伯爵家次男は、女遊びの激しい(?)幼なじみ王子のことがずっと好き

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22、想い

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「女性と話すなとは言わない。コミュニケーションは大事だからな……ただ、この2ヶ月のような関わり合いは、やめてくれ。嫉妬で、どうにかなってしまいそうで……私は、もう見たくないんだ……レオンのことが好きだから……」

 ユリウスは、眉を下げ、照れたような微笑みでそう言った。
 
 ユリウスが、私を好き? 

 一瞬、言葉を受け止めきれなかった。そんなこと、あり得ないと思っていたからだろう。だが、目の前にいる、愛しい幼なじみは、私のことを『好き』と言った。
 言葉の意味に気がついて、自分の顔が、あっという間に熱くなった。
 嘘や冗談なんかじゃないことも、『好き』の意味が、幼なじみや友人としてではないことも分かる。

 私はこの2ヶ月、女性と距離が近かったが、こんな感覚は初めてだ。

 好いている相手が、自分を好きだということ。こんなに嬉しいことは他にないと思った。その証拠に、馬に初めて乗った時よりも、剣術で兄に初めて勝った時よりも、心が高鳴っている。

「あ、御者を待たせているんだ。行かないと。レオンも、レッスンがあるだろう? じゃあ」

 ユリウスは、好きだと言って満足したのか、この場を去ろうとした。照れて去ろうとしている感じではないため、本当に言って満足しているようだ。
 私は慌ててユリウスの腕を掴む。

「言い逃げなんてするな。私の話も聞いてくれ、ユリウス」

 ユリウスは、止められるなんて思っていなかったのか、目を丸めていた。

「用事があるなら、手短に話す」
「私は構わないが、レオンは忙しいだろう?」
「まだ時間まで少しある」
「そうか」

 話を聞いてくれることが分かったため、ユリウスの腕を掴んでいた手を離した。改めて、ユリウスに向き直る。

「私も、ユリウスが好きだ」

 想いを口にするのは、こんなにも緊張するものなのだと、初めて知った。
 ユリウスの顔を見ると、嬉しそうに、照れたように、笑っていた。さきほどとは少し違う表情だった。付き合いの長い幼なじみとはいえ、このような表情をするユリウスを、初めて見た。この想いを、人生で口にする日が来るなんて、思ってもいなかった。

「女性とは、以前の距離感を保つ。もう、あんなに簡単に触れさせない」

 そう言うと、ユリウスはホッとしたような顔をした。

「頼まれごとも、無事に終わったしな……」
「頼まれごとって、なんだったんだ? ベタベタと触れてくれと?」
「いや、違う。それは、手段であって、目的ではない」

 ルル・ムーガに頼まれた時のことを思い返す。

「聞いてくれるか?」
「もちろんだ」
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