伯爵家次男は、女遊びの激しい(?)幼なじみ王子のことがずっと好き

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25、ユリウスと私

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 私がユリウスと初めて出会ったのは、5歳の時だった。
 私はその頃、兄たちが友人を城に招いているのを見て、自分にもそんな存在が欲しいと思っていた。それが大人の誰かに伝わったのか、同じ年の男の子が来ることになった。
 庭にいた、王宮の従者といるユリウスを見て、心が高鳴った。仲良くなりたくて、敬語で話すのはやめろと言ったことを覚えている。私のことを、殿下や様を付けずに呼ぶのは、家族以外にユリウスだけだ。それは、私がユリウスにしか、そう呼べと言っていないからである。
 
 初めて出会った時から、私にとってユリウスは、特別だった。ユリウスと結婚したいと、法律に疎い時から思っていた。今、この国には、男同士の結婚は定められていない。
 ユリウスと結婚するために法律を変えるには、国王になることが絶対条件。それからあらゆる手続きをして、承認を得て、法律を変える。だが、その第一関門は、私には超えられない。優秀で、健康的な兄が2人もいるのだ。それに、国王になったとしても、伴侶は女性だ。直系の血を途絶えさせないために。



 はじめのうちは、ユリウスが、伯爵についてきて、伯爵が用事を済ませている間、一緒に遊んでいた。だが、それを良く思わない王宮の人間がいた。

『2人とも兄より劣っているから、落ちこぼれ同士で気が合うのだろう』

 私が言われるのは、どうでも良かった。ユリウスを馬鹿にされたのが許せなかった。兄のダリアスが目立っているだけで、ユリウスも優秀な人間だ。ユリウスのことを知りもせず、そんなことを言う叔父が許せなかった。
 叔父の他にも、そんなことを言うような人間が、王宮内にいる。そう考えた私は、ユリウスに、そのようなことを聞かせたくなかった。だから、私がユリウスの屋敷に行くことにした。会わない選択肢なんかなかったから。そして私は、より一層レッスンに力を入れた。私のせいで、仲の良いユリウスまで下げて言われるのは嫌だった。結果、レッスンの時間が短縮されるほどになり、ユリウスの屋敷に行く機会を増やすことができた。



 現状では、法律ゆえに、想いを形にすることなんてできない。だから、ユリウスへの想いに蓋をしていた。見ないように、閉じ込めた。閉じ込めたと思っていた。

「このハーブティーは、私が入れたんだ。味が良くなかったら、遠慮なく言ってくれ」
「ユリウスが?」
「ああ。これは疲労回復の効能があるらしい」

 学園に入学した頃、慣れないことばかりで、たしかに私は疲れていた。私は、あまり表情に出ない方だ。それなのに、いとも簡単にユリウスは見破ってくる。幼なじみで、付き合いが長いからだろうか。いや、付き合いの長い従者や家族には、見破られたことはない。ユリウスだけだ。私のことを見てくれるのは。
 
 ああ……やはり、私はユリウスが好きだと、心の底から実感した。

 見ないように閉じ込めた想いは、閉じ込めておけるほど、小さくはなかった。想っているくらいなら良いかと、開き直ったのは、その頃だった。

 この想いを口に出す日がくるなんて、思ってもいなかった。
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