伯爵家次男は、女遊びの激しい(?)幼なじみ王子のことがずっと好き

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26.ルル

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 想いを交わし合った翌日。レオンは、以前のように、女性からのアピールを上手くかわしたり、触れてこようとする女子生徒に注意するようになっていた。
 そんな様子を見て、シオンが私に問う。

「殿下って、何かあったの? 前に戻ってる」
「さぁ、気が変わったんじゃないか?」
「とぼけるなよ、なんか知っているだろう?」

 シオンは笑いながらそう言った。私たちの関係は、シオンが相手でも、言わない。

「ユリウス様~」

 私を呼ぶ声がして、そちらを見ると、ルル嬢が手招きをしていた。

「ちょっと行ってくる」
「ああ」

 ルル嬢について行くと、人がいない準備室に入った。

「一応、大体解決したし、ユリウス様に説明しておこうかと思って。殿下は私に協力してくれて」
「ああ、レオンから昨日聞いた」

 ルル嬢は目を丸くした。そしてすぐに笑った。

「なんだ~、良かった。私、あの後、用事があって説明できなくって。気にしてたんだ~。あ、気にしてたんですよ」
「君は本当に敬語が苦手なんだな。良いよ、私にも敬語じゃなくて」
「あ、まじ? 類は友を呼ぶってやつだね~」

 ルル嬢は顔の横で両手を合わせ、パチパチと叩いた。
 なんというか、今まで関わったことのないタイプだ。

「まあ、ってことで、無事、レオン殿下とダリアス様のおかげで、変態成金と結婚しなくて済みました~、いえ~い」
「……ダリアスって、私の兄の?」
「あ、それは聞いてないのか。そっか、そうだ、殿下に言ってなかったや。ダリアス様から、『君から弟に説明してやってくれ』って言われてて。ダリアス様もユリウス様に伝えてないんだ、そっか」

 ルル嬢はぶつぶつと独り言をして、自分で解決して納得していた。

「まあ、ほら、用事があって昨日説明できなかったって言ったじゃん?」
「ああ」
「その用事って、ツェプラリト家に行くことだったんだけど」
「そうだったのか……」
「ダリアス様に、呼ばれて。届けを出すからって、ブリュー・アトレージの悪事の証拠を確認して欲しいって。まさかダリアス様が解決してくれるとは思ってなかったけど、本当に証拠を揃えてきた。優秀って言われるの、分かるわ」

 ブリュー・アトレージの悪事を突き止めたのは、兄だったのか。

 ん? 

 もしかして、これも『兄が何とかしてやるから』と言っていたものの中に含まれているのか? ダリアスなら、ありえる。

「ユリウス様にも、殿下に頼んだの伝えておけば良かったね。てっきり知ってて、殿下を咎める演技をしてると思って」
「私はそんなに器用じゃないよ」
「そうなの? まあ、それはいいや。前の殿下に戻ったから、安心してね。幼なじみが急に変わったから、戸惑ったかもしれないけど、殿下は最初から最後まで、優しい殿下のままだったよ」
「ああ」
「あと、これは殿下にも言ってないんだけどね、私、卒業したら、ケトゥリー国に行くことにしたんだ。自分の思うままに暮らしたい。この国にいると、どうしても家に縛られちゃうから」
「そうか。応援しているよ」
「ありがとう!」

 ルル嬢はそう言って、ニコッと嬉しそうに笑った。自暴自棄になっていたとはいえ、彼女に協力することにしたレオンの気持ちが分かった。明るく、素直で、邪気がない。そんな人間には、幸せでいて欲しい。おそらくレオンも、同じことを感じたのだろう。
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