伯爵家次男は、女遊びの激しい(?)幼なじみ王子のことがずっと好き

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28.始まり

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 今日は学園が休み。レオンと想いを交わし合った日から、初めてレオンが屋敷に来た。状況は同じなはずなのに、関係性が変わってからだと、不思議な感覚がする。

「今日は、以前、言っていた、王族以外にはユリウスにしか証明できないと言ったことを、説明しようと思う」
「ああ」

 女性と性的な関係ではなかったことを証明できる相手は、王族以外に私しかいないと言っていた。だから、私以外の人間に聞かれることのないよう、あらかじめ、ジルに指示していた。

「一応、この部屋に誰も来ないように言っておいたから、どんなことでも話して欲しい」
「ああ、ありがとう」

 レオンはそう言って、茶をひと口飲んだ。もちろん、今日入れた茶も、私が入れたものだ。出してすぐに飲んで、美味しいと言ってくれた。

「まず、今の王家が王族なのは、直系で代々血を繋いできたからという話からだ。まあ、これは知っているよな」
「ああ……建国したのが、ヴィルバード家で、レオンたちはその子孫」
「そうだ。で、その初代国王のハンス・ヴィルバードは、魔法使い。魔法を使って建国したと言われている」
「……それは物語の中の話だろう?」

 ハンス・ヴィルバードは、よく、物語の題材に使われている。その多くは、魔法使いとして描かれている。この国で育つ子供はみんな、ハンス・ヴィルバードが魔法を使って建国するという内容の絵本を、1度は読んだ事がある。私も当然、そのうちの1人だ。

「……私も、そう思っていた。魔法なんて、使ったことも見たこともなかったからな。だが、自分の身体に起こった変化によって、それは事実だったのだと分かった。紛れもなく、ハンス・ヴィルバードは魔法使いで、私には、ハンス・ヴィルバードから受け継がれてきた血が流れている」
「身体の変化?」
「……ハンス・ヴィルバードがどんな人物だったのか。知っているか?」

 レオンにそう問われ、記憶の中にある絵本の内容を思い返すが、人柄などについては、描かれていなかったと思う。

「知らないな」
「王家に伝わる話によると、ハンスは、非常に女性に人気だったそうだ。それは、後に王妃になる、キララの前でもそうだった。だからキララは、ハンスはたくさんの女性と関係を持っていると思っていた。だが、ハンスが愛しているのはキララだけで、どんな女性とも、男女の仲にはなっていなかった。それを証明するために、ハンスは自分自身に、魔法をかけた」
「…………」
「キララへの想いが強かったからか、その魔法は非常に強いものとなった。彼自身の魔力が枯渇してしまうほどに。だが、ハンスは後悔していなかった。他の女性との関係がないことをキララに証明することができ、無事結ばれた」
「建国でも無くならなかった魔力が、自分自身にかけた魔法によって枯渇した……?」
「そうだ」

 レオンはティーカップを手に取り、また茶を飲んだ。ティーカップを置き、口を開く。

「それほど強い魔法だったから、その魔法が、今でも子孫に受け継がれている。直系の人間だけだがな」

 
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