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6.聞いてみた
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学園の生徒は、寄宿舎から通っている者と、自分の屋敷や家から通っている者がいる。私は割と近いので、自分の屋敷から通っている。
王族であるレオンは寄宿舎から通っている。レオンが例外なわけではなく、王族は一度城から離れて暮らすことが強いられる。それが学園に通う6年間。城がそれほど遠いというわけでもないため、学園以外の勉学やレッスンでは城に帰ったり、先生が寄宿舎に派遣される。それに、ある程度の休み時間があれば、今でも変わらず私の屋敷に遊びに来る。
そんなレオンが、女性を連れ込む時間なんてあるのだろうかと、父との会話を思い返していた時に、ふと思った。寄宿舎に女性を連れ込んでいるという噂を聞いたことはあるが、真実は分からない。
父は、王がレオンの行動を咎めないのは、もし妊娠させても妃に迎えれば良いと考えているからかもしれないと言っていた。
だが、レオンははたして、妊娠させるような行為をしているのだろうか。ほぼ長男の第一王子が次の王になることは決まっていても、レオンは王位継承権を持っている存在だ。そんな彼のお手つきとなる貴族の女性は、レオンの妃になる以外、嫁の行き先がなくなってしまうかもしれない。
そんなことを、レオンはするのだろうか。彼の幼なじみとしては、考えられない。
私たちの通っている学園は、ほとんどが貴族だが、シオンのように豪商の子や、ほぼいないが、非常に優れた能力を持つ庶民もいる。そんな人たちばかりを連れ込む可能性も一応あるが……
それに、寄宿舎は男女で分けられている。男ばかりの建物に、女性を連れ込むだろうか。
うじうじ考えたところで、どうしようもない。いっそのこと聞いてみようか。聞いたところで、私たちの関係がどうこう変わるわけではないのだから。
「ということで、どうなんだ、レオン」
私の屋敷に遊びにきたレオンに問うた。するとレオンは、私の用意した紅茶をひと口飲み、口を開く。
「……気になるか?」
レオンは、手に持ったティーカップに入っているハーブティーを見つめながらそう言った。
「無理に言えとは言わないが……」
幼なじみとはいえ、やはりプライベートに踏み込みすぎてしまっただろうか。
レオンはカップを置き、こちらを見つめる。深い海を閉じ込めたような瞳は、真剣に思えた。
「私は決して、令嬢の将来の邪魔になるような行為は、決してしていない……とりあえず、それだけは覚えておいてくれ」
レオンが真実を言っているのかどうかは、正直分からない。
「そうか……分かった……なら、もしも、王家に嫁ぐためにレオンの子を妊娠したと嘘を言う女性が現れたら、王に進言してやるよ。『レオン殿下はそのようなことをする方ではない』と……」
そう言い、私は自分で用意したハーブティーを飲む。
「その必要はない。自分で証明できるから」
「……どうやって?」
私が茶からレオンに視線を戻すと、目は合わず、クッキーを口に運んでいた。
「美味いな……茶も、菓子も……」
ごまかされた。答える気がないなら、仕方がない。
「なら、良かった」
王族であるレオンは寄宿舎から通っている。レオンが例外なわけではなく、王族は一度城から離れて暮らすことが強いられる。それが学園に通う6年間。城がそれほど遠いというわけでもないため、学園以外の勉学やレッスンでは城に帰ったり、先生が寄宿舎に派遣される。それに、ある程度の休み時間があれば、今でも変わらず私の屋敷に遊びに来る。
そんなレオンが、女性を連れ込む時間なんてあるのだろうかと、父との会話を思い返していた時に、ふと思った。寄宿舎に女性を連れ込んでいるという噂を聞いたことはあるが、真実は分からない。
父は、王がレオンの行動を咎めないのは、もし妊娠させても妃に迎えれば良いと考えているからかもしれないと言っていた。
だが、レオンははたして、妊娠させるような行為をしているのだろうか。ほぼ長男の第一王子が次の王になることは決まっていても、レオンは王位継承権を持っている存在だ。そんな彼のお手つきとなる貴族の女性は、レオンの妃になる以外、嫁の行き先がなくなってしまうかもしれない。
そんなことを、レオンはするのだろうか。彼の幼なじみとしては、考えられない。
私たちの通っている学園は、ほとんどが貴族だが、シオンのように豪商の子や、ほぼいないが、非常に優れた能力を持つ庶民もいる。そんな人たちばかりを連れ込む可能性も一応あるが……
それに、寄宿舎は男女で分けられている。男ばかりの建物に、女性を連れ込むだろうか。
うじうじ考えたところで、どうしようもない。いっそのこと聞いてみようか。聞いたところで、私たちの関係がどうこう変わるわけではないのだから。
「ということで、どうなんだ、レオン」
私の屋敷に遊びにきたレオンに問うた。するとレオンは、私の用意した紅茶をひと口飲み、口を開く。
「……気になるか?」
レオンは、手に持ったティーカップに入っているハーブティーを見つめながらそう言った。
「無理に言えとは言わないが……」
幼なじみとはいえ、やはりプライベートに踏み込みすぎてしまっただろうか。
レオンはカップを置き、こちらを見つめる。深い海を閉じ込めたような瞳は、真剣に思えた。
「私は決して、令嬢の将来の邪魔になるような行為は、決してしていない……とりあえず、それだけは覚えておいてくれ」
レオンが真実を言っているのかどうかは、正直分からない。
「そうか……分かった……なら、もしも、王家に嫁ぐためにレオンの子を妊娠したと嘘を言う女性が現れたら、王に進言してやるよ。『レオン殿下はそのようなことをする方ではない』と……」
そう言い、私は自分で用意したハーブティーを飲む。
「その必要はない。自分で証明できるから」
「……どうやって?」
私が茶からレオンに視線を戻すと、目は合わず、クッキーを口に運んでいた。
「美味いな……茶も、菓子も……」
ごまかされた。答える気がないなら、仕方がない。
「なら、良かった」
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