転生女神は自分が創造した世界で平穏に暮らしたい

りゅうじんまんさま

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最終章 決戦!『デスティウルス』編

究極の『能力解放』(オーバードライヴ)

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 溢れ出るマナの奔流で白銀の髪を舞い上がらせながらハーティーは言う。

「『聖剣ニーヴァルテ』の固有能力は『時間操作』!!それは、あらゆる『存在』も抗うことのできない絶対の力!!発動せよ!!神技!!『タイム・レ・支配者ルーラ』!!」

 ハーティが『聖剣』の固有能力を発動した直後、頭上に巨大な時計を模した魔導式が展開する。

 そして、ハーティは『聖剣』の鉾をデスティウルスへと向けた。

「『タイム・レ・支配者ルーラ』による能力発動!!効果は!対象は・・・『邪神デスティウルス』!!」

 直後、ハーティの頭上に展開していた魔導式が更に巨大化し、デスティウルスの頭上へと移る。

 そして、デスティウルスの頭上に広がった魔導式が示す時計の針が、ゆっくりと停止していった。

「ハーティルティア・・キサ・マ・・ソ・・・ノ・・・・能力・・・・・ハ・・・・・・・」

 時計の針が進む速度が遅くなることに連動するように、デスティウルスの動きが鈍くなっていく。

「・・・・・」

 やがて、デスティウルスは完全に動きを止めた。

『ハーティ!!これは一体!?もしかして・・・デスティウルスの時を止めたっていうの!?』

「・・・っ!私の持つ『聖剣』は『能力解放オーバードライヴ』をすることで、持ち主が指定する『存在』に流れる時間を任意に操ることができるわ!!だけど、操れる時間は持ち主が持つ『存在』と相手の持つ『存在』が持っている力の差で決まってくるわ!!」

「『女神』の転生体である今の私は、不完全な復活を遂げたデスティウルスよりも僅かに持っている『存在』の力が強い!!だけど、そう長くは時間を操ることができないの!だから、私が時を止めている間に、みんなは全力で攻撃を叩き込んで頂戴!!」

『わかったわ!!』

『いくわよ!!』

『承知した』

「私の全力!ハーティルティア様にお見せします!!」

「わかりました!ハーティさん!!」

『ハーティルティア様!!今度こそデスティウルスを倒しましょう!!』

『ハーティが創ったこの世界!!イルティア王族の名に懸けて、必ず救い出す!!』

 皆がハーティの言葉を聞いて、それぞれが持てる最大の攻撃を放つために動き始めた。




 ・・・・・・・・・・。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・。



「砲長、機関長!主砲用意!!」

「了解!!」

 マクスウェルの指示により、艦橋ブリッジ内のクルー全員が慌ただしく動き出す。

「砲門展開!主砲、『魔導結晶体収束砲』!発射準備!!」

 ・・・・・・・・。

 ガコン!!!ゴゴゴゴゴ・・・・!

「っ!?」

 砲長が魔導コンソールを操作すると、リリスの立つ甲板中央部分が大きく開き、船体
 から巨大な大砲のようなものがせり上がってきた。

 それは、『プラタナ』の持つ『ホーリーバスターキャノン』に形状が似ているが、遥かに巨大なものであった。



 ・・・・・・・・。

 ウィーン、ジャコ!

 そして、甲板で主砲が展開すると同時に、砲撃手座席の魔導コンソール下部から銃のグリップのようなものがせり出してきた。

「主砲!『魔導結晶体収束砲』!発射シークェンス開始!機関長!この艦は何サイクラあれば航行を維持できる!?」

「殿下!本艦が浮上状態を維持するには、最低でも一万五千サイクラは必要です!」

 マクスウェルの質問にすかさず機関長が答える。

「カツ殿!この艦に搭載されているクラマ式発導機の定格マナ出力はいくらであったか?」

「だいたい四千サイクラ程度ですじゃ!!」

「・・よし、機関長!主機関および一番から六番のクラマ式発導機のエネルギーラインを主砲に接続してくれ!!」

「了解!!」

 マクスウェルの指示により、機関長は航行を維持するのに最低限必要なものを残し、その他すべての機関出力を主砲発射に使用するよう魔導コンソールを操作した。

 ウィーーン・・ウィーン・・ウィン・ウィン・・ウィィウィイウィィ・・・。

「全機関出力の九十三パーセントを主砲に直結!!発導機からのマナ供給ライン正常動作、第一から第四までの一次テンポラリー魔導結晶マナ・キャパシタマナ充填率上昇中!充填率三十パーセント・・四十パーセント・・っ!!」

