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23、私が女性と距離が近くなった理由
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2ヶ月前のとある日……。
私は、セレーナ・メッツァルから、ユリウスとの婚約が決まったと聞いた。それだけで、心が張り裂けるような想いだった。いずれ、この時がくると、覚悟していた。家柄ゆえに、当たり前のこと。そう自分を言い聞かせていた。
だが、何度ユリウスと顔を合わせても、一向に婚約のことを言う気配がない。
ああ……ユリウスにとって私は、そんな大事なことも話さないような間柄なのか……と思っていた頃のこと。
「殿下にお願いがあるんです」
話しかけてきたのが、私たちと同じく学園に通う、ルル・ムーガだった。ルル・ムーガは男爵家の一人娘である。ルル・ムーガのことは、顔と名前と家しか知らない。
「内容次第だ。家の問題なら、私は口を挟めない」
「はい。口は出さなくて結構。殿下の女にしてくれればいいだけ」
「……は?」
王家に取り入ろうとでもしているのだろうか。今まで、そのような目的で近づいて来る女性は少なくなかったが、こんなに単刀直入に言われるのは、初めてだった。
「あ、フリだけで良いんです。殿下の女になった感じを出せればそれで……王族に取り入ろうとか、そんなこと考えてなくって。っていうか、そういうのまじで無理なんで」
「というと?」
「……ムーガ家が、お金に困っていることは知っていますね?」
「ああ……詳しくは知らないがな」
お金に困って、解決しようと、何かしらの行動をしていると聞いたことがある。
「それで、家のために私が結婚させられそうなんですよ……」
「まあ、家が結婚を決めるのは仕方のないことだな」
「それは分かってます! そうなんですけど! 相手がちょっと……まともな人なら良いんですよ」
「相手はどんな人だ?」
「ブリュー・アトレージです」
ブリュー・アトレージ……。たった一代で成り上がった宝石商。そのうちアルベルト家を抜くかもしれないと言われている。証拠はないが、何か悪事を働いているという噂もある。
それに……
「年が上すぎるな」
「そうなんですよ~……30も上なんですよ……しかも、結婚は学園を卒業してすぐ。しかも、子供がすぐ欲しいとか言ってくるんですよ、まじキモくないですか? 舐め回すように見てくる視線とか生理的に無理すぎる。まじで無理」
「で、王子である私と」
「くっついてたら、無しにできるかなって。王子が手出した女と結婚したくないでしょ? だって、援助の条件に、私との結婚って言う人ですよ?」
「たしかに、それはそうだが、そしたら、他の結婚話も無くなるだろう」
「別に良い。それで家が崩壊しても、それまでだったってだけ。結婚に憧れもないし。別に貴族にこだわる必要なんかないんだよ。でも、父はそれに気づいてない。だから、全力で抵抗する。そのためには、殿下の協力が必要なの。お願いします」
ルル・ムーガは私に頭を下げた。この人が、結婚を嫌がる理由も分かる。女性と距離が近くなろうが、ユリウスは別の人と結婚してしまう。誤解されたって、もう、どうでも良い……。協力しよう。そう思った。
「……分かった」
「え! 本当!? あ、本当ですか!?」
ルル・ムーガはタメ口を慌てて敬語に直す。さきほどから、タメ口混じりになっていることに、気がついていないのだろうか。
「君、敬語、苦手だろう。敬語じゃなくて良いから」
「え、本当? んじゃ、よろしく~、殿下」
「急にフランクになったな」
「あ、一応言っておくけど、私、本当に殿下のことワンチャン狙ってるとかじゃないから、安心してね」
「ああ、分かったよ」
こうして、私はルル・ムーガに協力することとなった。
ルル・ムーガと過ごすことで、『私もあわよくば』と近づいて来る女子生徒もいた。どうでも良かったから、そのままにしておいた。
私は、セレーナ・メッツァルから、ユリウスとの婚約が決まったと聞いた。それだけで、心が張り裂けるような想いだった。いずれ、この時がくると、覚悟していた。家柄ゆえに、当たり前のこと。そう自分を言い聞かせていた。
だが、何度ユリウスと顔を合わせても、一向に婚約のことを言う気配がない。
ああ……ユリウスにとって私は、そんな大事なことも話さないような間柄なのか……と思っていた頃のこと。
「殿下にお願いがあるんです」
話しかけてきたのが、私たちと同じく学園に通う、ルル・ムーガだった。ルル・ムーガは男爵家の一人娘である。ルル・ムーガのことは、顔と名前と家しか知らない。
「内容次第だ。家の問題なら、私は口を挟めない」
「はい。口は出さなくて結構。殿下の女にしてくれればいいだけ」
「……は?」
王家に取り入ろうとでもしているのだろうか。今まで、そのような目的で近づいて来る女性は少なくなかったが、こんなに単刀直入に言われるのは、初めてだった。
「あ、フリだけで良いんです。殿下の女になった感じを出せればそれで……王族に取り入ろうとか、そんなこと考えてなくって。っていうか、そういうのまじで無理なんで」
「というと?」
「……ムーガ家が、お金に困っていることは知っていますね?」
「ああ……詳しくは知らないがな」
お金に困って、解決しようと、何かしらの行動をしていると聞いたことがある。
「それで、家のために私が結婚させられそうなんですよ……」
「まあ、家が結婚を決めるのは仕方のないことだな」
「それは分かってます! そうなんですけど! 相手がちょっと……まともな人なら良いんですよ」
「相手はどんな人だ?」
「ブリュー・アトレージです」
ブリュー・アトレージ……。たった一代で成り上がった宝石商。そのうちアルベルト家を抜くかもしれないと言われている。証拠はないが、何か悪事を働いているという噂もある。
それに……
「年が上すぎるな」
「そうなんですよ~……30も上なんですよ……しかも、結婚は学園を卒業してすぐ。しかも、子供がすぐ欲しいとか言ってくるんですよ、まじキモくないですか? 舐め回すように見てくる視線とか生理的に無理すぎる。まじで無理」
「で、王子である私と」
「くっついてたら、無しにできるかなって。王子が手出した女と結婚したくないでしょ? だって、援助の条件に、私との結婚って言う人ですよ?」
「たしかに、それはそうだが、そしたら、他の結婚話も無くなるだろう」
「別に良い。それで家が崩壊しても、それまでだったってだけ。結婚に憧れもないし。別に貴族にこだわる必要なんかないんだよ。でも、父はそれに気づいてない。だから、全力で抵抗する。そのためには、殿下の協力が必要なの。お願いします」
ルル・ムーガは私に頭を下げた。この人が、結婚を嫌がる理由も分かる。女性と距離が近くなろうが、ユリウスは別の人と結婚してしまう。誤解されたって、もう、どうでも良い……。協力しよう。そう思った。
「……分かった」
「え! 本当!? あ、本当ですか!?」
ルル・ムーガはタメ口を慌てて敬語に直す。さきほどから、タメ口混じりになっていることに、気がついていないのだろうか。
「君、敬語、苦手だろう。敬語じゃなくて良いから」
「え、本当? んじゃ、よろしく~、殿下」
「急にフランクになったな」
「あ、一応言っておくけど、私、本当に殿下のことワンチャン狙ってるとかじゃないから、安心してね」
「ああ、分かったよ」
こうして、私はルル・ムーガに協力することとなった。
ルル・ムーガと過ごすことで、『私もあわよくば』と近づいて来る女子生徒もいた。どうでも良かったから、そのままにしておいた。
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