけを頼りに爆風の中でヅヴァイに向かって『リデューシングランス』を突き立てた。

 ズブシュウ!!!!

「ごぶふっ!?」

 そして、クウォリアスの狙いは正確にヅヴァイへと命中し、ランスに付与された『還元』の効果によって『防御魔導』を無視しながらヅヴァイの胴体を一気に貫いた。

 十メートルを優に超えるランスはヅヴァイを貫くことで胴体に大穴を穿ち、そのままの勢いで地面に縫い付ける。

 シュウウウウウウ・・・・・。

「あぐ・・あ!?」

 直後、胴体の大半を失ったヅヴァイは何が起こったのかわからない様子でうめき声をあげた。

 そして、突き立てられたランスに付与された『防御魔導』の効果もあるのか、大きく損傷した肉体の再生に時間がかかっているようであった。

『ぬぅん!!!』

 ヅヴァイを地上に縫い付けたことを千載一遇のチャンスと悟ったクウォリアスは、唸り声をあげながら自身の機体胸部に手をかける。

 バキィィィ!!!

 直後、機体の『防御魔導』が解除されたことを確認すると、クウォリアスは胸部の装甲を乱雑に取り払った。

 ズゴオォォォォォォ・・・・。

 そして、装甲が取り払われた胸部の中から、唸るような駆動音を響かせる発導機が露わとなった。

「う・・ぐ・・てめぇ・・正気か!?」

 突然自身の機体に手をかけたクウォリアスに、ヅヴァイは驚愕の表情を浮かべる。




 ・・・・・・。

 ゴゥゥゥゥン・・・・。

 ビィービィービィー!!!

 一方、コクピットでは胸部装甲が大破したことにより、警告を知らせるけたたましいアラーム音が鳴り響いていた。

「ふ・・・『正気』か・・・だと?」

「私は今まで四十年以上の人生を軍人として生きてきた中、何度も死と隣り合わせの戦場に立たされてきた」

「そして、今・・・が目の前に迫っている」

「そんな中・・・今の私は『正気』を保っていると確信しているっ!!!」

 ギュイ・・・。

 クウォリアスは操縦レバーを操作して、光魔導スクリーン越しにマニピュレーターに持った『同胞』の『発導機亡骸』を見た。

「・・・貴様の敗因は、例え命を失おうとも『仲間』を救う為に全力を出そうとする我々『人類』をことだ!!!!」



 ・・・・・・・。


 ズズズズ・・・。

「なにを・・・戯けたことを・・・俺は・・・もうすぐ再生する・・・・」

 ヅヴァイは身を再生しながら苦し気に呟くが、クウォリアスはそれを無視して語りだした。

『ヅヴァイよ・・・貴様は私の生涯で一番の強敵であった』

 クウォリアスは『ラピス』の頭部をヅヴァイへ向けながら、発導機を持った腕部をゆっくりと持ち上げる。

「おま・・何をするつもりだ・・・!?」

 その様子を見るヅヴァイは、未だクウォリアスが何をしようとしているのか掴めないでいた。

『なあ、ヅヴァイよ・・帝国貴族である私は、正直『女神教』というのに詳しくはないのだが・・・』

『だがな・・・もしも、だ。もし『失われた神界ヴァルハラ』があるというのなら・・ではないか・・っ!!!』

「っ!?」

『はぁぁぁぁぁ!』

 ガキィィィン!!!

 そして、クウォリアスは声高く叫び声をあげると、手に持っていた発導機を自身の機体胸部に押し当てた。

 キィィィィィィィ!!!!!!

 直後、発導機同士の連鎖反応が始まり、周囲に膨大なマナが発生し始める。

「な・・・なんだ!?なんなんだよぉ!?このマナの光はぁぁぁぁ!!!??」

 眼が眩むほどの白銀の光に包まれる中、間もなく完全再生しようとしたヅヴァイは叫び声をあげた。

『・・・っ!今だっ!!!』

『う、うわぁぁぁぁ!!!!』

 ダァーンダァーンダァーン!!!!

 ズゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!

 そして、クウォリアスの指示を受け、『騎士ランナー』のラピスや『人造ゴーレム』達がありったけの火器をヅヴァイに向けて撃ち込む。




 ・・・・・・・・。

 ゴウゥゥゥゥン・・・・。

 クウォリアスはすべてがスローモーションになるコクピットで、急速にマナ出力を上げて出力値が限界を振り切ったコンソール画面に目を向ける。

 そして、白銀色に染まる光の中で、静かに瞳を閉じた。

(陛下・・・そして『邪神』と戦うすべての人達・・・・)

(そして、『女神ハーティルティア』とそれに連なる『勇者』達よ・・あとは、・・・!!)

 直後、クウォリアスの脳裏に長い人生の歴史が走馬燈のように浮かび上がってくる。

 その、次々と移り変わっていく光景の最後に映ったのは、自身の愛する大切な家族達であった。



「うおぉぉぉぉ!!!『魔導帝国オルテアガ』ばんざぁぁぁぁぁぁい!!!!!」




 そして、クウォリアスが全力で叫ぶと同時に、二機のコアは『臨界』を迎えた。







 ・・・・・・。

 ・・・・・・・・。



 ピカッ!!!!

 ・・・・・・・。

 チュドォォォォォォォォォン!!!!!

 コアが『臨界』を迎えたことで、爆発的なマナが周囲に発生して『帝都』を白銀の光に染め上げる。

 それと同時に、周囲数百メートルを巻き込むほどの大爆発が発生した。

 ドォォォォン!!!

「くうっ!?凄まじい爆発だ!!!」

「み、耳が破れるんだな・・・!?」

「マナの・・・光・・・!?」

 その爆発と光は、『帝都』中で観測される程大規模なものであった。

 オォォォォォォォン・・・・。

 そして、ようやく爆発が収まった頃、クウォリアスとヅヴァイが戦っていた戦場は赤熱した更地となって熱気を帯びていた。

 ズゴォォォォ・・・。

『・・・・閣下』

 ゴウゥゥゥゥン・・・。

『・・・・・』

 先ほどまで決死の戦いをしていた『騎士ランナー』達は、全てが無くなった大地を静かに見下ろしていた。




 それは、人類が自分たちの力だけで初めて『邪神』を完全に滅ぼした瞬間であった。

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