 その時、主砲発射の準備をしていた砲長が、突然魔導コンソールに走らせる手を止めた。

「砲長!何をしている!!?」

「で、殿下!一次テンポラリー魔導結晶《マナ・キャパシタ》へのマナ充填率が四十パーセントから上がりません!機関出力がまったく足りません!!」

「なんだと!?」

「うむ、クラリス嬢の理論を踏襲したまま『魔導収束砲』を大型化してみたんですが、やはり出力が圧倒的に足りないようですじゃ・・・せめてクラリス式発導機があれば事足りたかもしれませんでしたのじゃが・・・・」

 カツは魔導コンソールを眺めながら苦痛の表情を浮かべた。

「くっ!!やむを得ん!今のままでも威力は十分出るはずだ!砲長!そのまま砲身マナ収束ライフリング術式を発動してく・・・」

『お待ちください!!』

 その時、艦橋ブリッジにリリスの声が響き渡った。

『カツ様、要はこの主砲に供給するマナが問題ないのですね?』

「それは・・・そうですが・・」

『ならば、正直支援や魔導の並列発動を目的に生み出された『聖杖エーテリア』は放出系魔導には特化していません。ですが、膨大なマナを主砲に供給する事ならできます!』

『ハーティルティア様にお力添えする為、私の『神器アーティファクト』をお使いください!』

「な、なりませぬのじゃ!!確かに『聖杖エーテリア』の補助を使えば主砲を最大出力で撃てます。じゃが、所詮この艦は突貫で生み出されたもの!魔導銀ミスリルと鋼鉄で出来た主砲がマナ抵抗に耐えられませんぞ!!おそらく、一撃撃てばマナ劣化で主砲が破損しますぞ!!」

「・・ふっ、あれば十分だ!!!元よりこの全力攻撃でデスティウルスを滅ぼせなかったら、私たち人類に未来などない!!」

「マクスウェル様・・・」

 マクスウェルの決断に、フィオナも不安げな表情を浮かべる。

「聖女様!!構いません!どうかお力添えを!!」

『・・・わかりました!!』



 ・・・・・・・・。

 ゴォォォォ!

 強風が吹きすさぶ甲板上で、リリスは手にする『聖杖』を力強く握りしめた。

「ハーティルティア様!行きます!!」

 ガッ!!

 そして、リリスは巨大な主砲に歩み寄ると、『聖杖』の先端を砲身に押し付けてマナを込めた。




 ・・・・・・・・。

 ギュウゥゥゥゥン!!!

「っ!?一次テンポラリー魔導結晶マナ・キャパシタのマナ充填率が急速に上昇中!充填率百二十パーセント!許容値をオーバーしています!!」

「よし!!砲身がする前に撃つぞ!」

「了解!!砲身マナ収束ライフリング術式発動!!高収束用魔導結晶体レンズ、焦点調整!!」

『イルティア・レ・イーレ』に搭載された主砲は通常の『魔導収束砲』の装置とは別に、高純度の魔導結晶をレンズ状に加工したものを用いて、複数の束ねられた砲身に刻まれたマナ収束ライフリング術式を経て収束されたマナを更に束ねて威力を増加させるものである。

「各術式正常です!マナの収束開始!収束率三十パーセント・・四十パーセント・・五十・・・」

「砲撃手!私たちの最初で最後の全力だ!外すなよ!!」

「ぎょ・・・御意!!」

 マクスウェルの言葉に砲撃手はトリガーを握る手に力を込める。

 ウィウィウィウィウィウィィィィ!

「収束率九十パーセント・・百パーセント!主砲!発射準備完了!!」

「よし、主砲!目標デスティウルス!!撃てぇぇぇぇ!」

「しゅ・・主砲!『魔導結晶体収束砲』・・発射!!」

 カチッ!!!

 そして、リリスがマナを供給することで桁外れの出力を伴う『魔導結晶体収束砲』が今、放たれようとしていた。

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