伯爵家次男は、女遊びの激しい(?)幼なじみ王子のことがずっと好き

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24.頼み

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「そうして、女好き王子の出来上がりってことか」
「そうだ」

 レオンがなぜ、女性と距離が近くなったのか、分かり、なんとなく、らしいな、と思った。人のために行動できる、それがレオンの魅力の一つだ。ただ、女性と距離が近くなったのは、私が原因だということで、なんともまあ、複雑な気持ちだ。いつものレオンならば、もっと良い方法を提案したはずだ。

「で? 無事に終わったってことは、結婚話を無かったことにできたのか?」
「ああ……それに、ブリュー・アトレージの悪事の証拠を、突き止めることができたらしい……近々、廃業に追い込まれ、資産も無くなる。結婚話はもう、絶対にない。ルル・ムーガがダメでも他の令嬢に……ということもなくなっただろう。さっきは、その報告を受けていた」
「そうか」

 それは良かったが、ベタベタとするよりも、一緒に突き止めた方が早く解決できたのでは? という思いもしなくはない。それに、私に言ってくれても良かったじゃないか、とも思ったが、レオンは、私が婚約話を報告してこないと思っていた。言わないのも無理はない。仕方ない。

「……もう、どうでも良いと思っていたから、くっついてくる他の女子生徒をそのままにした。良かったと思う点と、良くなかったと思う点がある」
「なんだ?」
「良かった点は、私が1人の女性に夢中になっているということにはならなかったこと。今思えば、王宮の中にルル・ムーガを良く思う者はいなかっただろう。それが、私が色々な女性と距離が近かったおかげで、評判が悪くなるのは、私だけで済む。ルル・ムーガは、私に遊ばれた1人ということになった」
「……良くなかった点は?」
「結果的に、ユリウスの婚約話は嘘だった。それならば、思考停止させずに、もっと良い方法を考えることができたかもしれない。私が怖がらずに、自分からお前に、話は本当かと聞いていれば良かった。無駄に自分の評判を下げるだけになってしまった」

 レオンも私と同じことを考えたのか。私も、セレーナ嬢との婚約話を早く知っていれば……と思わずにはいられない。

「まあ、性的な行為をしていないという証明は王族にはできるが……それ以外には、ユリウスにしか証明できない。」

 ん?

「何故、王族と、私にしか証明できないんだ?」
「……それは、学びの場で話すことではない……屋敷に行った時にでも、話すよ」
「そうか」

 とても気になるが、話してくれるのは確定しているため、急がず、その時に聞こうと思った。
 レオンは、教室にある時計にチラリと目線をやる。

「そろそろ行かないとな……」

 レオンは、消えそうな声でそう言った。私と同じく、離れるのが名残惜しいと思ってくれているのが伝わる。

「ここでわかれる前にユリウス、私の頼みを聞いてくれるか?」

 レオンは、私の頬に右手を添えた。肌触りの良いシルクの手袋の質感が伝わってくる。吸い込まれそうな瞳と視線が交わる。求められていることが、聞かなくても伝わってくる。こんなにも近い距離は、幼なじみとはいえ、初めてだ。

「口付けてくれないか?」
「もちろんだ」

 私は、少し低い位置にあるレオンの唇を指でそっと触ってから口付けた。すぐに唇を離し、おでこをくっつけると、2人で笑い合った。
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